アスペルガー症候群とADHDの違い【感情理解とコミュニケーション】

目次

アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群の定義

アスペルガー症候群は自閉症スペクトラム障害の一部であり、社会的交流やコミュニケーションに困難を伴う神経発達障害です。非言語的な表現の理解に難しさを示したり、特定の興味への極度の傾倒が見られたりします。

アスペルガー症候群の特徴

アスペルガー症候群の特徴としては、社会的な相互作用の困難、規則やルーチンへの固執、特定の主題や興味への強い焦点、非言語的コミュニケーションの理解の欠如などがあります。

ADHDとは何か

ADHDの定義

一方、ADHD(注意欠如・多動症)は、主に注意力の欠如、過動、衝動性を特徴とする神経発達障害です。ADHDの症状は一般的には幼少期に始まり、成人期にまで続くことが多く、学業、仕事、日常生活などに影響を及ぼします。

ADHDの特徴

ADHDの特徴としては、集中力の欠如、過度の動きや落ち着きのなさ、行動の衝動性、注意が散漫などがあります。

アスペルガー症候群とADHDの違い

主な症状の違い

アスペルガー症候群とADHDは、主な症状において明確な違いを示します。アスペルガー症候群は社会的な交流やコミュニケーションの問題が主で、非言語的な表現の理解に難しさを示したり、特定の興味への極度の傾倒が見られたりします。一方、ADHDは注意力の欠如や衝動性、過動が主な症状で、行動の制御に苦労します。

感情理解とコミュニケーションの違い

また、アスペルガー症候群の人は、他人の感情や視点を理解するのが難しく、また自分の感情を適切に表現するのも難しい傾向があります。これに対し、ADHDの人は他人の感情を理解するのに苦労することは少ないものの、注意力の欠如や衝動性のためにコミュニケーションが困難であることが多いです。

治療法の違い

また、治療法にも違いがあります。ADHDの治療は、行動療法や薬物療法など、症状を管理して生活の質を改善することに焦点を当てています。一方、アスペルガー症候群の治療は、社会的スキルの向上や特定の興味の管理など、個々の困難に対応することが中心です。

(監修/医療ジャーナリスト・三山晴子)