確定申告を毎年スムーズに行っていたパソコンを、Windows 10から最新のWindows 11へと「アップグレード(更新)」した後に、これまで通りe-Taxを使おうとしてエラーに直面するケースが非常に増えています。昨日まで動いていたカードリーダーが反応しない、あるいは申告ソフトが途中で止まってしまう……。これらはパソコンが故障したわけではなく、基本ソフト(OS)が新しくなったことで、これまで使っていた『e-Taxのための通り道』が塞がってしまったり、古いルールが新しいシステムに受け入れられなくなったりしていることが原因です。本記事では、Windows 11への更新後に起きるトラブルの正体を解き明かし、再び快適に確定申告を進めるための修復手順を詳しく解説します。
【要点】Windows 11更新後の不具合を解消し、申告機能を復活させる3つのステップ
- 「接続ソフト(ドライバ)」を最新版に入れ直す: Windows 10用の古い設定を一度消去し、最新のWindows 11に適合したカードリーダー用のソフトを導入する。
- 「事前準備セット」を再インストールする: ブラウザとマイナンバーカードを繋ぐ『橋渡し役』のソフトを、新しい環境に合わせて新調する。
- セキュリティ機能「コア分離」を確認する: Windows 11で強化された新しい守りのルールが、カードリーダーの動作を邪魔していないか点検する。
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目次
1. なぜ「アップグレード」するとe-Taxが動かなくなるのか
Windows 10から11への変更は、単なる見た目の変化ではなく、パソコンの「家そのものを建て替える」ような大きな変化です。家が新しくなると、それまで使っていた「玄関の鍵(カードリーダー)」や「廊下の通り道(専用ソフト)」が、新しい家の設計に合わなくなることがあります。特にWindows 11は、Windows 10よりもセキュリティ(安全を守る仕組み)が格段に厳しくなっています。そのため、以前は「安全だ」と認められていた古い形式のプログラムが、新しい環境では「ルール違反の古いプログラム」と見なされてしまい、動作を止められてしまうのです。これを直すには、一つひとつの部品を最新の設計図(Windows 11用)に合わせて整え直す必要があります。
2. 最初に行うべき:カードリーダーの「再定義」
まず疑うべきは、マイナンバーカードを読み取る機械そのものを動かすための「ドライバ」と呼ばれるソフトです。Windows 10で使っていたものがそのまま残っていると、Windows 11の中で「幽霊のような存在」となり、うまく通信ができなくなります。
2-1. 古いソフトの削除と導入
- カードリーダーのメーカー(ソニーやアイ・オー・データ機器など)の公式サイトへ行きます。
- 「Windows 11対応」と明記されている最新のドライバをダウンロードします。
- 一度、現在パソコンに入っている古いドライバをアンインストール(削除)し、パソコンを再起動します。
- 再起動後、ダウンロードした新しいドライバをインストールします。
この「一度消して、新しいものを入れ直す」という作業が、Windows 11という新しい家に馴染ませるために最も重要な手順となります。
3. 「事前準備セット」を最新環境に更新する
e-Taxやマイナポータルを利用するために欠かせない「事前準備セット」というソフトも、OSの更新によって設定が狂ってしまうことがあります。これも最新版に置き換えるのが得策です。
3-1. 橋渡しソフトの修復手順
- 国税庁の「確定申告書作成コーナー」にアクセスし、「事前準備セット」のダウンロードページへ進みます。
- Windows 11用のインストーラを保存し、「管理者として実行」(右クリックで選択)して起動します。
- 画面の指示に従って進め、「インストールが完了しました」と出るのを確認します。
このソフトは、ブラウザ(EdgeやChrome)とマイナンバーカードを繋ぐための「言葉の通訳」のような役割をしています。通訳者が新しいOSの言葉(Windows 11のルール)を知らないと、どれだけカードをかざしても手続きは先に進みません。
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4. 徹底比較:Windows 10と11でのe-Tax環境の違い
アップグレードによって何が変わったのか、注意すべきポイントを整理しました。
| 比較項目 | Windows 10 | Windows 11(現在) |
|---|---|---|
| 標準ブラウザ | Internet Explorerも利用可能だった | Microsoft Edgeが標準(IEモードは不要) |
| セキュリティ(コア分離) | 比較的緩やか | 非常に厳格(古いドライバを遮断する) |
| カードリーダーの認識 | 古い機種でも動きやすかった | 専用のWin11対応ソフトが必要な場合が多い |
| ブラウザ拡張機能 | 自動で引き継がれることが多い | 再設定や「有効化」が必要になることがある |
5. 意外な落とし穴:Windows 11の「コア分離」設定
すべてのソフトを最新にしても動かない場合、Windows 11から本格導入された強力な守り「コア分離(メモリ整合性)」が原因かもしれません。これが「オン」になっていると、古い設計のカードリーダーが動作を封じられてしまいます。
試してほしいこと: 画面右下の「スタート」から「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windows セキュリティ」→「デバイス セキュリティ」と進み、「コア分離の詳細」を確認してください。もし「メモリ整合性」がオンになっていてエラーが出る場合は、確定申告の間だけ一時的に「オフ」にすることで、カードリーダーが正常に認識されるようになることがあります。※作業後は安全のため「オン」に戻すことを推奨します。
6. ブラウザの「整理整頓」も忘れずに
OSが変わったことで、ブラウザ(EdgeやChrome)の中に残っていた「古いWindows時代の記憶(キャッシュやCookie)」が邪魔をして、ログインを妨げることがあります。
- 履歴の削除: ブラウザの設定から「閲覧履歴データの消去」を行い、すべての期間の「キャッシュ」と「Cookie」を掃除してください。
- 拡張機能の再確認: パズルのピースのようなマークから「マイナポータル連携サービス」などが「有効(青色のスイッチ)」になっているか確認してください。
7. 最終手段:スマートフォンの活用
どうしてもWindows 11の設定がうまくいかず、申告期限が迫っている場合は、無理にパソコンのカードリーダーを使おうとせず、「スマートフォンをリーダー代わりにする」という方法に切り替えましょう。パソコンの画面に表示されるQRコードをスマートフォンで読み取るだけで、本人確認が完了します。これなら、Windows 11特有の複雑なセキュリティ設定に悩まされることなく、確実に申告を終えることができます。
8. まとめ:新しいOSに合わせた「調整」で道は開けます
Windows 10から11へのアップグレードは、より安全で快適な環境への第一歩ですが、確定申告という特別な作業においては、少しの準備不足が大きな壁となって現れます。しかし、それは決して解決できない深刻な不具合ではありません。今回解説したように、接続ソフトを最新にし、橋渡し役を整え、必要に応じて新しいセキュリティ設定を調整してあげる。この「整理整頓」の手順を一つずつ踏んでいけば、あなたのパソコンは再び確定申告のための強力な武器へと戻ります。
機械に振り回されるのではなく、設定を自分に合わせて整えることで、ストレスなく、そして晴れやかな気持ちで最後の送信ボタンを押せることを心から願っています。落ち着いて、まずは最新のドライバを探すところから始めてみましょう。道は必ず開けます。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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