e-Taxで申告データを送信する際、あるいはメッセージボックスの閲覧を試みた際に発生するエラーコード「HJS0407Z」。このエラーは、e-Taxソフト(WEB版を含む)が国税庁のサーバーと通信を確立しようとしたものの、規定の時間内に応答がない、あるいは接続が拒絶されたことを示す「通信タイムアウト・接続失敗」のエラーです。特に、社内LANや強固なセキュリティ機能を備えたルーター、または高度なセキュリティソフトを導入している環境で頻発します。本記事では、HJS0407Zを解消するために不可欠なOS・ブラウザのネットワーク設定、およびセキュリティソフトの監視除外設定について、技術的な詳細を解説します。
【要点】エラーHJS0407Zを解消し通信を正常化するための3つの技術的アプローチ
- TLSプロトコルを「1.2」以上に固定する: 旧式の暗号化(SSL 3.0やTLS 1.0等)が優先されていると、国税庁サーバー側で安全なセッションが確立できず遮断される。
- セキュリティソフトの「HTTPSスキャン」機能を一時停止する: 通信パケットを動的に解析するソフトが、e-Taxの相互認証プロセスを「不正な通信」と誤認して遮断しているケースを排除する。
- OSのシステム時刻を正確に同期させる: サーバーとクライアント(PC)の間で証明書の有効期限を検証する際、時刻の乖離があると通信が強制終了されるため、NTPサーバーとの同期を確認する。
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目次
1. エラーコード HJS0407Z の技術的定義と発生要因
HJS0407Zは、アプリケーション層(e-Taxクライアント)がトランスポート層(TCP/IP)を通じてリモートサーバーへのハンドシェイク(接続確立)を試み、失敗した際に出力されるエラーです。このエラーが返される主な要因は以下の通りです。
1-1. 暗号化スイートの不一致
サーバー側が要求する暗号化アルゴリズム(TLS 1.2以上)に対して、クライアント側の設定が適合していない場合、セッションが確立されずタイムアウトとなります。
1-2. 中間デバイスによるパケット破棄
ファイアウォールやUTM(統合脅威管理)、あるいはプロキシサーバーが、国税庁の特定ドメインへのアクセスを「信頼できない宛先」としてパケットを破棄(ドロップ)している場合に発生します。
1-3. サーバー負荷による無応答
申告期限間際など、国税庁側のサーバーにアクセスが集中し、待機キューが満杯になった際にクライアント側でタイムアウトとして処理されます。
2. ブラウザおよびインターネットオプションの必須設定
Windows環境において、e-Taxの通信基盤は「インターネットオプション」の構成に依存します。以下の項目が正しく設定されていない場合、通信プロセスの初期段階でエラーが発生します。
2-1. TLSプロトコルの有効化手順
- 「コントロールパネル」から「インターネットオプション」を起動します。
- 「詳細設定」タブをクリックします。
- 設定リストから以下の項目を確認します。
- 「TLS 1.2 を使用する」にチェックが入っていること。
- 「TLS 1.3 を使用する」にチェックが入っていること。
- 「SSL 3.0」「TLS 1.0」「TLS 1.1」はセキュリティリスク回避のため、チェックを外すことが推奨されます。
2-2. 信頼済みサイトへのドメイン登録
- 「セキュリティ」タブを選択し、「信頼済みサイト」をクリックします。
- 「サイト」ボタンを押し、以下のドメインを登録対象に追加します。
https://*.e-tax.nta.go.jphttps://*.myna.go.jp- 「このゾーンのサイトにはすべてサーバーの確認 (https:) を必要とする」にチェックが入っていることを確認します。
3. 徹底比較:接続環境ごとの通信障害パターンの識別
利用しているネットワーク環境によって、HJS0407Zの解決策は異なります。
| ネットワーク環境 | HJS0407Z の主な要因 | 具体的な復旧アクション |
|---|---|---|
| 家庭用Wi-Fi・光回線 | セキュリティソフトのWeb監視 | ソフトの一時停止または除外設定 |
| 企業内LAN(プロキシ有) | ゲートウェイによる認証遮断 | IT部門へのドメイン許可依頼 |
| モバイルテザリング | 通信断続またはMTU不整合 | 電波状況の改善または光回線利用 |
| VPN接続環境 | パケットフラグメント(断片化) | VPNをオフにして直接接続 |
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4. セキュリティソフトによるSSL/TLSインスペクションの回避
HJS0407Zの最大の技術的要因の一つが、セキュリティソフト(ESET、ウイルスバスター、カスペルスキー等)による「SSL/TLSフィルタリング(HTTPS検査)」です。これは、暗号化通信をソフト側で一旦解読して内容を走査する機能ですが、これがe-Taxのクライアント証明書を用いた厳格な認証プロセスを破壊します。
4-1. 設定変更の推奨手順
- SSL/TLSフィルタリングを無効化: 送信時のみ、セキュリティソフトの「Web保護」設定から、暗号化通信の検査機能をオフにします。
- e-Taxソフト本体を信頼リストに追加: インストール型のe-Taxソフトを使用している場合は、
eTaxApp.exeをアプリケーション除外リストに登録します。
5. プロキシサーバー環境下での「接続設定」の構成
プロキシサーバーを経由する組織内ネットワークでは、e-TaxソフトがOSのプロキシ設定を自動継承できず、サーバーへの出口を見失うことがあります。
- e-Taxソフト(インストール版)を起動します。
- メニューバーの「オプション」>「プロキシサーバー設定」を選択します。
- 「プロキシサーバーを使用する」にチェックを入れ、組織で指定されている「アドレス」および「ポート番号」を正確に入力します。
- 認証が必要なプロキシの場合は、ユーザーIDとパスワードも入力します。
6. 意外な落とし穴:OSの時刻不整合による認証拒絶
ネットワーク自体が正常でも、パソコンの「システム時刻」が国税庁サーバーの時刻と大幅に(通常5分以上)乖離している場合、HJS0407Zに関連する通信断絶が発生します。
技術的理由: SSL/TLS通信における証明書の検証プロセスでは、タイムスタンプの整合性が厳格にチェックされます。PCの時刻がずれていると、サーバー側の有効な証明書を「未来または過去のもの」と誤認してブラウザやOSが通信を打ち切るため、結果としてタイムアウトエラーが出力されます。Windows設定の「時刻を自動的に設定する」をオンにし、即時同期を実行してください。
7. サーバーサイドの状況確認(障害・メンテナンス)
クライアント側の設定をすべて修正しても解決しない場合は、国税庁側のインフラ状況を確認する必要があります。
- e-Tax公式サイトの「重要なお知らせ」: サーバーダウンやメンテナンスの情報が掲示されていないか確認します。
- 送信負荷の分散: 23時台や申告最終日の日中など、ピークタイムを避けて早朝や深夜1時以降に再試行することで、サーバー応答速度が改善し、HJS0407Zが解消されるケースが多く報告されています。
8. まとめ:レイヤーごとの「通信の壁」を排除する
HJS0407Zは、e-Taxというデジタル窓口へ至るネットワーク上のどこかに「壁」が存在することを示唆しています。その壁は、暗号化プロトコルの不一致という「設定の壁」であったり、セキュリティソフトによる「監視の壁」であったり、あるいは時刻のズレという「信頼性の壁」であったりします。
まずはインターネットオプションのTLS設定を点検し、次にセキュリティソフトの介入を最小限に抑え、最後にPC自体の基本設定(時刻・プロキシ)を精査する。この階層的なトラブルシューティングにより、通信の不整合は確実に解消されます。安定したネットワーク経路を確立した上で、確実な申告データの送信を完遂してください。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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