確定申告の時期、パソコンで申告書を作成している際に必要となるマイナンバーカードの読み取り。専用のICカードリーダライタを持っていない場合、お持ちのスマートフォンをリーダ代わりにする機能は非常に便利です。しかし、いざパソコンとスマートフォンを繋ごうとしても、「スマートフォンが一覧に表示されない」「ペアリングに失敗したと出る」「接続がすぐに切れてしまう」といったBluetooth接続のトラブルに悩まされる方が後を絶ちません。この接続設定は、単に機械を近づけるだけでなく、パソコンとスマートフォンの両方で正しい「合図」を送り合う必要があるため、どこか一つの設定が漏れているだけで動かなくなってしまいます。本記事では、Bluetoothによるペアリングがうまくいかない原因を突き止め、確実に接続を成功させて手続きを進めるための手順を詳しく解説します。
【要点】Bluetooth接続を成功させ、マイナンバーカードを読み取るための3つの鍵
- 過去の接続情報をリセットする: 不安定な原因となる「古いペアリング情報」を一度パソコンとスマホの両方から完全に消去し、真っさらな状態でやり直す。
- パソコンの「検出許可」を確認する: パソコン側が外部からの接続を受け入れる状態になっているか、Bluetoothの詳細設定を見直す。
- 正しい「ペアリングコード」の照合: 画面に表示される数字が一致しているかを確認し、制限時間内に素早く認証を完了させる。
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目次
1. スマートフォンをリーダにする「Bluetooth接続」の仕組み
パソコンで確定申告を行う際、スマートフォンをICカードリーダとして使うためには、パソコンとスマートフォンの間で情報をやり取りするための専用の「通り道」を作る必要があります。これが「ペアリング」と呼ばれる作業です。Bluetoothという無線通信を利用して、パソコン側がスマートフォンを「信頼できる装置」として登録することで、スマートフォンのカメラや読み取りセンサーが、パソコンの確定申告ソフトの一部として機能するようになります。しかし、この無線通信は周囲の電波状況や、以前の古い設定の残りカス、さらにはスマートフォンの省電力機能などによって非常に不安定になりやすい性質を持っています。接続がうまくいかないときは、まずこの「通り道」がどこで塞がっているのかを順を追って確認していくことが重要です。
2. 物理的な準備:電波とバッテリーの確認
設定をいじる前に、まずは通信を安定させるための基本的な環境を整えましょう。意外とここを見落としているために、どれだけ設定を変えても繋がらないというケースが多いのです。
2-1. 距離と障害物の排除
Bluetoothの電波はそれほど強くありません。パソコンとスマートフォンの距離は30センチ以内、理想的にはすぐ隣に置いて作業してください。間に厚い壁や金属製の物、あるいは電子レンジやWi-Fiルーターなどの電波を発する機器が近くにあると、接続が妨げられることがあります。また、スマートフォンのケースが金属製であったり、非常に厚かったりする場合も、一度外して試してみることをお勧めします。
2-2. バッテリーと省電力モード
スマートフォンが「低電力モード」や「バッテリーセーバー」になっていると、通信機能を弱めてしまうことがあります。確定申告の作業中は、スマートフォンの充電を十分に行い、省電力設定を一時的に解除しておいてください。また、パソコン側もノートパソコンの場合は、電源アダプタを繋いだ状態で作業する方がBluetoothの動作が安定します。
3. パソコン側の「Bluetooth設定」を正しく見直す
次に、パソコン側がスマートフォンを受け入れられる状態になっているかを確認します。Windowsの設定画面で、以下の項目をチェックしてください。
3-1. Bluetoothが「オン」になっているか
- 「スタート」ボタンから「設定(歯車のアイコン)」を開きます。
- 「デバイス(またはBluetoothとデバイス)」をクリックします。
- 一番上のBluetoothのスイッチが「オン」になっていることを確認します。
3-2. デバイスの検出許可を確認する
Bluetoothがオンでも、パソコンが「周囲の装置から見えない設定」になっているとスマートフォン側から見つけることができません。
- Bluetooth設定画面にある「その他のBluetooth設定(または詳細なBluetooth設定)」をクリックします。
- 「Bluetoothデバイスによる、このPCの検出を許可する」という項目にチェックが入っているかを確認してください。
このチェックが入っていないと、いくらスマートフォンで検索しても、パソコンの名前が候補に出てきません。
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4. 失敗の最大原因「古いペアリング情報」の消去
「以前は繋がったのに、今年はダメだ」「一度失敗してからずっと繋がらない」という場合、パソコンやスマートフォンの中に残っている「中途半端な接続情報」が邪魔をしています。これを完全に消去するのが、最も効果的な解決策です。
4-1. パソコンから削除する
Bluetoothの設定画面に、以前繋ごうとしたスマートフォンの名前が残っていませんか? その名前の横にある「デバイスの削除(または削除)」をクリックして、一度一覧から完全に消してください。
4-2. スマートフォンから削除する
スマートフォン側のBluetooth設定画面も開き、パソコンの名前(DESKTOP-XXXXなど)を探します。その横のマークを押し、「このデバイスとのペアリングを解除(または忘れる)」を実行してください。
重要: 両方の端末から情報を消すことがポイントです。片方にだけ古い情報が残っていると、新しい接続を試みても「既にある情報と違う」とシステムが判断してしまい、エラーになります。
5. 徹底比較:接続トラブルの症状と具体的な解消手順
現在の状況に合わせて、どの対処を行うべきかをまとめた表です。
| 現在の不具合の症状 | 主な原因 | 試すべき解決策 |
|---|---|---|
| PC側でスマホが見つからない | スマホのBluetoothがオフ、または未公開設定 | スマホのBluetoothをオンにし、設定画面を開いたままにする |
| 「ペアリングに失敗」と出る | 古い接続情報との衝突(コンフリクト) | PCとスマホ両方の設定画面からデバイスを削除してやり直す |
| ペアリングコードが出ない | 通知がブロックされている、またはタイムアウト | スマホの通知許可を確認し、画面が暗くなる前に操作する |
| 接続がすぐに切れてしまう | バッテリー節約機能や電波の干渉 | スマホの省電力モードをオフにし、PCの近くに置く |
6. スマートフォン側の「アプリ権限」とBluetooth
意外と忘れがちなのが、マイナンバーカードを読み取るためのアプリ(マイナポータルアプリなど)に、Bluetoothの使用が許可されているかどうかです。設定でBluetoothそのものがオンでも、アプリがそれを使う許可を貰っていないと通信ができません。
6-1. アプリの設定確認(iPhone/Android共通)
- スマートフォンの「設定」アプリを開き、インストールされているアプリ一覧から「マイナポータル」(またはe-Tax用アプリ)を探します。
- そのアプリの個別設定画面で、「Bluetooth」という項目があれば、それがオンになっているかを確認してください。
- また、位置情報の設定がオフだとBluetoothが機能しない機種もあるため、念のため「位置情報の使用」も許可しておくと安心です。
7. 正しい「ペアリング手順」の再実行フロー
すべての掃除と確認が終わったら、以下の手順で慎重にペアリングをやり直してください。
- パソコンのBluetooth設定画面で「デバイスを追加する」を選択します。
- スマートフォンのBluetooth設定画面を開き、そのまま画面を閉じずに待ちます(多くのスマホは、設定画面を開いている間だけ周囲から見えるようになります)。
- パソコン側にスマートフォンの名前が出たらクリックします。
- パソコンとスマートフォンの両方の画面に同じ6桁の数字が表示されるので、両方で「ペアリング」や「接続」のボタンを素早く押します。
この「両方でボタンを押す」という作業が数秒遅れるだけで、セキュリティの制限により失敗扱いとなります。両方の端末を目の前に並べて、一気に操作するのが成功のコツです。
8. どうしてもBluetoothが繋がらない時の代替案
残念ながら、パソコンやスマートフォンの機種の相性によっては、どうしてもBluetooth接続が安定しない場合があります。その状況で何時間も悩むのは非常にもったいないことです。確定申告を終わらせることを優先し、以下の別の方法に切り替えることも検討しましょう。
8-1. QRコード読み取り方式への切り替え
最近のマイナポータルやe-Taxでは、Bluetoothで常にペアリングしておく必要のない「QRコード読み取り」によるログイン方法が主流になっています。これならBluetoothの設定に煩わされることなく、画面の指示に従ってスマホのカメラでQRコードを写すだけで本人確認が完了します。Bluetoothで詰まったら、迷わずこの方法を試してみてください。
8-2. 市販のICカードリーダライタ(有線)の利用
来年以降も自宅で申告を続ける予定であれば、2,000円〜3,000円程度で販売されているUSB接続の専用リーダライタを購入してしまうのも一つの手です。有線接続は無線のような設定の不安定さがほとんどなく、差し込むだけで確実に動作するため、パソコン作業に自信がない方ほど、実は専用の機械を使う方がストレスなく手続きを終えられます。
9. まとめ:一つずつ「通り道」を整えれば繋がります
スマートフォンをカードリーダ代わりにするためのBluetooth接続。うまくいかない時は、目に見えない無線の世界で何らかの行き違いが起きているだけです。まずは距離を縮め、過去の情報を一旦白紙に戻し、お互いの端末が「見つけ合える」状態を整えてあげてください。
確定申告という大切な手続きの入り口で、機械の不調に悩まされるのはとても辛いことだと思います。ですが、この記事で紹介した「ペアリングの解除」と「再設定」という基本の手順を落ち着いて行えば、多くのトラブルは解決へと向かいます。もしそれでもダメな時は、QRコード方式という便利な抜け道もあります。大切なのは、道具の設定にこだわりすぎず、あなたの申告を無事に期限内に終わらせることです。リラックスして、もう一度設定画面を覗いてみてください。きっと今度は、パソコンとスマートフォンが手を取り合って、あなたの手続きを支えてくれるはずです。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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