確定申告の手続きを自宅で進める際、避けては通れないのがマイナンバーカードの読み取り作業です。パソコンにICカードリーダライタを接続し、いざログインしようとしてもエラーが出てしまう……。そんな時、解決のヒントを探すために「自己診断ツール」を実行したところ、非情にも『NG』という赤い文字が表示されてしまい、どうしていいか分からず途方に暮れている方も多いのではないでしょうか。自己診断での『NG』は、必ずしも機械が壊れていることを意味するわけではありません。多くの場合、パソコンの設定、カードの向き、あるいはソフトウェアの不具合など、何らかの『ボタンの掛け違い』が起きているサインです。本記事では、診断結果で『NG』が出てしまった時の具体的な解決手順と、どこに本当の原因があるのかを見極める「故障切り分け法」を詳しく解説します。
【要点】自己診断の『NG』を解消し、読み取りを正常化するための3つの点検ステップ
- 診断項目のどこが『NG』かを確認する: リーダライタ自体なのか、それとも中のカードなのか、エラーの発生場所を特定する。
- 物理的な接続環境をリセットする: USBポートの変更やカードの清掃を行い、通信の邪魔をしている物理的な要因を取り除く。
- 専用ソフト(JPKI)の動作環境を整え直す: 読み取りの基礎となるソフトウェアの設定を一度見直し、パソコンに正しい動きを思い出させる。
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目次
1. 導入:自己診断ツールの『NG』が教えてくれること
確定申告で使う「公的個人認証サービス(JPKI)利用者クライアントソフト」や、メーカーが提供する診断ツールは、私たちの目に見えないパソコン内部の通信状態をチェックしてくれる、いわば「お医者さん」のような存在です。診断結果で『NG』が出るということは、単に「動かない」と言っているのではなく、「ここまでの通信は成功したけれど、その先で返事が返ってきません」という具体的な詰まり場所を教えてくれています。多くのユーザーがここで「機械を買い直さないとダメか」と焦ってしまいますが、実はほんの少しの設定変更や掃除だけで、あっさりと『OK』に変わることが非常に多いのです。まずは落ち着いて、診断画面のどの項目にバツ印がついているかを観察することから始めましょう。
2. 最初に行うべき「30秒でできる」物理チェック
診断ツールをいじる前に、まずは誰でもできる簡単な物理的な点検を行います。驚くことに、これだけで解決するケースが全体の半数近くを占めています。
2-1. カードの向きを再確認する
ICカードリーダライタによって、カードを「差し込むタイプ」と「置くタイプ」があります。最も多いミスは、カードの裏表を逆にしている、あるいは前後を逆にしているケースです。マイナンバーカードは金色のチップ(端子)がついている面が重要です。多くのリーダライタではチップが見えるようにセットする、あるいはチップを下に向けて置くといった決まりがあります。診断で『カードとの通信に失敗しました』と出る場合は、まず一度カードを抜いて、逆の向きで試してみてください。
2-2. USBポートを「本体直結」に変える
パソコンの横に繋げているUSBハブ(複数の差し込み口があるもの)を通していると、リーダライタが動くために必要な電力が十分に届かないことがあります。これにより、診断では『リーダライタが見つかりません』といったNGが出やすくなります。一旦ハブを外し、パソコン本体のUSBポートに直接、しっかりと差し込んでください。
3. 診断項目の種類と「犯人探し」の方法
公的個人認証サービスの診断ツールを実行すると、いくつかの項目が表示されます。どこが『NG』になるかによって、対処法が全く異なります。
3-1. 「ICカードリーダライタ基本動作」がNGの場合
これは、パソコンが「読み取り機そのもの」を認識できていない状態です。原因は機械の故障、あるいはドライバと呼ばれる専用ソフトの不具合です。USBを差し直しても直らない場合は、メーカーの公式サイトから最新のドライバを入れ直す必要があります。
3-2. 「ICカードとの通信」がNGの場合
機械(リーダライタ)は認識されていますが、その上に置かれた「カード」と会話ができていない状態です。前述した向きの間違い、チップの汚れ、あるいはカード自体の故障が疑われます。
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4. 徹底比較:『NG』の症状別・解決アクション一覧
診断結果に合わせて、今すぐ試すべき操作を整理しました。
| 診断結果の表示 | 考えられる不調の原因 | 解決のための最初の手順 |
|---|---|---|
| ICカードリーダライタが見つかりません | 接続不良、または電力が足りていない | USBハブを外し、パソコン本体の別の口に差し直す |
| ICカードを認識できません | カードの向きが逆、または端子の汚れ | カードを拭いて向きを変え、深く差し込み直す |
| スマートカードサービスが停止中 | パソコン内部の「読み取りスイッチ」がオフ | パソコンを再起動するか、「サービス」の設定を見直す |
| 証明書が読み取れません | 電子証明書の有効期限切れ | カードの表面ではなく、電子証明書の期限を確認する |
5. JPKI利用者クライアントソフトの「修復」手順
機械に問題がないのに『NG』が出る場合、パソコン内の読み取りソフト(JPKI)が混乱している可能性があります。一度、設定を「教え直す」作業が必要です。
5-1. 利用するリーダライタを再設定する
- JPKI利用者クライアントソフトを起動します。
- 「動作確認」ではなく「オプション」から「利用するICカードリーダライタの設定」を選択します。
- 「PC/SC」にチェックが入っていることを確認し、お使いのリーダライタの製品名がリストから選ばれているかをチェックしてください。
- もし「自動検出」になっていて失敗する場合は、手動で製品名を直接選んで「OK」を押します。
この「指名」を行うことで、パソコンはどの口を使ってカードを探せばいいのか確信が持てるようになり、NGがOKに変わることがあります。
6. 意外な落とし穴:カードの「チップの汚れ」
長い間財布に入れていると、マイナンバーカードの金色のチップ部分には目に見えない手の脂や埃がこびりつきます。これが絶縁体のようになり、電気の通りを遮断してしまいます。
やってみてほしいこと: 柔らかい布(メガネ拭きなど)や乾いた綿棒で、金色のチップ部分を優しく磨いてみてください。これだけで、それまで『NG』だった診断が一瞬で『OK』に変わる瞬間を何度も見てきました。水洗いや洗剤は故障の原因になるため、必ず乾いた状態で拭くようにしましょう。
7. どうしても『OK』にならない時の代替案
診断ツールと格闘して1時間以上経っても解決しない場合、その環境で頑張り続けるのは、確定申告の期限が迫る中で非常にリスクが高いと言えます。機械の相性や、OSの深い部分での不具合は、プロでも直すのに時間がかかることがあるからです。
7-1. スマートフォンをリーダー代わりにする
もしマイナンバーカード対応のスマートフォンをお持ちなら、今のパソコンの作業はそのままで、カードの読み取りだけをスマートフォンに行わせる「スマホ連携」という機能が使えます。高価なリーダライタを買い直す前に、まずはスマートフォンを使ってログインができるかを試してみてください。こちらは無線でのやり取りになるため、USB接続のトラブルから一気に解放されます。
7-2. ID・パスワード方式への切り替え
最終手段として、マイナンバーカードを使わない「ID・パスワード方式」での申告に切り替えることも検討しましょう。事前に税務署へ一度足を運ぶ必要がありますが、一度発行してしまえば、カードリーダーの『NG』に悩まされることなく、スムーズに送信ができるようになります。
8. まとめ:『NG』は解決への道しるべです
自己診断の結果に『NG』と出ると、冷たく突き放されたような気分になりますが、それはパソコンがあなたに「ここを直せば動けますよ」と一生懸命に伝えているメッセージです。向きが違うのか、電力が足りないのか、それともチップが汚れているのか。一つひとつの可能性をこの記事の手順に沿って潰していけば、きっと『OK』の文字に出会えるはずです。
確定申告という大切な手続きを前に、機械の不調に振り回されるのは本当にもどかしいことだと思います。ですが、一つひとつの設定を整え、丁寧に向き合えば、システムは必ず答えてくれます。無事に診断をパスし、あなたの申告書が滞りなく送信されることを心から応援しています。リラックスして、もう一度USBを差し込み、カードをそっとセットしてみてください。今度はきっと、うまくいきます。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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