管理者権限でアプリケーションを実行すると、ネットワーク上の記憶装置、例えば共有フォルダやマップされたネットワークドライブが認識されないことがあります。
これは、Windowsのユーザーアカウント制御UACが原因で、標準ユーザーと管理者ユーザーのセッショントークンが分離されているために発生する現象です。
この記事では、この問題を解決するためのレジストリ設定と、その手順を詳しく解説します。
【要点】管理者権限でネットワークドライブを認識させるためのレジストリ設定
- レジストリのバックアップ: 万が一の事態に備え、レジストリを安全な場所にエクスポートして保存します。
- EnableLinkedConnectionsレジストリ値の追加: UACによるセッショントークン分離を調整し、管理者権限のプロセスからネットワークドライブが見えるように設定します。
- PCの再起動: レジストリの変更をシステム全体に反映させるために、PCを再起動します。
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目次
管理者権限でネットワーク上の記憶装置が認識されない根本的な原因
Windowsでは、セキュリティを強化するためにユーザーアカウント制御UACと呼ばれる仕組みが導入されています。
UACは、管理者権限を持つユーザーがアプリケーションを実行する際、既定では標準ユーザー権限で起動させます。
このとき、管理者権限のアプリケーションと標準ユーザー権限のアプリケーションは、それぞれ異なるセッショントークン、つまり実行環境の識別子を持っています。
標準ユーザー権限でマップされたネットワークドライブは、そのセッショントークンに関連付けられています。
そのため、管理者権限で実行されたアプリケーションは、異なるセッショントークンを持つため、標準ユーザー権限でマップされたネットワークドライブを認識できないのです。
この問題は、Windows 11とWindows 10のどちらでも同様に発生します。
ネットワーク上の記憶装置認識問題を修正する手順
この問題を解決するには、レジストリに特定の値を設定し、UACの動作を調整する必要があります。
レジストリの編集はシステムに影響を与える可能性があるため、必ず事前にバックアップを取ってください。
レジストリのバックアップ手順
- レジストリエディターを開く
Windowsの検索ボックスに「regedit」と入力し、「レジストリエディター」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。 - レジストリ全体をエクスポートする
レジストリエディターのメニューバーから「ファイル」を選択し、「エクスポート」をクリックします。 - バックアップファイルを保存する
保存場所とファイル名を指定し、「保存」ボタンをクリックします。例えば、「Registry_Backup_YYYYMMDD.reg」のような分かりやすい名前を推奨します。
EnableLinkedConnectionsレジストリ値の追加手順
- レジストリエディターを開く
Windowsの検索ボックスに「regedit」と入力し、「レジストリエディター」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。 - 指定のパスへ移動する
レジストリエディターのアドレスバーに「Computer\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System」と入力し、Enterキーを押します。 - 新しいDWORD値を作成する
Systemフォルダを選択した状態で、右側の空白領域を右クリックし、「新規」から「DWORD 32ビット値」を選択します。 - 値の名前を設定する
作成された新しい値の名前を「EnableLinkedConnections」と入力し、Enterキーを押します。 - 値のデータを設定する
「EnableLinkedConnections」をダブルクリックし、「値のデータ」を「1」に設定して「OK」をクリックします。 - PCを再起動する
レジストリの変更を有効にするため、PCを再起動します。
レジストリ編集時の注意点とその他の対処法
レジストリの編集は慎重に行う必要があります。誤った設定はシステムに不安定さをもたらす可能性があるため、手順を正確に実行してください。
レジストリ編集後の再起動を忘れてしまう
レジストリの変更は、PCを再起動するまで完全に適用されない場合があります。
レジストリ値を変更した後は、必ずPCを再起動してください。再起動しないと、設定が反映されず、問題が解決しないように見えることがあります。
レジストリ値の設定ミスで問題が解決しない
「EnableLinkedConnections」の値が正しく設定されていない可能性があります。
レジストリエディターを再度開き、以下の点を確認してください。
- パスの確認: 「Computer\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System」に移動しているか確認します。
- 値の種類の確認: 「EnableLinkedConnections」が「REG_DWORD」タイプになっているか確認します。
- 値のデータの確認: 「EnableLinkedConnections」の「値のデータ」が「1」になっているか確認します。
特定のアプリケーションのみで問題が発生する場合
レジストリ設定がうまくいかない場合や、特定のアプリケーションのみで問題が起こる場合は、アプリケーション側の設定や代替手段を検討してください。
例えば、管理者権限で実行するバッチファイル内で、改めてネットワークドライブをマッピングするコマンドを実行する方法があります。
net use Z: \\サーバー名\共有フォルダ名 のようなコマンドをバッチファイルに記述し、そのバッチファイルを管理者として実行することで、管理者権限のセッションでもネットワークドライブが利用可能になります。
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レジストリ編集とバッチファイルによるマッピングの比較
管理者権限でネットワークドライブを認識させる方法には、主にレジストリ編集とバッチファイルによるマッピングがあります。
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、状況に応じて適切な方法を選択してください。
| 項目 | レジストリ編集(EnableLinkedConnections) | バッチファイルによるマッピング |
|---|---|---|
| 適用範囲 | システム全体に適用される | バッチファイルを実行したセッションのみに適用される |
| 永続性 | 一度設定すれば永続的に効果が持続する | PCを再起動するとマッピングが解除される場合がある |
| 設定の手間 | レジストリエディターでの手動設定が必要 | バッチファイル作成と、実行時の管理者権限昇格が必要 |
| 影響範囲 | UACの動作に影響を与える | 特定のマッピング操作に限定される |
| 推奨状況 | 複数の管理者権限アプリで常にネットワークドライブが必要な場合 | 特定のアプリや一時的に管理者権限でネットワークドライブが必要な場合 |
この比較表を参考に、ご自身の環境や利用状況に合った解決策を選んでください。
この記事で解説したレジストリ設定を行うことで、管理者権限で実行するアプリケーションからネットワーク上の記憶装置が認識されるようになります。
これにより、業務アプリケーションの利用やファイルアクセスがスムーズになり、作業効率の向上が期待できます。
もし問題が解決しない場合は、バッチファイルによるマッピングも試すことができます。
今回設定したEnableLinkedConnectionsレジストリ値は、管理者権限でのファイルアクセスを円滑にする上で重要な設定です。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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