Windows環境でLinuxコマンドを使いたいものの、専用のLinuxマシンを用意できないと困っているビジネスマンは多いでしょう。
Windows Subsystem for Linux、略してWSLという機能を使えば、Windowsのコマンド入力画面から直接Linuxの命令を実行できます。
この記事では、WSLの導入からLinuxコマンドを実行するまでの具体的な手順を解説し、あなたの業務効率向上を支援します。
【要点】WSLを導入してWindowsでLinuxコマンドを使う
- WSL機能の有効化: Windowsの標準機能であるWSLをシステムに導入します。
- Linuxディストリビューションのインストール: Microsoft Storeから好みのLinux環境を選択して利用可能にします。
- Linuxコマンドの直接実行: PowerShellやコマンドプロンプトからLinuxの命令を直接実行できるようになります。
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目次
Windows Subsystem for Linux WSLの概要とメリット
Windows Subsystem for Linux、WSLは、Windows上でLinux環境をネイティブに実行できる互換レイヤーです。
仮想マシンとは異なり、OSカーネルの仮想化ではなくシステムコールを変換するため、高速な動作が特徴です。
開発者やシステム管理者にとって、WindowsとLinuxの両方のツールをシームレスに使える大きなメリットがあります。
WSLを利用することで、Windows環境を離れることなくLinuxの強力なコマンドラインツールやアプリケーションを活用できます。
前提として、Windows 11またはWindows 10の64ビット版が動作している必要があります。
また、PCの仮想化機能がBIOSまたはUEFI設定で有効になっていることも重要です。
WSL2の導入要件
WSLにはWSL1とWSL2のバージョンがあります。
現在の標準はWSL2であり、より高い互換性とパフォーマンスを提供します。
WSL2を利用するには、Windows 11のすべてのバージョン、またはWindows 10バージョン1903以降とビルド18362以降が必要です。
また、仮想マシンプラットフォーム機能が有効になっている必要があります。
これらの要件を満たしているか、事前に確認しておきましょう。
Windows Subsystem for Linuxの導入と設定手順
ここでは、WSLをWindowsに導入し、Linuxディストリビューションをインストールして実際にコマンドを実行するまでの手順を解説します。
Windows 11を基準に説明しますが、Windows 10でも同様の操作で進められます。
WSL機能の有効化とLinuxディストリビューションのインストール
- PowerShellの起動
スタートボタンを右クリックし、「ターミナル 管理者」または「Windows PowerShell 管理者」を選択します。ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されたら「はい」をクリックして許可します。 - WSLのインストールコマンド実行
開いたPowerShellウィンドウで、次のコマンドを入力してEnterキーを押します。wsl --install
このコマンドは、必要なWSL機能の有効化、仮想マシンプラットフォームのインストール、そしてデフォルトのUbuntuディストリビューションのダウンロードとインストールを一括で行います。 - PCの再起動
インストールが完了すると、PCの再起動を促されます。表示されたメッセージに従い、PCを再起動してください。 - Linuxユーザーアカウントの設定
PCが再起動すると、インストールしたLinuxディストリビューションのウィンドウが自動的に開き、ユーザー名の入力が求められます。任意のユーザー名を入力し、Enterキーを押します。
次に、そのユーザーのパスワードを2回入力します。パスワードは入力時に画面に表示されませんが、正しく入力されているので心配ありません。
追加のLinuxディストリビューションをインストールする手順
デフォルトのUbuntu以外のLinuxディストリビューションを利用したい場合は、次の手順でインストールできます。
- 利用可能なディストリビューションの確認
PowerShellまたはコマンドプロンプトを開き、次のコマンドを入力してEnterキーを押します。wsl --list --online
これにより、Microsoft Storeで利用可能なLinuxディストリビューションの一覧が表示されます。 - ディストリビューションのインストール
インストールしたいディストリビューションの「NAME」列に表示されている名前を使い、次のコマンドを実行します。
例えば、Debianをインストールする場合は、wsl --install -d Debianと入力してEnterキーを押します。
インストールが完了したら、初回起動時にユーザー名とパスワードを設定します。
Linuxコマンドの実行
WSLとLinuxディストリビューションのセットアップが完了したら、Windowsのコマンド入力画面から直接Linuxコマンドを実行できます。
- Linuxシェルへのアクセス
PowerShellまたはコマンドプロンプトを開き、wslと入力してEnterキーを押します。これにより、デフォルトのLinuxディストリビューションのシェルに直接入ることができます。
シェル内で、通常のLinuxコマンド(例:ls -la、pwd)を実行できます。 - 特定のLinuxコマンドの直接実行
Linuxシェルに入らずに、単一のLinuxコマンドを実行することも可能です。
PowerShellまたはコマンドプロンプトで、wsl <Linuxコマンド>の形式で入力します。
例:wsl ls -la /mnt/c/Users
このコマンドは、WindowsのCドライブのUsersフォルダの内容をLinuxのlsコマンドで表示します。 - Windowsファイルシステムへのアクセス
Linux側からWindowsのファイルシステムにアクセスする場合、Windowsのドライブは/mnt/c/、/mnt/d/のようにマウントされています。
例えば、WindowsのCドライブにあるユーザーフォルダは/mnt/c/Users/<Windowsユーザー名>となります。
逆に、WindowsのエクスプローラーからLinuxのファイルにアクセスするには、エクスプローラーのアドレスバーに\wsl.localhostと入力すると、インストールされているディストリビューションが表示されます。
WSL使用時の注意点とよくある問題
WSLの導入や利用中に発生しやすい問題と、その対処法について説明します。
`wsl –install` コマンドが見つからない場合
このエラーは、Windows 10の古いバージョンを使用しているか、WSL2の前提条件が満たされていない場合に発生することがあります。
- Windows Updateの実行
まず、Windowsを最新の状態に更新してください。「設定」アプリを開き、「Windows Update」に進み、利用可能な更新プログラムをすべて適用します。 - 手動でのWSL機能有効化
更新後も問題が解決しない場合、またはWindows 10の古いバージョンでWSL1を導入したい場合は、手動で機能を有効にします。
スタートボタンを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。optionalfeaturesと入力してEnterキーを押します。
「Windowsの機能の有効化または無効化」ウィンドウが開きます。「仮想マシンプラットフォーム」と「Windows Subsystem for Linux」のチェックボックスをオンにして「OK」をクリックします。
PCの再起動を求められたら再起動します。
Linuxディストリビューションのインストールができない場合
Microsoft Storeからディストリビューションをダウンロードできない場合、ネットワーク接続や企業ネットワークのポリシーが原因である可能性があります。
- インターネット接続の確認
PCが正常にインターネットに接続されているか確認します。Webブラウザで複数のサイトにアクセスできるか試してください。 - Microsoft Storeのキャッシュクリア
スタートボタンを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。wsreset.exeと入力してEnterキーを押します。これによりMicrosoft Storeのキャッシュがクリアされ、問題が解決する場合があります。 - 企業ネットワークポリシーの確認
企業ネットワーク環境下では、セキュリティポリシーによりMicrosoft Storeへのアクセスや特定のダウンロードが制限されていることがあります。IT管理者に相談し、必要なアクセス許可を得るか、代替のインストール方法がないか確認してください。
WindowsとLinux間でファイルアクセスができない
WindowsとWSLの間でファイルをやり取りする際に、パスの指定方法を誤ることがよくあります。
- Linux側からWindowsファイルへのアクセス
Linuxシェル内からWindowsのCドライブにアクセスする場合は、/mnt/c/のパスを使用します。
例えば、Windowsのドキュメントフォルダは/mnt/c/Users/<Windowsユーザー名>/Documentsとなります。 - Windows側からLinuxファイルへのアクセス
WindowsのエクスプローラーからLinuxのファイルにアクセスする場合は、アドレスバーに\wsl.localhostと入力してEnterキーを押します。
すると、インストールされているLinuxディストリビューションのフォルダが表示され、その中のファイルにアクセスできます。
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WSLと従来の仮想マシンの比較
WSLとVirtualBoxやVMwareなどの従来の仮想マシン技術には、それぞれ異なる特徴があります。
利用目的によって最適な選択肢が変わるため、比較表で確認しましょう。
| 項目 | WSL | 従来の仮想マシン |
|---|---|---|
| リソース消費 | 比較的低い | 比較的高い |
| 起動速度 | 高速 | 低速 |
| Windowsとの統合 | 高い | 低い |
| GUIサポート | WSLgで限定的にサポート | フルサポート |
| 用途 | 開発、スクリプト実行、コマンドラインツール利用 | 完全なOS環境、サーバー構築、異なるOSテスト |
まとめ
この記事では、Windows環境でLinuxコマンドを直接実行するためのWSLの導入から設定、そして基本的な使い方までを詳しく解説しました。
WSLを活用することで、開発作業の効率化やシステム管理の柔軟性が大きく向上するでしょう。
今回紹介した手順を参考に、ぜひあなたのWindows環境にWSLを導入し、Linuxの強力な機能を活用してください。
さらに、Docker DesktopとWSL2を連携させることで、コンテナ技術をWindows上で効率的に利用することも可能です。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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