【iPhone】Wi-Fiが頻繁に切れる・繋がらない時の最終手段「ネットワーク設定のリセット」手順

Wi-Fiのパスワードは合っているのに繋がらない、移動中にモバイルデータ通信への切り替えがうまくいかない、Bluetooth機器との接続が頻繁に途切れる……。こうした通信関連の不具合が、再起動や機内モードのオンオフを試しても直らない場合、iPhone内部の通信情報の「交通整理」が追いついていない可能性があります。通信に関わる全ての設定を一度工場出荷状態に戻す『ネットワーク設定のリセット』は、物理的な故障を疑う前に試すべき最後の切り札です。その具体的な手順と、実行前に必ず確認しておくべき注意点を詳説します。

1. ネットワーク設定のリセットで「消えるもの」と「残るもの」

「リセット」という言葉に恐怖を感じる必要はありません。写真やアプリ、連絡先などの個人データが消えることはありませんが、通信に関わる「記憶」だけは全て消去されます。実行前に、以下のリストを必ず確認してください。

消去されるデータ

• 保存されている全てのWi-Fiパスワード(再入力が必要になります)。
• Bluetooth機器のペアリング情報(ワイヤレスイヤホン等の再登録が必要です)。
• VPNの設定情報。
• テザリング(インターネット共有)の設定。

維持されるデータ

• 写真、動画、音楽、メール、アプリの中身。
• モバイル通信契約の情報(SIMカードの情報はそのままです)。

2. 解決手順:ネットワーク設定リセットの実行方法

iOS 15以降と、それ以前のバージョンではメニューの場所が異なります。ここでは現在の主流であるiOS 15以降の手順を解説します。

1. [設定] > [一般] を開きます。
2. 一番下までスクロールし、[転送またはiPhoneをリセット] をタップします。
3. 画面下の [リセット] をタップします。
   
   ※ここで「すべてのコンテンツと設定を消去」を選ばないよう注意してください。
4. メニューから [ネットワーク設定をリセット] を選択します。
5. iPhoneのパスコードを入力します。
6. 確認画面で再び赤い文字の [ネットワーク設定をリセット] をタップします。

iPhoneが自動で再起動し、Appleロゴが表示されればリセット完了です。

3. なぜリセットで通信不具合が直るのか?

iPhoneは接続したWi-FiスポットやBluetooth機器との「相性(設定ログ)」を内部に蓄積し続けます。OSのアップデートや長期間の使用によって、このログの中に古い情報や破損したデータが混じると、新しい接続を邪魔することがあります。リセットは、この「こんがらがった糸」を一気に断ち切り、まっさらな状態から通信を再構築させるため、ソフトウェア由来の不具合に対して極めて高い解決率を誇るのです。

4. リセット後にまずやるべき2つのこと

リセットが完了したら、生活に必要な通信環境を復旧させましょう。

優先順位	作業内容	理由
1	自宅のWi-Fiへの再接続	ギガ(モバイル通信量)の無駄使いを防ぐため最優先です。
2	Bluetoothの再ペアリング	イヤホンやApple Watchが使えないと不便なため、時間がある時に行います。

5. まとめ:修理を依頼する前の「最終確認」として

「ネットワーク設定のリセット」は、通信環境のデトックスです。Wi-Fiパスワードを入れ直す手間はかかりますが、それだけで何日も悩んでいた通信トラブルが解消されるメリットは計り知れません。もし、このリセットを行っても不具合が継続する場合は、アンテナなどの「物理的な故障」の可能性が極めて濃厚です。Appleサポートへの相談や修理の予約をする前に、この手順を完了させておくことで、診断もスムーズに進みます。