確定申告書をe-Taxで送信する最終段階で、多くの人を悩ませるのが「署名用電子証明書」のパスワード入力です。このパスワードは英字(大文字)と数字を組み合わせた6文字から16文字という複雑な設定が必要なため、一年前に入力した内容を忘れてしまい、入力を5回連続で間違えてロックがかかってしまうケースが後を絶ちません。かつては、このパスワードを再設定するには住民票がある市区町村の窓口まで出向く必要がありましたが、現在はスマートフォンとコンビニエンスストアの端末を利用することで、オンラインで再設定を完結させることが可能です。本記事では、窓口へ行かずに署名用電子証明書のパスワードを再設定するための具体的な手順と、必要な準備について詳しく解説します。
【要点】窓口不要でパスワードを再設定するための3つの必須条件
- 利用者証明用電子証明書の「数字4桁」が分かっていること: 英数字のパスワードを忘れていても、ログイン用の4桁の番号さえ分かれば、本人確認の基盤として利用できる。
- NFC対応スマートフォンと「JPKI利用者ソフト」を用意する: マイナンバーカードを読み取れるスマートフォンで、公式アプリから事前予約を行う。
- 全国の提携コンビニエンスストアを利用する: セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートなどのマルチコピー機を操作して、物理的にカードの情報を書き換える。
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目次
1. なぜ「オンラインのみ」では完結しないのか
マイナンバーカードのパスワード再設定において、「なぜ自宅のパソコンやスマホ操作だけで終わらないのか」と疑問を持つ方が多いでしょう。これはセキュリティ上の物理的な制約によるものです。署名用電子証明書のパスワードは、マイナンバーカード内のICチップに厳重に保存されており、外部のサーバーだけで管理されているわけではありません。パスワードを変更するということは、物理的なカードの中にある情報を書き換えることを意味します。そのため、安全な通信回線と専用の読み取り・書き込み装置を持つ「コンビニのマルチコピー機」を介して、カード内部の情報を直接更新するステップが必要になるのです。自宅でのアプリ操作は、あくまで「これからカードを書き換えます」という予約と本人確認を行うための前準備となります。
2. オンライン再設定を始める前の準備
作業をスムーズに進めるために、以下の3点を確認してください。特に4桁の暗証番号まで忘れている場合は、この方法は利用できず、市区町村の窓口へ行く必要があります。
- マイナンバーカード本体: ICチップが正常に動作し、有効期限内であること。
- 利用者証明用電子証明書(数字4桁): ログイン時に使用する4桁の番号。これを3回連続で間違えていると、このオンライン再設定ルートもロックされます。
- JPKI利用者ソフトアプリ: iPhoneであればApp Store、AndroidであればGoogle Playから最新版をインストールしておきます。
3. ステップ1:スマートフォンアプリでの「予約」手順
まずはスマートフォンを使って、再設定の事前申請(予約)を行います。このプロセスで本人確認が行われます。
- スマートフォンで「JPKI利用者ソフト」アプリを起動します。
- メニューから「暗証番号のリセット」を選択します。
- 「署名用電子証明書」を選択し、現在分かっている「利用者証明用電子証明書(数字4桁)」を入力して、マイナンバーカードをスマートフォンにかざして読み取ります。
- カードの情報を読み取った後、本人確認のための自撮り(顔認証)を指示される場合があります。案内に従って顔を撮影してください。
- 本人確認が完了すると、画面に「予約番号」が表示されます。この番号はコンビニでの操作に必要ですので、スクリーンショットなどで大切に保管してください。
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4. ステップ2:コンビニのマルチコピー機での「書き換え」手順
アプリでの予約完了後、24時間以内にコンビニへ行き、実際のカード情報を更新します。
- コンビニのマルチコピー機へ向かい、メニュー画面から「行政サービス」を選択します。
- 「マイナンバーカード」を選択し、さらに「署名用電子証明書パスワードの再設定」を選びます。
- 画面の案内に従って、マイナンバーカードを所定の場所にセットします。
- アプリで発行された「予約番号」を入力します。
- 次に、生きている方の「数字4桁の暗証番号」を入力します。
- 最後に、新しく設定したい「英数字混在のパスワード(6〜16文字)」を2回入力します。
- 「再設定が完了しました」というメッセージが出れば終了です。
5. 徹底比較:コンビニ再設定と市区町村窓口の違い
どちらの方法が自分に適しているかを確認するための比較表です。
| 比較項目 | コンビニ(オンライン併用) | 市区町村窓口 |
|---|---|---|
| 対応可能なケース | 4桁の番号は分かっている場合 | すべての番号を忘れた場合も対応可 |
| 利用可能な時間 | 6:30 ~ 23:00(店舗による) | 平日の開庁時間(一部休祝日対応あり) |
| 物理的な移動 | 最寄りのコンビニでOK | 役所まで行く必要がある |
| 所要時間 | 約10~15分 | 待ち時間を含め数十分~数時間 |
6. 再設定に失敗する際の主な原因と対策
手順通りに進めてもエラーが出る場合は、以下の要因を検討してください。
- 4桁の番号を3回間違えた: 利用者証明用電子証明書(4桁)自体がロックされると、コンビニでの再設定は不可能になります。この場合は窓口対応のみとなります。
- マイナンバーカードの有効期限切れ: 署名用電子証明書の有効期限(発行から5回目の誕生日)が切れている場合、再設定ではなく「更新」手続きが必要なため、窓口へ行く必要があります。
- スマートフォンの通信環境: アプリでの予約時に通信が遮断されると、予約番号が発行されません。安定したWi-Fi環境等で操作してください。
- コンビニ端末のシステムメンテナンス: 深夜帯などはサービスが停止していることがあります。日中の時間帯に操作することをお勧めします。
7. セキュリティ上の注意点:英数字パスワードのルール
新しく設定するパスワードは、以下のルールを厳格に守る必要があります。一つでも欠けると再入力が求められます。
- 文字数: 6文字以上、16文字以内。
- 使用文字: 英字(A~Zの大文字)と数字(0~9)の両方を含める必要があります。小文字の英字は使用できません。
- 予測しにくい組み合わせ: 「A123456」のような単純な連続番号や、氏名・生年月日に由来するものは避けましょう。e-Taxで送信するデータには法的効力があるため、このパスワードは実印の印影と同等の重要性を持ちます。
8. まとめ:物理的な移動とデジタルの融合で早期解決を
英数字のパスワードを忘れた際、多くの人は「また役所の長い行列に並ばなければならないのか」と絶望しがちです。しかし、マイナンバーカードのインフラ整備が進んだ現在では、身近なコンビニエンスストアが「臨時の窓口」として機能するようになっています。
4桁の暗証番号を武器にして、スマートフォンで予約を行い、コンビニで物理的にカードの情報を更新する。このハイブリッドな再設定フローを正しく活用すれば、たとえ申告期限が迫っていたとしても、数十分後には再びe-Taxの画面に向き合うことができます。機械的なエラーや物忘れに振り回される時間を最小限に抑え、確実な環境を整えた上で、晴れやかな気持ちで確定申告を完了させてください。まずは手元のスマートフォンで「JPKI利用者ソフト」を立ち上げるところから始めましょう。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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