Excelで作成した売上データや組織図などの階層構造を持つデータは、どのように可視化すればわかりやすいか悩むことがあります。
特に、全体の構成要素と各部分の割合を同時に把握したい場合に、従来の棒グラフや円グラフでは限界を感じることがあるでしょう。
この記事では、Excelで利用できるツリーマップグラフとサンバーストグラフの基本的な使い方と、それぞれのグラフがどのようなデータに適しているかを解説します。
これらのグラフを使いこなすことで、複雑な階層データを直感的に理解できる資料作成が可能になります。
【要点】Excelで階層データを可視化するツリーマップとサンバーストグラフ
- ツリーマップグラフ: 階層構造を持つデータを、同心円状の区画で表示し、各要素の割合を面積で表現する。
- サンバーストグラフ: 階層構造を持つデータを、同心円状のリングで表示し、各レベルの要素と割合を視覚化する。
- データ準備: 階層構造を明確にした表形式のデータが必要。各階層の親と子の関係を定義する。
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目次
階層データの可視化に必要なデータ構造
ツリーマップグラフやサンバーストグラフを作成するには、データの構造が重要です。これらのグラフは、階層構造、つまり親子の関係を持つデータを視覚化するのに適しています。
具体的には、データが複数のレベルで構成されており、上位レベルが下位レベルを包含している必要があります。
例えば、売上データであれば、「地域」→「都道府県」→「店舗」といった階層が考えられます。組織図であれば、「部署」→「チーム」→「担当者」といった構造です。
Excelでこれらのグラフを作成する際には、データが表形式で整理されていることが前提となります。各行が個々の要素を表し、列にはその要素の名前、値(数値)、そして所属する上位階層の情報が含まれている必要があります。
ツリーマップグラフの概要と作成方法
ツリーマップグラフとは
ツリーマップグラフは、階層構造を持つデータを、同心円状に配置された区画(長方形)で表現するグラフです。各区画の面積は、その要素の値を表します。上位階層の要素は大きな区画で、下位階層の要素はさらに小さな区画で表現されます。これにより、全体の構成要素と、各要素が全体に占める割合を視覚的に把握できます。
例えば、製品カテゴリごとの売上構成比を把握したい場合に、大カテゴリ、中カテゴリ、小カテゴリといった階層でデータを分割し、それぞれの売上割合を面積で表示させることができます。大きな面積の区画ほど、売上が大きい製品カテゴリであることが一目でわかります。
ツリーマップグラフの作成手順
ツリーマップグラフの作成は、Excelの標準機能で簡単に行えます。
- グラフ化したいデータを用意する
階層構造を持つデータを表形式で準備します。最低限、階層のレベルを示す列と、そのレベルの値を表す数値列が必要です。例えば、「カテゴリ」「サブカテゴリ」「値」といった列構成になります。 - データを範囲選択する
グラフ化したいデータ範囲全体を選択します。ヘッダー行(列名)も選択してください。 - グラフの挿入メニューを開く
Excelのリボンメニューから「挿入」タブをクリックします。 - 「階層グラフ」を選択する
「グラフ」グループ内にある「階層グラフの挿入」アイコンをクリックします。Excel 2019以降のバージョンで利用可能です。 - 「ツリーマップ」を選択する
表示されるメニューから「ツリーマップ」を選択します。 - グラフを確認・編集する
選択したデータに基づいてツリーマップグラフが作成されます。必要に応じて、グラフタイトル、データラベル、凡例などを編集し、見やすく調整してください。
Excel 2016以前のバージョンでは、ツリーマップグラフは標準機能として提供されていません。これらのバージョンでツリーマップグラフを作成するには、アドインの利用や、Power BIなどの別のツールとの連携が必要になります。
サンバーストグラフの概要と作成方法
サンバーストグラフとは
サンバーストグラフは、階層構造を持つデータを、同心円状のリングで表現するグラフです。中心から外側に向かって階層が深くなります。各リングは階層レベルを表し、そのレベルの要素は扇形(セグメント)として表示されます。各セグメントの角度(面積)は、その要素が親要素に占める割合を表します。これにより、階層全体の関係性と、各レベルでの構成要素の割合を同時に理解できます。
例えば、ウェブサイトのアクセス分析で、「トップページ」→「第一階層カテゴリ」→「第二階層カテゴリ」→「個別ページ」といった訪問経路の割合を可視化するのに適しています。中心のリングがトップページ、その外側のリングが第一階層カテゴリ、さらに外側が第二階層カテゴリ、最も外側のリングが個別ページといった具合です。
サンバーストグラフの作成手順
サンバーストグラフの作成手順も、ツリーマップグラフと同様にExcelの標準機能で実行できます。
- グラフ化したいデータを用意する
階層構造を持つデータを表形式で準備します。ツリーマップと同様に、階層レベルを示す列と、そのレベルの値を表す数値列が必要です。複数の階層レベルを定義するため、通常は3つ以上の列が必要になります。例:「地域」「都道府県」「都市」「売上」など。 - データを範囲選択する
グラフ化したいデータ範囲全体を選択します。ヘッダー行(列名)も選択してください。 - グラフの挿入メニューを開く
Excelのリボンメニューから「挿入」タブをクリックします。 - 「階層グラフ」を選択する
「グラフ」グループ内にある「階層グラフの挿入」アイコンをクリックします。 - 「サンバースト」を選択する
表示されるメニューから「サンバースト」を選択します。 - グラフを確認・編集する
選択したデータに基づいてサンバーストグラフが作成されます。必要に応じて、グラフタイトル、データラベル、凡例などを編集し、見やすく調整してください。
サンバーストグラフも、ツリーマップグラフと同様にExcel 2016以前のバージョンでは標準機能として提供されていません。これらのバージョンでは、アドインや他のツールを検討する必要があります。
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ツリーマップとサンバーストグラフの使い分け
どのようなデータにどちらのグラフが適しているか
ツリーマップグラフとサンバーストグラフは、どちらも階層データを可視化しますが、その表現方法に違いがあります。どちらのグラフを使用するかは、データの特性や、伝えたいメッセージによって選択すると良いでしょう。
ツリーマップグラフは、全体に対する各要素の割合を面積で表現するため、「全体の中で、どの要素が最も大きいか」「各要素の絶対的な大きさ」を把握しやすいグラフです。特に、階層が深くても、各要素の面積で比較しやすいという利点があります。例えば、製品カテゴリごとの売上構成比を、複数の階層レベルで比較する際に有効です。
サンバーストグラフは、同心円状のリングで階層を表現するため、「階層を追うごとの構成の変化」「各レベルでの要素の割合」を把握しやすいグラフです。中心から外側への流れで、データの構造や構成比の移り変わりを理解するのに適しています。例えば、ウェブサイトのアクセス経路のように、段階的に要素が分割されていくようなデータを表現するのに向いています。
比較表:ツリーマップグラフとサンバーストグラフ
| 項目 | ツリーマップグラフ | サンバーストグラフ |
|---|---|---|
| 表現形式 | 長方形の区画 | 同心円状のリング |
| 割合の表現 | 区画の面積 | セグメントの角度(面積) |
| 得意な表現 | 全体に対する絶対的な大きさ、各要素の比較 | 階層を追うごとの構成変化、レベルごとの割合 |
| 適したデータ例 | 製品カテゴリ別売上構成、ファイルサイズ内訳 | ウェブサイトアクセス経路、組織構造の段階的分析 |
| 階層の深さ | 比較的深い階層でも可視化しやすい | 階層が深すぎると中心部が見えにくくなる場合がある |
ツリーマップ・サンバーストグラフ作成時の注意点
データ形式の誤りによるエラー
ツリーマップグラフやサンバーストグラフを作成する際、最もよくある失敗は、データの形式が正しくないことです。これらのグラフは、階層構造を明確に定義したデータに対して機能します。例えば、各階層の親子の関係が不明確だったり、数値データが文字列として認識されていたりすると、グラフが正しく作成されません。
対処法:
- 階層構造の確認
データが「カテゴリ」「サブカテゴリ」「値」のように、階層レベルが明確に分かれているか確認してください。 - 数値データの確認
グラフ化したい値の列が、Excel上で数値として認識されているか確認してください。セルの書式設定が「文字列」になっている場合は、「数値」に変更してください。 - 空白行・列の削除
データ範囲内に不要な空白行や空白列があると、グラフ作成時に意図しない範囲が選択されたり、エラーの原因になったりすることがあります。
グラフの要素が多すぎて見づらい場合
階層が非常に深かったり、各階層の要素数が多かったりすると、ツリーマップグラフでは区画が細かくなりすぎたり、サンバーストグラフでは中心部が見えにくくなったりして、グラフ全体が読みにくくなることがあります。
対処法:
- データの集約
グラフ化する前に、不要な階層レベルをまとめたり、要素数を減らしたりして、データを集約することを検討してください。例えば、最下層の細かい要素を「その他」としてまとめるなどの工夫が考えられます。 - グラフ要素の調整
グラフ作成後、データラベルの表示方法を調整したり、凡例を工夫したりすることで、見やすさを改善できます。Excelの「データラベルの書式設定」で、ラベルの内容や表示位置を変更できます。 - 階層レベルの絞り込み
サンバーストグラフの場合、中心から表示する階層レベルを絞ることも可能です。グラフを選択し、「グラフのデザイン」タブから「データの選択」を開き、階層レベルを調整してみてください。
Excelのバージョンによる機能制限
前述の通り、ツリーマップグラフとサンバーストグラフは、Excel 2019およびMicrosoft 365のバージョンで標準機能として提供されています。Excel 2016以前のバージョンでは、これらのグラフを直接作成することはできません。
対処法:
- Excelのバージョンアップ
可能であれば、Excelを最新バージョンにアップデートすることを検討してください。Microsoft 365のサブスクリプションを利用している場合は、常に最新機能が利用できます。 - 代替ツールの利用
Excel 2016以前のバージョンをご利用の場合は、Power BIなどのデータ分析ツールや、サードパーティ製のアドインを利用することを検討してください。これらのツールでは、より高度なグラフ作成機能が提供されている場合があります。 - Power Queryの活用
データの整形や集約にPower Queryを活用すると、グラフ作成に適したデータ構造に効率的に変換できます。Power QueryはMicrosoft 365の多くのバージョンで利用可能です。
まとめ
この記事では、Excelで階層データを効果的に可視化するためのツリーマップグラフとサンバーストグラフの使い方を解説しました。
これらのグラフを活用することで、売上構成や組織構造などの複雑な関係性を、直感的でわかりやすい形で提示できます。
まずは、お手持ちの階層データを準備し、ツリーマップグラフとサンバーストグラフを作成して、どちらのグラフがデータの特徴をよく表しているか試してみてください。さらに、グラフの書式設定を工夫することで、より説得力のある資料作成が可能になります。
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