会社でVPN経由でリモートワークをしていると、Drive for desktopの同期が極端に遅くなったり、ファイルが開けずに作業が止まることがあります。VPNをオフにすると問題が解消する場合、原因はネットワーク経路やVPNの設定にあると考えられます。本記事では、VPN接続中にDrive for desktopの同期が遅くなる原因を切り分け、自分で試せる確認手順や管理者へ依頼すべき内容を整理します。同期トラブルで「待ち時間」に悩まされている方は、まずここから読み進めてください。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: VPNの速度測定と、VPNを一時的にオフにした状態で同期が改善するかどうかのテスト
- 切り分けの軸: 端末側(ネットワーク設定・Driveの設定)、アカウント側(ストレージ容量・権限)、管理設定側(VPNのルーティング・トラフィック制御)
- 注意点: 会社支給のPCでは、VPN設定を自分で変更できない場合が多いため、管理者に確認が必要な設定項目を無断で変更しない
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目次
1. VPNがDrive for desktopの同期に影響する理由
Drive for desktopはGoogleのサーバーと常に通信し、ファイルの変更をアップロード・ダウンロードします。VPNを使うと、この通信がVPNサーバーを経由するため、次のような問題が発生します。
- レイテンシ(遅延)の増加: VPNサーバーが物理的に遠い場合、往復時間が長くなり、アップロードが遅れます。
- 帯域幅の制限: VPNに帯域制限がかかっていたり、他のユーザーと帯域を共有している場合、同期に使える速度が低下します。
- MTU(最大転送単位)の問題: VPN接続ではパケットサイズが変わり、特にPPP接続などでMTUが小さいと、パケット分割が多発して効率が落ちます。
- プロキシやファイアウォールの干渉: VPN接続先のネットワークでGoogle Driveの通信が制限される場合があります。
これらの要因が重なると、通常のインターネット接続に比べて同期速度が大幅に低下します。まずは原因を特定するために、以下の手順で確認を行います。
2. 最初に試すべき5つの確認手順
以下の手順は、特別な権限がなくても自分で実行できるものです。必ず順番に試してください。
- 手順1:VPNをオフにして同期速度を比較する
まず、VPNを切断し、Drive for desktopの同期アイコン(タスクトレイにある雲マーク)の状態を確認します。通常のアイコン(青色の雲)に変わるまで待ち、同期が進んでいるかどうか見てください。もしVPNオフで同期が速くなるなら、VPNが原因であることが確定します。 - 手順2:インターネット速度を測定する
VPN接続中と非接続中の両方で、スピードテストサイト(例:Speedtest)を使ってダウンロード速度・アップロード速度・レイテンシを記録します。Google Driveの同期はアップロード速度に大きく依存するため、アップロード速度が1Mbps以下だと同期に数分以上かかる可能性があります。 - 手順3:Drive for desktopの設定を開いてアカウント状態を確認する
Drive for desktopのメニューから設定を開き、アカウントのストレージ残量を確認します。ストレージ残量が少ないと、同期が遅くなったり停止したりすることがあります。また、同期するフォルダの数が多いと処理が重くなるため、必要最小限のフォルダだけを同期する設定に変更できるか検討します。 - 手順4:キャッシュの場所を確認する
Drive for desktopは一時ファイルをキャッシュに保存します。設定の「キャッシュの場所」がネットワークドライブなど遅い場所になっていないか確認してください。デフォルトはローカルドライブ(Cドライブ)です。 - 手順5:Windowsのネットワーク設定をリセットする
コマンドプロンプトを管理者として開き、以下のコマンドを順に実行します。netsh int ip resetnetsh winsock reset
その後、PCを再起動します。これにより、IPスタックの問題が解消されることがあります。
これらを試しても改善しない場合、次にVPNの設定や管理者側の要因を疑います。
3. 状況別の比較と失敗パターン
| 症状 | 主な原因 | 自分で試せる対策 | 管理者に依頼する対策 |
|---|---|---|---|
| 同期が極端に遅い(ファイル1つに数分) | VPN経由でアップロード速度低下、レイテンシ大 | VPN切断テスト、スピードテスト、キャッシュクリア | VPNルーターのMTU調整、通信最適化ルールの適用 |
| 特定のファイルだけ同期されない | ファイル名が長すぎる、パスが深い、権限不足 | ファイル名変更、フォルダ階層を浅くする | 該当ファイルの共有権限見直し |
| 同期アイコンが「同期中」のまま進まない | ネットワーク障害、ストレージ満杯、アカウントロック | 再起動、ストレージ確認、アカウント再認証 | アカウントの異常ログ確認、強制再同期依頼 |
| VPN接続中のみ同期エラー(赤いアイコン) | VPN側で通信がブロックされている | ファイアウォール設定確認、代替DNS試行 | VPNのスプリットトンネリングでGoogle Drive通信を除外 |
失敗パターン:設定変更でさらに悪化する例
よくあるのが、ネットワークのMTU値を無闇に変更してしまうケースです。MTUを変更すると、VPNトンネル内でパケット分割が増え、かえって遅くなります。また、Drive for desktopの同期速度を上げようと、同時に同期するファイル数を増やす設定にしてしまうと、CPUやメモリを圧迫して逆効果です。さらに、プロキシ設定を手動で変更すると、会社の認証システムと競合して接続不能になる恐れがあります。設定を変える前に、必ず管理者に相談してください。
4. 管理者に確認・依頼する具体的な情報
上記の手順で問題が解決しない場合、以下の情報をIT管理者に送ることで、原因特定がスムーズになります。
- VPN接続時のスピードテスト結果(VPNオフ時との比較)
- 拡張同期ログ:Drive for desktopの「ヘルプ」→「問題を報告」から生成されるログファイル
- traceroute / pathping の結果(VPN接続中に
tracert drive.google.comを実行したもの) - VPNクライアントのバージョン(例:Cisco AnyConnect 4.8.02036, GlobalProtect 5.3.0など)
- 発生時間帯と頻度:特定の時間帯だけ遅い場合は、帯域混雑の可能性があります。
また、管理者に依頼する場合は以下の具体的な提案を含めると良いでしょう。
- スプリットトンネリングの有効化:Google DriveのトラフィックだけVPN経由から外す設定。これにより、Driveの通信は直接インターネットへ流れ、同期速度が大幅に改善します。
- MTU値の調整:VPNトンネルのMTUを1400バイト前後に設定することで、パケット分割を減らせます。
- QoS(Quality of Service)ルールの追加:Google Driveの通信を優先的に扱う帯域保証ルールをVPNルーターに設定してもらう。
5. よくある質問(FAQ)
Q1. VPNを切ると会社のセキュリティポリシー違反になりますか?
多くの会社では、業務中のインターネット通信はすべてVPNを経由するよう定められています。VPNを切断することはポリシー違反となる可能性が高いため、必ず管理者に相談してください。テストとして一時的に切断する場合でも、事前に承認を得ることを推奨します。
Q2. 同期が遅いと感じるのは、自宅のインターネット回線が原因の可能性は?
はい、可能性はあります。特に光回線ではなくモバイル回線を使っている場合、アップロード速度が十分でないことが多いです。手順2でスピードテストを行い、VPNオフ時の速度が自宅回線の本来の速度より低ければ、回線自体の問題である可能性があります。その場合は、プロバイダーに問い合わせるか、有線接続に切り替えてください。
Q3. スプリットトンネリングを自分で設定できますか?
通常、VPNクライアントの設定は管理者権限で保護されており、エンドユーザーが変更できない場合がほとんどです。設定を変更したい場合は、IT部門に依頼してください。もし自分で可能な環境であっても、会社のセキュリティ要件に反する恐れがあるため、必ず確認を取ってから行いましょう。
Q4. 大量のファイルを一度に同期すると、VPNが遅くなる原因になりますか?
なります。Drive for desktopはデフォルトで同時に複数ファイルをアップロードしますが、VPNの帯域を占有して他の通信が遅くなるだけでなく、VPNサーバー側の負荷も上がります。設定から「帯域幅を制限する」オプションで、アップロード速度を制限することで影響を抑えられます。ただし、大量ファイルの同期はバックグラウンドで行うか、オフピーク時に行うことをおすすめします。
6. まとめ
VPN接続中のDrive for desktopの同期遅延は、多くの場合、VPNのルーティングや帯域制限が原因です。まずはVPN切断テストで原因を切り分け、スピードテストで客観的な数値を取得します。自分で行える設定(ストレージ確認、キャッシュ、ネットワークリセット)を試しても改善しない場合は、スプリットトンネリングやMTU調整を管理者に依頼しましょう。設定を無断で変更すると、会社のセキュリティポリシーに違反する恐れがあるため、必ず管理者と連携して対策を進めてください。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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