ここでは「重要なニュース」と題したビットコインを要求する脅迫メールが届いた際の対処法を紹介します。
目次
「重要なニュース」の文面
脅迫メール「重要なニュース」は以下の文面で構成されていることが判明しています。
どうも、こんにちは。
まずは自己紹介をさせていただきますね。
私はプロのプログラマーで、自由時間ではハッキングを専門にしております。
今回残念なことに、貴方は私の次の被害者となり、貴方のオペレーティングシステムとデバイスに私はハッキングいたしました。
数ヶ月間、貴方を観察してきました。端的に申し上げますと、貴方がお気に入りのアダルトサイトに訪問している間に、貴方のデバイスが私のウイルスに感染したのです。
このような状況に疎い方もいらっしゃいますので、より細かく現状を説明いたします。
トロイの木馬により、貴方のデバイスへのフルアクセスとコントロールを私は獲得しています。よって、貴方の画面にあるもの全てを閲覧、アクセスすることができ、カメラやマイクのON/OFFや、他の様々なことを貴方が知らない間に行うことが可能です。
その上、貴方のソーシャルネットワークやデバイス内の連絡先全てにもアクセスを行いました。
なぜ今までウイルス対策ソフトが全く悪質なソフトウェアを検出しなかったんだろうとお考えではないかと思います。
実は、私のスパイウェアは特別なドライバを利用しており、頻繁に署名が書き換えられるため、貴方のウイルス対策ソフトでは捕らえられなかったのです。
画面の左側では貴方がご自分を楽しませている様子、そして右側ではその時に視聴されていたポルノ動画を表示するようなビデオクリップを作成いたしました。
マウスを数回クリックするだけで、あなたの連絡先やソーシャルメディアのお友達全員に転送することができます。この動画を公開アクセスのオンラインプラットフォームにアップロードしたら貴方は驚くかもしれませんね。
朗報は、まだ抑止することができることです。ただ 22万円 相当のビットコインを私のBTCウォレットに送金いただくだけで止められます(方法がわからない方は、オンライン検索すれば、段階ごとに方法を説明した記事が沢山見つけられるはずです)。
私のビットコインウォレット(BTC Wallet): 1K5wW172WmGxeMH7P1BQJ1RTgGG33CTGsW
貴方の入金が確認できるとすぐに、卑猥な動画はすぐに削除し今後私から2度と連絡がないことを約束します。
この支払いを完了させるために48時間(きっちり2日間)の猶予がございます。
このメールを開くと既読通知は自動的に私に送られるため、その時点でタイマーは自動的にカウントを開始します。
私のメールに返信しようとしないでください。
(送り主のメールアドレスは自動的に作られ、ネット上で拾ったものですので)何も変わりません。
どこかに苦情を送ったり、通報したりしないでください。
私の個人情報や私のビットコインアドレスはブロックチェーンシステムの1部として暗号化されています。
色々と私の方でもヘマしないように調べてあります。
このメールを誰かに転送しようとしていることが分かると、すぐに貴方の卑猥な動画を公開させます。
合理的に考えて、バカな真似はこれ以上しないでください。
わかりやすい説明を段階を踏んでお伝えをしたつもりです。
今貴方がすべきことは私の指示に従って、この不快な状況を取り除くことです。
ありがとうございます。
幸運を祈ります。
実際の画面
「重要なニュース」は受信者のメールアドレスを偽装して送信されるケースが確認されています。
脅迫メール「重要なニュース」の対処法
こちらのメールが届いた場合でも、絶対に送金および返信をしてはいけません。ハッキングを得意とするプログラマーによるネット犯罪を装った文面に慌てることなく、すぐにメールを廃棄してください。
送信元による「トロイの木馬により、貴方のデバイスへのフルアクセスとコントロールを私は獲得しています」との主張は全くの虚偽です。
無視したことにより、このメールの送信元から危害を加えられる可能性は一切ありません。
「重要なニュース」の類似迷惑メール
2021年12月頃から「重要なニュース」とほぼ同じ文面の迷惑メールが確認されています。
【完全対処】脅迫メール「申し訳ありませんが」が届いた場合
「重要なニュース」を無視すべき理由
冒頭に記されている「オペレーティングシステムとデバイスに私はハッキングいたしました」や「数ヶ月間、貴方を観察してきました」といったメッセージは完全なデタラメです。
同様に「貴方の画面にあるもの全てを閲覧、アクセスすることができ、カメラやマイクのON/OFFや、他の様々なことを貴方が知らない間に行うことが可能です」という脅し文句もまったくの虚偽で、これは迷惑メール業者が「世界中のメールアドレスに送っている大ウソ」です。
また「22万円 相当のビットコインを私のBTCウォレットに送金いただくだけで止められます」と記されていますが、相手の要求に従った場合、さらなる高額の請求を受けることは容易に想像できます。
「このメールを誰かに転送しようとしていることが分かると、すぐに貴方の卑猥な動画を公開させます」との記載も全くの虚偽です。これを事実だと仮定しても、詐欺グループは同様のメールを世界中に数万件以上送信しているので、全員を監視するのは到底不可能です。
これらの脅しを気にすることなく完全に無視してください。
「重要なニュース」は「セクストーション詐欺」の一種
こうした「実際に動画を撮影していないにもかかわらずメールの文面で脅迫する行為」は2018年から世界中で横行し、性的な事柄で脅しを行う「セクストーション詐欺」の一種となりました。
インターネット初期から存在し、当時は出会い系サイトなどで知り合った異性が「相手に裸の写真を送らせてバラまくと脅迫する」といった「オンライン美人局」が主流でした。
2000年代中盤からはアダルトサイトの閲覧中に「ウイルスに感染しました」とポップアップの警告文が表示され、解除させるためのソフトを売る「ポップアップ詐欺」が登場。
現在はハッキングにより性的な動画を撮影したと偽る「脅迫メール詐欺」が主流となっています。
現在、多くのパソコンやスマートフォンにインカメラが付いていることから、ランダムに送信したメールの受信者に対しても一定確率で「もしかしたら撮られている可能性がある」と思わせる狡猾な手法です。
銀行口座ではなく仮想通貨であるビットコインに入金を促すことで詐欺グループの特定が困難なことも特徴といえるでしょう。
こうした背景から、当初の英語で書かれた「情報リクエストに関する個人的な」が多言語化され、2022年現在も世界各国で拡散が続いています。
仮にリアクションをしてしまうと詐欺グループのターゲットとなってしまうリスクが高まります。文面を読んで不安を抱いても、気にせずゴミ箱に捨ててください。
このメールと同ジャンルのセクストーション詐欺
・脅迫メール「情報リクエストに関する個人的な」の対処法
・脅迫メール「You are under attack」「Read it」の対処法
・脅迫メール「テーマ: 商業オファー。」が届いた場合の対処法
・脅迫メール「ビジネス提案」が届いた場合の対処法
このメールについて警察に相談する場合
各都道府県の警察本部に設けられた相談窓口に連絡しましょう。
ハッキング被害の有無を確認する方法
市販のセキュリティソフトを使用することでパソコン・スマートフォン・タブレットがハッキングされていないかどうかを確認することが可能です。
セキュリティソフト「ノートン」の導入
ノートンではインストール台数、対応OS別に「ノートン アンチウイルスプラス」「ノートン360スタンダード」「ノートン360デラックス」「ノートン360プレミアム」のプランが用意されています。
セキュリティソフト「ウイルスバスター クラウド」の導入
トレンドマイクロの「ウイルスバスター クラウド」はWindows、Mac、Android、iOS、Kindle Fireシリーズに対応し、任意の組み合わせで3台までインストール可能です。
「重要なニュース」についての結論
脅迫メール「重要なニュース」に記されている脅し文句は100%虚偽です。
メールの開封から「48時間以内」として振込に一定のタイムリミットを設定することで判断力を鈍らせ、社会的地位のある受信者に「お金を払って解決できるなら」と入金させる極めて悪質な詐欺行為といえます。
このメールを受け取って不安になったとしても、送信元に「減額の相談」や「本当に動画を撮影したのか」と問い合わせることも厳禁です。相手への不用意な連絡は「いいカモ」として詐欺グルーブのターゲットとなるリスクが増大するだけです。
無視しても間違いなく何も起こりませんので、安心してメールを捨てましょう。