【Outlook】「添付ファイルをクラウドに保存」を止める!常に実ファイルを添付して送る設定

【Outlook】「添付ファイルをクラウドに保存」を止める!常に実ファイルを添付して送る設定
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「共有リンク」による不達リスクを排除し、物理的なファイルコピーによる確実な受け渡しを優先する

Microsoft 365環境のOutlookでOneDrive上のファイルを添付して送ろうとした際、自動的に『クラウド上の場所へのリンク』として送信され、受信者から『ファイルが開けない』『権限をリクエストしてくださいと表示される』といったクレームを受けたことはないでしょうか。これは、Outlookがストレージ容量の節約と最新版の共有を目的として、実データではなくURL(共有リンク)を優先的に送信する『クラウド添付』という技術仕様がデフォルトで有効になっているためです。
しかし、外部組織への送信や、機密保持のために物理的なファイルを要求されるビジネス現場において、この自動的なリンク化はかえって業務の摩擦(フリクション)を生みます。受信側がMicrosoftアカウントを持っていない場合や、組織のファイアウォールでクラウドストレージへのアクセスが制限されている場合、共有リンクは無価値な文字列となってしまうからです。本記事では、添付ファイルの扱いを『常に実ファイル(コピー)』として固定する具体的な設定手順から、内部的なデータ処理の仕組み、そしてセキュリティ上のトレードオフについて詳説します。

結論:常に実ファイルを添付するための3つの設定ステップ

  1. Outlookの基本設定を変更:オプションの「全般」または「添付ファイル」設定から、クラウド共有のデフォルト動作を「コピーとして添付」に固定する。
  2. 添付時の個別選択:ファイルをドラッグ&ドロップした直後、ドロップダウンメニューから「コピーとして添付」を明示的に選択する。
  3. レジストリによる強制制御:組織全体で設定を統一したい場合、レジストリ値を編集してクラウド添付機能を物理的に無効化する。

1. 技術仕様:クラウド添付(Modern Attachments)の内部メカニズム

クラウド添付は、従来の「物理コピー(SMTPプロトコルによるMIMEエンコード)」とは異なる、APIベースの共有プロトコルです。

データ配送の技術的背景

共有ポインタの生成:クラウド添付を選択すると、OutlookはOneDrive/SharePoint上のファイルに対して閲覧権限を付与し、そのユニークなURLをメール本文(またはヘッダー)に挿入します。受信者は、メールを開くのではなく、ブラウザ経由でサーバー上の実体にアクセスする形になります。
ストレージ効率とバージョン管理:実データを送信しないため、数GBのファイルでも一瞬で送信可能です。また、送信後も送信者がクラウド上のファイルを編集すれば、受信者は常に最新版を見ることができるというメリットがあります。
権限の壁:最大の弱点は「認証」です。受信者が送信者のテナント(組織)外のユーザーである場合、ゲストアクセス設定や組織外共有ポリシーが厳格であれば、リンクをクリックしても拒否されるという技術的障壁が発生します。

エンジニアリングの視点では、クラウド添付は「分散型リソース共有」であり、従来の実ファイル添付は「完結型データ転送」です。確実性を重視するなら、後者を選択する設計判断が求められます。

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2. 実践:Outlookオプションで「常にコピーとして添付」に固定する手順

ファイルを添付するたびにリンクかコピーかを聞かれないよう、動作を永続的に固定する具体的な操作ステップです。

具体的な設定手順(クラシック版Outlook)

  1. Outlookの上部にある「ファイル」タブ > 「オプション」をクリックします。
  2. 左側のメニューから「全般」を選択します。
  3. 「添付ファイルのオプション」セクション(あるいは「クラウドストレージ」の設定)を探します。
  4. 「常にコピーとして添付する」にチェックを入れます。
  5. 「OK」をクリックして設定を確定させます。

新しいOutlook(New Outlook)での設定

  1. 右上の「設定(歯車アイコン)」 > 「メール」 > 「添付ファイル」を選択します。
  2. 「常にコピーとして添付する」または「ファイルを添付する方法を毎回確認する」のいずれかを選択し、「保存」をクリックします。

3. 技術的洞察:添付ファイルが「実ファイル」かを見分けるUIプロトコル

送信前に、今添付されているものが「実データ」なのか「ただのリンク」なのかを技術的に確認するポイントを提示します。

アイコンの識別:添付されたファイルのアイコンの左下に、小さな「雲のマーク」が付いている場合はクラウド添付(リンク)です。このマークがない場合は、メールデータの中にバイナリとして含まれている実ファイルです。
右クリックメニューの活用:雲マークが付いている場合、添付ファイルを右クリック(または「∨」をクリック)し、「コピーとして添付」を選択することで、その場で実データへと変換(クラウドからダウンロードして添付)することが可能です。
サイズ表示の差異:クラウド添付の場合、ファイルサイズは数KB(ショートカット情報のサイズ)として表示されますが、実ファイルの場合はMB単位の正確なデータ量が表示されます。

4. 高度な修復:レジストリ編集によるクラウド添付機能の「物理的遮断」

設定がアップデート等でリセットされてしまう、あるいは組織内の全PCでこの機能を無効化したい場合のエンジニアリング・アプローチです。

レジストリの修正プロトコル

  1. regedit を起動します。
  2. 以下のパスへ移動します。
    HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook\Preferences
  3. 新しいDWORD値(32ビット)を作成し、名前を 「CloudAttachmentsEnabled」 とします。
  4. 値を 「0」 に設定します。

このレジストリキーを配布することで、Outlookのクラウド連携ロジックをバイパスし、常に古典的な実ファイル添付の動作を強制させることができます。

5. 運用の知恵:ファイルサイズと信頼性の「境界線」を定義する

どちらの添付方式を選ぶべきかという、実務的な意思決定の知恵を提示します。

10MBの壁:一般的な企業のメールサーバーは20MB〜25MB程度の受信制限を設けています。添付ファイルが10MBを越える場合は、相手の受信拒否(バウンス)を避けるために、あえて実ファイル添付を避け、パスワード付きの外部共有サービスや、共有リンクを活用する判断が必要です。
情報の不変性(イミュータビリティ):実ファイル添付の最大のメリットは「送信時点のデータが固定される」ことです。後から元ファイルを編集しても、受信者の手元にあるファイルは変わりません。これは契約書や見積書など、証跡管理が必要な文書において極めて重要な技術的特性です。
セキュリティと監査:共有リンクは送信後でも「権限の剥奪」が可能ですが、実ファイルは一度送ると回収不能です。機密情報の取り扱いにおいては、この「制御の可否」を基準にデリバリー手法を選択すべきです。

このように、添付ファイルの仕様を制御することは、単なる設定変更ではなく、ビジネスにおけるデータの「到達性」と「不変性」を担保するための、高度な通信設計の一部となります。

まとめ:実ファイル添付 vs クラウド添付 比較表

比較項目 実ファイル添付(従来) クラウド添付(リンク)
到達の確実性 最高(オフラインでも閲覧可) 中(認証や環境制限に左右される)
送信速度 ファイルサイズに依存 高速(一瞬で完了)
情報の不変性 あり(送信時の状態を維持) なし(常に最新版が共有される)
主な推奨シーン 外部顧客、証跡文書、小容量 社内共有、大容量、共同編集

Outlookの添付ファイル設定を「実ファイル添付」に固定することは、テクノロジーの利便性よりも、ビジネス上の「確実な到達」を優先させるプロフェッショナルな判断です。クラウドストレージとの統合は素晴らしい進化ですが、それが受信者の環境を無視した押し付けになっては本末転倒です。自分自身の通信プロトコルを正確に管理し、相手がどんな環境であっても確実に中身を確認できる形式で情報を届けること。この誠実な設定の一工夫が、オンライン上での信頼関係をより強固なものへと変えていきます。まずはオプション画面を開き、あなたの添付ファイルが常に「コピー」として届けられるように、設定の再定義を行ってみてください。

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この記事の監修者

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超解決 リモートワーク研究班

Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。