OutlookでExchangeキャッシュモードを使用している際、OSTファイルの保存場所を変更したい場合があります。OSTファイルはメールデータなどを格納するため、容量が大きくなりがちです。保存場所を変更することで、ディスク容量の逼迫を避けたり、SSDの寿命を延ばしたりする効果が期待できます。
しかし、Outlookの標準機能ではOSTファイルの保存場所を直接変更する設定項目がありません。そのため、特別な手順を踏む必要があります。この記事では、OutlookのOSTファイルを別の場所に移動させるための具体的な手順を解説します。
この記事を読めば、OutlookのOSTファイルの保存場所を安全に変更し、ストレージ容量を効率的に管理できるようになります。
【要点】OutlookのOST保管場所を変更する手順
- Outlookプロファイルを作成し直す: 新しいOSTファイルの保存場所を指定するために、Outlookプロファイルを再作成します。
- OSTファイルを新しい場所に移動する: 既存のOSTファイルを指定した新しいフォルダーにコピーまたは移動させます。
- レジストリを編集してOSTファイルのパスを指定する: Outlookが新しいOSTファイルの場所を認識するように、レジストリキーを編集します。
ADVERTISEMENT
目次
ExchangeキャッシュモードのOSTファイルとは
OutlookがExchange OnlineなどのExchangeサーバーに接続する際、オフラインでもメールの送受信ができるように、メールボックスの内容をローカルコンピューターにコピーして保存する機能があります。これが「Exchangeキャッシュモード」です。
このモードで保存されるファイルがOST(Offline Storage Table)ファイルです。OSTファイルは、メール、予定表、連絡先、タスクなどのOutlookデータを格納しています。通常、このOSTファイルはOutlookプロファイルが作成された際に自動的に特定の場所に保存されます。
OSTファイルの保存場所は、OutlookのバージョンやOSによって異なりますが、一般的にはユーザープロファイル内の「AppData」フォルダー配下に作成されます。この場所はシステムドライブ(Cドライブ)にあることが多く、システムドライブの容量を圧迫する原因となることがあります。
OSTファイルの保存場所を変更する前提条件
OSTファイルの保存場所を変更するには、いくつかの前提条件があります。これらの条件を満たしていないと、手順が正常に進まなかったり、データが失われたりする可能性があります。
まず、OutlookがExchangeキャッシュモードで構成されている必要があります。POPアカウントやIMAPアカウントでは、OSTファイルではなくPSTファイルが使用されるため、この手順は適用されません。また、管理者権限を持つユーザーアカウントでPCにログインしている必要があります。レジストリの編集はシステムに影響を与えるため、管理者権限が必須です。
さらに、移動先のフォルダーは事前に作成しておく必要があります。移動先のドライブには、OSTファイルが格納できる十分な空き容量が必要です。移動中にOutlookやPCの電源が切れると、データ破損のリスクがあるため、安定した環境で行うことが重要です。
OSTファイルを移動させるための操作手順
OSTファイルの保存場所を変更するには、Outlookプロファイルの再作成とレジストリ編集を組み合わせた手順が必要です。ここでは、Windows版Outlook(Microsoft 365)を基準に解説します。
- Outlookプロファイルの新規作成
まず、Outlookを一度終了します。次に、Windowsの検索バーに「コントロールパネル」と入力して起動します。コントロールパネルが開いたら、「メール(Microsoft Outlook)」または「Mail (Microsoft Outlook)」と表示されている項目を探してクリックします。 - プロファイルの追加
「メール設定 – Outlook」ウィンドウが表示されたら、「プロファイルの表示」ボタンをクリックします。「メール」ウィンドウが開くので、「追加」ボタンをクリックして新しいプロファイルを作成します。プロファイル名を入力し、「OK」をクリックします。 - アカウントの設定
新しいプロファイルの設定ウィザードが開始されます。ここで、通常通りメールアカウント(Exchangeアカウント)の設定を行います。名前、メールアドレス、パスワードを入力して「次へ」をクリックし、アカウント設定を完了させます。 - 既存のOSTファイルを新しい場所に移動
アカウント設定が完了したら、Outlookは新しいプロファイルで新しいOSTファイルを指定された場所に作成しようとします。この段階でOutlookを起動してはいけません。まず、既存のOSTファイルを見つけます。通常、OSTファイルは以下のパスにあります(ユーザー名やOutlookのバージョンによって異なります)。C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Microsoft\Outlook
このパスのOSTファイルを、事前に作成しておいた新しいフォルダー(例:D:\OutlookData\)にコピーまたは移動させます。 - レジストリキーの編集
Windowsの検索バーに「regedit」と入力してレジストリエディターを起動します。レジストリエディターが開いたら、以下のパスに移動します。HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\<バージョン番号>\Outlook
ここで、`<バージョン番号>`は使用しているOfficeのバージョンによって異なります(例:16.0)。「Outlook」キーを右クリックし、「新規」→「文字列値」を選択します。新しい値の名前を「ForceOSTPath」と入力します。 - 新しいOSTファイルのパスを指定
作成した「ForceOSTPath」をダブルクリックし、「値のデータ」フィールドに、先ほどOSTファイルを移動させた新しいフォルダーのパス(例:D:\OutlookData\)を入力します。 - Outlookの起動と確認
レジストリエディターを閉じ、Outlookを起動します。初回起動時には、新しいプロファイルでアカウント設定が再度行われる場合があります。Outlookが起動したら、メールが正常に表示されるか、送受信ができるかを確認します。 - 元のプロファイルの削除(任意)
新しいOSTファイルの場所でOutlookが正常に動作することを確認したら、古いOutlookプロファイルを削除しても構いません。コントロールパネルの「メール」設定から、不要になったプロファイルを選択して削除します。
ADVERTISEMENT
新しいTeams(v2)と従来Teamsの違い
Microsoft Teamsの新しいバージョン(v2)は、以前のバージョンと比較して、パフォーマンスの向上、リソース使用量の削減、よりモダンなユーザーインターフェースなどが特徴です。新しいTeamsは、Web版Teamsの技術基盤をベースにしており、より高速で応答性の高いエクスペリエンスを提供することを目指しています。具体的には、起動時間の短縮、チャットや会議中の応答性の向上、リソース(CPU、メモリ)使用率の低減などが期待できます。
一方、従来Teamsは、Electronフレームワークをベースにしており、機能は豊富でしたが、リソース消費が大きいという課題がありました。新しいTeamsでは、このフレームワークから脱却し、より効率的なアーキテクチャを採用しています。ただし、一部の機能やカスタマイズオプションについては、新しいTeamsでまだサポートされていない場合があるため、注意が必要です。例えば、一部のアプリ連携やカスタム背景の適用方法などに違いが見られることがあります。組織によっては、新しいTeamsへの移行が段階的に進められているため、社内でどちらのバージョンが標準となっているかを確認することが重要です。
新しいOutlookと従来Outlookの違い
Microsoft Outlookも、新しいバージョンへの移行が進んでいます。新しいOutlookは、Web版Outlook(Outlook.com)のインターフェースと機能を統合し、よりシンプルで一貫性のあるエクスペリエンスを提供することを目指しています。従来Outlook(デスクトップ版)と比較して、新しいOutlookは、Webベースの技術を採用しており、より高速なパフォーマンスと、クラウドベースの機能へのスムーズなアクセスが特徴です。
新しいOutlookでは、メール、予定表、連絡先、タスクといった主要機能が、よりモダンで直感的なインターフェースで提供されます。また、Microsoft 365の他のサービス(OneDrive、SharePointなど)との連携が強化されており、ファイルの共有や共同作業が容易になっています。さらに、AIを活用した機能(スマートリプライ、スマートフォルダーなど)が強化され、生産性向上に貢献します。従来Outlookにあった一部の高度な機能やアドインについては、新しいOutlookでまだサポートされていない、または動作が異なる場合があります。例えば、MAPIベースのアドインは新しいOutlookでは動作しないため、代替手段の確認が必要です。組織によっては、新しいOutlookへの移行が推奨または必須となっています。新しいOutlookへの切り替えは、Outlookの右上にあるトグルスイッチで行えます。
OSTファイルの移動でよくあるトラブルと対処法
OSTファイルの移動は、レジストリ編集を伴うため、いくつかのトラブルが発生する可能性があります。ここでは、よくある問題とその対処法について解説します。
Outlookが起動しない
OSTファイルの移動後、Outlookが起動しなくなった場合、最も可能性が高い原因はレジストリキーの設定ミスです。
- レジストリキーの再確認
レジストリエディターを再度起動し、「HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\<バージョン番号>\Outlook」にある「ForceOSTPath」の値が、正しくOSTファイルを移動させたフォルダーのパスになっているか確認してください。パスの末尾にバックスラッシュ(\)が含まれているかも確認しましょう。 - プロファイル設定の確認
コントロールパネルの「メール」設定で、新しいプロファイルが正しく選択されているか確認してください。起動時にプロファイルを選択するダイアログが表示される場合は、そこで新しいプロファイルを選択します。 - OSTファイルの破損
まれに、OSTファイルの移動中にファイルが破損する可能性があります。この場合は、一度OSTファイルを元の場所に戻し、Outlookを起動して再度同期させるか、新しいOSTファイルを再作成する必要があります。
メールの同期がうまくいかない
OSTファイルの移動後、メールの送受信ができない、または更新されない場合、同期に問題が発生している可能性があります。
- キャッシュモードの設定確認
Outlookの「アカウント設定」で、Exchangeアカウントの設定を開き、「キャッシュモードでオフラインで使用する」にチェックが入っているか確認してください。チェックが外れている場合、キャッシュモードが無効になっています。 - OSTファイルの再作成
キャッシュモードの設定が正しいにも関わらず同期がうまくいかない場合、OSTファイルが破損している可能性があります。この場合、Outlookを一度終了し、新しいOSTファイルを再作成するのが有効です。新しいOSTファイルは、Outlookを起動した際に自動的に作成されます。 - ネットワーク接続の確認
Exchangeサーバーとの通信がうまくいっていない可能性も考えられます。ネットワーク接続を確認し、Exchange Onlineに正常に接続できているか確認してください。
移動先のフォルダーにOSTファイルが作成されない
OSTファイルを移動させたにも関わらず、Outlookが元の場所、または別の場所にOSTファイルを作成してしまう場合があります。
- レジストリキーの正確性
「ForceOSTPath」の値が、移動先のフォルダーパスとして正しく設定されているか、再度確認してください。パスの入力ミスや、ドライブが存在しないなどが原因で、Outlookが指定されたパスを使用できない場合があります。 - Outlookの再起動
レジストリ編集後、Outlookを完全に終了し、再度起動してください。設定が反映されていない場合があります。 - プロファイル設定の確認
コントロールパネルの「メール」設定で、作成した新しいプロファイルが「既定で使用するプロファイル」として選択されているか確認してください。
Mac版・モバイル版・Web版での違い
OSTファイルの保存場所を変更する手順は、主にWindows版のOutlookデスクトップアプリケーションに特化したものです。Mac版Outlookでは、Exchangeキャッシュモードの設定はありますが、OSTファイルの保存場所をユーザーが直接変更する機能は提供されていません。Mac版Outlookでは、メールデータは通常、~/Library/Group Containers/UBF8T346G9.Office/Outlook/Outlook 15 Profiles/というパスにあるプロファイルフォルダー内に保存されます。
モバイル版Outlook(iOS、Android)やWeb版Outlook(Outlook.com、Outlook for Web)では、データは基本的にサーバー側で管理されており、ローカルにOSTファイルのようなものを保存・管理する仕組みは採用されていません。これらのプラットフォームでは、常に最新のデータにアクセスできるため、ローカルストレージの容量を気にする必要はありません。
したがって、OSTファイルの保存場所を変更したい場合は、Windows版Outlookデスクトップアプリケーションを使用している場合に限られます。組織によっては、Outlookの利用環境が統一されている場合もありますので、IT管理者にご確認ください。
まとめ
この記事では、Microsoft OutlookでExchangeキャッシュモードを使用している際に、OSTファイルの保存場所を変更する手順を詳しく解説しました。Outlookプロファイルの再作成とレジストリ編集を組み合わせることで、OSTファイルを別のストレージに移動させ、ディスク容量の管理を効率化できます。
今回紹介した手順により、OSTファイルの保存場所を安全に変更できるようになりました。次に、Outlookを起動してメールの送受信が正常に行えるか確認してください。もし問題が発生した場合は、レジストリ設定の再確認やOSTファイルの再作成を試みてください。
この知識を応用することで、将来的にストレージ容量が不足した場合にも、Outlookのパフォーマンスを維持するための対策を講じることができるでしょう。
ADVERTISEMENT
超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
Office・仕事術の人気記事ランキング
- 【Outlook】宛先が「オートコンプリート」に出ない・間違っている時の修正手順|履歴の削除と再構築
- 【Outlook】メールの受信が数分遅れる!リアルタイムで届かない時の同期設定と送受信グループ設定
- 【Word】差し込み印刷で数字の桁を整える!金額にカンマ(桁区切り)を入れる設定
- 【Excel】矢印キーで「セルが動かず画面がスクロールする」!ScrollLockの解除方法(ノートPC対応)
- 【Outlook】「メール送信を5分遅らせる」設定!誤送信を防ぐ最強のディレイ機能
- 【神技】保存せずに閉じたExcel・Wordファイルを復元する!消えたデータを復活させる4つの救出法
- 【Outlook】予定表の「祝日」が表示されない!最新カレンダーの追加と二重表示の修正手順
- 【Teams】会議の「参加者リスト」を出席後にダウンロードする!誰が参加したか確認する手順
- 【Teams】メッセージを「保存済み」にして後で読む!重要なチャットをブックマークして整理する技
- 【Excel】文字がセルの枠からはみ出す・隠れる!「折り返して表示」と「縮小して全体を表示」の使い分け
