Power Queryを使って同じフォルダー内の複数のCSVファイルを結合するとき、既存のファイルは読み込まれるのに、後から追加した新規CSVファイルだけが読み込まれないという現象が発生することがあります。この問題は、Power Queryのキャッシュや設定、ファイル名のフィルター条件、フォルダーのアクセス権限など複数の要因が絡むため、原因を切り分けることが重要です。本記事では、具体的な確認手順とよくある失敗パターンを紹介し、会社のPCで安全に対処する方法を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: Power Queryの「データソース設定」と「クエリのプレビュー」、およびフォルダー内の新規CSVが正しく保存されているか。
- 切り分けの軸: 端末側(キャッシュ、フィルター、ファイル命名規則)とアカウント側(アクセス権限)、管理設定側(グループポリシー、OneDrive同期状態)の3つに分けて確認する。
- 注意点: 会社PCではPower Queryの詳細設定(例:バックグラウンド更新)を変更する前に、IT管理者に確認を取ることを推奨します。また、共有フォルダーの権限変更は控えてください。
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目次
1. よくある原因と切り分け方
新規CSVだけが読み込まれない原因は、主にPower Queryのキャッシュ、ファイル名フィルター、フォルダーアクセス権限の3つに分類されます。まずは原因を絞り込むための基本的な切り分け方を説明します。
1.1 Power Queryのキャッシュと更新の仕組み
Power Queryは初回に読み込んだフォルダー内のファイル一覧をクエリのプレビューとして保持し、その後に追加されたファイルが自動的に反映されないことがあります。これは、Power Queryが「フォルダー全体を毎回スキャンせず、前回の結果をキャッシュとして使う」動作によるものです。特に「Combine Files」機能を使っている場合、元のサンプルファイルが固定されるため、新規ファイルが結合対象外になりがちです。
1.2 ファイル名のパターンやフィルターの影響
Power Queryでフォルダーを取得するときに、名前フィルター(例:「*data*.csv」)を設定していると、新しいファイルがそのパターンに合致しない限り表示されません。また、拡張子の大文字小文字や、ファイル名に使われる記号(ハイフンなど)が原因で除外されるケースもあります。フィルター条件を再確認する必要があります。
2. 確認手順
以下の順番で確認を行ってください。各手順で問題の有無をチェックし、解決しない場合は次の手順に進みます。
- フォルダー内の新規CSVが正しく保存されているか確認する
新規CSVがフォルダー内に存在することをエクスプローラーで確認します。ファイルが開きっぱなしでロックされていないか、拡張子が.csv(小文字)か、文字コードがUTF-8以外の特殊なものになっていないかをチェックしてください。特にファイル名の先頭にスペースや「~」が付いていると見落とされやすいです。 - Power Queryの「データソース設定」を確認する
Excelの「データ」タブ → 「クエリと接続」 → 該当クエリを右クリック → 「プロパティ」 → 「定義」タブで、使用しているフォルダーパスが正しいか確認します。UNCパスを使っている場合は、ネットワークドライブと実パスの違いに注意してください。 - クエリのプレビューを更新する
Power Queryエディターを開き、左側の「クエリ」でフォルダー読み込みのクエリ(例:「Folder」という名前のクエリ)を選択し、「プレビューの更新」をクリックします。ここで新規ファイルが一覧に表示されるか確認します。表示されない場合は、フィルターやエラーの可能性があります。 - フィルターや「Combine Files」の設定を確認する
フォルダー読み込み後に適用しているフィルターステップをPower Queryエディターの「適用したステップ」で確認します。特に「名前のフィルター」や「変換されたファイル」の手順が関係します。また、「Combine Files」のサンプルファイルが新規のCSVと形式が異なる(列数、区切り文字、ヘッダー有無)とエラーになるため、サンプルファイルの設定を見直します。 - クエリのプロパティで「バックグラウンド更新」を確認する
クエリのプロパティの「使用法」タブで、「バックグラウンド更新を有効にする」がオフになっていると、自動更新が行われません。ただし、会社PCではグループポリシーで変更が制限されている可能性もあるため、変更する前に管理者に確認してください。 - フォルダーアクセス権限とOneDriveの同期状態を確認する
共有フォルダーを使用している場合、自分のアカウントに新規ファイルの読み取り権限があるか確認します。OneDriveフォルダーを使っている場合は、ローカルPCにファイルが完全に同期されているか、OneDriveの「オンラインのみ」状態になっていないか確認してください。
3. 原因別の症状と対処法の比較表
| 原因 | 主な症状 | 対処法 | 管理者確認の要否 |
|---|---|---|---|
| Power Queryのキャッシュ | 新規ファイルがプレビュー一覧に表示されない | クエリを右クリックで「更新」、またはクエリの「プレビューの更新」を実行する | 不要 |
| ファイル名フィルターが不一致 | 新規ファイルのみが除外される(古いファイルは表示される) | フィルター条件(「文字列のフィルター」など)を緩和するか、新規ファイル名を既存パターンに合わせる | 不要 |
| 「Combine Files」のサンプルファイル不一致 | 新規ファイルのみ結合時にエラー(または無視) | 「Combine Files」の最初のサンプルファイルとして、列構造が同一の最も新しいCSVを選び直す | 不要 |
| フォルダーアクセス権限不足 | 新規ファイルのみ読み込めず、エラーになる場合とスキップされる場合がある | フォルダー権限を確認し、自分に読み取り・一覧表示権限があるか確認する | 必要(権限変更は管理者のみ) |
| OneDriveのファイルステータス | 新規ファイルが「オンラインのみ」でローカルにない | OneDriveの設定で該当フォルダーを「常にこのデバイスに保持」するか、Power Queryの読み込み前にすべてのファイルをダウンロードする | 場合によって不要(個人設定で可能) |
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4. 失敗パターンとその対策
4.1 新規CSVの作成日時が古い場合
ファイル名は新しくても、中身のタイムスタンプが過去の日時になっているケースがあります。例えば、他のフォルダーからコピーして作成日時が保持されたままになっていると、Power Queryの並べ替え順で下の方になり、プレビュー画面で見えにくくなることがあります。この場合、並べ替え条件を「作成日時」ではなく「名前」に変更すると新規ファイルが一覧に現れることがあります。
4.2 ファイル名がフィルター条件から外れている場合
フォルダー読み込み時に「名前フィルター」や「拡張子フィルター」を設定していると、新規ファイルの命名規則が違うため除外されます。たとえば、既存ファイルが「report_20240101.csv」という形式なのに、新規ファイルを「20240101_report.csv」と命名すると、フィルターのパターン「*report*」に合致せず読み込まれません。この場合は、フィルターのパラメーターを変更するか、新規ファイル名を既存にあわせる必要があります。
4.3 クエリのキャッシュが古いまま更新されていない場合
Power Queryのバックグラウンド更新やオートメーションを使用していない場合、クエリのキャッシュは明示的に更新しない限り保持されたままです。特にExcelブックを開き直さずに新規CSVを追加した場合、キャッシュが生きていて気づかないうちに古い一覧が使われ続けることがあります。この場合、Excelシート上のデータを右クリック→「更新」、または「データ」タブの「すべて更新」を実行すると新規ファイルが取り込まれます。
5. 管理者へ確認すべき設定
会社のPCでは、以下のような設定がグループポリシーやセキュリティポリシーで制限されていることがあります。問題が解決しない場合は、IT管理者に相談してください。
- Power Queryの自動更新ポリシー: 管理者が「信頼されていない場所からの更新を無効」にしていると、フォルダー読み込みが自動更新されない可能性があります。
- OneDriveの同期設定: 会社のOneDriveポリシーで「ファイルオンデマンド」が強制されている場合、新規ファイルがローカルにダウンロードされる前にPower Queryが参照すると読み込めません。IT部門に依頼して、該当フォルダーの同期動作を確認してもらってください。
- ネットワーク共有フォルダーのアクセス権限: 新規ファイルだけ読み取れない場合、フォルダー継承が正しく設定されていないか、NTFS権限と共有権限の両方を確認する必要があります。権限変更は管理者のみ可能です。
- Excelのプライバシーレベルの設定: 「データ」タブの「クエリと接続」→「プロパティ」→「プライバシー」で「プライバシーレベルを無視する」が選択されているか確認してください。会社のポリシーで無視できない場合もあります。
6. よくある質問
Q1. フォルダーにCSVファイルを追加したのに、Power Queryクエリを更新しても反映されません。
A1. まず、Power Queryエディターでフォルダークエリの「プレビューの更新」を行い、新規ファイルが一覧に表示されるか確認してください。表示されない場合は、ファイル名フィルターや拡張子の誤り、またはファイルが開きっぱなしでロックされている可能性があります。特に他のユーザーがファイルを編集中でないか確認してください。
Q2. プレビューには新規CSVが表示されるのに、最終的な結合結果に含まれないのはなぜですか?
A2. 「Combine Files」のサンプルファイルと新規CSVの列数や区切り文字が異なる可能性があります。Power Queryエディターで「変換されたファイル」のステップを開き、「例から列を追加」などの詳細設定でサンプルファイルの構造を確認し、新規CSVに合わせて調整してください。
Q3. OneDriveに保存しているフォルダーで新規ファイルが読み込まれません。どうすればよいですか?
A3. OneDriveのファイルが「オンラインのみ」の状態だと、Power Queryからアクセスできないことがあります。「OneDriveの設定」→「アカウント」→「フォルダーの選択」で該当フォルダーを「常にこのデバイスに保持」に変更するか、一度手動ですべてのファイルをダウンロードしてからPower Queryを実行してください。会社PCで設定変更ができない場合は、IT管理者に相談してください。
7. まとめ
Power Queryで同じフォルダーの新規CSVだけ読み込まれない場合、キャッシュやフィルター設定、アクセス権限など複数の要因が考えられます。まずは「クエリのプレビュー更新」と「ファイル名フィルターの確認」を行い、それでも解決しない場合は「Combine FilesのサンプルファイルやOneDrive同期状態」をチェックしてください。会社PCではグループポリシーによる制限もあるため、権限変更や詳細設定の変更はIT管理者へ確認することをおすすめします。今回紹介した手順を順に実施することで、多くのケースで問題を解決できるはずです。
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