Salesforceで特定の項目が一部のユーザーだけ見えない、というトラブルはよく発生します。項目レベルセキュリティ(FLS)が原因であれば、権限セットやプロファイルの設定を見直す必要があります。しかし、同じオブジェクトの他の項目は見えているのに一部だけ見えない場合、FLS以外に共有設定やレイアウトの影響も考えられます。本記事では、FLSが一部ユーザーだけ見えない原因を切り分け、権限セットと共有設定を中心に確認する手順を解説します。管理者に依頼する前に、自分でチェックできるポイントも提示しますので、ぜひご活用ください。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: 権限セットの項目レベルセキュリティ設定とプロファイルの項目レベルセキュリティ設定を確認します。
- 切り分けの軸: 権限セットがアサインされているか、プロファイルでFLSが有効か、共有設定で参照権限が付与されているか。また、レイアウトに項目が配置されているかどうか。
- 注意点: 会社のSalesforce環境では、勝手に権限セットやプロファイルを変更しないでください。必ず管理者に連絡し、適切な権限を申請してください。
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目次
1. 項目レベルセキュリティの基本と見えない原因の概要
項目レベルセキュリティ(FLS)は、ユーザーが特定の項目を参照・編集できるかどうかを制御する仕組みです。プロファイルと権限セットの両方で設定可能で、両方とも「参照可能」に設定されていないと項目が見えません。また、権限セットがアサインされていても、プロファイルでFLSが無効の場合は権限セットの設定が上書きされることはありません。つまり、プロファイルと権限セットのFLSはAND条件で効きます。一部のユーザーだけ見えない場合、以下の原因が考えられます。
- 権限セットがアサインされていない
- 権限セットのFLSが無効
- プロファイルのFLSが無効
- 共有設定によりレコード自体が見えない
- ページレイアウトに項目が配置されていない
- 項目が「アクセス不可(非表示)」のレコードタイプに設定されている
FLSと権限セットの関係
権限セットはプロファイルの権限を補完するために使われます。プロファイルでFLSが無効でも、権限セットで有効にすれば項目は見えるようになります。ただし、権限セットがアサインされていないユーザーには適用されません。また、権限セットのFLSはプロファイルのFLSを上書きしませんが、両方有効なら見えます。つまり、プロファイルと権限セットの両方でFLSが有効である必要があります。
共有設定の影響
共有設定はレコード単位のアクセス権を制御します。FLSが適切でも、共有設定で当該レコードに対する参照権限がない場合はレコード自体が表示されません。項目が見えないのではなく、レコードが表示されないことがあります。この場合、ホームページやリストビューにレコードが表示されない、またはレコード詳細ページ自体にアクセスできない症状が出ます。
2. 見えない原因を切り分けるための確認手順
原因を特定するために、以下の手順を順番に確認してください。管理者権限が必要な操作もありますが、一般ユーザーでも確認できる項目もあります。
- 権限セットのアサイン状況を確認する
設定 > ユーザ > ユーザ管理 > ユーザ から該当ユーザを開き、「権限セットの割り当て」をクリックします。必要な権限セットがアサインされているか確認します。アサインされていない場合は、管理者に申請してください。 - 権限セットの項目レベルセキュリティを確認する
設定 > 権限セット で該当の権限セットを開き、「オブジェクト設定」から対象オブジェクトを選びます。「項目レベルのセキュリティ」タブで、該当項目の「参照可能」と「編集可能」にチェックが入っているかを確認します。チェックがない場合は、管理者に依頼して有効にしてもらいます。 - プロファイルの項目レベルセキュリティを確認する
設定 > プロファイル で該当ユーザーのプロファイルを開き、同様に「オブジェクト設定」から対象オブジェクトを選び、「項目レベルのセキュリティ」で該当項目の設定を確認します。権限セットがあってもプロファイルで無効だと見えないため、両方で確認が必要です。 - ページレイアウトの割り当てを確認する
設定 > ページレイアウト で対象オブジェクトのレイアウトを開き、該当項目が配置されているか確認します。レイアウトに項目がなければ、FLSが有効でも表示されません。また、レコードタイプごとに異なるレイアウトが割り当てられている場合は、該当レコードタイプのレイアウトも確認してください。 - 共有設定によるアクセス権を確認する
管理者に依頼して、該当ユーザーが対象レコードを参照できるかどうかを確認します。設定 > 共有設定 で「共有ルール」や「組織の共有設定」を確認します。特に、ロール階層や公開グループの設定が適切かどうかが重要です。 - ブラウザのキャッシュをクリアする
まれに、ブラウザのキャッシュが古い情報を表示していることがあります。シークレットモードで確認するか、キャッシュをクリアして再ログインしてみてください。
3. 権限セットと共有設定の比較表
| 設定項目 | 影響する範囲 | 項目が見えない場合の典型パターン | ユーザーでの確認可否 |
|---|---|---|---|
| 権限セットのFLS | アサインされたユーザーのみ | 権限セット未アサイン、またはFLSが無効 | 一部可能(割り当て画面は見えるがFLS設定は管理者のみ) |
| プロファイルのFLS | 全ユーザー(プロファイルごと) | プロファイルでFLSが無効 | 管理者のみ |
| ページレイアウト | レコードタイプごと | レイアウトに項目が含まれていない | 不可能(管理者のみ) |
| 共有設定 | レコード単位 | レコードが表示されない(項目以前の問題) | 不可能(管理者のみ) |
| レコードタイプの項目アクセス | レコードタイプごと | 項目がレコードタイプで非表示 | 不可能(管理者のみ) |
4. 失敗パターンと判断基準
権限セットでFLSを有効にしていない
最も多い原因です。管理者が権限セットを作成しても、項目レベルセキュリティの設定を忘れることがあります。権限セットがアサインされているのに項目が見えない場合、まず権限セットのFLSを確認しましょう。
プロファイルでFLSが無効
権限セットでFLSを有効にしても、プロファイルで無効だと見えません。プロファイルの設定は全ユーザーに影響するため、標準プロファイルでは特に注意が必要です。
共有設定で参照権限がない
FLSが適切でも、共有設定でレコードへのアクセスが制限されているとレコード自体が見えません。たとえば、非公開の共有設定でロール階層の上位ユーザーだけが見える場合、下位ユーザーはレコードを参照できません。この場合、レコード詳細ページにアクセスしようとするとエラーになるか、リストビューに表示されません。
親子関係の項目が見えない
参照関係の項目(ルックアップ)は、親レコードのFLSだけでなく、子レコード側のFLSも影響します。例えば、取引先の「ID」項目が見えないと、取引先担当者から取引先への参照項目が表示されないことがあります。この場合は親オブジェクトのFLSも確認する必要があります。
5. 管理者への確認依頼と再発防止策
自分で確認できる範囲は限られています。以下の情報を整理して管理者に依頼すると、スムーズに解決できます。
- 見えない項目の名称とオブジェクト名
- 該当ユーザーのユーザ名またはID
- 見えるユーザーと見えないユーザーの違い(プロファイル、権限セット、ロールなど)
- 発生している状況(レコード詳細で見えない、リストビューで見えないなど)
再発防止策としては、権限セットやプロファイルの変更履歴を定期的にレビューすること、新しい項目を追加した際にFLS設定を忘れないようにチェックリストを作成すること、そしてユーザーからの申請に対して権限セットでFLSを付与する運用ルールを徹底することが挙げられます。
6. よくある質問
Q: 権限セットをアサインしてもすぐに反映されますか?
A: はい、通常は即時反映されます。ただしブラウザのキャッシュが残っている場合があるため、キャッシュクリアをお試しください。
Q: プロファイルと権限セット、どちらが優先されますか?
A: 両方有効である必要があります。どちらかが無効だと項目は見えません。優先順位はありません。
Q: 項目は見えるが編集できないのはなぜですか?
A: 参照可能は有効でも編集可能が無効になっている可能性があります。権限セットまたはプロファイルの「編集可能」にチェックが入っているか確認してください。
Q: レコードタイプごとに見える項目が違うのはなぜですか?
A: レコードタイプごとにページレイアウトが異なるためです。レイアウトに項目が含まれているか確認してください。
7. まとめ
項目レベルセキュリティのトラブルは、権限セットとプロファイルの両方のFLS設定が適切かどうかが鍵です。まずは権限セットのアサインとFLS設定、次にプロファイルのFLS設定を確認しましょう。それでも解決しない場合は、共有設定やページレイアウト、レコードタイプの影響を疑う必要があります。管理者に依頼する際は、具体的な症状とユーザー情報を伝えることで迅速な対応が期待できます。本記事の手順を参考に、原因を切り分けてください。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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