Microsoft Teams会議中に通話品質が悪化し、相手の声が途切れたり、映像が乱れたりした経験はありませんか。
その原因を特定するには、Call Analyticsの活用が不可欠です。
この記事では、Call Analyticsを使って特定のユーザーの通話品質データを抽出する具体的な手順を解説します。
これにより、問題発生時の原因究明と迅速な解決に役立てることができます。
【要点】Call Analyticsで特定ユーザーの通話品質を抽出する
- Call Analyticsへのアクセス: Microsoft Teams管理センターからCall Analyticsにアクセスする手順。
- ユーザー検索とデータ抽出: 特定ユーザーを検索し、通話セッションを選択して詳細データを取得する方法。
- 通話品質指標の確認: 抽出したデータから、遅延・ジッター・パケットロスなどの品質指標を確認するポイント。
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目次
Call Analyticsの概要と通話品質の重要性
Microsoft TeamsのCall Analyticsは、組織内のTeams通話および会議の品質を監視・トラブルシューティングするための強力なツールです。IT管理者は、この機能を利用して、通話の遅延、ジッター、パケットロス、接続品質などの詳細なメトリックを確認できます。
通話品質は、リモートワーク環境における生産性や従業員満足度に直結します。品質が低いと、コミュニケーションが阻害され、業務効率が低下するだけでなく、ユーザーのフラストレーションを高めます。
Call Analyticsを使用することで、問題が発生した際に、特定のユーザーや会議セッションに焦点を当て、その根本原因を特定するための客観的なデータを得ることができます。これにより、迅速かつ的確な対応が可能となります。
Call Analyticsで特定ユーザーの通話品質データを抽出する手順
Call Analyticsを利用して、特定のユーザーの通話品質データを抽出するには、Microsoft Teams管理センターにアクセスし、ユーザーを検索して通話セッションの詳細を確認する手順が必要です。
- Microsoft Teams管理センターへサインインする
Webブラウザを開き、Teams管理センターのURL(admin.teams.microsoft.com)にアクセスします。組織のIT管理者アカウントでサインインしてください。 - ユーザー検索機能を利用する
管理センターの左側ナビゲーションメニューから「ユーザー」を選択します。次に、検索バーに問題のあるユーザーの氏名またはメールアドレスを入力し、Enterキーを押して検索します。 - ユーザープロファイルからCall Analyticsを開く
検索結果から該当ユーザーをクリックして、ユーザープロファイル画面を開きます。プロファイル画面の上部にある「Call Analytics」タブをクリックします。 - 通話セッションを選択する
Call Analytics画面には、そのユーザーが行った通話および会議の履歴が一覧表示されます。問題が発生した日時や会議名などから、該当する通話セッションを特定し、クリックして詳細画面を開きます。 - 通話品質の詳細を確認する
通話セッションの詳細画面では、参加者ごとの通話品質データが表示されます。ここでは、遅延(Latency)、ジッター(Jitter)、パケットロス(Packet Loss)、往復時間(Round Trip Time)、CPU使用率などの指標を確認できます。 - データのエクスポート(必要な場合)
詳細な分析や関係者との共有が必要な場合は、画面上部にある「エクスポート」ボタンをクリックすることで、通話品質データをCSVファイルとしてダウンロードできます。
抽出した通話品質データの解釈
Call Analyticsから抽出した通話品質データを正確に解釈することは、問題の特定と解決に不可欠です。ここでは、主要な指標とその意味について解説します。
主要な通話品質指標の意味
遅延(Latency): データパケットが送信元から宛先に到達するまでにかかる時間です。通常、ミリ秒(ms)で測定されます。遅延が大きいと、会話の応答が遅れ、不自然な間が生じます。
ジッター(Jitter): データパケットの到着時間のばらつきのことです。ジッターが大きいと、音声や映像が途切れたり、歪んだりする原因となります。
パケットロス(Packet Loss): 送信されたデータパケットのうち、宛先に到達しなかったパケットの割合です。通常、パーセンテージ(%)で示されます。パケットロスが多いと、音声が欠落したり、映像が途切れたりします。
往復時間(Round Trip Time): データパケットが送信元から宛先に到達し、さらに返信が送信元に戻ってくるまでにかかる時間です。遅延と似ていますが、双方向の通信時間を示します。
CPU使用率: 通話・会議に参加しているデバイスのCPU負荷率です。CPU使用率が高いと、デバイスの処理能力が追いつかず、通話品質に影響を与える可能性があります。
問題のある通話セッションの特定方法
Call Analyticsの画面では、これらの指標がグラフや数値で表示されます。一般的に、遅延が150ms以上、ジッターが30ms以上、パケットロスが1%以上の場合、通話品質に問題が生じやすいとされています。ただし、これらの閾値はネットワーク環境やユーザーの感覚によって異なります。
問題のあるセッションを特定するには、これらの指標が通常よりも著しく高い値を示している箇所を探します。特に、問題のユーザーだけでなく、会議の他の参加者も同様の品質低下を経験しているかどうかも確認すると、問題の原因がユーザー側のデバイスやネットワークにあるのか、それとも会議全体の問題なのかを切り分けるのに役立ちます。
また、Call Analyticsでは、CPU使用率やネットワーク帯域幅の使用状況も確認できます。これらの値が高い場合、デバイスのスペック不足やネットワーク帯域の逼迫が品質低下の原因となっている可能性が考えられます。
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新しいTeams(v2)と従来TeamsでのCall Analyticsの違い
新しいMicrosoft Teams(v2)では、ユーザーインターフェースや一部の機能が刷新されていますが、Call Analyticsの基本的な機能や目的は従来バージョンと大きく変わりません。管理センターからのアクセス方法や、通話品質データを抽出・確認する基本的な流れは同様です。
ただし、新しいTeamsでは、よりモダンなデザインとパフォーマンスの向上が図られています。Call Analyticsの画面表示も、より直感的で分かりやすくなっている可能性があります。また、将来的に新しいTeams向けに、さらに高度な分析機能やトラブルシューティング機能が追加されることも考えられます。
現時点では、Call Analyticsにおける機能的な大きな差異は報告されていません。IT管理者は、どちらのバージョンのTeamsを使用している場合でも、同様の手順で通話品質データを抽出・分析できます。ただし、UIの細かな違いについては、実際の操作画面で確認することをお勧めします。
Mac版・モバイル版・Web版での違い
Call Analyticsは、主にMicrosoft Teams管理センターを通じて利用される機能です。Microsoft Teams管理センターは、Webブラウザベースのインターフェースであるため、基本的にはどのオペレーティングシステム(Windows、macOS)からアクセスしても、同じ操作感で利用できます。
したがって、Mac版Teamsを利用しているIT管理者であっても、Windows版と同様の手順でCall Analyticsにアクセスし、通話品質データを抽出できます。
一方、モバイル版Teamsアプリ(iOS、Android)には、Call Analyticsの管理機能は提供されていません。モバイルデバイスからは、Teams管理センターのWebサイトにアクセスすることで、限定的ながらもCall Analyticsのデータを確認できる場合がありますが、PC版の管理センターほどの詳細な機能や操作性は期待できません。通常、通話品質の詳細な分析やトラブルシューティングは、PC環境で行うことが推奨されます。
Web版Teams(ブラウザ版)で会議に参加しているユーザー自身が、自分の通話品質を確認する機能は限定的です。しかし、IT管理者がWebブラウザからTeams管理センターにアクセスしてCall Analyticsを利用する際は、OSに依存せず、一貫した操作でデータを確認できます。
管理者権限について
Microsoft TeamsのCall Analytics機能にアクセスし、ユーザーの通話品質データを抽出するには、グローバル管理者またはTeamsサービス管理者のロールを持つアカウントが必要です。これらのロールを持つアカウントでMicrosoft Teams管理センターにサインインすることで、Call Analyticsの機能を利用できます。
一般ユーザーは、自分自身の通話履歴や品質データを確認する機能は持っていません。通話品質に関する問題を報告する場合は、組織のITヘルプデスクまたはTeams管理者へ連絡する必要があります。IT管理者は、提供された情報をもとに、Call Analyticsを使用して問題を調査します。
組織ポリシー・テナント設定による影響
Call Analyticsの利用や表示されるデータには、組織のMicrosoft 365テナント設定やポリシーが影響する場合があります。例えば、データ保持ポリシーによっては、過去の通話データが一定期間しか保存されないことがあります。
また、Azure Active Directory(Azure AD)におけるユーザーのライセンス設定も、Call Analyticsの利用に間接的に影響を与える可能性があります。Teamsのライセンスが付与されていないユーザーの通話データは、Call Analyticsに表示されないことがあります。
Exchange Onlineの設定も、会議や通話のスケジューリング、参加者情報などに影響を与える可能性があります。これらの設定は、Call Analyticsで表示されるデータに直接的な影響を与えるわけではありませんが、Teamsの全体的な運用に関わるため、関連する可能性があります。
組織によっては、セキュリティやコンプライアンスの観点から、特定のデータへのアクセスを制限している場合もあります。Call Analyticsへのアクセス権限がない場合は、組織のIT管理者に相談してください。
よくある質問とトラブルシューティング
ユーザーの通話履歴が表示されない場合
原因:
1. ユーザーに適切なTeamsライセンスが付与されていない。
2. ユーザーが最近Teamsを使い始めたばかりで、データが反映されていない。
3. 選択した期間内に、そのユーザーが通話や会議に参加していない。
4. Call Analyticsのデータ保持期間が過ぎている。
対処法:
1. Microsoft 365管理センターで、ユーザーにTeamsライセンスが付与されているか確認し、必要であれば付与する。
2. しばらく待ってから再度確認する。
3. 検索期間を広げるか、別のユーザーで試す。
4. 組織のデータ保持ポリシーを確認する。
通話品質データが異常に高い値を示している場合
原因:
1. ユーザーのネットワーク帯域幅が不足している。
2. ユーザーのデバイス(PCやマイク、スピーカー)のCPU使用率が高い。
3. ユーザーのネットワーク環境に問題がある(Wi-Fiの電波が弱い、ルーターの不調など)。
4. 組織のネットワーク機器(ファイアウォール、プロキシサーバー)の設定がTeamsの通信を妨げている。
対処法:
1. ユーザーに、可能であれば有線LAN接続への切り替えや、他の帯域を消費しているアプリケーションの終了を促す。
2. ユーザーに、不要なアプリケーションを終了させる、PCを再起動するなどの対応を依頼する。
3. ユーザーに、ルーターの再起動や、Wi-Fi接続の改善を試してもらう。
4. IT管理者は、ネットワーク機器の設定を確認し、Teamsの通信に必要なポートやプロトコルが許可されているか確認する。
特定の会議セッションのみ品質が悪い場合
原因:
1. 会議の主催者または一部の参加者のネットワーク環境に問題がある。
2. 大規模な会議で、サーバー負荷が高まっている。
3. 会議中に使用された特定の機能(画面共有、ビデオなど)が原因となっている。
対処法:
1. 問題の参加者を特定し、個別にネットワーク環境を確認する。
2. 可能であれば、会議の参加人数を減らすか、会議のスケジュールを調整する。
3. 問題の原因となっている機能の使用を一時的に停止し、品質が改善するか確認する。
まとめ
本記事では、Microsoft TeamsのCall Analyticsを使用して、特定ユーザーの通話品質データを抽出・解釈する手順を詳しく解説しました。
この手順を理解することで、通話品質の問題発生時に、客観的なデータに基づいた迅速な原因究明が可能になります。
今後は、Call Analyticsで得られた情報を活用し、ユーザーからの問い合わせに対応したり、ネットワーク環境の改善提案に役立てたりすることができます。
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超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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