業務中に「このデバイスでは信頼済みプラットフォームモジュールを使用できません」というエラーメッセージが表示され、困った経験はありませんか。このメッセージは、システムがセキュリティ機能であるTPM 2.0を認識できない場合に発生します。この記事では、このエラーメッセージを回避し、必要な操作を続行するための具体的な手順を解説します。
【要点】「このデバイスでは信頼済みプラットフォームモジュールを使用できません」エラーの回避策
- BIOS/UEFI設定の確認: ハードウェアレベルでTPM 2.0を有効化し、システムが認識できるようにします。
- グループポリシーエディターの設定変更: BitLockerなどのTPM要件を緩和し、TPMがない環境でも操作を進められるようにします。
- レジストリの編集: システムのTPM関連設定を直接変更し、エラーの発生を抑制します。
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目次
「このデバイスでは信頼済みプラットフォームモジュールを使用できません」エラーが発生する理由
「このデバイスでは信頼済みプラットフォームモジュールを使用できません」というエラーメッセージは、Windowsがセキュリティ機能であるTPM Trusted Platform Moduleを認識できない場合に表示されます。TPMは、暗号化キーの生成や保護、システムの整合性検証など、セキュリティ関連の処理を行うための専用チップまたはファームウェア機能です。Windows 11では、セキュリティ要件としてTPM 2.0の搭載が必須とされています。
このエラーは、主に以下のいずれかの状況で発生します。第一に、PCのBIOS/UEFI設定でTPMが無効になっている場合です。第二に、PCのハードウェア自体がTPM 2.0に対応していない場合です。第三に、何らかの理由でWindowsがTPMを正常に検出できない場合にも発生します。特にBitLockerなどの暗号化機能を使用しようとすると、TPMの有効化が強く求められます。
TPMエラーを回避するための具体的な操作手順
このセクションでは、「このデバイスでは信頼済みプラットフォームモジュールを使用できません」というエラーを回避するための具体的な操作手順を三つの方法に分けて解説します。まずはBIOS/UEFI設定を確認し、次にグループポリシー、最後にレジストリの順で試すことを推奨します。
方法1: BIOS/UEFI設定でTPMを有効にする
PCのBIOS/UEFI設定でTPMが有効になっているかを確認し、必要に応じて有効化します。この設定は、PCのメーカーやモデルによって表示が異なります。
- PCを再起動する
Windowsを終了し、PCを再起動します。 - BIOS/UEFI設定画面に入る
PCの起動直後に、メーカー指定のキー F2、Del、F10など を繰り返し押して、BIOS/UEFI設定画面に入ります。 - TPM関連の設定を探す
設定画面内で「Security」「Boot」「Advanced」などのタブを探し、「Trusted Platform Module」「TPM Device」「Intel PTT」「AMD fTPM」といった項目を探します。 - TPMを有効にする
見つけたTPM関連の項目を「Enabled」または「Active」に設定します。 - 設定を保存して終了する
変更を保存し、BIOS/UEFI設定を終了してPCを再起動します。通常はF10キーなどが保存と終了の機能に割り当てられています。
方法2: グループポリシーエディターでTPM要件を緩和する
グループポリシーエディターを使用して、BitLockerなどのTPM要件を緩和できます。この方法は、Windows 11 Pro、Enterprise、Education、およびWindows 10 Pro、Enterprise、Educationエディションで利用できます。Windows Homeエディションではこの機能は利用できません。
- グループポリシーエディターを開く
WindowsキーとRキーを同時に押し、「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。入力欄に「gpedit.msc」と入力し、Enterキーを押してグループポリシーエディターを起動します。 - 目的のポリシーに移動する
左側のペインで、「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「BitLockerドライブ暗号化」→「オペレーティングシステムドライブ」の順に展開します。 - ポリシー設定を変更する
右側のペインで、「スタートアップ時に追加の認証を要求する」ポリシーをダブルクリックして開きます。 - ポリシーを有効にして設定を調整する
表示されたダイアログで、「有効」を選択します。「互換性のあるTPMがないBitLockerを許可する」のチェックボックスにチェックを入れます。 - 設定を適用して閉じる
「適用」をクリックし、次に「OK」をクリックしてダイアログを閉じます。グループポリシーエディターも閉じ、PCを再起動します。
方法3: レジストリを編集してTPM要件を無効化する
レジストリを編集することで、TPMの要件を無効化できます。この方法はWindows Homeエディションでも使用できますが、レジストリの編集はシステムに深刻な影響を与える可能性があるため、必ずバックアップを取ってから慎重に作業してください。
- レジストリのバックアップを作成する
WindowsキーとRキーを同時に押し、「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。入力欄に「regedit」と入力し、Enterキーを押してレジストリエディターを起動します。レジストリエディターのメニューから「ファイル」→「エクスポート」を選択し、任意の場所にバックアップファイルを保存します。 - 目的のパスに移動する
レジストリエディターの左側のペインで、以下のパスに移動します。HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\TPM
もし「TPM」キーが存在しない場合は、「Microsoft」キーを右クリックし、「新規」→「キー」を選択して「TPM」という名前で新しいキーを作成します。 - 新しいDWORD値を作成する
「TPM」キーを選択した状態で、右側の空白領域を右クリックし、「新規」→「DWORD 32ビット値」を選択します。 - 値の名前とデータを設定する
作成した新しい値の名前を「AllowTPM」に変更します。ダブルクリックして値のデータを「1」に設定し、「OK」をクリックします。 - レジストリエディターを閉じPCを再起動する
レジストリエディターを閉じ、PCを再起動して変更を適用します。
TPMエラー回避時のよくある問題と追加の対処法
TPMエラーの回避策を試しても問題が解決しない場合や、特定の状況で操作が進められない場合があります。ここでは、そうしたよくある問題とその対処法について解説します。
TPMオプションがBIOS/UEFIに表示されない場合
BIOS/UEFI設定画面でTPM関連のオプションが見つからないことがあります。これは、PCのハードウェアがTPM 2.0に対応していないか、またはUEFIモードで起動していないことが原因である可能性があります。
- PCの仕様を確認する
PCのメーカーウェブサイトで、お使いのモデルがTPM 2.0に対応しているか確認します。古いPCではTPM 1.2のみ対応の場合や、TPMが搭載されていない場合があります。 - BIOS/UEFIをアップデートする
PCメーカーが提供する最新のBIOS/UEFIファームウェアにアップデートすることで、TPMオプションが追加されたり、認識が改善されたりすることがあります。ただし、BIOS/UEFIのアップデートはリスクを伴うため、手順をよく確認してから実行してください。 - UEFIモードを確認する
PCがレガシーBIOSモードではなく、UEFIモードで起動しているか確認します。一部のTPM機能はUEFIモードでのみ利用可能です。
グループポリシーエディターが見つからない場合
「gpedit.msc」と入力してもグループポリシーエディターが起動しない場合、お使いのWindowsエディションがHomeエディションである可能性が高いです。
- Windowsエディションを確認する
「設定」→「システム」→「バージョン情報」を開き、「Windowsの仕様」セクションでエディションを確認します。Windows Homeエディションの場合、グループポリシーエディターは搭載されていません。 - レジストリ編集を試す
グループポリシーエディターが利用できない場合は、「方法3: レジストリを編集してTPM要件を無効化する」の手順を試してください。ただし、レジストリ編集は慎重に行う必要があります。
レジストリ編集後もエラーが解消しない場合
レジストリを編集し、PCを再起動してもエラーメッセージが消えない場合は、変更が正しく適用されていないか、他の要因が影響している可能性があります。
- レジストリ設定の再確認
再度レジストリエディターを開き、「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\TPM」パスの下に「AllowTPM」というDWORD値が作成され、値のデータが「1」になっていることを確認します。 - 別の回避策を検討する
レジストリ編集でも解決しない場合は、BitLockerの有効化など、特定の操作でTPM要件を回避する必要がある場面かもしれません。その場合は、その操作固有の回避策がないか、関連するドキュメントを確認します。
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TPM回避策の比較
TPMエラーを回避するための三つの方法について、それぞれの特徴を比較します。
| 項目 | BIOS/UEFI設定 | グループポリシーエディター | レジストリ編集 |
|---|---|---|---|
| 難易度 | 中 | 低 | 高 |
| 影響範囲 | ハードウェア全体 | システム全体 | システム全体 |
| Homeエディション対応 | 対応 | 非対応 | 対応 |
| 推奨度 | 最も推奨 | 次点 | 最終手段 |
「このデバイスでは信頼済みプラットフォームモジュールを使用できません」というエラーメッセージは、TPMが有効でないことが原因で発生します。この記事で解説したBIOS/UEFI設定、グループポリシーエディター、レジストリ編集のいずれかの方法で、このエラーを回避できるはずです。まずはPCのBIOS/UEFI設定を確認し、TPM 2.0を有効にすることで、BitLockerなどのセキュリティ機能が利用可能になります。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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