ここでは「アカウントがハッキングされ、データが流出しています。アクセスを回復する方法はこちら。」と題したビットコインを要求する脅迫メールが、自分のメールアドレスから届いた際の対処法を紹介します。
目次
- 1 「アカウントがハッキングされ、データが流出しています。アクセスを回復する方法はこちら。」の文面
- 2 脅迫メール「アカウントがハッキングされ、データが流出しています。アクセスを回復する方法はこちら。」の対処法
- 3 「アカウントがハッキングされ、データが流出しています。アクセスを回復する方法はこちら。」を無視すべき理由
- 4 「アカウントがハッキングされ、データが流出しています。アクセスを回復する方法はこちら。」は「セクストーション詐欺」の一種
- 5 このメールについて警察に相談する場合
- 6 ハッキング被害の有無を確認する方法
- 7 「アカウントがハッキングされ、データが流出しています。アクセスを回復する方法はこちら。」についての結論
「アカウントがハッキングされ、データが流出しています。アクセスを回復する方法はこちら。」の文面
この脅迫メールは以下の文面で構成されていることが判明しています。
こんにちは。
私は、あなたのオペレーションシステムへのフルアクセスを獲得したハッカーです。
システムだけでなく、アカウントにも完全にアクセス可能となりました。
ここ数カ月間、あなたを監視し続けてきました。
実際、ご利用中のパソコンは、訪問されたアダルトサイトからマルウェアに感染しています。
マルウェアについてよくご存じないかもしれないので、ご説明いたします。
パソコンやその他のデバイスへ部外者である私が完全にアクセスしたり操作したりすることがトロイの木馬で、できるようになります。
ということは、あなたに知られずに、あなたのデバイスの画面に表示されているもの全てを見たり、さらにはあなたのカメラやマイクをONにしたりもできることを意味します。
それに、登録されている全員の連絡先や、その方々とあなたの今までのやり取り全てにも、私はアクセスできます。
ではなぜ、あなたのウイルス対策ソフトは、マルウェアを検知できなかったのか?
その答えは、私が使っているマルウェアはドライバベースのため、4時間毎に署名を書き換えるからです。だから、ウイルス対策ソフトは、マルウェアの存在が検知できません。
画面の左側では、あなたが自分を慰めている映像、右側ではその時に視聴していたエッチな映像を表示するような動画を作成しました。
1度クリックするだけで、この動画をあなたのメールやSNSの連絡先全員に送信できます。
さらに、あなたの今までのメールの内容やチャット履歴を公開することも、朝飯前です。
そんな状況を回避したければ、私のビットコインアドレスに$1720相当のビットコインを送金してください。(方法が分からなければ、「ビットコイン購入」とGoogleで検索してください。)
私のビットコインアドレス(BTCウォレット)は: 1Lj2uT2cW5TV1mmMKEafcGHgdRx9qRXTLA
送金が確認できたらすぐに、作成した動画を削除します。それっきり、私からあなたに連絡をすることは一切ありません。
送金完了まで、50時間(2日間以上)の猶予を与えます。このメールの開封と同時に、こちらに通知が届くようになっており、送金期限までの時間を測るタイマーは開封時から開始します。
どこかに苦情を申し立てても、意味はありません。このメールもビットコインアドレスと同様に、追跡は不可能だからです。
私は絶対にミスはしません。
もし誰かとこのメッセージを共有したことが私に分かると、動画をすぐに公開します。
よろしくお願いします。
実際の画面
この脅迫メールは受信者自身のメールアドレスを偽装して送信されるケースが確認されています。
脅迫メール「アカウントがハッキングされ、データが流出しています。アクセスを回復する方法はこちら。」の対処法
こちらのメールが届いた場合でも、絶対に送金および返信をしてはいけません。ハッカーによるネット犯罪を装った文面に慌てることなく、すぐにメールを廃棄してください。
この脅迫犯による「オペレーションシステムへのフルアクセスを獲得した」との主張は全くの虚偽です。
あなたが無視したことにより、このメールの送信元から危害を加えられる可能性は一切ありません。
「アカウントがハッキングされ、データが流出しています。アクセスを回復する方法はこちら。」の類似手口
2021年12月頃から類似した文面の脅迫メールが確認されています。
【対処法】脅迫メール「重要なニュース」が届いた場合【ハッキング】
【完全対処】脅迫メール「申し訳ありませんが」が届いた場合
「アカウントがハッキングされ、データが流出しています。アクセスを回復する方法はこちら。」を無視すべき理由
冒頭に記されている「ここ数カ月間、あなたを監視し続けてきました」といったメッセージは完全なデタラメです。
同様に「あなたの今までのメールの内容やチャット履歴を公開することも、朝飯前です」という脅し文句もまったくの虚偽で、これは迷惑メール業者が「世界中のメールアドレスに送っている大ウソ」です。
また「そんな状況を回避したければ、私のビットコインアドレスに$1720相当のビットコインを送金してください」と記されていますが、相手の要求に従った場合、さらなる高額の請求を受けることは容易に想像できます。
「もし誰かとこのメッセージを共有したことが私に分かると、動画をすぐに公開します」との記載も単なるハッタリです。あくまでも思考実験的に、この主張を事実だと仮定しても、詐欺グループは同様のメールを世界中に数万件以上送信しているので、全員に対応するのは到底不可能です。
これらの脅しを気にすることなく完全に無視してください。
「アカウントがハッキングされ、データが流出しています。アクセスを回復する方法はこちら。」は「セクストーション詐欺」の一種
こうした「実際に動画を撮影していないにもかかわらずメールの文面で脅迫する行為」は2018年から世界中で横行し、性的な事柄で脅しを行う「セクストーション詐欺」の一種となりました。
インターネット初期から存在し、当時は出会い系サイトなどで知り合った異性が「相手に裸の写真を送らせてバラまくと脅迫する」といった「オンライン美人局」が主流でした。
2000年代中盤からはアダルトサイトの閲覧中に「ウイルスに感染しました」とポップアップの警告文が表示され、解除させるためのソフトを売る「ポップアップ詐欺」が登場。
現在はハッキングにより性的な動画を撮影したと偽る「脅迫メール詐欺」が主流となっています。
現在、多くのパソコンやスマートフォンにインカメラが付いていることから、ランダムに送信したメールの受信者に対しても一定確率で「もしかしたら撮られている可能性がある」と思わせる狡猾な手法です。
銀行口座ではなく仮想通貨であるビットコインに入金を促すことで詐欺グループの特定が困難なことも特徴といえるでしょう。
こうした背景から、当初の英語で書かれた「情報リクエストに関する個人的な」が多言語化され、2021年現在も世界各国で拡散が続いています。
仮にリアクションをしてしまうと詐欺グループのターゲットとなってしまうリスクが高まります。文面を読んで不安を抱いても、気にせずゴミ箱に捨ててください。
このメールと同ジャンルのセクストーション詐欺
・脅迫メール「情報リクエストに関する個人的な」の対処法
・脅迫メール「You are under attack」「Read it」の対処法
・脅迫メール「テーマ: 商業オファー。」が届いた場合の対処法
・脅迫メール「ビジネス提案」が届いた場合の対処法
このメールについて警察に相談する場合
各都道府県の警察本部に設けられた相談窓口に連絡しましょう。
ハッキング被害の有無を確認する方法
どうしても不安な方は、市販のセキュリティソフトを使用することでパソコン・スマートフォン・タブレットがハッキングされていないかどうかを確認することが可能です。
セキュリティソフト「ノートン」の導入
ノートンではインストール台数、対応OS別に「ノートン アンチウイルスプラス」「ノートン360スタンダード」「ノートン360デラックス」「ノートン360プレミアム」のプランが用意されています。
セキュリティソフト「ウイルスバスター クラウド」の導入
トレンドマイクロの「ウイルスバスター クラウド」はWindows、Mac、Android、iOS、Kindle Fireシリーズに対応し、任意の組み合わせで3台までインストール可能です。
「アカウントがハッキングされ、データが流出しています。アクセスを回復する方法はこちら。」についての結論
脅迫メール「アカウントがハッキングされ、データが流出しています。アクセスを回復する方法はこちら。」に記されている脅し文句は紛うことなく虚偽です。
メールの開封から「50時間以内」として振込に一定のタイムリミットを設定することで判断力を鈍らせ、社会的地位のある受信者に「お金を払って解決できるなら」と入金させる極めて悪質な詐欺行為といえます。
このメールを受け取って不安になったとしても、送信元に「減額の相談」や「本当に動画を撮影したのか」と問い合わせることも厳禁です。相手への不用意な連絡は「いいカモ」として詐欺グルーブのターゲットとなるリスクが増大するだけです。
無視しても間違いなく何も起こりませんので、安心してメールを捨ててください。