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「同意」と「合意」

コミュニケーションの中でよく使われる「同意」と「合意」の二つの言葉ですが、それぞれがどのような状況や意味で用いられるかを理解することは重要です。

「同意」とは

「同意」は、他人の意見や提案、主張などに対して賛成すること、または承認することを表します。もう少し詳しく言うと、「同意」は一方的な関係性を強調します。ある人が意見を述べ、もう一人がそれに対して「同意する」という形になります。

「合意」とは

一方、「合意」は、二人以上の人々が共同で一つの意見や決定、取り決めに至ることを指します。つまり、「合意」は相互作用を必要とし、その結果として生まれる合意点、共通認識を強調します。

「同意」と「合意」の違い

相互性の有無

「同意」と「合意」の最も大きな違いは、相互性の有無です。「同意」は一方的な行為であり、ある一方が他方の意見に対して同意を示すことで完成します。一方、「合意」は双方向的なプロセスであり、対話や議論を経て共通の認識に達することを表します。

形成される関係性

「同意」は一方的な同意によって形成される関係性を指し、「合意」は対話や議論を経て形成される共有の認識や決定を指します。この違いは、実際の使用例でも明らかです。

例えば、あるプロジェクトの計画書を上司が承認した場合、「上司が計画書に同意した」と表現します。一方で、同僚と一緒に昼食の場所を決めた場合、「同僚と昼食の場所に合意した」と表現します。

このように、「同意」と「合意」は似たような状況でも異なる関係性を形成するため、その使用状況が大きく変わることを理解しておくことが重要です。