業務中にHDDからファイルをコピーしようとした際、「ファイルのコピー中にエラーが発生しました」というメッセージが表示され、作業が中断してしまうことがあります。
これはHDDの物理的な損傷が原因で、通常のコピー方法では読み取りエラーを回避できません。
この記事では、Robocopyコマンドを利用して、エラーが発生するHDDからファイルを救出する具体的な手順を解説します。
読み取りエラーをスキップし、大切なデータを確実にコピーできるようになります。
【要点】壊れかけHDDからのファイル救出を成功させるポイント
- Robocopyコマンド: 破損したHDDからのファイルコピーにおいて、読み取りエラーをスキップし中断せずにコピーを進めます。
- /Rオプションと/Wオプション: ファイルの読み取りエラーが発生した場合のリトライ回数と待機時間を細かく設定し、コピーの成功率を高めます。
- ログファイル出力: コピーの進行状況やエラー発生状況を詳細なログファイルで確認し、未コピーファイルを特定できます。
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目次
「ファイルのコピー中にエラーが発生しました」エラーが発生する根本原因
「ファイルのコピー中にエラーが発生しました」というメッセージは、多くの場合、HDDやSSDの物理的な損傷が原因です。
特にHDDの場合、セクタ不良と呼ばれる読み取り不能な領域が発生すると、ファイルシステムがその部分のデータを読み込めなくなります。
Windowsの標準コピー機能は、このような読み取りエラーに遭遇すると、コピー処理を停止してしまいます。
これはデータの整合性を保つための挙動ですが、壊れかけのHDDから可能な限り多くのファイルを救出したい場合には不便です。
Robocopyコマンドは、この読み取りエラーを検知しても、指定した回数リトライした後にそのファイルをスキップし、残りのファイルのコピーを続行できる点が大きな利点です。
Robocopyコマンドで壊れかけHDDからファイルを救出する手順
Robocopyコマンドは、Windowsに標準搭載されている強力なファイルコピーツールです。読み取りエラーを回避しながらファイルをコピーする手順を説明します。
- コマンドプロンプトを管理者として実行する
Windowsのスタートボタンを右クリックし、「ターミナル 管理者」または「Windows PowerShell 管理者」を選択します。Windows 10の場合は「コマンドプロンプト 管理者」を選択してください。ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されたら「はい」をクリックします。 - 基本的なRobocopyコマンドの構文を理解する
Robocopyコマンドの基本的な構文は次の通りです。robocopy [コピー元] [コピー先] [オプション]
例えば、Dドライブの「OldData」フォルダからEドライブの「NewBackup」フォルダへコピーする場合、robocopy D:\OldData E:\NewBackupとなります。 - エラー回避のためのオプションを設定して実行する
壊れかけのHDDからファイルをコピーする際に重要なオプションは以下の通りです。/E: 空のディレクトリも含め、すべてのサブディレクトリをコピーします。/ZB: 再起動可能モードでコピーします。アクセス拒否されたファイルの場合、自動的にバックアップモードを試行します。/R:n: 読み取りエラーが発生した場合のリトライ回数を指定します。nに数字を入れます。/R:0とするとリトライせずにスキップします。/W:n: リトライ間の待機時間を秒数で指定します。nに数字を入れます。/W:1とすると1秒待機します。/LOG:ファイル名.log: コピー結果をログファイルに保存します。/LOG:robocopy_log.txtのように指定します。/NP: 進行状況のパーセンテージ表示を行いません。ログファイル出力と併用すると見やすくなります。/ETA: コピーにかかる推定完了時刻を表示します。
- 具体的なコマンド例で実行する
以下に状況に応じたコマンド例を示します。
例1: 読み取りエラーをすぐにスキップし、高速にコピーする場合robocopy D:\OldData E:\NewBackup /E /ZB /R:0 /W:0 /LOG:robocopy_fast.txt /NP
このコマンドは、読み取りエラーが発生したファイルをすぐにスキップし、コピーを続行します。未コピーファイルはログファイルで確認します。例2: 軽微なエラーは数回リトライし、ある程度粘り強くコピーする場合
robocopy D:\OldData E:\NewBackup /E /ZB /R:3 /W:5 /LOG:robocopy_retry.txt /NP /ETA
このコマンドは、エラーが発生した場合、5秒間待機して3回までリトライします。これにより、一時的な読み取り不安定によるコピー失敗を減らせます。例3: コピー元とコピー先を慎重に確認し、Dry Runを実行する
robocopy D:\OldData E:\NewBackup /E /L /LOG:robocopy_dryrun.txt /NP/Lオプションは、実際にファイルをコピーせず、どのような操作が行われるかをログファイルに出力します。本番実行前に確認する際に非常に有効です。 - コピー完了後、ログファイルを確認する
コマンドの実行が終了したら、指定したログファイルを開き、コピー結果を確認します。ログファイルには、コピーされたファイル、スキップされたファイル、エラーが発生したファイルの詳細が記載されています。特に「FAILED」の項目を確認し、救出できなかったファイルを特定します。
Robocopy実行時の注意点とよくあるトラブル
Robocopyは強力なツールですが、使い方によっては意図しない結果を招くことがあります。以下の点に注意してください。
コピー先の容量が不足してしまう
コピー元のHDDに大量のデータがある場合、コピー先のドライブの空き容量が不足することがあります。
コピーが途中で停止したり、「空き領域が不足しています」といったエラーが表示されたりします。
対処法: コピーを開始する前に、コピー先のドライブに十分な空き容量があるか確認してください。コピー元のデータ総量よりも余裕を持った容量のドライブを用意することが重要です。
ファイル名やパスが長すぎてコピーに失敗する
Windowsのファイルシステムには、パス名の最大長に制限があります。通常、約260文字を超えるパスは扱えません。
Robocopyでもこの制限に引っかかり、特定のファイルのコピーに失敗することがあります。
対処法: Windows 10バージョン1607以降およびWindows 11では、NTFSのパス長制限を解除する設定が可能です。グループポリシーエディターまたはレジストリを編集することで有効にできます。ただし、これは上級者向けの操作です。より簡単な方法としては、コピー元のフォルダ構造を一時的に浅くしたり、問題のファイルが含まれるフォルダを個別にコピーしたりする方法を試してください。
コピーが途中で停止したように見える
特にHDDの損傷が深刻な場合、Robocopyが特定のファイルを読み込もうとして、非常に長い時間応答しなくなることがあります。
これは、HDDがそのセクタを読み込もうと何度も試行しているためです。
対処法: /R:0 /W:0 オプションを使用して、リトライを行わずにエラーファイルをスキップするように設定します。これにより、コピー処理が停止することなく、可能な限りのファイルを迅速に救出できます。ログファイルを定期的に確認し、進行状況を把握することも有効です。
Robocopyコマンドが見つからない、またはアクセスが拒否される
RobocopyはWindowsに標準搭載されているため、コマンドが見つからないことは稀です。
しかし、コマンドプロンプトを管理者権限で実行していない場合、コピー元やコピー先のフォルダへのアクセスが拒否され、エラーが発生することがあります。
対処法: 必ず「コマンドプロンプト」または「ターミナル」を管理者として実行してください。また、コピー元やコピー先のドライブがBitLockerなどで暗号化されている場合は、事前にロックを解除する必要があります。
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Robocopyと通常のファイルコピーの違い
RobocopyとWindows標準のファイルコピー機能には、いくつかの重要な違いがあります。
| 項目 | Robocopy | 通常のファイルコピー |
|---|---|---|
| エラー処理 | 読み取りエラーをスキップし、処理を続行可能 | 読み取りエラーで処理が中断 |
| 再開機能 | 可能(部分的にコピーされた状態から再開) | 不可(最初からやり直し) |
| オプション | 詳細な設定が可能(リトライ、ログ、ミラーリングなど) | 基本的な設定のみ |
| 速度 | 条件により高速化可能 | ファイル数が多いと遅くなる場合がある |
| ログ機能 | 詳細なログを出力 | なし |
まとめ
「ファイルのコピー中にエラーが発生しました」という問題は、Robocopyコマンドを活用することで解決できます。
本記事で解説した手順により、読み取りエラーを回避し、破損したHDDから大切なデータを救出できるようになります。
今回学んだRobocopyのオプションは、普段のバックアップ作業や大容量ファイルの移動にも応用できます。
/Rや/Wオプションを状況に応じて使い分け、データの保全に役立てましょう。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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