VPN接続を利用しているビジネスマンの皆様は、すべての通信がVPN経由となり、ローカルネットワークへのアクセスやインターネット速度に不便を感じることがあるかもしれません。
この設定を調整することで、業務に必要な通信のみをVPN経由とし、その他の通信は通常のインターネット回線を使うことが可能になります。
この記事では、Windows 11でこのトラフィック制御設定をオフにする具体的な手順を解説し、より効率的な業務環境の構築をサポートします。
【要点】VPN接続のトラフィック制御設定を最適化する
- VPN設定の変更: 特定の通信のみをVPN経由にする「スプリットトンネリング」設定を有効にします。
- ローカルネットワークアクセスの許可: 社内リソースへのアクセスを維持しながら、自宅などのローカルネットワークデバイスも利用できます。
- インターネット通信の分離: 一般的なWeb閲覧やストリーミングはVPNを介さず直接インターネットに接続し、速度低下を防ぎます。
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目次
VPN接続時のトラフィック制御の概要とメリット
VPN接続の基本的な動作原理として、通常はすべてのネットワークデータが暗号化されたVPNトンネルを通過します。この「フルトンネリング」と呼ばれる方式は、企業ネットワークに接続する際に高いセキュリティを提供します。しかし、インターネット上の一般的なウェブサイト閲覧や、自宅のネットワークプリンターへのアクセスもVPNサーバーを経由するため、通信速度の低下や、ローカルデバイスへのアクセス制限といった問題が生じることがあります。
この記事で解説する「VPN経由ですべてのトラフィックを送信する」設定をオフにする操作は、「スプリットトンネリング」と呼ばれる方式を有効にするものです。スプリットトンネリングでは、VPN接続が必要な特定の業務関連通信のみがVPNトンネルを通過します。これにより、企業の内部リソースへのアクセスは安全に保ちつつ、インターネットへの一般的なアクセスはユーザーの通常の回線から直接行われます。
この設定の変更により、VPNサーバーの負荷を軽減し、ユーザーのインターネット利用体験を向上させることが可能です。例えば、VPN接続中にWeb会議に参加する場合、会議データはVPNを通過させつつ、同時に開いているニュースサイトの閲覧はVPNを介さずに行えます。これにより、業務効率の向上と、より快適なネットワーク利用の両立が期待できます。
Windows 11でVPNのトラフィック制御を変更する手順
- 設定アプリを開く
デスクトップ画面の左下にあるスタートボタンを右クリックします。表示されるコンテキストメニューの中から「設定」を選択して、設定アプリを起動します。 - ネットワークとインターネットを開く
設定アプリの左側ナビゲーションペインにある「ネットワークとインターネット」の項目をクリックします。これにより、ネットワーク関連の設定画面が表示されます。 - VPN設定にアクセスする
「ネットワークとインターネット」画面の右側に表示される項目一覧の中から、「VPN」をクリックしてVPN設定画面に移動します。 - VPN接続のプロパティを開く
設定を変更したいVPN接続名を見つけます。そのVPN接続名の右側に表示されている「詳細オプション」というボタンをクリックするか、または「接続済み」と表示されているVPN接続名自体をクリックします。これにより、選択したVPN接続の詳細設定画面が開きます。 - IP設定を編集する
VPNの詳細設定画面を下にスクロールします。「IP設定」というセクションを見つけ、「編集」ボタンをクリックします。この操作で、VPN接続のIPアドレスに関する詳細な設定を変更する画面が表示されます。 - VPNゲートウェイの使用をオフにする
「IP設定の編集」画面で、「VPNゲートウェイにデフォルトゲートウェイを使う」という項目を探します。この項目の右側にあるチェックボックスをクリックして、チェックマークをオフにします。この設定をオフにすることで、VPN経由ですべてのトラフィックを送信する動作が無効化されます。 - 設定を保存する
変更した設定を適用するために、画面下部にある「保存」ボタンをクリックします。これで、特定通信のみをVPN経由とする設定が完了します。
【Windows 10の場合の補足】
Windows 10では、設定画面の構成がWindows 11と一部異なります。スタートボタンをクリックし、「設定」アイコンを選択します。その後、「ネットワークとインターネット」をクリックし、左側のメニューから「VPN」を選択します。目的のVPN接続名をクリックし、「詳細オプション」を選択します。ここで「アダプターのオプションを変更する」をクリックすると、コントロールパネルのネットワーク接続画面が開きます。VPN接続を右クリックし、「プロパティ」を選択します。「ネットワーク」タブを開き、「インターネットプロトコルバージョン4 TCP/IPv4 」を選択して「プロパティ」ボタンをクリックします。さらに「詳細設定」ボタンをクリックすると、「IP設定」ダイアログが表示されます。このダイアログ内で「リモートネットワークでデフォルトゲートウェイを使う」という項目のチェックボックスをオフにして、「OK」を複数回クリックして設定を保存します。
VPNトラフィック制御変更時の注意点とよくある誤解
意図しない通信がVPNを通過しない場合の確認ポイント
「VPN経由ですべてのトラフィックを送信する」設定をオフにすると、企業のネットワークポリシーによっては、特定の社内リソースへのアクセスもVPNを通過しなくなる可能性があります。例えば、社内のファイルサーバーや、特定の業務アプリケーションが利用できなくなる事態が考えられます。この設定変更後に業務に必要なリソースに接続できない場合は、VPNの管理者や情報システム部門に連絡し、設定の意図と影響について確認してください。多くの場合、VPNサーバー側で特定のIPアドレス範囲やドメインをVPN経由とするルーティング設定が施されています。
セキュリティリスクの考慮と対策
すべてのトラフィックをVPN経由にしないスプリットトンネリング設定は、利便性を高める一方でセキュリティ上の考慮事項があります。インターネットへの直接接続が増えるため、VPNが提供する暗号化やファイアウォールなどのセキュリティ保護が、直接接続される通信には適用されません。これにより、マルウェア感染や情報漏洩のリスクが高まる可能性があります。このリスクを軽減するためには、OSやアプリケーションのセキュリティパッチを常に最新の状態に保ち、信頼できるセキュリティソフトを導入することが重要です。また、不審なウェブサイトへのアクセスや、メールの添付ファイル開封には十分注意してください。
Windows 10での設定表現と場所の違い
Windows 10では、VPN設定の項目名がWindows 11と異なります。「VPNゲートウェイにデフォルトゲートウェイを使う」という表現ではなく、「リモートネットワークでデフォルトゲートウェイを使う」という項目名で表示されます。また、設定に到達するまでのパスも、コントロールパネルを経由する場合があります。Windows 10を使用している場合は、上記「Windows 10の場合の補足」の手順を参考に、慎重に設定箇所を探してください。設定を誤ると、VPN接続自体ができなくなる可能性もあります。
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「すべてのトラフィックをVPN経由」設定のオン・オフ比較
| 項目 | オンの場合(フルトンネリング) | オフの場合(スプリットトンネリング) |
|---|---|---|
| トラフィック経路 | PCから発生するすべてのネットワーク通信がVPNサーバーを経由してインターネットへ接続する。 | VPNサーバーが指定した特定の通信のみVPNを経由し、それ以外の通信は通常のインターネット回線を使う。 |
| セキュリティレベル | すべての通信がVPNの暗号化と企業のセキュリティポリシーの保護下に置かれるため、セキュリティレベルが高い。 | インターネットへの直接通信はVPNの保護外となるため、個人のセキュリティ対策がより重要になる。 |
| ローカルネットワークアクセス | VPN接続中は自宅やオフィスのローカルネットワーク内にあるプリンターや共有フォルダへのアクセスが制限される場合がある。 | VPNを通過しない通信はローカルネットワークへのアクセスが可能となるため、プリンターなどが利用できる。 |
| インターネット速度 | すべての通信がVPNサーバーを経由するため、VPNサーバーの処理能力や回線速度に依存し、インターネット接続が遅くなることがある。 | 一般的なインターネット通信はVPNを介さず直接行われるため、通常の回線速度を維持できる。 |
| 推奨用途 | 機密性の高い情報を扱う業務で、すべての通信を確実に保護したい場合や、匿名性を高めたい場合に推奨される。 | 社内リソースとインターネットを頻繁に使い分けたい場合や、インターネット閲覧速度を優先したい場合に適している。 |
まとめ
この記事では、Windows 11で「VPN経由ですべてのトラフィックを送信する」設定をオフにし、特定通信だけVPNを通す設定方法を詳しく解説しました。
この設定変更により、業務に必要な通信は安全なVPNトンネルを通過させつつ、その他のインターネット通信は直接行えるようになります。
ローカルネットワーク内のリソースへのアクセスを維持し、インターネット閲覧速度を改善することで、リモートワーク環境での生産性向上に貢献します。
VPNのトラフィック制御を適切に調整し、効率的で快適なWindows環境を構築しましょう。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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