【Excel】ページ番号を『1』以外の任意の数字から開始する印刷設定

【Excel】ページ番号を『1』以外の任意の数字から開始する印刷設定
🛡️ 超解決
  • 「ページ設定」ダイアログの「先頭ページ番号」に開始数値を直接入力する: 「ページレイアウト」タブのダイアログ起動ボタンから設定を開き、標準で「自動」となっている欄に「11」などの任意の数字を入れることで、印刷時の開始番号を強制的に変更します。
  • ヘッダー・フッター編集画面で「&[ページ番号] + 10」といった演算処理は行わず、システム設定を優先する: ヘッダー内のコードで数値を足そうとすると表示が崩れる原因になるため、基本設定の「先頭ページ番号」機能を利用するのが最も誠実で確実な手順です。
  • 複数シートを選択して印刷する場合は、各シートの開始番号設定を個別に確認・統一する: 複数シートを一括印刷する際、各シートの設定がバラバラだとページ番号が連続しないトラブルが起こるため、全シートを選択した状態で設定を一括適用させる技術をマスターします。
  • 1. なぜExcelのページ番号を「1以外」から始める必要があるのか

    実務において、Excelだけで資料が完結することは稀です。例えば、社外向けの事業報告書や決算資料を作成する際、1ページから10ページまではWordで作成した企画書、11ページから20ページまではExcelで作成した詳細な集計表、といった具合に、複数のソフトウェアで作成した書類を最終的に一つに綴じることが多々あります。

    このとき、Excel側の設定がデフォルトの「1ページ開始」のままだと、書類全体を通した際にページ番号が重複したり、不自然にリセットされたりしてしまい、資料としての整合性が失われます。Excelには、Wordのような「セクション区切り」という概念は存在しませんが、印刷設定の深層にある「先頭ページ番号」という項目をコントロールすることで、全体のページ構成に合わせた柔軟なナンバリングが可能になります。2500文字を超える本稿では、単なる設定変更に留まらず、複数シートにまたがる連番管理や、PDF出力時の挙動を含めた技術仕様を詳説します。

    2. 手順①:「ページ設定」による開始番号の直接指定

    最も標準的かつ、Excelのシステムに負荷をかけない正攻法です。リボンの「ページレイアウト」タブからアクセスします。

    1. Excelの 「ページレイアウト」 タブをクリックします。
    2. 「ページ設定」グループの右下にある小さな 「ダイアログボックス起動ボタン(矢印マーク)」 をクリックします。
    3. 「ページ設定」ダイアログが表示されるので、一番左の 「ページ」 タブが開いていることを確認します。
    4. 下部にある 「先頭ページ番号」 という項目を確認します。標準では 「自動」 と入力されています。
    5. この「自動」という文字を消し、開始したい具体的な数字(例: 11 )を半角で入力します。
    6. 「OK」ボタンを押して閉じます。

    この設定を行うと、そのシートの最初のページが指定した番号から始まります。続くページは、そこから自動的に加算(12, 13…)されます。設定を元に戻したい場合は、再びこの欄に「自動」と入力するか、数字を消去すればExcelが再び先頭を1と判断するようになります。

    3. 手順②:ヘッダー・フッターにページ番号を表示させる基本コード

    手順①で開始番号を指定しても、そもそも紙面に「ページ番号を表示する設定」がされていなければ意味がありません。改めて、正しい表示コードの設定手順を確認します。

    1. 「ページ設定」ダイアログの 「ヘッダー/フッター」 タブをクリックします。
    2. 「フッターの編集(またはヘッダーの編集)」 をクリックします。
    3. 中央部などの表示させたい位置にカーソルを置き、 「ページ番号の挿入」 ボタン(紙に「#」が書かれたアイコン)を押します。
    4. 編集欄に &[ページ番号] というコードが表示されます。
    5. 「OK」を押して閉じ、印刷プレビュー(Ctrl + P)で確認します。

    ここで重要な技術的洞察があります。一部のユーザーは、この編集欄に「&[ページ番号] + 10」と直接書き込んで計算させようとしますが、これは間違いです。Excelのヘッダー・フッター編集欄は数式バーではないため、四則演算を解釈できません。表示は「1 + 10」といった文字列として出力されてしまいます。数値のオフセット(下地上げ)は、必ず手順①の「先頭ページ番号」欄で行うのが鉄則です。

    4. 手順③:複数シート一括印刷時の連番管理テクニック

    複数のワークシート(例:「売上推移」「経費内訳」「在庫状況」)を一つのPDFとして出力したり、一括で印刷したりする場合、各シートの開始番号設定が「自動」のままであれば、シートの並び順に従って通し番号が振られます。しかし、特定のシートだけ番号を飛ばしたい、あるいは特定のシートから番号を再定義したい場合には、以下の管理が必要です。

    • 全シート一括設定: 最初のシートを選択し、 Shiftキー を押しながら最後のシートを選択して「作業グループ」の状態にします。その状態で手順①の設定を行うと、選択されたすべてのシートに同じ「先頭ページ番号」が適用されます。
    • 連番の断絶を防ぐ: 例えばシートAが3ページ分あり、シートBを5ページ目から始めたい場合、シートAの先頭ページ番号を「1」に、シートBの先頭ページ番号を「5」に個別に設定します。
    • 自動連番の罠: 作業グループ化したまま「先頭ページ番号」に具体的な数字を入れると、すべてのシートが「その同じ数字」から始まってしまいます(例:全シートが11ページ目から始まる)。通し番号にしたい場合は、最初のシート以外は 「自動」 に戻しておく必要があります。

    5. PDF出力や外部連携時の注意点と仕様

    2026年現在のペーパーレス環境では、印刷そのものよりも「PDF保存」のためにページ番号を整えるケースが圧倒的に増えています。PDF出力時の技術的な挙動を整理します。

    • ブック全体の保存: 「ファイル」>「名前を付けて保存」からPDFを選択し、オプションで「ブック全体」を対象にした場合、各シートの設定に基づいたページ番号がPDFの紙面に刻印されます。
    • ページ数の不一致: PDFビューアーが表示する「ファイル上のページ数(1/50等)」と、Excelが紙面に印字した「ページ番号(11/60等)」がズレることは、実務上許容されるべき挙動です。むしろ、物理的な資料の厚みに合わせた印字ページ番号が優先されるべきです。
    • 「&[総ページ数]」との兼ね合い: フッターに「&[ページ番号] / &[総ページ数]」と設定している場合、「総ページ数」はExcelがその印刷ジョブで認識しているページ合計となります。開始番号を11にしても、総ページ数が20であれば「11 / 20」と表示されます。

    6. 設定方法による挙動の比較表

    設定方法 設定値の例 結果の挙動 推奨用途
    先頭ページ番号:自動 自動 1ページから開始、または前のシートからの連番。 通常の単独資料作成。
    先頭ページ番号:数値入力 11 指定した数値(11)から強制的に開始。 Wordなど他資料の後ろに結合する場合。
    ヘッダーでの直接入力 第 &[ページ番号] 章 「第 11 章」のように文字を装飾。 章立てのある長大な報告書。

    まとめ:資料の「物語」をページ番号で繋ぐ

    Excelのページ番号設定は、単なる数値の表示機能ではありません。それは、複数のアプリケーションや担当者にまたがって作成される巨大なプロジェクト資料を、一つの「物語」として統合するための重要なハブとなる機能です。デフォルトの「1」から解き放たれ、必要な数値を「先頭ページ番号」に誠実に設定することで、受け取り手にとって迷いのない、極めてプロフェッショナルな資料が完成します。

    特に「自動」という設定の便利さと、それによる意図しない番号リセットのリスクを天秤にかけ、必要に応じて明示的な数値を入力する判断力こそが、現場で求められる実務能力です。今回解説した手順と、作業グループ化による一括適用の技術を使いこなし、どのような構成の資料作成依頼が来ても、迅速かつ正確にページ番号を制御できる環境を整えておいてください。細部への配慮が、あなたの作成する資料全体の説得力を支える確かな土台となります。

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