Macを使って確定申告を進めようとしている多くの方が直面するのが、ICカードリーダライタが正しく認識されないという問題です。Windows向けの解説は世の中に溢れていますが、Macには独自のセキュリティ設計やOSの仕組みがあるため、Windowsと同じ手順では解決しないことが多々あります。特に、近年登場したAppleシリコン(M1、M2、M3チップなど)を搭載したモデルでは、以前のMacとは異なる設定が必要になるケースも増えています。せっかくMacを使いこなしていても、この「読み取りエラー」の壁にぶつかると、手続きそのものを諦めたくなってしまうかもしれません。本記事では、Macでe-Taxを完遂するために必要な、スマートカード設定の確認方法や、ドライバの不具合を解消するための具体的な手順を詳しく解説します。
【要点】Macでの認識エラーを解消し、スムーズに申告するための3つの手順
- 最新の「JPKI利用者クライアントソフト」を導入する: macOSのバージョンに適合した最新版のソフトを正しくインストールし、動作環境を整える。
- ブラウザ(Safari)の拡張機能を有効にする: e-Taxの通信に不可欠な専用の機能を、ブラウザの設定画面から確実に許可する。
- システムレポートで接続状態を確認する: 機械の故障かソフトの不備かを切り分けるため、Macが物理的に装置を認識しているかを点検する。
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目次
1. Macでカード読み取りが失敗しやすい理由とは?
Macで確定申告を行う際、最も大きな壁となるのは「セキュリティの厳しさ」です。macOSには、外部から接続された装置(ICカードリーダライタなど)がシステムの中枢にアクセスすることを防ぐための強力な保護機能が備わっています。これが正しく働いている反面、確定申告のような「公的な本人確認」を行う際に、必要な通信まで遮断してしまうことがあるのです。また、MacはOSのアップデートが頻繁に行われるため、去年まで使えていたドライバが新しいOSでは動作しなくなっているというケースも少なくありません。特に、パソコンの心臓部がApple独自のチップに変わったことで、従来の古いソフトウェアがそのままでは動かないという「互換性の問題」も、多くのユーザーを悩ませる要因となっています。
2. 物理的な接続確認:Macが機械を「見ている」か
ソフトの設定を確認する前に、まずはMacが物理的にICカードリーダライタを認識しているかを調べましょう。Macには、繋がっているすべての機械を確認するための「健康診断」機能が備わっています。
2-1. システムレポートでのチェック手順
- 画面左上の「Appleメニュー(リンゴのマーク)」をクリックします。
- 「このMacについて」を選択し、さらに「詳細情報」(OSのバージョンによっては「システムレポート」)を開きます。
- 左側のリストにある「USB」という項目を選択します。
- 右側に表示される「USBデバイスツリー」の中に、お使いのカードリーダライタの製品名が表示されているかを確認してください。
ここに製品名が出てこない場合は、USBポートの接触不良やケーブルの断線、あるいは変換アダプタ(USB-Cへの変換など)に問題がある可能性が高いです。製品名が表示されているのに読み取れない場合は、ソフトウェアの設定に原因を絞り込むことができます。
3. 公的個人認証サービス(JPKI)ソフトの適切な設定
Macでマイナンバーカードを扱うためには、地方公共団体情報システム機構が提供する「JPKI利用者クライアントソフト」が必要です。このソフトがMacのシステムと正しく連携していないと、ブラウザでいくら操作してもカードは読み取れません。
3-1. macOSのバージョンに合ったソフトの選択
公式サイトからソフトをダウンロードする際、ご自身のmacOSのバージョン(Sonoma, Ventura, Montereyなど)に対応しているかを必ず確認してください。古いOS向けのソフトを無理に動かそうとすると、インストールはできてもカードの認識でエラーが出続けることになります。
3-2. インストール後の「許可」設定
インストール中、あるいは初回起動時に「このアプリにシステムへのアクセスを許可しますか?」といった通知が出ることがあります。ここで「許可しない」を選んでしまうと、Macのセキュリティ機能によってソフトが動作を制限されてしまいます。設定アプリの「プライバシーとセキュリティ」から、公的個人認証サービスに関する項目が「許可」になっているかを再確認してください。
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4. Safariの設定:ブラウザ側での「通信の許可」
Macの標準ブラウザであるSafariを使って申告を行う場合、Safari自身がマイナンバーカードの読み取り機能を「外部の機能」として呼び出すための設定が必要です。ここが盲点となり、読み取りが止まってしまうケースが非常に多いです。
4-1. Safariの「環境設定」を見直す
- Safariを開いた状態で、メニューバーの「Safari」→「設定(または環境設定)」をクリックします。
- 「拡張機能」のタブを開きます。
- リストの中に「e-Tax」や「公的個人認証サービス」に関する項目があれば、必ずチェックを入れて「有効」にします。
- 次に「ウェブサイト」のタブを開き、左側のリストから「カメラ」や「ポップアップウィンドウ」の設定を確認します。マイナポータルやe-Taxのサイトに対して「許可」が与えられているかを確認してください。
特にポップアップウィンドウが制限されていると、マイナンバーカードの暗証番号を入力するための画面が表示されず、作業が止まってしまうことがあります。すべての項目を「許可」に合わせることで、通信の通り道を整えることができます。
5. 徹底比較:Macでの認識エラー症状と具体的な解決策
Mac特有のトラブル症状を整理しました。今の状況に合わせて対処法を選択してください。
| 現在の症状 | Mac特有の原因 | 解決のための操作 |
|---|---|---|
| ソフトは入れたが機械が無反応 | USB変換アダプタの相性不良 | 電力供給の安定したApple純正アダプタ等に交換する |
| 暗証番号の入力画面が出ない | Safariのポップアップブロックが有効 | Safariの設定からサイトへの許可を「オン」にする |
| 「スマートカードがありません」と出る | macOSのスマートカードサービスとの競合 | 一度カードを抜き、別のUSBポートに差し替えて再試行する |
| インストールが途中で止まる | Appleシリコンによる互換性エラー | 「Rosetta 2」のインストールを求められたら「許可」する |
6. スマートカードサービスと「ドライバ」の修正
macOSには「スマートカードサービス」という独自の認証の仕組みが内蔵されています。これが、市販のカードリーダライタのドライバと喧嘩をしてしまうことがあります。特に、一部の古いリーダライタでは、メーカーが配布しているドライバを入れることで、かえってOS標準の機能と衝突し、動かなくなるという現象が報告されています。
6-1. ドライバを入れ直す際の注意点
もしメーカー提供のドライバを入れても動かない場合は、一度そのドライバをアンインストール(削除)し、Macを再起動してみてください。近年のmacOSは非常に優秀で、ドライバを入れなくても「繋ぐだけで動く」機種が増えています。何も入れていない状態での動作確認も、有力なトラブル解決の一手となります。
7. 盲点:USBハブと給電不足の問題
最新のMacBookシリーズは接続ポートが少ないため、多くのユーザーがUSBハブを使用しています。しかし、ICカードリーダライタは読み取りの瞬間に一定の電力を消費するため、安価なハブ経由では電力が足りず、通信が途切れてしまうことがあります。
推奨される接続方法: 可能な限り、Mac本体のポートに直接繋ぐか、外部から電源を供給できるタイプのUSBハブを使用してください。また、Mac本体の充電ケーブルを繋いだ状態で作業を行うことで、ポートへの給電が安定し、認識エラーが解消されることがあります。
8. まとめ:Macユーザーが自信を持って申告を終えるために
Macで確定申告を行うことは、以前に比べれば格段に便利になりましたが、依然としてOS特有の設定やセキュリティのハードルが存在します。「Windowsではないから難しい」と考えるのではなく、Macの持つ高いセキュリティ機能と、外部機器を繋ぐためのルールを一つずつ確認していけば、必ず解決の道は見つかります。
システムレポートでの物理確認から始まり、JPKIソフトの導入、そしてブラウザの権限設定まで。この記事で紹介した手順は、Macという優れた道具を確定申告という大切な手続きに最適化させるための「整理整頓」のようなものです。一つひとつの設定を丁寧に見直すことで、今まで頑なにカードを拒んでいたMacも、きっとスムーズに手続きを受け入れてくれるようになります。ご自身のMacを信頼して、最後の送信ボタンをクリックするまで、落ち着いて進めてみてください。あなたの確定申告が、Macならではの快適さとともに無事に完了することを願っています。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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