EdgeのPDFビューアで縦書き文書を開くと、文字が重なったりレイアウトが崩れたりすることがあります。この問題は、PDFに埋め込まれた縦書きフォントがEdgeで正しく認識されず、別のフォントに置き換わることで発生します。本記事では、Windows11のEdgeを例に、フォント置換の設定を変更して縦書きを正常に表示する方法を詳しく解説します。
【要点】Edgeの縦書き崩れはフォント置換設定で解決します
- edge://flagsのフォント関連フラグ: 特定のフラグを無効にすることで、縦書きフォントの優先順位を修正します。
- Windowsのフォント設定: システムフォントの置換ルールを変更し、縦書きフォントを優先的に使用させます。
- PDFの再保存: フォント埋め込み方式を変更したPDFを再保存することで、Edgeでの互換性が向上します。
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目次
縦書き崩れが起きる根本的な仕組み
EdgeのPDFビューアは、ChromeをベースにしたChromiumエンジンを使用しています。このエンジンは、横書き文書を前提に設計されているため、縦書き特有のグリフ(文字の配置)情報を正しく解釈できないケースがあります。
特に、PDFに埋め込まれたフォントがCIDフォント(文字ID方式)やType0フォントなどの複雑な構造を持つ場合、Edgeは内部のフォント置換テーブルを使って別のフォントに差し替えます。このとき、縦書き用の文字形(vertical writing mode)が失われ、文字が90度回転したり、重なったりするのです。
原因は主に3つあります。1つ目は、Edgeの実験的フラグ「DirectWriteFontProxy」が有効でフォントの代理解決が誤動作すること。2つ目は、Windowsのフォントリンク機能が縦書きフォントを正しく参照できないこと。3つ目は、PDF自体のフォント埋め込み方法が最新の仕様に準拠していないことです。
Edgeのフラグ設定でフォント置換を修正する手順
まず、Edgeの実験機能(フラグ)を変更して、縦書きフォントの置換を抑制します。以下の手順はWindows11のEdge120以降で動作します。
- edge://flagsを開く
Edgeのアドレスバーに「edge://flags」と入力してEnterキーを押します。 - フォント関連フラグを検索する
上部の検索ボックスに「font」と入力します。表示された一覧から「DirectWrite Font Proxy」と「Use modern font fallback」を見つけます。 - フラグを無効にする
各フラグの右側にあるプルダウンメニューをクリックし、「Disabled」を選択します。「DirectWrite Font Proxy」は無効にするとフォントの代理解決が停止します。「Use modern font fallback」は無効にすると従来のフォールバック方式に戻ります。 - Edgeを再起動する
フラグ変更後に右下に表示される「Relaunch」ボタンをクリックしてEdgeを再起動します。
再起動後、縦書きPDFを開いて表示が改善されたか確認してください。もし改善しない場合は、次のWindows側の設定を試します。
Windowsのフォント置換設定を変更する手順
Windowsのフォント設定では、システムがフォントを代替する際の優先順位を変更できます。この操作はレジストリを編集するため、事前にバックアップを取ってください。
- レジストリエディタを開く
Windowsのスタートボタンを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選びます。「regedit」と入力してEnterキーを押します。表示された画面で「はい」をクリックします。 - バックアップを取る
レジストリエディタのメニューから「ファイル」→「エクスポート」を選び、保存先とファイル名を指定して「保存」をクリックします。これで復元用のバックアップが作成されます。 - フォント置換キーに移動する
左側のツリーから次のパスに移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\FontLink\SystemLink - 縦書きフォントのエントリを追加する
右側の領域で右クリックし、「新規」→「複数行文字列値」を選択します。名前を「MS Mincho」と入力します(使用する縦書きフォントの正式名)。その後、値をダブルクリックし、「値のデータ」に次のように入力します。
MSMINCHO.TTC,MS Mincho
MEIRYO.TTC,Meiryo
(1行目はフォントファイル名、2行目はフォント名。環境に合わせて変更してください) - コンピュータを再起動する
レジストリエディタを閉じ、Windowsを再起動します。
再起動後、Edgeで縦書きPDFを再度開いてください。設定が反映され、正しく表示されるようになります。
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フォント置換で気をつけるべき注意点と追加対処
フラグ変更の永続性と互換性
Edgeのフラグ設定は、Edgeのアップデートやバージョンアップで初期化されることがあります。そのため、問題が再発した場合は再度フラグを確認してください。また、フラグを無効にすることで他のサイトでのフォント表示が乱れる可能性もあります。
レジストリ編集のリスク
レジストリを誤って編集すると、システムが不安定になる恐れがあります。必ずバックアップを取り、手順を正確に実行してください。特に「FontLink\SystemLink」キーはWindowsのフォントシステムの中核です。誤った値の追加は避けてください。
PDFのフォント埋め込みを確認する
PCでPDFを作成する際、フォント埋め込みの設定を「すべてのフォントを埋め込む」または「サブセットを埋め込む」に変更することで、Edgeでの互換性が向上します。Acrobatなどの作成ツールで「ファイル」→「プロパティ」→「フォント」から埋め込み状態を確認できます。
フォント置換前と置換後の表示比較
| 項目 | フォント置換前 | フォント置換後 |
|---|---|---|
| 文字の重なり | 縦方向に重なる | 正しい間隔で表示 |
| 文字の回転 | 90度回転する場合あり | 正しい向きで表示 |
| 行の高さ | 不均一になる | 均一に揃う |
まとめ
この記事では、EdgeのPDFビューアで縦書きが崩れる問題を、フォント置換の設定変更で解決する方法を解説しました。Edgeのフラグ無効化とWindowsのレジストリ編集により、縦書きフォントが正しく表示されるようになります。もし問題が解決しない場合は、PDFの作成時にフォント埋め込み方式を見直すことも検討してください。これらの手順を実践することで、業務で扱う縦書き文書をストレスなく閲覧できるようになります。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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