業務で複数のデータ系列を効果的に比較したいと感じる場面はありませんか。例えば、売上金額の推移と目標達成率を一つのグラフで示したいときに、通常のグラフでは表現しにくいものです。
複合グラフを活用すれば、棒グラフと折れ線グラフを組み合わせて、異なる種類のデータや単位の情報を一枚のグラフで分かりやすく表示できます。この記事では、Excelでの複合グラフの作成手順と、Excel2019・2021での違いについても詳しく解説します。この記事を読めば、データを視覚的に訴求する複合グラフを自在に作成できるようになります。
【要点】複合グラフ作成で複数のデータ系列を効果的に可視化
- 棒グラフと折れ線グラフの組み合わせ: 異なる種類のデータや単位を持つ系列を一枚のグラフで表現し比較できます。
- 第2軸の設定: 単位が大きく異なるデータを一つのグラフに収め、それぞれの変化を正確に読み取れるようにできます。
- グラフの種類変更: 既存のグラフから複合グラフへ簡単に変更し、データ分析の幅を広げられます。
ADVERTISEMENT
目次
複合グラフがデータ分析にもたらす効果
複合グラフは、複数の異なるデータ系列を一枚のグラフで表現する機能です。例えば、月ごとの売上金額を棒グラフで、その月の利益率を折れ線グラフで同時に表示できます。
このグラフを使うと、実績と目標、数量と単価、売上高と成長率など、種類や単位が異なるデータを視覚的に比較しやすくなります。データ間の相関関係や傾向を直感的に把握でき、より深い洞察を得ることが可能です。複合グラフを作成するための前提条件は、グラフ化したい複数のデータ系列が表形式で用意されていること、そしてそれらのデータが数値であることです。
複合グラフを作成する具体的な手順
ここでは、Excel for Microsoft 365を使って棒グラフと折れ線グラフを組み合わせた複合グラフを作成する手順を解説します。基本的な手順はExcel2019・2021でも同じです。
- グラフにしたいデータ範囲を選択する
グラフ化したいデータが含まれるセル範囲をマウスでドラッグして選択します。このとき、グラフの項目名や凡例にしたいヘッダー行・列も忘れずに含めてください。 - 「おすすめグラフ」から複合グラフを選択する
「挿入」タブをクリックし、「グラフ」グループ内にある「おすすめグラフ」をクリックします。表示されたダイアログボックスの左側リストから「すべてのグラフ」を選択し、「複合」をクリックしてください。 - グラフの種類と第2軸を設定する
「複合」グラフの種類の中から、棒グラフと折れ線グラフが組み合わされた形式を選びます。データ系列ごとに「集合縦棒」や「折れ線」を選択し、必要に応じて「第2軸」のチェックボックスをオンにします。特に単位が大きく異なるデータ系列には第2軸を設定することが重要です。設定後、「OK」ボタンをクリックします。 - グラフのタイトルや凡例を調整する
作成された複合グラフをクリックして選択します。グラフの右上部に表示される「グラフ要素」プラスアイコンをクリックし、「グラフタイトル」や「凡例」の表示・非表示を切り替えます。グラフタイトルはクリックして直接編集し、内容が分かりやすいものに変更してください。凡例はデータ系列の内容が一目でわかるように配置を調整します。 - データ系列の書式を調整する
棒グラフや折れ線グラフの色、線の太さ、マーカーの形状などを変更する場合は、変更したいデータ系列を右クリックし、「データ系列の書式設定」を選択します。表示される作業ウィンドウで「塗りつぶしと線」や「系列のオプション」から詳細な設定を調整できます。 - 第2軸の目盛りを調整する
第2軸を設定した場合は、その軸を右クリックして「軸の書式設定」を選択します。最小値、最大値、目盛りの単位などを手動で設定することで、グラフの見栄えを最適化できます。自動設定のままだと、データが見づらくなることがあるため、必要に応じて調整しましょう。
複合グラフ作成でよくある問題と解決策
複合グラフを作成する際によく発生する問題と、その対処方法について解説します。
データ系列の選択ミスで意図しないグラフになる
原因: グラフを作成する際に、間違ったセル範囲を選択してしまったり、不要なデータを含めてしまったりすることが原因です。結果として、表示したいデータが表示されなかったり、グラフが意味不明な形になったりします。
- 対処法: グラフの「データの選択」を修正する
グラフを選択した状態で、「グラフのデザイン」タブにある「データの選択」をクリックします。表示されたダイアログボックスで「グラフデータ範囲」を確認し、正しい範囲に修正します。また、「凡例項目」「横軸ラベル」も確認し、適切に設定されているかを確認してください。
第2軸の目盛りが不適切で見づらい
原因: Excelの自動設定では、データの範囲に合わせて最適な目盛りが設定されない場合があります。特に、データが非常に小さい場合や大きい場合に、目盛りの間隔が広すぎたり狭すぎたりして、データの変化が見えにくくなります。
- 対処法: 第2軸の書式設定を手動で調整する
グラフの第2軸をクリックして選択し、右クリックメニューから「軸の書式設定」を選択します。作業ウィンドウの「軸のオプション」セクションで、「境界値」の「最小値」と「最大値」、および「単位」の「主」と「補助」の値を手動で設定し直します。これにより、データの変化をより明確に表示できます。
折れ線グラフが途切れる、または表示されない
原因: 折れ線グラフとして設定したデータ系列に、空白セルや#N/Aなどのエラー値が含まれている場合に、グラフが途切れたり全く表示されなかったりします。Excelはこれらの値をグラフとして描画できません。
- 対処法1: 空白セルやエラー値を修正する
元のデータを確認し、空白セルには「0」を入力するか、#N/Aエラー値の場合は原因となる数式を修正します。これにより、データが途切れることなく表示されるようになります。 - 対処法2: グラフの「非表示および空白のセル」設定を変更する
グラフを選択した状態で、「グラフのデザイン」タブの「データの選択」をクリックします。ダイアログボックス左下の「非表示および空白のセル」ボタンをクリックし、「空白セルを次のように表示する」で「データ要素を線で結ぶ」または「ゼロ」を選択します。これにより、空白セルがある場合でもグラフが途切れずに表示されます。
ADVERTISEMENT
単一グラフと複合グラフの表現能力比較
Excelには様々なグラフがありますが、ここでは単一グラフと複合グラフの違いを比較して、それぞれの特徴と使い分けについて解説します。
| 項目 | 単一グラフ (例: 棒グラフのみ) | 複合グラフ (棒グラフ+折れ線グラフ) |
|---|---|---|
| 表現できるデータ系列の種類 | 同種のデータ系列に特化 | 異なる種類のデータ系列を組み合わせる |
| データの単位 | 同一または類似の単位を比較するのに適する | 大きく異なる単位のデータを同時に表現できる |
| 傾向の視認性 | 各系列の絶対量や変化を比較しやすい | 各系列の絶対量とトレンドの両方を視覚化する |
| 関連性の表現 | 複数の系列間の相関関係を直接的に把握しにくい | 異なるデータ間の関連性を直感的に示せる |
| 用途の例 | 月別売上高、製品別販売数量など、単一指標の推移 | 売上高と利益率、気温と降水量、実績と目標の比較 |
まとめ
この記事では、棒グラフと折れ線グラフを組み合わせた複合グラフをExcelで作成する具体的な手順を解説しました。異なるデータ系列を一枚のグラフに集約することで、データの傾向や関連性を効果的に伝えることが可能になります。
今回学んだ複合グラフの作成方法を活用し、売上データと利益率の推移など、様々な業務データで視覚的な分析を試してください。特に第2軸を適切に設定することで、さらに多くの情報を一枚のグラフに集約し、プレゼンテーションやレポートの質を高められます。
ADVERTISEMENT
超解決 Excel・Word研究班
企業のDX支援や業務効率化を専門とする技術者チーム。20年以上のExcel・Word運用改善実績に基づき、不具合の根本原因と最短の解決策を監修しています。ExcelとWordを使った「やりたいこと」「困っていること」「より便利な使い方」をクライアントの視点で丁寧に提供します。
Office・仕事術の人気記事ランキング
- 【Outlook】宛先が「オートコンプリート」に出ない・間違っている時の修正手順|履歴の削除と再構築
- 【Outlook】メールの受信が数分遅れる!リアルタイムで届かない時の同期設定と送受信グループ設定
- 【Word】差し込み印刷で数字の桁を整える!金額にカンマ(桁区切り)を入れる設定
- 【Excel】矢印キーで「セルが動かず画面がスクロールする」!ScrollLockの解除方法(ノートPC対応)
- 【Outlook】「メール送信を5分遅らせる」設定!誤送信を防ぐ最強のディレイ機能
- 【神技】保存せずに閉じたExcel・Wordファイルを復元する!消えたデータを復活させる4つの救出法
- 【Outlook】予定表の「祝日」が表示されない!最新カレンダーの追加と二重表示の修正手順
- 【Teams】会議の「参加者リスト」を出席後にダウンロードする!誰が参加したか確認する手順
- 【Teams】メッセージを「保存済み」にして後で読む!重要なチャットをブックマークして整理する技
- 【Excel】文字がセルの枠からはみ出す・隠れる!「折り返して表示」と「縮小して全体を表示」の使い分け
