Excelで作成したマクロを含むファイル(.xlsm形式)をメールで送る際、受信者がセキュリティ警告画面が表示されて困ることがあります。この警告は、悪意のあるマクロからユーザーを守るためのExcelの標準機能です。しかし、正当なマクロファイルでも同様の警告が出てしまうと、受信者はファイルを開きづらくなってしまいます。この記事では、Excelマクロファイル(.xlsm)をメールで配布する際に受信者が遭遇するセキュリティ警告の原因と、その解除・対策方法を解説します。これにより、安全かつスムーズにマクロファイルを共有できるようになります。
Excelで作成したマクロファイル(.xlsm)は、その便利さから業務効率化に不可欠です。しかし、マクロには悪意のあるプログラムが仕掛けられている可能性もあるため、Excelはセキュリティ対策を講じています。メールで.xlsmファイルを添付して送信すると、受信者のExcelは「セキュリティの警告」を表示し、マクロの実行をブロックすることが一般的です。これは、Excelがインターネットや信頼できないソースから取得したファイルに対して、デフォルトで高いセキュリティレベルを設定しているためです。
この警告を解除し、受信者が安心してマクロファイルを利用できるようにするには、いくつかの方法があります。重要なのは、セキュリティを損なうことなく、受信者がマクロファイルを正しく扱えるようにすることです。本記事では、受信者側と送信者側、双方の視点から見た対策を詳しく解説していきます。
【要点】.xlsmファイル配布時のメールセキュリティ警告解除と対策
- ファイルの信頼性設定: 受信者がファイルを「信頼済み」としてマークすることで、警告を解除できます。
- インターネット一時ファイルからの解除: ダウンロードした.xlsmファイルは、プロパティからセキュリティ警告を解除できます。
- VBAプロジェクト署名: マクロコードにデジタル署名を行うことで、作成者を証明し、信頼性を高めます。
- 送信者側の配慮: ファイルをZip圧縮して送る、安全な共有方法(OneDriveなど)を利用するなどの対策があります。
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目次
Excelマクロファイル(.xlsm)でセキュリティ警告が表示される理由
Excelでマクロが含まれる.xlsmファイルをメールに添付して送信すると、受信者のExcelには「セキュリティの警告」が表示されることがあります。これは、Excelがセキュリティリスクを軽減するために設けている機能です。具体的には、インターネットやメール経由で取得したファイルは、悪意のあるマクロによってPCが攻撃される可能性があると判断されます。そのため、Excelはデフォルトでこれらのファイルのマクロ実行を無効にし、ユーザーに警告を表示するのです。この警告は、ファイルがどこから来たのか、信頼できるソースからのものなのかを確認する機会を与えます。受信者が警告を無視してマクロを実行すると、意図しない動作や情報漏洩につながるリスクがあります。
受信者が行うセキュリティ警告の解除方法
受信者がマクロファイルを受け取った際に表示されるセキュリティ警告を解除するには、いくつかの方法があります。これらの方法は、ファイルが正当なものであり、安全に利用できると判断した場合に適用してください。
方法1:ファイルのプロパティで信頼済みとしてマークする
メールで受信した.xlsmファイルは、ダウンロード後に「信頼済み」としてマークすることで、セキュリティ警告を解除できます。この操作は、ファイルが安全であることを受信者自身が確認した上で実行します。
- ファイルをダウンロードする
メールに添付されている.xlsmファイルを、PCの分かりやすい場所にダウンロードします。 - ファイルのプロパティを開く
.xlsmファイルを右クリックし、表示されるメニューから「プロパティ」を選択します。 - 「全般」タブで「ブロックの解除」にチェックを入れる
プロパティウィンドウの下部にある「セキュリティ」欄を確認します。もし「このファイルは他のコンピューターから取得されたものです。ブロックを解除するには、ここをクリックします。」というメッセージが表示されている場合は、その横にあるチェックボックスにチェックを入れます。 - 「適用」または「OK」をクリックする
変更を適用するために「適用」ボタンをクリックし、その後「OK」ボタンをクリックしてプロパティウィンドウを閉じます。
この操作により、そのファイルに対してはセキュリティ警告が表示されなくなり、マクロが有効な状態で開くことができるようになります。ただし、この方法はファイルごとに個別に設定する必要があります。
方法2:Excelの「信頼できる場所」に登録する
特定のフォルダにあるファイルを常に信頼したい場合、そのフォルダをExcelの「信頼できる場所」に登録する方法があります。これにより、そのフォルダ内のすべての.xlsmファイルはセキュリティ警告なしで開けるようになります。ただし、この設定はPC上のすべてのExcelファイルに影響するため、信頼できるフォルダのみを登録するように注意が必要です。
- Excelを開く
Excelを起動します。 - 「ファイル」タブをクリックする
Excelの左上にある「ファイル」タブを選択します。 - 「オプション」を選択する
画面左側のメニューから「オプション」をクリックします。 - 「セキュリティセンター」を開く
Excelのオプションウィンドウが開いたら、左側のメニューから「セキュリティセンター」を選択します。 - 「セキュリティセンターの設定」ボタンをクリックする
「Microsoftセキュリティセンター」の項目にある「設定」ボタンをクリックします。 - 「信頼できる場所」を選択する
セキュリティセンターの設定ウィンドウで、左側のメニューから「信頼できる場所」を選択します。 - 「新しい場所の追加」ボタンをクリックする
「信頼できる場所」の設定画面で、「新しい場所の追加」ボタンをクリックします。 - フォルダのパスを指定する
「Microsoft Office の信頼できる場所」ウィンドウが開きます。「参照」ボタンをクリックして、マクロファイルが保存されているフォルダを選択します。または、直接フォルダのパスを入力します。 - 「サブフォルダーも信頼する」にチェックを入れる(任意)
選択したフォルダ内のサブフォルダも信頼したい場合は、「サブフォルダーも信頼する」にチェックを入れます。 - 「OK」をクリックして閉じる
「Microsoft Office の信頼できる場所」ウィンドウと「信頼できる場所」の設定ウィンドウを「OK」で閉じます。
これで、指定したフォルダ内の.xlsmファイルはセキュリティ警告なしで開けるようになります。この方法は、社内共有フォルダなど、信頼できる範囲が決まっている場合に有効です。
方法3:Excelのセキュリティレベルを下げる(非推奨)
Excelのセキュリティセンターの設定で、マクロのセキュリティレベルを調整することができます。しかし、この方法はPC全体のセキュリティリスクを高めるため、一般的には推奨されません。やむを得ずこの方法を選択する場合は、そのリスクを十分に理解した上で、信頼できるファイルのみを扱うようにしてください。
- Excelのオプションを開く
「ファイル」タブ → 「オプション」 → 「セキュリティセンター」 → 「セキュリティセンターの設定」と進みます。 - 「マクロの設定」を選択する
左側のメニューから「マクロの設定」を選択します。 - セキュリティレベルを変更する
「すべてのマクロを無効にする(通知なし)」や「すべてのマクロにデジタル署名があれば有効にする」などのオプションを選択します。最もリスクが高いのは「すべてのマクロを有効にする」ですが、これは絶対に避けるべきです。 - 「OK」をクリックして閉じる
設定を保存し、ウィンドウを閉じます。
この設定を変更すると、メール添付ファイルに限らず、すべてのマクロファイルに対してExcelの動作が変わります。特に、インターネットからダウンロードしたファイルや、信頼できないソースから受け取ったファイルのマクロが意図せず実行される危険性が増します。そのため、この方法は最終手段と考え、可能な限り他の方法を優先してください。
送信者が行うべきセキュリティ対策
受信者が警告で困らないように、送信者側でも配慮できる対策があります。これらは、受信者の手間を減らし、安全にファイルを受け渡すために有効です。
対策1:ファイルをZip圧縮して送信する
Excelの.xlsmファイルをメールに直接添付するのではなく、Zip形式で圧縮して送信する方法は、セキュリティ警告の表示を回避できる場合があります。多くのメールシステムでは、Zip圧縮されたファイル内の.xlsmファイルは、ダウンロード後に直接開かれるのではなく、一度展開する必要があります。この展開プロセスを経ることで、Excelのセキュリティ機能が「インターネットからのファイル」と認識しにくくなり、警告が表示されにくくなることがあります。ただし、これはメールシステムや受信者のExcelの設定にも依存するため、必ずしも警告が出なくなるわけではありません。
- .xlsmファイルをZip圧縮する
.xlsmファイルを右クリックし、「送る」→「圧縮(zip形式)フォルダー」を選択して圧縮します。 - 圧縮ファイルをメールに添付する
作成されたZipファイルをメールに添付し、送信します。 - 受信者に解凍を依頼する
受信者には、Zipファイルをダウンロード後、展開(解凍)してからExcelファイルを開くように伝えます。
この方法は、受信者側での追加操作が必要になりますが、セキュリティ警告の表示を減らす効果が期待できます。
対策2:OneDriveなどのクラウドストレージを利用する
メールの添付ファイルとしてではなく、OneDrive、Google Drive、Dropboxなどのクラウドストレージサービスを利用してファイルを共有する方法は、セキュリティ面でも効率面でも推奨されます。これらのサービスでは、ファイルへのリンクをメールで送信するため、添付ファイルサイズの制限を気にする必要がありません。また、ファイルへのアクセス権限を細かく設定できるため、特定の相手にのみ共有したり、閲覧のみを許可したりすることも可能です。さらに、クラウドストレージは一般的にセキュリティ対策が施されており、メール経由でマクロファイルが直接やり取りされることによるリスクを低減できます。
- クラウドストレージに.xlsmファイルをアップロードする
OneDriveなどのサービスにログインし、.xlsmファイルをアップロードします。 - 共有リンクを作成する
アップロードしたファイルを選択し、「共有」機能を使って共有リンクを作成します。 - アクセス権限を設定する
リンクを知っている全員がアクセスできるようにするか、特定のユーザーのみに限定するかなど、適切なアクセス権限を設定します。 - 作成したリンクをメールで送信する
生成された共有リンクをメール本文に貼り付けて送信します。
受信者はリンクをクリックするだけでファイルにアクセスでき、Excelのセキュリティ警告に悩まされることが少なくなります。特に、頻繁にファイルを共有する相手がいる場合や、大きなファイルをやり取りする場合に非常に便利です。
対策3:VBAプロジェクトにデジタル署名を行う
より高度なセキュリティ対策として、VBAプロジェクトにデジタル署名を行う方法があります。これは、マクロコードの作成者が本人であることを証明し、コードが改ざんされていないことを保証するための仕組みです。デジタル署名を行うと、受信者のExcelはマクロの提供元が信頼できるかどうかを確認できるようになります。信頼できる発行元からの署名であれば、セキュリティ警告が表示されにくくなります。ただし、これにはデジタル証明書の取得と設定が必要となり、専門知識が求められます。社内で統一したセキュリティポリシーを適用する場合などに検討されることがあります。
- デジタル証明書を取得する
信頼できる認証局(CA)からデジタル証明書を取得します。自己署名証明書を作成することも可能ですが、信頼性は低くなります。 - VBAプロジェクトに署名する
ExcelのVBAエディター(Alt+F11)を開き、「ツール」→「デジタル署名」を選択します。 - 証明書を選択し、署名する
取得したデジタル証明書を選択し、署名プロセスを実行します。 - 署名済みのファイルを送信する
署名済みの.xlsmファイルをメールなどで送信します。
受信者のExcelで、その証明書が信頼できるものとして設定されていれば、マクロは有効な状態で開かれます。この方法は、社外に配布するよりも、社内システムなどで利用される場合に有効です。
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よくある質問とトラブルシューティング
Q1:プロパティで「ブロックの解除」が表示されないのはなぜですか?
ファイルのプロパティに「ブロックの解除」オプションが表示されない場合、いくつかの原因が考えられます。まず、ファイルがインターネットからダウンロードされたものではない可能性があります。例えば、USBメモリからコピーした場合や、社内ネットワーク内の共有フォルダから直接開いた場合などです。また、Excelのセキュリティ設定が厳格すぎる場合や、グループポリシーによってこの機能が無効化されている可能性もあります。この場合、前述の「信頼できる場所」への登録や、Zip圧縮による送信を検討してください。
Q2:Zip圧縮しても警告が出ます。どうすれば良いですか?
Zip圧縮してもセキュリティ警告が表示される場合、受信者のExcelの設定や、ファイルがダウンロードされた経緯が影響している可能性があります。例えば、Zipファイル自体がWebサイトからダウンロードされたもので、そのZipファイル内の.xlsmファイルに対してExcelが警告を発しているケースです。この場合、受信者にはZipファイルを解凍した後に、個別のファイルプロパティで「ブロックの解除」を行うか、「信頼できる場所」に登録してもらう必要があります。送信者側としては、Zip圧縮と併せて、クラウドストレージの利用を推奨するのが最も確実な方法です。
Q3:マクロの実行を許可しないと、ファイルは使えませんか?
マクロの実行を許可しない場合、そのファイルに含まれるマクロ機能は動作しません。もし、そのファイルがマクロなしでは本来の機能を果たせないように設計されている場合、事実上ファイルは利用できないことになります。しかし、マクロはあくまで補助的な機能であり、Excelの基本的な機能(セルの編集、グラフの作成など)はマクロが有効でなくても利用可能です。もし、マクロが必須でないファイルであれば、.xlsx形式で保存・配布することで、セキュリティ警告自体を回避できます。
まとめ
Excelのマクロファイル(.xlsm)をメールで配布する際のセキュリティ警告は、Excelの標準的な保護機能によるものです。受信者側では、ファイルのプロパティで「ブロックの解除」を行ったり、「信頼できる場所」に登録したりすることで、警告を解除できます。送信者側では、ファイルをZip圧縮して送る、OneDriveなどのクラウドストレージを利用するといった対策が有効です。特にクラウドストレージの活用は、セキュリティと利便性の両面から推奨されます。これらの対策を講じることで、安全かつスムーズにExcelマクロファイルを共有し、業務効率の向上に繋げることができます。
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超解決 Excel・Word研究班
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