Excelで氏名などの漢字からふりがなを抽出したい場面はありませんか。
手作業で入力するのは手間がかかり、ミスも発生しがちです。
ExcelのPHONETIC関数を使えば、漢字の文字列からふりがなを簡単に取り出せます。
この記事では、PHONETIC関数の基本的な使い方から、応用的な活用方法、注意点までを詳しく解説します。
読めば、ふりがなの抽出作業を効率化できるはずです。
【要点】PHONETIC関数でふりがなを抽出する
- PHONETIC関数: セルに入力された漢字の文字列からふりがな(カタカナまたはひらがな)を抽出する。
- PHONETIC関数(範囲指定): 複数のセルにまたがる漢字文字列からふりがなを抽出する。
- PHONETIC関数とGETPHONETIC関数: PHONETIC関数はGETPHONETIC関数と互換性がある。
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目次
PHONETIC関数の基本とできること
PHONETIC関数は、Excelで漢字の文字列が入力されたセルから、そのふりがな情報を抽出するための関数です。
具体的には、氏名や地名など、漢字で表記される単語の読み方を、カタカナまたはひらがなで取得できます。
この関数は、名簿作成やデータ整理、検索用のキー作成など、様々なビジネスシーンで活用できます。
例えば、顧客リストの氏名からふりがなを抽出して、五十音順で並べ替えたい場合に役立ちます。
PHONETIC関数は、Excel 2007以降のバージョンで利用可能です。
Excel 2016、Excel 2019、Excel 2021、Microsoft 365の各バージョンで問題なく動作します。
PHONETIC関数を使ったふりがな抽出の手順
PHONETIC関数を使ってセルからふりがなを抽出する手順は非常に簡単です。
ここでは、基本的な使い方をステップごとに解説します。
- ふりがなを抽出したいセルを選択する
まず、ふりがなを抽出したい漢字の文字列が入力されているセルを確認します。 - ふりがなを表示するセルを選択する
次に、抽出したふりがなを表示したい空のセルを選択します。 - PHONETIC関数を入力する
選択したセルに、以下の形式でPHONETIC関数を入力します。=PHONETIC(セル参照)例えば、セルA1に「山田太郎」と入力されている場合、セルB1に「=PHONETIC(A1)」と入力します。
- Enterキーを押して結果を確認する
数式を入力したらEnterキーを押します。セルB1に「ヤマダタロウ」と表示されれば成功です。 - 数式をコピーして適用する
他のセルにも同じようにふりがなを抽出したい場合は、数式が入力されたセルの右下隅にあるフィルハンドル(■)をダブルクリックするか、下にドラッグして数式をコピーします。
これにより、参照したセルに入力されている漢字のふりがなが、指定したセルに自動的に表示されます。
PHONETIC関数の応用:範囲指定とふりがなの種類
PHONETIC関数は、単一のセルだけでなく、複数のセルにまたがる文字列や、ふりがなの表示形式を制御することも可能です。
範囲指定でふりがなを抽出する
複数のセルにまたがる漢字文字列から、まとめてふりがなを抽出したい場合があります。例えば、氏名が姓と名で別々のセルに入力されている場合などです。
PHONETIC関数は、直接的に複数のセル範囲を引数として指定することはできません。
しかし、CONCATENATE関数や&(アンパサンド)演算子を使ってセルを結合し、その結合した文字列に対してPHONETIC関数を適用することで、間接的に範囲指定のふりがな抽出が可能です。
例えば、セルA1に姓「山田」、セルB1に名「太郎」と入力されている場合、以下の手順でふりがなを抽出します。
- 結合用のセルに数式を入力する
例えばセルC1に「=A1&B1」と入力し、Enterキーを押します。これにより、「山田太郎」という結合された文字列がC1に表示されます。 - PHONETIC関数でふりがなを抽出する
次に、ふりがなを表示したいセル(例:D1)に、「=PHONETIC(C1)」と入力します。 - 結果を確認する
D1セルに「ヤマダタロウ」と表示されれば成功です。
この方法を使えば、分割された氏名や住所などのふりがなもまとめて抽出できます。
ふりがなの表示形式(カタカナ・ひらがな)
PHONETIC関数は、通常、ふりがなをカタカナで返します。
Excelのバージョンや設定によっては、ひらがなで表示される場合もありますが、基本的にはカタカナ出力と考えてください。
もし、ふりがなをひらがなで取得したい場合は、PHONETIC関数で抽出したカタカナのふりがなを、さらにASC関数やJIS関数、あるいは他の関数と組み合わせて変換する必要があります。
ただし、PHONETIC関数自体に、ふりがなの表示形式(カタカナ・ひらがな)を指定する引数はありません。
Excel 2010以降では、ふりがなの設定を「ひらがな」または「カタカナ」で表示する機能が、セルの書式設定に用意されています。PHONETIC関数で抽出した結果の表示形式を、セルの書式設定で変更することも可能です。
GETPHONETIC関数との互換性
PHONETIC関数は、以前のバージョンのExcelで使われていたGETPHONETIC関数と互換性があります。
GETPHONETIC関数も同様に、漢字の文字列からふりがなを抽出する関数でした。
現在ではPHONETIC関数が推奨されていますが、古いExcelファイルを開いた際にGETPHONETIC関数が使用されている場合でも、正しく動作します。
したがって、PHONETIC関数とGETPHONETIC関数は、実質的に同じ機能を持つと考えて差し支えありません。
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PHONETIC関数がうまく機能しない場合の対処法
PHONETIC関数を使っても、期待通りのふりがなが抽出できない、あるいはエラーが表示される場合があります。
ここでは、よくある問題とその原因、対処法を解説します。
#N/Aエラーが表示される
PHONETIC関数を入力したセルに#N/Aエラーが表示される場合、主な原因は以下の2つが考えられます。
原因1:参照セルに漢字が含まれていない
PHONETIC関数は、ふりがな情報を持つ漢字の文字列に対して機能します。
参照しているセルに、漢字ではなく、英数字、記号、または空欄しか入力されていない場合、ふりがな情報が存在しないため#N/Aエラーとなります。
対処法:
- 参照セルの内容を確認する
PHONETIC関数の引数に指定したセル(例:A1)に、正しく漢字が入力されているか確認してください。 - 必要であれば手入力または修正する
漢字が入力されていない場合は、手動で入力するか、正しい漢字に修正してください。
原因2:ふりがな情報がExcelに認識されていない
特殊なフォントや、Excelがふりがな情報として認識できない形式で入力された文字列の場合、PHONETIC関数が機能しないことがあります。
例えば、IME(Input Method Editor)の変換機能を使わずに、直接文字コードで入力された文字などは、ふりがな情報を持たないことがあります。
対処法:
- 一度別のセルにコピー&ペーストする
問題のセルをコピーし、一度メモ帳などのテキストエディタに貼り付けてから、再度Excelの別のセルに「値」として貼り付けてみてください。これにより、文字コード情報などがリセットされる場合があります。 - IMEで再入力する
ふりがなを抽出したい漢字を、一度削除してIMEで通常通り入力し直してみてください。
ふりがなが正しく抽出されない(文字化け、一部しか抽出されない)
ふりがながカタカナではなく、文字化けして表示されたり、一部の文字しか抽出されなかったりする場合も考えられます。
原因1:Excelのバージョンや設定による表示の違い
Excelのバージョンや、Officeの言語設定によっては、ふりがなの表示形式(カタカナ/ひらがな)や、内部的な処理に若干の違いが出ることがあります。
また、PHONETIC関数が返すふりがなは、あくまでExcelが内部的に持つ情報に基づきます。複雑な漢字の組み合わせや、特殊な読み方をする単語の場合、期待通りの読み方にならないことも稀にあります。
対処法:
- セルの書式設定を確認・変更する
ふりがなを表示しているセルの書式設定を確認し、表示形式が「標準」などになっているか確認してください。必要であれば、フォント設定などを調整します。 - JIS関数やASC関数で変換する
PHONETIC関数で得られた結果がカタカナになっている場合、JIS関数(全角カタカナに変換)やASC関数(半角カタカナに変換)と組み合わせて、表示形式を整えることが可能です。 - 手動で修正する
どうしても正しく抽出できない場合は、最終手段として手動で修正するのが確実です。
原因2:特殊文字や記号の混入
漢字の文字列に、ふりがな情報を持たない特殊文字や記号(例:カッコ、スペース、ハイフンなど)が混在している場合、PHONETIC関数がそれらの文字を正しく処理できず、一部のふりがなが抽出されないことがあります。
対処法:
- 不要な記号やスペースを削除する
PHONETIC関数を適用する前に、参照するセルから不要な記号やスペースをTRIM関数やSUBSTITUTE関数などを使って削除しておきます。 - 結合時に記号を除外する
前述の範囲指定で結合する際、CONCATENATE関数や&演算子にSUBSTITUTE関数などを組み合わせて、不要な記号を除外してから結合します。
PHONETIC関数は、IMEの辞書情報に依存する
PHONETIC関数が返すふりがなは、Excelが内部的に持っている情報や、WindowsのIME(日本語入力システム)の辞書情報に基づいています。
そのため、IMEの辞書に登録されていない、あるいは特殊な読み方をする単語については、PHONETIC関数が期待通りのふりがなを返さない可能性があります。
対処法:
- IMEの辞書を更新・登録する
もし特定の単語のふりがなが常に間違って抽出される場合は、WindowsのIME設定で、その単語と正しい読み方を辞書に登録しておくと、PHONETIC関数が次回から正しく認識するようになることがあります。 - 手動での修正を前提とする
辞書登録が難しい場合や、一時的な利用であれば、抽出後に手動で修正する方が効率的な場合もあります。
PHONETIC関数と他のふりがな取得方法の比較
Excelでふりがなを取得する方法は、PHONETIC関数以外にもいくつか存在します。ここでは、代表的な方法と比較します。
| 項目 | PHONETIC関数 | セルの書式設定(ふりがな表示) | VBA(GET.PHONETICステートメント) |
|---|---|---|---|
| 機能 | セルに入力された漢字のふりがなを別のセルに表示 | セル内の漢字に直接ふりがなを表示(書式設定) | VBAコード内でふりがなを取得・操作 |
| 出力形式 | 数式結果として別のセルに出力 | セルの書式として表示(直接的な値ではない) | VBA変数に格納、または直接セルに設定 |
| 操作の容易さ | 非常に簡単(数式入力のみ) | 簡単(書式設定ダイアログ操作) | VBAの知識が必要 |
| データとしての利用 | ふりがなをデータとして活用しやすい | 表示のみのため、データとしての利用は限定的 | データとして柔軟に利用可能 |
| 適用範囲 | 漢字文字列全体 | セル内の全漢字 | 指定した範囲やセル |
| Excel 2007以降 | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 |
まとめ
この記事では、ExcelのPHONETIC関数を使って漢字のふりがなを抽出する方法について解説しました。
PHONETIC関数を利用することで、手作業でのふりがな入力を大幅に効率化できます。
また、エラーが発生した場合の対処法や、他のふりがな取得方法との比較も紹介しました。
今後は、名簿作成やデータ整理の際に、PHONETIC関数を活用して作業時間を短縮してください。
さらに、CONCATENATE関数などと組み合わせることで、より複雑なデータにも対応できるようになるでしょう。
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超解決 Excel・Word研究班
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