Power Queryを使ってデータを更新しようとしたとき、OAuth認証画面が何度も表示されて先に進めない、という現象に悩まされていませんか。正しいアカウントとパスワードを入力しても、画面が繰り返し表示されるため作業が中断されてしまいます。この問題は、主に資格情報のキャッシュやトークンが適切に保存されていないことが原因です。本記事では、原因の切り分け方と具体的なリセット手順を詳しく解説します。会社のPCで作業をする前に、管理者に確認すべき事項も整理しました。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: Windowsの資格情報マネージャー、Excelのオプション設定、Power Queryのキャッシュ。
- 切り分けの軸: 端末側(キャッシュ、資格情報ストア)/アカウント側(MFA、条件付きアクセス)/管理設定側(テナントポリシー、Power Queryデータゲートウェイ)。
- 注意点: レジストリやシステムフォルダの直接操作はトラブルの原因になるため避けてください。テナント設定の変更は必ず管理者に依頼してください。
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目次
繰り返し認証画面が表示される原因
Power QueryでOAuth認証が繰り返し要求される主な原因は、保存された資格情報が破損または期限切れになっていることです。また、Microsoft 365の多要素認証(MFA)や条件付きアクセスポリシーがトリガーとなって、毎回認証を求められる場合もあります。さらに、Power Queryのプライバシーレベル設定やキャッシュの不整合が影響することもあります。これらの要因が複合的に絡むと、通常のログイン操作では解決できないループに陥ります。
特に、会社のPCで共有アカウントやゲストユーザーを使っている場合、資格情報の保存先が競合することもあります。また、Windows UpdateやOfficeの更新後に認証プロバイダーが変更され、以前のトークンが無効になるケースも報告されています。
資格情報をリセットする手順(エンドユーザー向け)
以下の手順は、一般ユーザーが実行しても安全なものです。管理者権限は必要ありませんが、一部の操作でPCの再起動が必要になる場合があります。
- Windowsの資格情報マネージャーを開く。コントロールパネルから「資格情報マネージャー」を起動し、「Windows資格情報」タブを選択します。「汎用資格情報」の一覧から、Power QueryやMicrosoft Officeに関連するエントリ(例:
MicrosoftOffice16_Data:ADAL:...やMicrosoft Office 365:...)を探します。 - 関連する資格情報を削除する。該当するエントリをクリックし、削除を実行します。複数ある場合はすべて削除してください。削除後はExcelを終了させます。
- Power Queryのキャッシュをクリアする。Excelを起動し、リボンの「データ」タブから「クエリと接続」を開きます。クエリの一覧で右クリックし「プロパティ」→「使用権限」から「キャッシュのクリア」を実行します。または、Power Queryエディターの「ファイル」→「オプションと設定」→「クエリオプション」→「データ読み込み」で「Power Query キャッシュのクリア」ボタンを押します。
- プライバシーレベルを確認する。「クエリオプション」→「プライバシー」で「プライバシーレベルの設定に従ってデータを結合する」のチェックを外し、一度適用してから再度オンに戻します。
- もう一度データソースに接続する。新しいクエリを作成するか、既存のクエリを右クリックして「最新の情報に更新」を実行します。認証画面が表示されたら、組織アカウントでログインし、「サインイン状態を維持する」にチェックを入れてください。
上記の手順で解決しない場合、以下の追加対策を試みてください。
- Internet Explorer(またはEdgeの互換モード)のCookieとパスワードをクリアする。
- Excelの「信頼されている場所」の設定を確認し、データソースのURLが含まれていることを確認する。
- 会社のVPN接続を一度切断し、再接続してから再試行する。
状況別トラブルシューティング
原因を特定するために、以下の比較表を参考にしてください。
| 状況 | 考えられる原因 | 推奨アクション |
|---|---|---|
| 特定のクエリだけ繰り返し認証が出る | そのクエリに保存された資格情報が破損している | 資格情報マネージャーで当該クエリに関連するエントリのみ削除し、再接続 |
| すべてのPower Queryで認証が繰り返される | Windows資格情報またはOfficeのキャッシュが全体で破損 | すべてのMicrosoft関連資格情報を削除し、Power Queryキャッシュをクリア |
| Office更新後に発生 | 新しい認証ライブラリ(ADAL→MSALなど)への移行によるトークンの無効化 | 資格情報を完全に削除し、再サインイン。さらに「資格情報の管理」でOfficeアカウントを一旦サインアウト |
| MFAが有効な環境で発生 | 条件付きアクセスポリシーが毎回認証を要求する | 管理者に対し、Power Query用のアプリケーションをMFAの対象から除外するか、デバイスをコンプライアントにするよう依頼 |
| 会社PCをドメインに参加させている場合 | グループポリシーによる認証設定の制限 | ローカルでは解決困難。管理者にグループポリシーの確認を依頼 |
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よくある失敗パターン
資格情報リセットの際に、以下のような誤った操作を行うと問題が悪化する場合があります。
- 誤った資格情報を削除する。「汎用資格情報」には多くのエントリがあります。Microsoft Office関連以外の資格情報(例:企業の内部システム)を削除すると、他のアプリケーションに影響が出るため、対象を慎重に選んでください。
- Excelのアカウント設定のみを変更する。Power QueryはWindowsの資格情報ストアを直接参照するため、Excel内のアカウント設定を削除するだけでは不十分です。必ず資格情報マネージャーのエントリも削除してください。
- キャッシュクリア後に再起動しない。一部のキャッシュはメモリ上に残るため、Excelを完全に終了してから再起動しないと効果がありません。
- 管理者権限で資格情報マネージャーを操作する。一般ユーザーが管理者権限で資格情報を削除すると、別のプロファイルに影響を与える可能性があります。自分のユーザーアカウントの資格情報のみを操作してください。
管理者に報告すべき情報
問題が解決しない場合、管理者に以下の情報を伝えるとスムーズな対応が期待できます。
- エラーメッセージのスクリーンショット(特に、認証画面に表示される「AADSTS」などのコード)。
- 発生するPower Queryのデータソース(SharePointリスト、Azure SQLなど)。
- 自分のExcelのバージョン(ファイル→アカウント→「Excelバージョン情報」)。
- 再現頻度(毎回なのか、特定の操作後なのか)。
- Windowsの資格情報マネージャーに残っているエントリの一覧(削除前の状態)。
管理者は、Azure ADのサインインログを確認することで、認証要求がブロックされているかどうかを調べられます。また、条件付きアクセスポリシーがPower Queryに適用されていないか確認することも重要です。
よくある質問
Q1. 資格情報を削除すると、Outlookなど他のOfficeアプリに影響がありますか?
A. 削除するエントリによって異なります。Power Query専用の資格情報(名称に「Power Query」や「ADAL」が含まれるもの)を削除しても他のアプリには影響しません。ただし、「MicrosoftOffice16_Data」のようにOffice全体で共有されるエントリを削除すると、一度サインアウトされる可能性があります。その場合、ExcelやOutlookで再サインインが必要になりますが、通常は問題なく復旧できます。
Q2. 会社のポリシーで資格情報マネージャーが制限されています。どうすればいいですか?
A. 管理者に連絡し、一時的に資格情報マネージャーの操作を許可してもらうか、代替の手順として「クエリオプション」から認証方式を「組織アカウント」に変更して再接続を試みてください。それでもダメな場合は、管理者がテナントレベルで設定を調整する必要があります。
Q3. Power Queryのデータゲートウェイを使っています。ゲートウェイ側の設定も関係しますか?
A. はい。オンプレミスデータゲートウェイを使用している場合、ゲートウェイ上で資格情報が古くなっている可能性があります。ゲートウェイ管理者に連絡して、データソースの資格情報を更新してもらってください。
まとめ
Power QueryのOAuth認証が繰り返し表示される問題は、資格情報のリセットで大半が解決します。最初にWindowsの資格情報マネージャーとPower Queryのキャッシュクリアを試してください。もし解決しない場合は、MFAや条件付きアクセスが原因である可能性が高いため、管理者の協力を仰ぎましょう。操作する際は、誤って他の資格情報を削除しないように注意し、手順をひとつずつ確認しながら進めてください。定期的にOfficeを更新し、最新の認証ライブラリに対応することも再発防止につながります。
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