複数の項目で評価されたデータを比較したい時、Excelのレーダーチャートが役立ちます。
例えば、複数の商品の長所・短所を一覧したい場合や、個人のスキルを項目ごとに可視化したい場合に有効です。
しかし、レーダーチャートの作成方法や、見やすくするための設定方法がわからないという方もいるでしょう。
この記事では、Excelでレーダーチャートを作成し、多項目評価を効果的に比較する方法を解説します。
【要点】Excelでレーダーチャートを作成し多項目評価を比較する
- レーダーチャートの作成: 比較したいデータを範囲選択し、Excelの「挿入」タブから「レーダーチャート」を選択することで作成できます。
- データの準備: 各項目を列に、比較対象を行に配置した表形式のデータを用意することが重要です。
- 見やすいチャートにする設定: 軸の最大値・最小値の調整、データ系列の色や線の変更、ラベルの追加などで、比較対象を明確にできます。
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レーダーチャートで評価を比較する仕組み
レーダーチャートは、中心から放射状に伸びる軸で各項目を表し、その軸上の値を示す点でデータをプロットします。複数のデータ系列を重ねて表示することで、各項目における比較対象ごとの数値を視覚的に比較できます。
中心に近いほど値が小さく、外側に離れるほど値が大きいことを示します。これにより、どの項目で優劣があるのか、全体的なバランスはどうなのかが一目で把握できるようになります。
レーダーチャートを作成する手順
Excelでレーダーチャートを作成するには、まず比較したいデータを準備し、それを基にグラフを挿入します。ここでは、基本的なレーダーチャートの作成手順を解説します。
- 比較するデータを準備する
比較したい項目を列に、比較対象(商品名、個人名など)を行に配置した表形式のデータを用意します。例えば、A列に項目名、B列以降に各比較対象の数値を入力します。
例:
項目 商品A 商品B 商品C 価格 5000 7000 6000 機能性 8 9 7 デザイン 7 8 9 耐久性 9 7 8 - データ範囲を選択する
作成した表のデータ全体(項目名、比較対象名、数値)を選択します。 - レーダーチャートを挿入する
Excelのリボンメニューから「挿入」タブをクリックします。
「グラフ」グループにある「集合縦棒」の隣の小さな矢印をクリックし、「その他のグラフ」を選択します。
「すべてのグラフ」タブが表示されたら、左側のリストから「レーダー」を選択します。
表示されるレーダーチャートの種類から、好みのもの(「レーダー」「積み上げレーダー」「値の山レーダー」など)を選び、「OK」をクリックします。 - チャートを確認する
選択したデータに基づいてレーダーチャートが作成され、シート上に表示されます。各軸がデータ項目に対応し、各比較対象が異なる色の線で表示されます。
レーダーチャートを見やすく調整する
作成したレーダーチャートは、そのままでは比較しにくい場合があります。軸の範囲を調整したり、色を変更したりすることで、より分かりやすくすることができます。
軸の最大値・最小値を調整する
各軸の最大値や最小値がデータに対して不適切な場合、グラフの比較が難しくなります。これを調整することで、データの差がより明確に表示されます。
- 軸の書式設定を開く
チャート上のいずれかの数値軸(中心から放射状に伸びる線)を右クリックします。
表示されたメニューから「軸の書式設定」を選択します。 - 最大値・最小値を設定する
画面右側に「軸の書式設定」ウィンドウが表示されます。
「軸のオプション」を展開し、「境界値」の「最小値」と「最大値」を必要に応じて変更します。
例えば、全てのデータが1から10の範囲に収まるようにしたい場合は、最小値を「1」、最大値を「10」に設定します。
「自動」のチェックを外すと、数値を直接入力できるようになります。 - 設定を反映する
値を変更すると、チャートの軸の範囲がリアルタイムで更新されます。
データ系列の色や線のスタイルを変更する
複数のデータ系列がある場合、色が似ていると区別がつきにくくなります。色や線のスタイルを変更することで、各比較対象を明確に識別できるようになります。
- データ系列を選択する
チャート上で、色やスタイルを変更したいデータ系列(線)をクリックして選択します。 - 書式設定ウィンドウを開く
選択したデータ系列を右クリックし、「データ系列の書式設定」を選択します。 - 色や線のスタイルを変更する
「塗りつぶしと線」のアイコン(バケツのマーク)をクリックします。
「線」の項目を展開し、「色」のドロップダウンメニューから好みの色を選択します。
「スタイル」の項目で線の太さや種類(実線、点線など)を変更することも可能です。 - マーカーを変更する
「マーカー」の項目を展開し、データポイントの形状や色を変更することもできます。
データラベルを追加する
各データポイントの具体的な数値を表示したい場合は、データラベルを追加します。
- データラベルを追加する
チャート上のいずれかのデータ系列(線)を選択した状態で、右クリックします。
「データラベルの追加」を選択します。 - ラベルの位置を調整する
データラベルが追加されますが、重なって見にくい場合があります。
追加されたデータラベルを右クリックし、「データラベルの書式設定」を選択します。
「ラベルオプション」で、「ラベルの位置」を「中央揃え」「左」「右」「上」「下」などから選択し、見やすい位置に調整します。
チャートタイトルと凡例を編集する
チャートのタイトルは、何を表しているのかを明確にするために重要です。凡例は、どの色がどの比較対象に対応しているかを示します。
- チャートタイトルを編集する
チャート上部の「チャートタイトル」のテキストボックスをクリックし、内容を編集します。 - 凡例を編集する
凡例(通常はチャートの右側に表示)をクリックし、内容を編集したり、位置を変更したりできます。
凡例を右クリックし、「凡例の書式設定」を選択すると、より詳細な設定が可能です。
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レーダーチャートの応用と注意点
レーダーチャートは、多項目評価の比較に非常に有効ですが、使い方によっては誤解を招く可能性もあります。
項目数の多さに注意する
比較する項目が多すぎると、チャートが複雑になり、見づらくなります。
項目が多すぎて読みにくい場合
1つのレーダーチャートに表示する項目は、多くても5〜7個程度に絞るのがおすすめです。
それ以上項目がある場合は、関連性の高い項目でグループ分けして複数のレーダーチャートを作成する、あるいは、総合評価などの指標に集約して表示することを検討しましょう。
値のスケールに注意する
各項目の値のスケール(単位や範囲)が大きく異なると、特定の項目だけが極端に大きく表示され、他の項目の差が見えにくくなります。
スケールの違いで比較が難しい場合
全ての項目を同じ基準(例えば、最大値を100%とする、あるいは最小値を0、最大値を1とした正規化された値)に揃えてからレーダーチャートを作成すると、各項目の相対的な評価が比較しやすくなります。
正規化するには、各項目の最大値を求め、各値を最大値で割るなどの計算を行います。あるいは、Excelの「軸の書式設定」で各軸の最小値と最大値を統一することも有効です。
項目間の順序に注意する
レーダーチャートでは、軸の配置順序によってチャートの形状が微妙に変わって見えます。これは、比較対象の形状の印象に影響を与える可能性があります。
軸の順序が印象を変える場合
項目順序を固定せずに、最も比較しやすい、あるいは意図した印象を与える順序を探してみることも有効です。ただし、恣意的な順序変更は誤解を招くため、標準的な順序(例えば、データ入力順)で作成し、必要に応じて注釈を加えるのが安全です。
「値の山レーダー」と「レーダー」の違い
Excelにはいくつかのレーダーチャートの種類がありますが、特に「レーダー」と「値の山レーダー」の違いを理解しておくと便利です。
「レーダー」と「値の山レーダー」の使い分け
「レーダー」は、各軸の値を線で結んで多角形を作成します。これは、各項目の絶対的な値の比較や、全体的なバランスを把握するのに適しています。
一方、「値の山レーダー」は、各軸の値を基に、中心から外側に向かう「山」のような形状で表示します。これは、項目ごとの値の大きさを強調したい場合に有効ですが、複数のデータ系列を比較する際には、形状が重なって見にくくなることがあります。
一般的には、「レーダー」チャートの方が多項目評価の比較には使いやすいでしょう。
レーダーチャートと他のグラフの比較
多項目評価の比較には、レーダーチャート以外にもいくつかのグラフが考えられます。それぞれの特徴を理解し、目的に合わせて使い分けることが重要です。
| 項目 | レーダーチャート | 集合縦棒グラフ | バブルチャート |
|---|---|---|---|
| 適したデータ | 複数の項目における各対象の評価値 | 少数の項目における各対象の比較 | 3つの数値変数を持つデータの比較 |
| 得意なこと | 項目間のバランスや全体像の把握、多項目での比較 | 項目ごとの絶対値の比較、順位付け | 3変数間の相関関係の可視化 |
| 苦手なこと | 項目数が多いと見づらい、軸のスケールに影響されやすい | 多項目比較には向かない、全体像が把握しにくい | 項目間のバランス把握には不向き、軸の解釈が複雑 |
| 作成のポイント | 軸のスケール統一、項目数を絞る | 項目数を絞る、比較対象ごとに色分け | 各軸の意味を明確にする、バブルサイズに意味を持たせる |
レーダーチャートは、特に「バランス」や「全体像」を把握したい場合に強力なツールとなります。一方、単純な数値の大小比較であれば集合縦棒グラフが適しています。3つ以上の数値変数間の関係性を見たい場合はバブルチャートが有効です。
状況に応じて最適なグラフを選択することで、より効果的なデータ分析が可能になります。
この記事では、Excelでレーダーチャートを作成し、多項目評価を比較する方法を解説しました。データの準備からチャートの調整、そして応用的な注意点までを網羅しています。
レーダーチャートを使いこなせば、複雑な評価データも直感的に理解できるようになるでしょう。
ぜひ、今回学んだ手順を参考に、ご自身のデータでレーダーチャートを作成し、多項目評価の比較に活用してみてください。
さらに理解を深めるために、異なる種類のレーダーチャート(積み上げレーダー、値の山レーダー)を試してみるのも良いでしょう。
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