Excelで複数の系列を持つグラフを作成する際、値の範囲が大きく異なるデータ系列を混在させたい場面があります。
例えば、売上金額(万円単位)と販売数量(個単位)を同じグラフに表示したい場合などです。
そのまま表示すると、販売数量の折れ線グラフが売上金額の棒グラフに比べて非常に低く表示され、比較しづらくなります。
この記事では、Excelグラフに第2軸(補助軸)を追加し、スケールの異なるデータを分かりやすく表示する手順を解説します。
グラフ作成におけるデータ可視化の幅が広がります。
【要点】Excelグラフに第2軸を追加し、スケールの異なるデータを表示する
- 第2軸の追加: 値の範囲が大きく異なるデータ系列を、それぞれ独立した縦軸で表示します。
- 系列の変更: 第2軸に表示したいデータ系列を右クリックし、「系列グラフの種類の変更」から設定します。
- 第2軸への割り当て: 「系列の書式設定」ウィンドウで、「系列のオプション」から「第2軸」を選択します。
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目次
なぜグラフに第2軸が必要になるのか
Excelでグラフを作成する際、複数のデータ系列を同時に表示することがよくあります。しかし、これらのデータ系列が持つ値の範囲(スケール)が大きく異なると、グラフ上での比較が困難になります。
例えば、ある商品の月間売上金額(単位:円)と、その商品の月間販売個数(単位:個)を同じグラフに表示する場合を考えてみましょう。売上金額は数万〜数十万円になるのに対し、販売個数は数十〜数百個になることが一般的です。
この二つのデータ系列をそのまま同じ縦軸(第1軸)で表示すると、販売個数の折れ線グラフは売上金額の棒グラフに比べて非常に平坦になり、ほとんど値がないように見えてしまいます。これでは、販売個数の変動トレンドを把握することが難しくなります。
このような場合に役立つのが「第2軸(補助軸)」の機能です。第2軸を追加することで、値の範囲が小さいデータ系列に対して、独立した縦軸をグラフの右側に設けることができます。これにより、それぞれのデータ系列のスケールに合わせた適切な表示が可能となり、両者の関係性やトレンドをより正確に読み取れるようになります。
第2軸を追加してスケールの異なるデータを表示する手順
Excelグラフに第2軸を追加する手順は、以下の通りです。ここでは、例として「月別売上金額(円)」と「月別販売数量(個)」をグラフに表示し、販売数量を第2軸に割り当てる場合を想定します。
- グラフの作成とデータ系列の準備
まず、表示したいデータ(月別売上金額、月別販売数量)をExcelシートに用意します。次に、これらのデータ範囲を選択し、「挿入」タブの「グラフ」グループから、適切なグラフの種類(例:複合グラフ)を選択してグラフを作成します。初期状態では、すべてのデータ系列が第1軸(左側の縦軸)に表示されます。 - 第2軸に表示したい系列の特定
グラフ上で、第2軸に表示したいデータ系列を特定します。今回の例では「月別販売数量」の系列です。 - 系列グラフの種類の変更
特定したデータ系列(例:「月別販売数量」)を右クリックします。表示されるコンテキストメニューから「系列グラフの種類の変更」を選択します。 - 第2軸への割り当て
「系列のグラフの種類の変更」ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスの右側にある「系列名」の一覧で、第2軸にしたい系列(例:「月別販売数量」)を見つけます。その系列名の右側にある「グラフの種類」ドロップダウンメニューのすぐ下、または系列名の下に「第2軸」というチェックボックス(またはラジオボタン)があります。これをオンにします。Excelのバージョンによっては、「グラフの種類」のドロップダウンメニューのすぐ下にある「第2軸」のチェックボックスをオンにする場合もあります。Excel for Microsoft 365では、各系列名の右側にある「グラフの種類」ドロップダウンメニューのすぐ下にある「第2軸」のチェックボックスをオンにします。 - グラフの種類の確定とOK
第2軸にしたい系列にチェックを入れたら、ダイアログボックスの下部にある「OK」ボタンをクリックして設定を確定します。 - 第2軸の表示確認と調整
グラフに戻ると、右側に新しい縦軸(第2軸)が表示され、指定したデータ系列がその軸に合わせて描画されているのが確認できます。必要に応じて、第2軸の目盛り範囲や表示形式などを調整します。「グラフのデザイン」タブや「書式」タブ、または軸を直接右クリックして「軸の書式設定」を選択することで、詳細な設定が可能です。
この手順により、スケールの異なるデータ系列を一つのグラフ上で効果的に比較表示できるようになります。
第2軸設定時の注意点とよくある誤解
第2軸の機能は非常に便利ですが、使い方を誤るとかえってグラフの可読性を損なう可能性があります。以下に、設定時に注意すべき点や、よくある誤解について解説します。
第2軸に割り当てる系列の選び方
第2軸は、第1軸のデータ系列とは明らかにスケールが異なる系列にのみ使用するのが原則です。例えば、売上金額(円)と売上数量(個)のように、単位も値の桁数も大きく異なる場合に適しています。
もし、第1軸と第2軸のデータ系列の値の範囲がそれほど変わらないのに第2軸を使用してしまうと、グラフが二つの縦軸で構成され、どこを見れば良いか分かりにくくなることがあります。グラフの目的を明確にし、どちらの軸で解釈すべきかを一目で判断できるように、系列の選択は慎重に行いましょう。
第2軸の書式設定を忘れない
第2軸を追加しただけでは、グラフの右側に軸が表示されるだけで、その軸が何を表しているのかが不明確な場合があります。
グラフのタイトルを分かりやすく設定するだけでなく、第2軸にも適切なタイトル(例:「販売数量(個)」)を付けることが重要です。「グラフ要素を追加」ボタン(グラフの右上にある「+」アイコン)から「軸」→「第2縦軸」を選択してタイトルを追加できます。
また、第2軸に割り当てた系列のグラフの種類(棒グラフ、折れ線グラフなど)も、第1軸の系列と区別しやすいように工夫すると、より分かりやすいグラフになります。
Excelのバージョンによる操作の違い
Excelのバージョンによっては、第2軸の設定方法やUI(ユーザーインターフェース)が若干異なります。特に古いバージョンでは、操作手順が少し複雑になる場合があります。
例えば、Excel 2016以前では、「系列の書式設定」ウィンドウを開き、「系列のオプション」タブで「系列の位置」を「第2軸」に設定する、といった手順になることがあります。Excel for Microsoft 365やExcel 2019、Excel 2021では、「系列グラフの種類の変更」ダイアログボックス内で直接設定できるため、より直感的になっています。
もし、上記の手順でうまくいかない場合は、ご自身のExcelのバージョンを確認し、それに合わせた操作方法を検索してみることをお勧めします。
第2軸に割り当てた系列のグラフの種類を変更できない場合
まれに、第2軸に設定した系列のグラフの種類を変更しようとしても、選択肢が限られていたり、変更できなかったりする場合があります。
これは、特定のグラフの種類(例:積み上げ棒グラフなど)は、第2軸の表示に対応していない、または他の系列との組み合わせに制約があるためです。このような場合は、第1軸の系列のグラフの種類を一時的に変更してみる、あるいは第2軸に割り当てる系列のグラフの種類を、第2軸で表示可能なもの(折れ線グラフや散布図など)に変更することで解決できることがあります。
どうしても特定のグラフ種類で第2軸を使いたい場合は、グラフの種類自体を見直すか、第1軸と第2軸で別々のグラフを作成し、それらを画像として並べて配置するなどの代替手段も検討する必要があるかもしれません。
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第1軸と第2軸のグラフ比較表
第2軸の機能は、主に異なるスケールのデータを比較する際に有効です。以下に、第1軸と第2軸の主な違いと使い分けについてまとめました。
| 項目 | 第1軸(主軸) | 第2軸(補助軸) |
|---|---|---|
| 位置 | グラフの左側 | グラフの右側 |
| 役割 | グラフの主要なデータ系列のスケールを示す | スケールが大きく異なるデータ系列のスケールを示す |
| 設定 | デフォルトで設定される | 明示的に追加・割り当てが必要 |
| 表示条件 | 必ず1つ存在する | 必要に応じて追加できる(最大1つ) |
| 主な用途 | 売上金額、株価、気温など、主要な指標の推移 | 販売数量、件数、割合など、主要指標と連動するがスケールが異なる指標の推移 |
| 注意点 | 複数の系列が同じ軸で表示されるため、スケールが近い系列の比較に適している | 誤った系列に割り当てるとグラフが分かりにくくなる。軸タイトルや系列のグラフ種類を工夫する必要がある |
| グラフの種類 | ほとんどのグラフタイプで利用可能 | 一部のグラフタイプ(例:積み上げ棒グラフ)では制限がある場合がある |
この比較表を参考に、グラフの目的に合わせて第1軸と第2軸を適切に使い分けることで、より効果的なデータ分析とプレゼンテーションが可能になります。
まとめ
Excelグラフに第2軸を追加することで、売上金額と販売数量のように、値のスケールが大きく異なるデータ系列を一つのグラフ上で分かりやすく比較表示できるようになりました。
「系列グラフの種類の変更」から対象系列を選び、「第2軸」にチェックを入れるだけで、グラフの可読性が飛躍的に向上します。
今後は、グラフ作成時にデータ系列のスケールを考慮し、必要に応じて第2軸の活用を検討してみてください。これにより、より精度の高いデータ分析と、相手に伝わりやすい資料作成が可能になります。
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