「ACアダプタ(充電器)をしっかり挿しているのに、バッテリーアイコンに『電源に接続:充電していません』と表示される」「コンセントに繋いでいるのに、%が増えるどころか減っていく」……。
このままではパソコンが起動しなくなるため、非常に焦る状況です。
しかし、すぐに故障と決めつけるのは早計です。Windowsのシステムが「バッテリーの残量を正しく認識できていない」だけかもしれません。
この記事では、新しいバッテリーを買う前に必ず試してほしい、バッテリー制御ドライバーのリセット方法と、メーカー特有の充電制限設定の解除法を解説します。
目次
手順1:【特効薬】バッテリー制御ドライバーを入れ直す
Windowsには、バッテリーを管理するための「Microsoft ACPI-Compliant Control Method Battery」というドライバーが入っています。
これが誤作動を起こして充電を拒否しているケースが非常に多いです。一度削除して、正常な状態で読み込み直します。
🛠️ ドライバーのリセット手順
- スタートボタンを右クリックし、[デバイスマネージャー] を開きます。
- [バッテリー] の左の矢印を押して展開します。
- 中にある [Microsoft ACPI-Compliant Control Method Battery] を右クリックします。
(※「ACアダプター」の方は触らないでください) - [デバイスのアンインストール] をクリックします。
- 警告が出ますが、そのまま [アンインストール] を実行します。
(※これを行ってもバッテリー機能はなくなりません) - 画面から項目が消えたら、パソコンを再起動します。
再起動すると、Windowsが自動的に正常なドライバーをインストールし直します。
デスクトップが表示された後、右下のアイコンが「充電中」に変わっているか確認してください。
手順2:メーカーの「いたわり充電(保全モード)」を確認する
「60%や80%で止まってしまい、100%にならない」という場合は、故障ではありません。
バッテリーの寿命を延ばすために、メーカー側が意図的に満充電させない設定(いたわり充電)にしている可能性があります。
100%まで充電したい場合は、以下のソフトから設定を解除してください。
| メーカー | 確認するアプリ名 | 項目名 |
|---|---|---|
| Lenovo | Lenovo Vantage | 保全モード |
| ASUS | MyASUS | Battery Health Charging |
| Dell | Dell Power Manager | ピークシフト / 充電設定 |
| 富士通 | バッテリーユーティリティ | 80%充電モード |
| Surface | Surface アプリ | スマート充電 |
手順3:完全放電(バッテリーリセット)を行う
パソコン内部に電気が溜まりすぎている(帯電している)と、安全装置が働いて充電をブロックすることがあります。
- パソコンをシャットダウンします。
- ACアダプタ、USB機器、SDカードなど、繋がっているケーブル類をすべて抜きます。
- (バッテリーが取り外せる機種の場合)バッテリーを取り外します。
- その状態で、電源ボタンを20秒以上長押しします。
- ACアダプタだけを接続し、電源を入れます。
これで帯電が解消され、充電回路が正常に動き出すことがあります。
手順4:ACアダプタの「ワット数」を確認する
最近のPCは「USB Type-C」で充電できるものが多いですが、スマホ用の充電器ではパワー不足で充電できません。
- パソコンを充電するには、最低でも45W(ワット)や65Wの出力が必要です。
- スマホ用の充電器(5W〜20W)を挿すと、「低速の充電ケーブル」と警告が出るか、または「接続済み」と出るだけで充電が増えない現象が起きます。
- 必ずPCに付属していた純正アダプタか、PD対応の高出力充電器を使用してください。
まとめ:ドライバーの入れ直しで直ればラッキー
充電トラブルの原因切り分けチャートです。
| 症状 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 接続済み・充電していません | ドライバーのバグ | 手順1:ドライバー再インストール |
| 60%や80%で止まる | いたわり充電モード | 手順2:メーカー設定解除 |
| 全く反応しない | 帯電または断線 | 手順3:完全放電 |
これらを全て試しても改善しない場合、バッテリー自体の寿命(劣化)か、ACアダプタの断線故障が考えられます。その場合は修理または買い替えが必要です。
