サイズの大きな.pdfファイルを印刷する際、プリンターが応答せず、印刷に時間がかかり困っていませんか。
このような印刷の遅延は、.pdfファイル内の複雑なデータ処理が原因で発生します。
この記事では、「PostScriptパススルー」などの詳細設定を調整し、.pdfファイルの印刷速度を向上させる具体的な方法を解説します。
Acrobat Reader、Edge、スマートフォンアプリでの設定手順がわかり、快適な印刷環境が手に入ります。
【要点】PDF印刷を高速化する設定のポイント
- PostScriptパススルーの有効化: .pdfのデータをプリンターに直接送り、処理時間を短縮します。
- 画像として印刷: .pdf全体を画像として処理し、複雑な要素の解析を省略して印刷を高速化します。
- フォントダウンロードの調整: プリンターでフォントを処理する設定に変更し、印刷時のデータ転送量を減らします。
- 画像圧縮設定の変更: 印刷時の画像データを軽くし、プリンターへの負荷を軽減して印刷速度を上げます。
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目次
PDF印刷が遅くなる原因と高速化設定の概要
PDFの印刷が遅くなる主な原因は、ファイルに含まれる複雑な要素です。
高解像度の画像、透明効果、埋め込みフォントなどがプリンターの処理に時間を要します。
これらの要素を効率的に処理させることで、印刷速度を向上させることが可能です。
特にPostScriptプリンターを使用している場合、特定のオプションが有効です。
PostScriptパススルーとは
PostScriptパススルーは、.pdfファイルをPostScriptデータとしてプリンターに直接送る機能です。
通常、.pdfは印刷前にコンピューター側でプリンターが理解できる形式に変換されます。
この変換プロセスは、複雑な.pdfファイルほど時間がかかります。
PostScriptパススルーを有効にすると、変換処理を最小限に抑え、プリンターのPostScriptインタープリターに直接データを渡します。
これにより、コンピューター側の処理負荷が減り、印刷速度の向上が期待できます。
ただし、プリンターがPostScriptに対応している必要があります。
その他の高速化設定
PostScriptパススルー以外にも、いくつかの設定で印刷速度を改善できます。
「画像として印刷」は、.pdfを一枚の画像データとしてプリンターに送る方法です。
複雑なレイアウトや透明効果が多い.pdfで特に効果を発揮します。
フォントのダウンロード設定は、.pdf内のフォント情報をプリンターにどう送るかを決定します。
プリンターでフォントを処理するように設定すると、データ転送量が減り、印刷が速くなることがあります。
また、画像圧縮設定を変更することで、画像データのサイズを小さくし、プリンターへの負荷を軽減できます。
Acrobat ReaderでのPDF印刷高速化設定手順
Acrobat Readerには、.pdf印刷を高速化するための詳細な設定項目が用意されています。
以下の手順で設定を変更し、印刷速度の向上を目指しましょう。
- .pdfファイルを開き印刷ダイアログを表示する
.pdfファイルをAcrobat Readerで開きます。「ファイル」メニューから「印刷」を選択するか、「Ctrl + P」キーを押します。 - 「詳細設定」ダイアログを開く
印刷ダイアログが表示されたら、左下にある「詳細設定」ボタンをクリックします。 - 「画像として印刷」を有効にする
「印刷の詳細設定」ダイアログが開きます。「画像として印刷」のチェックボックスにチェックを入れます。これにより、.pdf全体が一枚の画像として処理されます。 - 「PostScriptオプション」を設定する
同じダイアログ内で、「PostScriptオプション」の項目を展開します。「PostScriptパススルー」のプルダウンメニューから「常に」を選択します。プリンターがPostScriptに対応している場合、この設定が効果的です。 - 「フォントのダウンロード」を設定する
「フォントのダウンロード」のプルダウンメニューから「自動」または「プリンタでダウンロード」を選択します。これにより、フォントの処理方法が最適化されます。 - 設定を適用して印刷を実行する
すべての設定が完了したら、「OK」ボタンをクリックして詳細設定ダイアログを閉じます。元の印刷ダイアログに戻り、「印刷」ボタンをクリックして印刷を開始します。
EdgeでのPDF印刷高速化設定手順
Edgeブラウザで.pdfファイルを印刷する場合も、システムの印刷ダイアログを経由して高速化設定を行うことができます。
以下の手順でプリンターの詳細設定にアクセスし、印刷速度を改善しましょう。
- Edgeで.pdfファイルを開き印刷ダイアログを表示する
Edgeで.pdfファイルを開きます。「Ctrl + P」キーを押すか、右上のメニューアイコンから「印刷」を選択します。 - システムの印刷ダイアログを開く
Edgeの印刷プレビュー画面が表示されます。下部にある「システムの印刷ダイアログを使用」をクリックします。 - プリンターのプロパティを開く
Windowsの印刷ダイアログが表示されたら、使用するプリンターを選択し、「詳細設定」または「プロパティ」ボタンをクリックします。 - 「グラフィック」タブで設定を変更する
プリンターのプロパティダイアログが開きます。「グラフィック」タブに移動します。「TrueTypeフォント」の処理方法を「プリンターでダウンロード」または「ビットマップとして送信」に変更します。 - 「PostScriptオプション」を確認する
プリンターによっては、「PostScriptオプション」や「ドキュメントオプション」の項目があります。そこで「PostScriptデータ形式」を「最適」や「ASCII」に設定できる場合があります。 - 設定を適用して印刷を実行する
すべての設定が完了したら、「OK」ボタンをクリックしてプロパティダイアログを閉じます。元の印刷ダイアログに戻り、「印刷」ボタンをクリックして印刷を開始します。
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スマートフォンアプリでのPDF印刷高速化のポイント
iPhoneやAndroidのスマートフォンアプリから.pdfを印刷する場合も、いくつかのポイントで印刷速度を改善できます。
アプリ側の設定とプリンター側の設定を適切に組み合わせることが重要です。
iPhoneのPDF印刷設定
iPhoneから印刷する場合、AirPrint対応プリンターを使うことが一般的です。
アプリによっては、印刷品質を設定できる場合があります。
- .pdfファイルを開き共有メニューから印刷を選択する
ファイルアプリやAcrobat Readerなどのアプリで.pdfを開きます。共有アイコンをタップし、「プリント」を選択します。 - プリンターオプションを確認する
プリンターオプション画面で、使用するプリンターが選択されていることを確認します。 - 印刷品質設定を変更する
一部のプリンターでは、「オプション」や「プリンタオプション」をタップすると、印刷品質やカラー設定を変更できる場合があります。ここで「標準」や「下書き」などの低品質設定を選ぶと、印刷が速くなります。 - プリンタードライバーの設定を確認する
iPhone側で詳細なPostScript設定はできません。プリンター側の設定で、PostScript処理やグラフィック処理の最適化が行われているか確認してください。
AndroidのPDF印刷設定
Androidの場合、プリンターメーカーが提供する専用アプリや、Android標準の印刷サービスを利用します。
プリンターアプリには、より詳細な設定が含まれることがあります。
- .pdfファイルを開き印刷機能を選択する
GoogleドライブやAcrobat Readerなどのアプリで.pdfを開きます。メニューアイコンをタップし、「印刷」を選択します。 - プリンターアプリの設定を確認する
「プリンターを選択」から、使用しているプリンターのアプリを選択します。アプリの設定画面に移動し、「印刷品質」や「画像処理」に関する設定を探します。 - 印刷品質を調整する
「印刷品質」を「標準」や「高速」に設定することで、データ転送量を減らし印刷速度を上げられます。 - プリンタードライバーの設定を確認する
Androidアプリから直接PostScript設定を行うことは稀です。PCからプリンタードライバーの詳細設定を確認し、PostScript処理が最適化されているか確認してください。
印刷速度改善のための注意点と失敗例
PDFの印刷速度向上設定は効果的ですが、いくつかの注意点もあります。
設定によっては、意図しない結果を招く可能性もありますので、事前に確認が必要です。
PostScriptパススルーが使えない場合がある
PostScriptパススルーは、プリンターがPostScriptに対応している場合にのみ有効です。
対応していないプリンターでこの設定を有効にすると、印刷が失敗したり、エラーが発生したりすることがあります。
お使いのプリンターがPostScriptに対応しているか、事前にメーカーの仕様書で確認してください。
画像品質が低下してしまうことがある
「画像として印刷」や「印刷品質の低下」設定は、印刷速度を向上させますが、画質が低下する可能性があります。
特に写真やグラフィックが多い.pdfでは、粗い印刷結果になることがあります。
最終的な印刷物の用途に応じて、画質と速度のバランスを考慮して設定を選びましょう。
ファイルサイズが極端に大きい場合の対処法
元の.pdfファイルのサイズが非常に大きい場合、上記の最適化設定だけでは印刷速度の改善が限定的です。
その際は、.pdfファイルを最適化してファイルサイズ自体を小さくすることを検討してください。
Acrobat Proなどの有料版では、画像の圧縮や不要なオブジェクトの削除でファイルサイズを削減できます。
プリンタードライバーの更新を怠ってしまう
プリンタードライバーが古いと、最新の.pdf処理に最適化されていない場合があります。
ドライバーを最新の状態に保つことで、印刷処理の効率が向上し、速度改善に繋がることがあります。
プリンターメーカーのウェブサイトから、最新のドライバーをダウンロードしてインストールしてください。
Acrobat ReaderとEdgeのPDF印刷設定機能比較
Acrobat ReaderとEdgeは、どちらも.pdfの表示と印刷ができますが、印刷設定の柔軟性には違いがあります。
それぞれの機能の特徴を比較し、用途に合ったツールを選びましょう。
| 項目 | Acrobat Reader | Edge |
|---|---|---|
| PostScriptパススルー設定 | 詳細設定から直接設定可能 | システムの印刷ダイアログ経由でプリンター設定に依存 |
| 画像として印刷 | 詳細設定から直接設定可能 | 設定項目なし、プリンタードライバー設定に依存 |
| フォントダウンロード設定 | 詳細設定から「自動」「プリンタでダウンロード」など選択可能 | システムの印刷ダイアログ経由でプリンター設定に依存 |
| カラーマネジメント設定 | 詳細設定から細かく調整可能 | 基本的なカラー設定のみ、プリンタードライバー設定に依存 |
| 設定へのアクセス | 印刷ダイアログ内の「詳細設定」からアクセス | Edge印刷プレビューから「システムの印刷ダイアログ」経由でアクセス |
まとめ
この記事では、PDFの印刷速度を向上させるための詳細な設定方法を解説しました。
Acrobat Readerの「PostScriptパススルー」や「画像として印刷」設定、Edgeからのプリンタープロパティ調整を試すことで、印刷にかかる時間を大幅に短縮できます。
また、スマートフォンアプリからの印刷時も、品質設定の調整が有効です。
お使いのプリンター環境に合わせてこれらの設定を適用し、より快適な.pdf印刷を実現してください。
印刷に時間がかかる大きな.pdfファイルで、今回紹介した「PostScriptパススルー」や「画像として印刷」設定をぜひお試しください。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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