Salesforceでケース管理を行っていると、入力したケースコメントが想定と異なる表示になる、あるいはコメント自体が表示されないという状況に直面することがあります。この問題はコメントの公開範囲、ユーザの権限、ページレイアウトの設定など複数の要因が絡むため、原因を特定するまでに時間がかかりがちです。本記事では、ケースコメントの表示条件と権限の見直しに焦点を当て、具体的な確認手順とトラブルシューティングの方法を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: ケースコメントの表示は「コメントの種類」「レコードタイプのページレイアウト」「プロファイル権限」「共有設定」の4つで決まります。まずは該当ユーザがどのプロファイルか、どのページレイアウトを使っているか確認します。
- 切り分けの軸: 端末側(ブラウザのキャッシュ)とアカウント側(ユーザ権限、プロファイル)および管理設定側(共有ルール、組織の共有モデル)に分けて検証します。1人のユーザだけ問題が起きているのか、全ユーザかによって原因の切り分けが変わります。
- 注意点: 会社PCで権限や共有設定を勝手に変更することは避けてください。特にプロファイル編集や共有ルールの変更は組織全体に影響するため、必ずシステム管理者と相談してから対応しましょう。
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目次
ケースコメントの表示を決める4つの要素
ケースコメントがどのように表示されるかは、以下の4つの要素が組み合わさって決まります。問題が発生したときは、これらを順に確認することで原因を特定できます。
コメントの種類:公開コメントと内部コメント
Salesforceのケースコメントには「公開コメント」と「内部コメント」の2種類があります。公開コメントは顧客(ケースの連絡先)にも表示されることを想定したコメントで、内部コメントは組織内のユーザのみが参照できるコメントです。コメント作成時に「内部」チェックボックスをオンにすると内部コメントになります。この設定により、表示できるユーザと表示できないユーザが分かれます。例えば、内部コメントはカスタマーコミュニティユーザには表示されません。
レコードタイプとページレイアウト
ケースオブジェクトに複数のレコードタイプがある場合、レコードタイプごとに異なるページレイアウトを割り当てることができます。ページレイアウト上に関連リストとして配置された「ケースコメント」または「フィード」が表示の有無を決めます。もしページレイアウトにケースコメント関連リストが含まれていない場合、ユーザはコメントが表示されている場所自体を見つけられません。また、フィードベースのコメント(Chatterフィード)と標準のケースコメント関連リストは別物なので、どちらを使っているかも確認が必要です。
プロファイルと権限設定
ユーザのプロファイル(または権限セット)がケースオブジェクトに対してどのような権限を持っているかが重要です。「参照」「作成」「編集」「削除」の各権限に加えて、「ケースコメント」オブジェクト(名称は「CaseComment」)に対する明示的な権限も存在します。特に「ケースコメントの参照」権限が無いと、コメント自体が表示されなくなります。また、内部コメントを表示するには「ケースコメントの内部表示」権限が必要です。
共有設定と組織の共有モデル
ケースの共有設定(Organization-Wide Defaults)が「公開/非公開」どちらになっているか、またケース共有ルールやチームの設定によって、ユーザがコメントを表示できる範囲が変わります。もしケース自体が共有されていなければ、ケースに紐づくコメントも見えません。ケースコメントの共有はケースの共有に連動するため、ケースの可視性を確認する必要があります。
コメントが表示されない場合の原因切り分け手順
ケースコメントが表示されないケースはよく発生します。以下の手順に従って原因を特定してください。
- 該当ユーザでケースを開き、コメントが表示される場所を確認する。 ケースの詳細ページで関連リスト「ケースコメント」があるか、あるいはフィードタブにコメントが表示されるかを確認します。表示自体がない場合はページレイアウトが原因の可能性が高いです。
- プロファイルの権限を確認する。 管理画面の「プロファイル」から該当ユーザのプロファイルを開き、「ケース」オブジェクトの権限と「ケースコメント」オブジェクトの権限を確認します。特に「ケースコメントの参照」がオンになっているか、内部コメントを見る必要があるなら「内部コメントの参照」権限も必要です。
- レコードタイプのページレイアウトを確認する。 該当ケースのレコードタイプに割り当てられているページレイアウトを調べます。そのページレイアウトに「ケースコメント」関連リスト(またはフィード関連リスト)が含まれているか確認します。含まれていなければ、管理者に依頼して追加してもらう必要があります。
- 共有設定を確認する。 該当ユーザがケース自体を参照できるかを確認します。ケースが非公開で共有ルールの対象外であれば、コメントも見えません。システム管理者に組織の共有モデルを確認してもらい、必要に応じて共有ルールの追加を依頼しましょう。
- ブラウザのキャッシュやフィルタを確認する。 まれにブラウザのキャッシュが原因で表示が更新されないことがあります。シークレットウィンドウで確認したり、キャッシュをクリアして再度ログインしてみてください。
コメントの編集・削除ができない場合の権限確認
コメントは表示できるが編集や削除ができないというケースもよくあります。この場合は主にオブジェクト権限とコメントの所有者が影響します。
オブジェクト権限の確認
ケースコメントの編集や削除には「ケースコメント」オブジェクトに対する「編集」権限と「削除」権限が必要です。プロファイルまたは権限セットでこれらが有効になっているか確認してください。ただし、コメントの作成者であれば、たとえ編集権限がなくても自分のコメントを編集できる場合があります(システム管理者による設定に依存)。一方、他人のコメントを編集するには明示的な編集権限が必要です。
コメントの所有者と作成者
ケースコメントの所有者は通常、コメントの作成者です。ただし、ケースオブジェクト自体の所有者がコメントを管理できる権限を持つ場合もあります。Salseforceの標準動作では、ケースの所有者はケースに紐づくすべてのコメントに対して編集・削除権限を持ちます。また、システム管理者は常にすべてのコメントを編集・削除できます。権限が足りない場合は、自分が作成者であるか、ケースの所有者であるか、あるいは管理者に依頼する必要があります。
プロファイルと権限セットの活用
プロファイルだけでは権限が足りない場合、権限セットを追加することで個別のユーザに権限を付与できます。例えば、「ケースコメントの編集」権限セットを作成し、必要なユーザに割り当てる方法があります。権限セットはプロファイルを変更せずに柔軟に権限を追加できるため、管理者と相談して検討するとよいでしょう。
内部コメントと公開コメントの表示条件の比較
内部コメントと公開コメントでは、表示できるユーザや権限要件が異なります。以下の表に主な違いをまとめました。
| 項目 | 公開コメント | 内部コメント |
|---|---|---|
| 表示できるユーザ | ケースを参照できるすべてのユーザ(カスタマーコミュニティユーザ含む) | ケースを参照できる内部ユーザのみ(コミュニティユーザ不可) |
| 必要な権限 | 「ケースコメントの参照」権限 | 「ケースコメントの参照」権限 + 「内部コメントの参照」権限 |
| 作成時のチェックボックス | 「内部」をオフ | 「内部」をオン |
| 編集・削除の基本ルール | 作成者またはケース所有者、管理者 | 同上 |
よくある失敗パターンと対策
ケースコメント関連のトラブルには、いくつかの典型的なパターンがあります。事前に知っておくことで、原因特定がスムーズになります。
パターン1:内部コメントが外部ユーザに見えている(漏洩)。 これは「内部」チェックボックスを入れ忘れた場合に発生します。内部コメントとして作成する際は必ずチェックボックスをオンにしましょう。また、プロファイルで内部コメントの作成権限が適切に設定されているか確認します。
パターン2:コメントを追加しようとしたら「ケースコメントを作成できません」とエラーが出る。 これは多くの場合、プロファイルの「ケースコメントの作成」権限がないか、ケースがロックされている(クローズ済みなど)ことが原因です。権限を確認し、ケースが編集可能な状態かをチェックしてください。
パターン3:コメントが表示されないが、他のユーザは見えている。 この場合は、自分のプロファイルに権限がないか、ページレイアウトが別のレコードタイプに割り当てられている可能性があります。また、自分がそのケースを共有されていないケースも考えられます。他のユーザと同じプロファイルか、同じレコードタイプかを確認しましょう。
パターン4:コメントの編集ボタンが表示されない。 コメントの上にマウスを置いたときに編集アイコンが出ない場合は、権限不足か、コメントが読み取り専用の状態(例えば、コメントが古いバージョンのSalesforceで作成されたものなど)の可能性があります。自分がコメントの作成者か、ケースの所有者か、管理者かを確認してください。
管理者に確認すべき設定項目
トラブルシューティングの過程で、システム管理者に依頼して確認すべき設定を以下にまとめます。これらの情報を管理者に伝えることで、問題解決が早まります。
- 組織の共有モデル(ケース): ケースのデフォルト共有が「公開」か「非公開」か、また「公開」の場合でも「内部コメントの表示制限」が設定されているか。
- 該当ユーザのプロファイルの権限設定: ケースオブジェクトの権限(参照、作成、編集、削除)とケースコメントオブジェクトの権限(特に「ケースコメントの参照」「ケースコメントの作成」「ケースコメントの編集」「ケースコメントの削除」「内部コメントの参照」)の有無。
- レコードタイプごとのページレイアウト: 問題のケースに割り当てられているレコードタイプのページレイアウトに、ケースコメント関連リストが含まれているか。もし含まれていない場合は、追加する必要があります。
- 権限セットの有無: 該当ユーザに何か権限セットが割り当てられている場合、その内容を確認します。特にケースコメントに関する権限セットが上書きされている可能性があります。
- ケースコメントのフィード設定: ケースのフィードが有効になっているかどうか。フィードが有効な場合、ケースコメントはフィードに表示されます。関連リストの有無とフィードの表示設定は別物なので、どちらを使っているか把握しておきましょう。
よくある質問
Q. ケースコメントを削除したら復元できますか?
A. ケースコメントを削除すると、ごみ箱に移動します。ごみ箱から復元できる期間は通常30日間です。ただし、システム管理者以外はごみ箱にアクセスできない場合があるので、復元が必要な場合は管理者に依頼してください。
Q. ケースコメントの文字数制限はありますか?
A. Salesforceの標準では、ケースコメントの本文は最大32,000文字まで入力できます。ただし、長いコメントはパフォーマンスに影響する可能性があるため、適切な長さに分けることを推奨します。
Q. ケースコメントを一括でエクスポートする方法は?
A. データエクスポートサービスやData Loaderを使用して、ケースコメントオブジェクトをCSVでエクスポートできます。ただし、内部コメントも含めてエクスポートされるため、適切な権限が必要です。
まとめ
ケースコメントの表示に関する問題は、コメントの種類、ページレイアウト、プロファイル権限、共有設定の4つの観点から整理すると原因を特定しやすくなります。最初に「コメントが表示されない」のか「編集・削除できない」のかを切り分け、該当ユーザのプロファイルとページレイアウトを確認してください。内部コメントの表示には追加の権限が必要な点も忘れずにチェックしましょう。
もし切り分けても解決しない場合は、システム管理者に本記事の「管理者に確認すべき設定項目」を伝えて相談することで、スムーズに対応できるはずです。日頃からケースコメントの利用ルールを組織内で共有しておくことも、トラブル予防に役立ちます。
超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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