Einstein活動キャプチャは、Salesforceとメール・カレンダーシステムを連携し、取引先や商談に関連するメールやイベントを自動で記録する機能です。導入したものの「活動が反映されない」「一部のユーザだけ動かない」「同期に失敗する」といったトラブルは、管理者にとって頭の痛い問題です。本記事では、Einstein活動キャプチャで困ったときに管理者が確認すべき原因と、具体的な切り分け手順を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: セットアップの「Einstein活動キャプチャ」ページと各ユーザの「活動キャプチャ設定済み」の状態
- 切り分けの軸: ユーザ権限・ライセンス不足、接続設定ミス、項目マッピング不整合、バッチ処理の遅延・エラー
- 注意点: 権限セットの変更や項目マッピングの編集は運用中の同期に影響を与えるため、事前に影響範囲を確認してください
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目次
Einstein活動キャプチャの仕組みとエラーの全体像
Einstein活動キャプチャは、クラウド上のサービスとして動作し、ユーザのメールボックス(Exchange OnlineやGmail)とカレンダーを定期的にスキャンして、CRM上のレコードに関連付けます。このプロセスは非同期で処理されるため、即座に反映されない性質があります。管理者が問題を切り分けるには、ユーザ側の設定と組織全体の設定、データ連携の各レイヤーを順に確認する必要があります。
原因1: ユーザのライセンスと権限設定
もっとも多い原因の一つが、ライセンスの不足や権限セットの未割り当てです。Einstein活動キャプチャを使用するには、Salesforce Einstein活動キャプチャの権限セットライセンスがユーザに割り当てられている必要があります。また、連携するメールシステムに応じた権限セット(例:Einstein活動キャプチャ(Exchange))も有効化する必要があります。管理者は以下の手順で確認を行ってください。
- セットアップメニューから「ユーザ」→「ユーザ」を開き、対象ユーザをクリックします。
- 「権限セットライセンスの割り当て」セクションで「Einstein活動キャプチャ」が「有効」になっているか確認します。
- 「権限セットの割り当て」セクションで「Einstein活動キャプチャ」または「Einstein活動キャプチャ(Exchange)」が割り当てられているか確認します。
- 権限セットが割り当てられていない場合は、権限セットの新規割り当てページから該当の権限セットを選択し、ユーザに割り当てます。
- 割り当て後、ユーザがSalesforceからログアウトし、再度ログインするよう案内します。変更が反映されない場合はブラウザのキャッシュクリアも試してください。
権限セットの割り当てが正しくても機能しない場合、ユーザプロファイルのオブジェクト権限やフィールドアクセス権が不足している可能性があります。活動キャプチャがToDoやイベント、メールメッセージオブジェクトにアクセスできないと、同期に失敗しエラーが記録されます。
原因2: 同期設定と接続状況
ユーザの権限が問題なくても、同期そのものが有効になっていないケースがあります。各ユーザは「設定」→「活動キャプチャ設定」から自身のメールとカレンダーの接続を有効にする必要があります。管理者は一括で設定を有効化することも可能ですが、ユーザごとに同意が必要な場合もあります。また、Exchange Onlineの場合は、管理者がOAuth認証を許可しているか確認してください。接続が切断されている証拠として、活動キャプチャ設定ページに「再接続が必要」と表示されます。
| 確認項目 | 正常な状態 | 異常時の表示 |
|---|---|---|
| 活動キャプチャ設定ページ | 「メール」と「カレンダー」が「接続済み」 | 「再接続」「同期エラー」 |
| セットアップの「Einstein活動キャプチャ」 | 全体の同期が「有効」、ユーザ一覧に「状態」が「アクティブ」 | 「無効」「一時停止」「エラー」 |
| メールシステムの認証 | OAuthトークン有効 | トークン期限切れ、アクセス拒否 |
管理者はセットアップの「Einstein活動キャプチャ」ページから「ユーザ」タブを確認し、各ユーザの「状態」と「最終同期日時」をチェックします。「エラー」状態の場合は原因コードが表示されるため、それを基にトラブルシューティングを行います。
原因3: 項目マッピングとアクセス権
Einstein活動キャプチャは、メールやイベントのデータをどのSalesforceオブジェクトのどの項目にマッピングするかという設定を持ちます。このマッピングが正しくないと、同期が成功してもデータが空っぽになったり、特定の項目だけ欠落したりします。また、フィールドレベルのセキュリティで、ユーザプロファイルがマッピング先の項目への書き込み権限を持っていない場合も同期エラーになります。管理者は「オブジェクトマネージャ」から活動キャプチャ関連オブジェクト(例:EmailMessage、Event、Task)のフィールドアクセス権を確認し、必要に応じて権限セットで拡張します。
原因4: バックグラウンド処理の遅延やエラー
同期が完了するまでには通常数分から数時間かかることがあります。ユーザが「すぐに反映されない」と報告する場合、多くの場合は正常な処理の範囲内です。ただし、特定のユーザだけ一貫して遅延が発生する、または全く同期されない場合は、Salesforce側のバックグラウンドジョブに問題がある可能性があります。管理者はセットアップの「Einstein活動キャプチャ」ページの「ジョブ」タブや「監視」→「非同期ジョブ」から、エラーのあるジョブを確認できます。例えば、長時間保留状態のジョブや失敗したジョブが見つかれば、それを特定して再実行する必要があります。
原因5: カスタマイズや外部システムとの競合
組織にカスタムトリガやフロー、ワークフルールールが存在する場合、活動キャプチャが作成したレコードにそれらが作用してエラーを引き起こすことがあります。例えば、ToDoの作成時にトリガが発火し、処理に時間がかかってタイムアウトするケースです。また、外部のメールアーカイブシステムやセキュリティポリシーがEinstein活動キャプチャのアクセスをブロックしている可能性もあります。管理者は、活動キャプチャの同期に影響する可能性のあるカスタムコードを一時的に無効にしてテストするか、セールスフォースのサポートに問い合わせてください。
管理者が確認すべきログと監視方法
トラブルシューティングの最終手段として、詳細なログを確認します。Salesforceの「イベント監視」機能や「デバッグログ」を活用することで、同期の試行とエラーを詳細に追跡できます。また、Einstein活動キャプチャ専用の「活動キャプチャエラー」レポートも用意されています。以下は管理者が確認すべき主要なリソースです。
- セットアップ > Einstein活動キャプチャ > ユーザタブ: ユーザ単位の状態とエラーメッセージ
- セットアップ > 監視 > 非同期ジョブ: 同期ジョブのステータスとエラー
- レポート > 活動キャプチャエラー: 組織全体のエラーレコード
- 設定 > イベント監視 > イベントログ: 権限や接続変更の監査
これらのログを組み合わせることで、問題がユーザ権限、接続、マッピング、バッチ処理のどのレイヤーで発生しているかを特定できます。
よくある質問
Q: 活動キャプチャが突然動かなくなりました。何を確認すればよいですか?
まずはユーザの活動キャプチャ設定ページでメールとカレンダーが「接続済み」か確認します。「再接続」と表示される場合は、OAuthトークンが期限切れの可能性があります。また、セットアップの「Einstein活動キャプチャ」で全体の同期が有効か、ユーザの状態がエラーになっていないか確認しましょう。
Q: 特定の商談だけ活動がキャプチャされません。
メールの関連付けには、件名や本文に商談名が含まれている必要があります。また、商談が非公開の場合はキャプチャ設定で「非公開レコード」をキャプチャする設定が有効か確認します。マッピング条件を見直してください。
Q: ライセンスを追加したのに権限セットが割り当てられません。
ライセンスの割り当て後、数分から数時間の反映ラグがあります。権限セットの割り当てページで「権限セットライセンス」のドロップダウンに新しいライセンスが表示されるまで待ってから割り当ててください。
まとめ
Einstein活動キャプチャのトラブルシューティングでは、ライセンス・権限、接続設定、項目マッピング、バックグラウンドジョブ、カスタマイズの影響という5つのレイヤーを順に確認することが重要です。まずはユーザの権限セットと活動キャプチャ設定ページ、セットアップのユーザ状態をチェックし、次にジョブのエラーやログを調査します。問題が特定できない場合は、Salesforceサポートに連絡する前に、権限セットの再割り当てや再接続を試してください。適切な切り分けにより、早期の復旧と再発防止につなげることができます。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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