Salesforceモバイルアプリを社内で利用していると、一部のユーザーだけ特定の項目やレコードが表示されないという事象が発生することがあります。こうした問題は、本番環境に反映する前に原因を特定しておかないと、ユーザーからの問い合わせが殺到したり、業務に支障をきたすリスクがあります。本記事では、表示の不具合が一部ユーザーに限定される場合の切り分け手順を、実務で使える観点から詳しく解説します。特に、プロファイルや権限設定、モバイルアプリのバージョン、レイアウトの割り当てなど、確認すべきポイントを整理しました。この記事を読めば、問題の原因を効率的に特定し、本番反映前に適切な対応を取ることができるようになります。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: 問題が発生しているユーザーのプロファイルと権限設定、特にモバイルアプリ用のレイアウト割り当てを確認します。
- 切り分けの軸: 端末側(アプリバージョン、キャッシュ)とアカウント側(権限、プロファイル、公開グループ)および管理設定側(モバイル設定、Lightning Experienceの有効化)の3軸で原因を絞り込みます。
- 注意点: 会社PCでは管理者権限がない場合が多いため、個別の端末設定を変更する前に、必ずSalesforce管理者に連絡し、組織全体の設定変更が必要かどうかを確認してください。
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目次
1. 表示されない項目やレコードのパターンを特定する
まずは、「何が表示されないのか」を正確に把握することが重要です。見えないものによって原因の切り分け方が変わります。例えば、特定の項目(カスタム項目など)が表示されないのか、レコード自体が一覧に表示されないのか、あるいはタブ全体が表示されないのかを確認します。ユーザーから「見えない」という報告があった場合、スクリーンショットを取得してもらい、具体的な箇所を特定しましょう。
また、問題が発生するタイミングも重要です。モバイルアプリをインストールした直後か、アップデート後か、あるいは管理者側で何らかの設定変更を行った後かによって、原因の推定が可能です。特に、本番環境へのリリース前であれば、サンドボックスや開発環境で同様の現象が再現するかどうかを確認しておくと良いでしょう。
1.1 表示されない要素の種類による分類
表示されない要素は大きく以下の3つに分類できます。
- 項目(フィールド)が表示されない: モバイル用のページレイアウトやコンパクトレイアウトに項目が含まれていない、または項目レベルのセキュリティで参照権限がない可能性があります。
- レコード一覧に表示されない: 共有ルールや権限セットによってレコードへのアクセスが制限されているか、リストビューの条件が限定されている可能性があります。
- タブやオブジェクト自体が表示されない: プロファイルでタブの表示設定が「タブなし」になっているか、モバイルアプリ用のナビゲーション設定で非表示になっている可能性があります。
2. 表示が一部ユーザーだけに見られる原因を検討する
同じ組織内で一部のユーザーだけ問題が発生する場合、原因は主に「ユーザーごとの権限設定」または「ユーザーが所属するプロファイルや権限セットの差異」にあります。全ユーザーに影響が出ているのであれば、組織全体の設定(モバイル設定やリリース更新など)が疑われますが、一部ユーザー限定の場合は個別の設定が原因である可能性が高いです。
また、モバイルアプリのバージョンがユーザーによって異なる場合も問題が発生しやすくなります。例えば、最新バージョンでは特定の項目がサポートされていない、あるいは古いバージョンでは新しいレイアウトが正しく表示されないといったケースです。端末のOSバージョンや機種によっても挙動が変わることがあるため、ユーザーの端末情報も確認しましょう。
2.1 失敗パターン:権限設定の見落とし
よくある失敗パターンとして、管理者が新しいカスタム項目を作成した際に、モバイル用のレイアウトにその項目を追加するのを忘れるケースがあります。デスクトップ版では表示されていても、モバイルアプリでは別のレイアウトが使用されるため、両方に設定が必要です。また、権限セットで特定の項目へのアクセス権を付与したつもりでも、プロファイル側で制限がかかっていると、権限セットの効果が打ち消されることがあります。
3. 切り分け手順:ステップバイステップで確認する
以下の手順で原因を絞り込みます。管理者権限がある場合はSalesforce設定画面から、ない場合は管理者に依頼する形で進めてください。
- 該当ユーザーのプロファイルと権限セットを確認する: Salesforceの設定→ユーザー→該当ユーザーの詳細から、割り当てられているプロファイルと権限セットを一覧します。特に、モバイルアプリに関連する権限(「モバイルアプリの使用」など)が有効になっているか確認します。
- モバイル用のページレイアウト割り当てを確認する: 設定→オブジェクトマネージャ→該当オブジェクト→ページレイアウトで、モバイル用のレイアウトが該当プロファイルに割り当てられているか確認します。デフォルトレイアウトが使用されている場合、問題のユーザーに適切なレイアウトが適用されていない可能性があります。
- コンパクトレイアウトとGlobal Actionsを確認する: モバイルアプリでは、レコードの詳細画面にコンパクトレイアウトが使用されることがあります。設定→オブジェクトマネージャ→該当オブジェクト→コンパクトレイアウトで、表示したい項目が含まれているか確認します。また、モバイルアクション(Global Actions)の設定も見直します。
- 共有ルールと組織の共有設定を確認する: レコードが一覧に表示されない場合、共有ルールで該当ユーザーに対するアクセス権が付与されているか確認します。設定→共有設定→共有ルールで、問題のユーザーが所属するロールや公開グループが適切に設定されているか見ます。
- モバイルアプリのキャッシュをクリアする: 端末側の操作として、モバイルアプリのキャッシュをクリアし、再ログインすることで解消する場合があります。iOSの場合は設定→アプリ→Salesforce→キャッシュクリア、Androidの場合はアプリ情報→ストレージ→キャッシュクリアを試します。
- 該当ユーザーのモバイルアプリバージョンを確認する: アプリストアで最新バージョンが配信されているか確認し、該当ユーザーが古いバージョンを使用していないかチェックします。特に、ベータ版やプルリクエスト版を使っている場合は安定版に戻すことを検討します。
- 管理者に依頼する場合の伝える情報: 上記の確認結果をまとめて、どのプロファイル・権限セットで、どのオブジェクトのどの項目が表示されないのか、具体的なユーザー名と事象を伝えます。可能であれば、正常なユーザーと問題のあるユーザーのプロファイル比較表を作成するとスムーズです。
4. 状況別比較表:表示が一部ユーザーに見えない原因と対応
| 症状 | 考えられる原因 | 確認する設定箇所 | 対応方法 |
|---|---|---|---|
| 特定の項目が表示されない | モバイルレイアウトに項目未追加、項目レベルセキュリティ | ページレイアウト(モバイル用)、項目レベルセキュリティ | レイアウトに追加、権限セットで参照権限を付与 |
| レコード一覧に表示されない | 共有ルール、リストビューのフィルタ、ロール階層 | 共有設定、リストビュー、ユーザーのロール | 共有ルールの追加、リストビューの条件見直し |
| タブやオブジェクトが表示されない | プロファイルでタブ非表示、モバイルナビゲーション設定 | プロファイルのタブ設定、モバイルナビゲーション | タブ表示を「標準」に変更、ナビゲーションに追加 |
| アプリ起動後に真っ白になる | アプリのキャッシュ破損、バージョン非互換 | 端末のアプリ設定、アプリバージョン | キャッシュクリア、アプリ再インストール、更新 |
5. 管理者へ確認すべき情報とよくある質問
問題を管理者に報告するときは、以下の情報を整理してから伝えると、解決が早まります。
- ユーザー情報: ユーザー名、プロファイル名、割り当てられている権限セット
- 発生環境: モバイルアプリのバージョン、OSの種類とバージョン、端末の機種
- 表示されない対象: オブジェクト名、項目名、レコードID(可能なら)
- 再現手順: どの操作で見えない状態になるか、正常なユーザーと比較したスクリーンショット
- 試したこと: キャッシュクリア、再ログイン、別端末での確認結果
よくある質問としては、「モバイルアプリとデスクトップ版でレイアウトが異なるのはなぜですか?」「権限セットとプロファイルの優先順位はどうなっていますか?」などがあります。モバイルアプリはデスクトップ版とは独立したレイアウト設定が可能で、権限セットはプロファイルと積み上げで効くこと(競合する場合は最も制限の少ない権限が適用される、ただし項目レベルセキュリティは両方で制限可能)を理解しておくと良いでしょう。
5.1 よくある質問と回答
- Q: モバイルアプリで項目が表示されませんが、デスクトップでは見えます。なぜですか? A: モバイルアプリでは専用のページレイアウトが使用されます。デスクトップ用のレイアウトと別に、モバイル用のレイアウトにも項目を追加する必要があります。
- Q: 一部のユーザーだけ表示されないのですが、同じプロファイルです。なぜですか? A: 権限セットの違いや、公開グループのメンバーシップ、またはロール階層による共有設定の違いが考えられます。ユーザーごとに権限セットの割り当てを確認してください。
- Q: モバイルアプリをアップデートしたら表示されなくなりました。どうすれば? A: アップデートに伴い、一部の機能が変更されたり、バグが発生することがあります。まずキャッシュクリアを試し、それでも改善しない場合は管理者にアプリバージョンと事象を報告してください。
6. まとめ
Salesforceモバイルアプリで一部ユーザーだけ表示が見えない問題は、多くの場合、プロファイルや権限セット、レイアウト割り当ての差異が原因です。本記事で紹介した切り分け手順を実践することで、設定ミスや権限の不足を効率的に発見できます。本番環境への反映前に、必ずサンドボックスなどで複数のユーザープロファイルを使って動作確認を行いましょう。また、問題が発生した場合は、ユーザーと正常なユーザーの設定を比較する表を作成すると、管理者への報告がスムーズになります。これらの対策を講じることで、本番リリース後のトラブルを未然に防ぎ、ユーザーの業務効率を維持することができます。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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