SharePointサイトを運用していると、サイトの所有者が退職した社員のまま変わっていないケースがあります。退職者のアカウントが残っていればまだ変更できますが、アカウントが削除されていると標準の操作だけでは所有者の変更が難しくなります。この記事では、サイト所有者が退職者のままになっている原因を整理し、現在の所有者を確認する方法、実際に変更する手順、失敗しやすいポイントを具体的に解説します。また、自分に権限がない場合に管理者へ依頼する際に伝えるべき情報もまとめました。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: サイト設定の「サイトのアクセス許可」で現在の所有者一覧を確認します。グローバル管理者だけが確認できるSharePoint管理センターも有効です。
- 切り分けの軸: 退職者のアカウントがAzure AD上に残っているかどうか、自分にサイトコレクション管理者権限があるかどうかで対応が変わります。
- 注意点: 会社PCで勝手にPowerShellを実行しないでください。組織のポリシーに従い、必ずIT管理者の承認を得てから操作してください。
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目次
退職者のまま所有者が残ってしまう原因
多くの場合、退職者が出た際にサイトの所有者を別のユーザーに変更する手続きが漏れていることが原因です。また、IT部門で退職者のアカウントを削除する際に、所有しているサイトの移行処理が行われずに削除された結果、所有者不在の状態になるケースもよくあります。Microsoft 365ではライセンスだけを削除してアカウントを残す方法もありますが、その場合もサイト所有者として機能しなくなるため注意が必要です。
退職処理の流れと所有権の関係
一般的な退職処理では、人事・IT部門が連携してアカウントの無効化やデータの引き継ぎを行います。しかし、SharePointサイトの所有者はサイト単位で設定されるため、ユーザーごとにどのサイトの所有者になっているかを一括で把握する仕組みがなく、漏れが発生しやすくなります。特にプロジェクト単位で作成されたチームサイトは、退職者が単独で所有者になっているケースが多く、注意が必要です。
現在の所有者を確認する方法
まずは対象サイトの所有者が誰なのかを正確に把握する必要があります。以下の3つの方法で確認できます。
方法1: サイト設定から確認する
- SharePointサイトにアクセスし、右上の歯車アイコンから「サイトの設定」を開きます。
- 「ユーザーとアクセス許可」セクションの「サイトのアクセス許可」をクリックします。
- 「サイトの所有者」グループをクリックすると、現在の所有者一覧が表示されます。
- 退職者が含まれているか、また他に所有者が存在するかを確認します。
- グローバル管理者またはSharePoint管理者のアカウントでMicrosoft 365管理センターにログインします。
- 管理センターの「SharePoint」を開き、左メニューから「サイト」→「アクティブなサイト」を選択します。
- 対象のサイトのURLをクリックし、詳細パネルの「アクセス許可」タブで「サイトの所有者」を確認します。
方法3: PowerShellで確認する(管理者向け)
IT管理者であれば、SharePoint Online管理シェルを使用して複数サイトの所有者を一覧できます。ただし、実行には管理者権限が必要です。
Connect-SPOService -Url https://-admin.sharepoint.com
Get-SPOSite -Identity <サイトURL> | Select Owners
このコマンドで指定したサイトの所有者が表示されます。
所有者を変更する手順
確認した結果、退職者が所有者として残っている場合の変更手順を紹介します。状況に応じて適切な方法を選んでください。
ケース1: 自分にサイトコレクション管理者権限がある場合
- サイト設定の「サイトのアクセス許可」を開き、「サイトの所有者」グループをクリックします。
- 「新しいユーザーの追加」で、新しい所有者にしたいユーザーを追加します。
- 追加後、退職者のユーザーを一覧から削除します。ただし、アカウントが既にAzure ADから削除されている場合は、Web画面から削除できない場合があります。
- その場合は、PowerShellを使用して所有者を直接変更します。「Set-SPOSiteOwner」コマンドレットを使用します。
ケース2: 自分に権限がなく、管理者に依頼する場合
自分では変更できないため、IT管理者に以下の情報を伝えて依頼します。
- サイトのURL
- 現在の所有者(退職者のユーザー名)
- 追加したい新しい所有者のユーザー名
- 退職者のアカウントが削除済みかどうか(わかれば)
ケース3: 退職者のアカウントが既に削除されている場合
この場合、Web画面からは所有者の追加・削除ができません。Azure AD Connectを使用しているオンプレミス環境では、一度削除されたユーザーを復元する必要があるかもしれません。PowerShellを使用して、該当ユーザーをサイトコレクション管理者として追加する方法もありますが、アカウントがないとエラーになります。そのため、緊急時はグローバル管理者がSharePoint管理センターから直接所有者を追加するのが現実的です。
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状況別の比較表
| シナリオ | 必要な権限 | 対応方法 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 退職者アカウントが残っている、自分に所有者権限あり | サイトコレクション管理者 | Web画面で追加・削除 | 低 |
| 退職者アカウントが残っている、自分に権限なし | グローバル管理者など | 管理者へ依頼 | 中 |
| 退職者アカウントが削除されている、自分に権限あり | サイトコレクション管理者+PowerShell | PowerShellで所有者変更 | 高 |
| 退職者アカウントが削除されている、自分に権限なし | グローバル管理者 | 管理センターまたはPowerShellで変更 | 中 |
失敗しやすいパターンと注意点
所有者変更でよくある失敗を事前に知っておくことで、スムーズに作業を進められます。
失敗パターン1: 退職者のアカウントが復元不可能な状態になっている
Azure ADからユーザーが完全に削除され、かつごみ箱からも削除されている場合、PowerShellでも追加できません。この場合はMicrosoftサポートへ依頼するか、新しいユーザーを追加して別途権限を付与するしかありません。ただし、サイトの完全な所有権を移行するには管理者による対応が必要です。
失敗パターン2: グローバル管理者がサイト所有者になれない
グローバル管理者はすべてのサイトにアクセスできますが、既定ではサイトの所有者グループには含まれません。そのため、退職者しか所有者がいないサイトでも、グローバル管理者が直接Web画面から所有者を追加することはできません。必ず管理センターまたはPowerShellを使用する必要があります。
失敗パターン3: 所有者変更後にアクセス権限が正しく設定されない
新しい所有者を追加したものの、サイトの固有のアクセス許可が複雑な場合、適切な権限が付与されないことがあります。変更後は必ず新しい所有者でログインし、サイトの設定やリスト・ライブラリにアクセスできるか確認してください。
管理者に確認すべき情報
自分で変更できない場合は、管理者に依頼することになります。以下の情報を事前に整理して伝えると、対応がスムーズです。
- サイトの完全なURL: https://
.sharepoint.com/sites/xxxx の形式 - 退職者のユーザープリンシパル名(UPN): 例: yamada.taro@company.com
- 新しい所有者とするユーザーのUPN: 同じテナント内の有効なユーザー
- 退職者のアカウント状態: アカウントがAzure ADに残っているか、削除されたか(削除された場合、何日前かも重要)
- サイトの種類: チームサイト、コミュニケーションサイト、ハブサイト関連など
- 緊急度: サイトの運用に支障が出ている場合はその旨を伝える
管理者はこれらの情報をもとに、適切な方法(管理センター操作、PowerShell、サポート依頼)を判断できます。
よくある質問
Q1: 退職者のアカウントが既に削除されていて、新しい所有者をWeb画面から追加できません。どうすればよいですか?
その場合、PowerShellを使用して新しい所有者を追加するか、SharePoint管理センターから直接所有者を追加する必要があります。グローバル管理者またはSharePoint管理者に依頼してください。もし管理者ですら追加できない場合は、Microsoftサポートにチケットを発行して対応を依頼します。
Q2: サイトの所有者を変更した後、以前の所有者(退職者)の権限は自動的に削除されますか?
サイトの所有者グループから削除しない限り、退職者のアカウントが有効であれば権限は残ります。必ず変更後に所有者グループから退職者を削除してください。ただし、アカウントが削除されている場合は権限は無効になりますが、念のため確認してください。
Q3: 自分はサイトのメンバーですが、所有者が退職者しかいません。サイトの設定を変更したいのですが、どうすればよいですか?
管理者に連絡して、あなたをサイト所有者に追加してもらう必要があります。その際、前述の「管理者に確認すべき情報」を伝えるとスムーズです。緊急の場合は、テナントのグローバル管理者に直接依頼してください。
Q4: 複数のサイトで同様の問題が発生しています。一括で変更する方法はありますか?
はい、PowerShellを使用すると複数のサイトの所有者を一括変更できます。ただし、操作を誤ると多数のサイトに影響が出るため、十分にテストしてから実行してください。IT管理者向けのスクリプトを作成し、事前にテストサイトで動作確認することをおすすめします。
まとめ
SharePointサイトの所有者が退職者のまま残っている問題は、適切な確認と手順を踏めば解決できます。まずはサイト設定や管理センターで現状の所有者を把握し、アカウントの有無に応じて適切な変更方法を選択してください。自分で操作できない場合は、管理者に必要な情報を正確に伝えることが重要です。日頃から退職時の引き継ぎ手順を見直し、所有者が漏れなく変更される仕組みを整えることで、再発を防止できます。この記事を参考に、スムーズな所有者変更を行ってください。
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超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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