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レガシーなWikiデータをOneNoteへ統合し、情報の連続性を断たずにナレッジを最新化する
Microsoft Teamsの「Wiki」タブ機能は、ナレッジの断片を手軽に残せるツールとして重宝されてきましたが、現在はOneNoteへの完全移行が決定し、Wikiの新規作成や編集はできなくなっています。過去に蓄積したWiki資産が「読み取り専用」になってしまい、どこへ移行すべきか、あるいは移行後のリンクがどうなるのか不安を感じている管理者やユーザーも多いでしょう。
これは技術的には、Teamsというフロントエンドでの表示形式が「Wiki(SharePoint上の.mhtファイル群)」から「OneNote(構造化されたノートブックデータ)」へリプレイス(置き換え)されたことを意味します。Microsoftは移行用の自動エクスポートツールを提供していますが、単に移行するだけでは「古いWikiへのリンク」が機能しなくなるという課題が残ります。本記事では、WikiからOneNoteへの具体的な移行ステップから、移行後のデータの整合性確認、そしてリンク切れを最小限に抑えるためのリダイレクト戦略について詳説します。
結論:WikiからOneNoteへ安全に移行する3つのステップ
- 自動エクスポートの実行:Wikiタブの上部に表示される「ノートにエクスポート」をクリックし、データをOneNoteへ転送する。
- 移行後の構造確認:OneNote内に作成された「Wikiの名前」セクションに、画像やテキストが正しく変換されているか検証する。
- Wikiタブの削除とリンク更新:移行完了後、混乱を防ぐために古いWikiタブを削除し、重要なリンクをOneNoteのURLへ書き換える。
目次
1. 技術仕様:WikiデータとOneNoteの「ストレージ構造」の違い
WikiとOneNoteは、バックエンドであるSharePoint Online上でのデータの持ち方が根本的に異なります。
内部的なデータ変換ロジック
・Wikiの構造(レガシー):各Wikiページは、SharePointのサイトコンテンツ内にある「Teams Wiki Data」というドキュメントライブラリに .mht 形式(Webアーカイブ形式)で保存されていました。これは非常にシンプルですが、多人数での同時編集や高度な書式保持には向いていませんでした。
・OneNoteの構造(モダン):OneNoteへエクスポートすると、これらのデータは .one 形式のバイナリまたはXMLベースの構造へ変換され、チームの既定のノートブック(SharePoint内のサイトアセット)に統合されます。
・エクスポートツールの役割:Microsoftが提供するツールは、この .mht ファイルをパース(解析)し、OneNoteのセクションとページへと再構成するコンバーターとして機能します。
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2. 実践:WikiからOneNoteへのエクスポート手順
現在「読み取り専用」となっているWikiタブを、編集可能なOneNoteへ移行するための具体的な操作ステップです。
具体的な移行手順
- Teamsの対象チャネルにある「Wiki」タブをクリックして開きます。
- 画面上部に表示されるバナーの「ノートにエクスポート」(または「詳細を表示」>「エクスポート」)をクリックします。
- 確認ダイアログが表示されるので、「エクスポート」を選択します。
- 処理が完了すると、チャネルの上部に新しく「ノート(OneNote)」タブが自動作成されます。
※エクスポートが完了しても、元のWikiタブは削除されずに残ります。データが正しく移行されたことを確認するまでは、バックアップとして残しておくことを推奨します。
3. 技術的洞察:画像やリンクが「切れる」原因と対策
移行後に「画像が表示されない」「ハイパーリンクが機能しない」といった事象が発生する技術的な理由を整理します。
・絶対パスと相対パスの不一致:Wiki内で他のチャネルやファイルへリンクを貼っていた場合、それらがWiki専用の内部ID(GUID)を参照していると、OneNoteへの変換時にリンクが「死にリンク」になることがあります。
・画像の埋め込みエラー:Wikiに直接ペーストした画像は、移行時にOneNoteの media フォルダへ再配置されます。このパス解決に失敗すると画像が割れる(×印になる)ため、重要な図面などはエクスポート直後に目視で整合性を確認(ベリファイ)する必要があります。
・対策:リンクが切れている場合は、OneNote側で対象のページやファイルを右クリックして「ページへのリンクをコピー」を取得し、手動でリンクを貼り直す「リンクの再マッピング」が必要です。
4. 高度な修復:Wikiタブを削除した後の「データ救出」
誤ってエクスポート前にWikiタブを削除してしまった場合でも、データ自体を物理的に救出するプロトコルが存在します。
- Teamsの「ファイル」タブ > 「SharePoint で開く」をクリックします。
- 左メニューの「サイトコンテンツ」を選択します。
- 「Teams Wiki Data」というライブラリを探して開きます。
- ここには各チャネル名のフォルダがあり、その中に
.mhtファイルとしてWikiの内容が残っています。これをダウンロードし、Wordなどで開くことでテキストを回収できます。
5. 運用の知恵:OneNoteへの移行を機に「ナレッジの階層」を再定義する
単なるデータの引越しではなく、チームの情報のアクセシビリティを高めるためのエンジニアリング思考を提示します。
・チャネルを跨ぐ「統合ノートブック」の構築:Wikiはチャネルごとに分断されていましたが、OneNoteはチーム全体で一つのノートブックを共有できます。移行を機に、複数のチャネルに散らばっていた情報をOneNoteの「セクショングループ」で整理し直し、情報の「サイロ化」を解消するディレクトリ設計を導入します。
・検索性の強化:OneNoteは画像内の文字検索(OCR)や全文検索がWikiよりも強力です。移行後のページには「タグ(重要、タスクなど)」を付与し、システムが情報を効率的にインデックス化(目配り)できるように整えます。
・Wikiタブの完全消去プロトコル:移行が確認できたら、古いWikiタブを右クリックして「削除」します。これにより、ユーザーが「どっちが最新かわからない」という状態(バージョンの不一致)を防ぎ、唯一の正解(Single Source of Truth)を確立します。
このように、Wikiの廃止は単なる機能の喪失ではなく、OneNoteというより堅牢で高度なノート共有プロトコルへのアップグレードの機会です。
まとめ:Wiki vs OneNote 機能特性比較表
| 比較項目 | 旧Wiki(廃止) | OneNote(移行先) |
|---|---|---|
| 同時編集 | 制限あり(競合が起きやすい) | 強力(リアルタイム同期) |
| データの汎用性 | Teams内でのみ閲覧可能 | スマホ・PCアプリ等で横断的に利用可能 |
| 検索機能 | 基本テキストのみ | 全文・手書き・画像内文字検索に対応 |
| 保存場所 | Teams Wiki Data(隠しフォルダ) | サイトアセット(ノートブック) |
TeamsのWiki機能が役割を終えたことは、あなたのチームのナレッジがより広大なOneNoteというエコシステムへ飛び出すチャンスです。自動エクスポート機能を使って速やかに移行し、リンクの整合性を整えること。この技術的な『メンテナンス』を丁寧に行うことが、プロジェクトの歴史を途絶えさせず、次世代のメンバーへ確かな知恵を繋ぐための第一歩となります。まずは左側のタブ一覧に眠る古い「Wiki」を開き、上部のエクスポートボタンをクリックすることから、あなたのナレッジベースをモダン化してみてください。
この記事の監修者
超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
