「そんなに食べていない」のに太ってしまう理由

基礎代謝の低下

基礎代謝とは、生命維持に必要な最小限のエネルギーのことで、主に呼吸や心臓の鼓動、体温維持などに使われます。年齢とともに筋肉量が減少し、基礎代謝が低下することがあります。基礎代謝が低下すると、同じ食事量でも消費カロリーが減り、エネルギーが余りやすくなります。これが体重増加の一因となるのです。

運動不足

日常生活での活動量が減少すると、消費カロリーも減ります。例えば、デスクワークが多くなり、歩く距離が短くなると、運動によるエネルギー消費が少なくなります。運動不足が続くと、体脂肪が増加しやすくなり、結果として体重が増えることがあります。

水分の保持

体重の変動は水分の保持にも大きく影響されます。例えば、塩分の多い食事を摂ると体内に水分が保持されやすくなり、一時的に体重が増えることがあります。特に女性はホルモンバランスの影響を受けやすく、生理周期に伴う水分保持の変動が体重に影響することがあります。

ストレスとホルモン

ストレスが体に及ぼす影響も見逃せません。ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増えると、脂肪の蓄積が促進されやすくなります。ストレスが多いと、食欲が増進しやすくなったり、甘いものや高カロリーの食べ物に手が伸びやすくなったりすることもあります。

睡眠不足

睡眠不足はホルモンバランスを乱し、食欲を抑えるレプチンの分泌が減少し、食欲を増進するグレリンの分泌が増加することが知られています。これにより、空腹感が強まり、食べる量が増えてしまう可能性があります。結果的に、カロリー摂取量が増え、体重が増加することがあります。

薬の副作用

一部の薬には体重増加の副作用があります。特に抗うつ薬、抗精神病薬、糖尿病治療薬などは、代謝を変化させたり食欲を増進させたりすることがあります。薬を飲み始めたタイミングで体重が増えた場合は、医師に相談することが重要です。

隠れた病気

体重増加の原因として、甲状腺機能低下症や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの病気も考えられます。これらの病気は代謝を遅くしたり、ホルモンバランスを崩したりすることで、体重が増加する原因となります。気になる症状がある場合は、専門医の診断を受けることが重要です。

結論

食べていないのに体重が増える原因は多岐にわたります。基礎代謝の低下、運動不足、水分の保持、ストレスとホルモン、睡眠不足、薬の副作用、隠れた病気などが考えられます。体重の変動は複数の要因が絡み合っていることが多く、一つの要因だけに焦点を当てるのではなく、総合的に対策を講じることが必要なのです。