インターネット利用時のプライバシー保護や通信速度に不安を感じるビジネスマンは少なくありません。DNSサーバーはWebサイトへのアクセスを司る重要な役割を担っており、その設定を見直すことでこれらの課題を解決できる場合があります。
この記事では、Windows 11およびWindows 10で「優先DNSサーバー」をCloudflareが提供する「1.1.1.1」に変更する具体的な手順を解説します。
DNSサーバーを1.1.1.1に変更することで、プライバシー保護とインターネット通信の高速化を実現できます。
【要点】Cloudflare 1.1.1.1へのDNSサーバー変更で得られるメリットと手順
- DNSサーバーの変更: インターネット利用時のプライバシー保護と通信速度の向上が期待できます。
- Windows 11での設定手順: ネットワークアダプターのプロパティからIPv4およびIPv6のDNSアドレスを手動で設定します。
- 設定後の確認とトラブルシューティング: 変更適用後の接続確認や、問題発生時の対処法を把握できます。
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目次
DNSサーバーを変更する意義とCloudflare 1.1.1.1の概要
DNS ドメインネームシステムは、インターネット上の住所録のような役割を持っています。Webサイトにアクセスする際、URL ドメイン名 を入力しますが、コンピューターはそのドメイン名をIPアドレスという数字の羅列に変換して通信します。この変換作業を行うのがDNSサーバーです。
通常、利用しているインターネットサービスプロバイダー ISP のDNSサーバーが自動的に割り当てられます。しかし、ISPのDNSサーバーでは、通信履歴が記録されたり、処理速度が遅かったりする場合があります。これにより、プライバシーが懸念されたり、Webサイトの表示が遅くなったりする可能性が出てきます。
Cloudflare 1.1.1.1を使用するメリット
Cloudflareが提供する「1.1.1.1」は、パブリックDNSサービスの一つです。このDNSサーバーを利用することで、いくつかのメリットを享受できます。
まず、プライバシー保護の強化です。CloudflareはユーザーのDNSクエリ情報をログとして保存しないことを明言しており、第三者への情報提供も行いません。これにより、閲覧履歴が追跡されるリスクを低減できます。
次に、通信速度の向上です。1.1.1.1は高速な応答時間を特徴としています。世界中に分散されたサーバー網により、Webサイトのアドレス解決が迅速に行われ、結果としてWebページの表示速度が速くなることが期待できます。
さらに、セキュリティ機能の強化もメリットです。DNS over HTTPS DoH やDNS over TLS DoT といった暗号化技術に対応しており、DNSクエリが盗聴されることを防ぎます。これは、中間者攻撃などによる情報漏洩のリスクを減らす上で重要です。
DNS設定変更の前提条件
DNS設定を変更するには、Windowsの管理者権限を持つアカウントでログインしている必要があります。また、有線LAN イーサネット または無線LAN Wi-Fi のどちらのネットワークアダプターの設定を変更するかを事前に確認しておきましょう。通常、現在利用している接続方法のアダプターを設定します。
Windows 11で優先DNSサーバーをCloudflare 1.1.1.1に変更する手順
ここでは、Windows 11を基準にDNSサーバーをCloudflare 1.1.1.1に変更する具体的な手順を解説します。Windows 10の場合も基本的な流れは同じですが、一部のメニュー名や表示が異なりますので、適宜補足します。
- 設定アプリを開く
スタートボタンを右クリックし、表示されるメニューから「設定」を選択します。または、Windowsキー + I キーを押して設定アプリを直接開くこともできます。 - ネットワークとインターネットを開く
設定ウィンドウの左側メニューから「ネットワークとインターネット」をクリックします。 - アダプターのオプションを変更する
「ネットワークとインターネット」画面で、スクロールして「ネットワークの詳細設定」を探し、クリックします。次に、「ネットワークアダプターのオプションの詳細」または「関連設定」の下にある「アダプターのオプションを変更する」をクリックします。 - ネットワークアダプターのプロパティを開く
ネットワーク接続ウィンドウが表示されます。現在使用しているネットワークアダプター 有線LANの場合は「イーサネット」、無線LANの場合は「Wi-Fi」 を右クリックし、コンテキストメニューから「プロパティ」を選択します。
Windows 10の場合も同様に、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「状態」→「アダプターのオプションを変更する」から進みます。 - IPv4のプロパティを開く
プロパティウィンドウが表示されたら、「この接続は次の項目を使います」のリストから「インターネットプロトコルバージョン4 TCP/IPv4 」を探して選択します。その状態で「プロパティ」ボタンをクリックします。 - DNSサーバーアドレスを入力する
「インターネットプロトコルバージョン4 TCP/IPv4 のプロパティ」ウィンドウが開きます。「次のDNSサーバーアドレスを使う」を選択し、以下のCloudflare DNSアドレスを入力します。
優先DNSサーバー:1.1.1.1
代替DNSサーバー:1.0.0.1
入力後、「OK」をクリックしてウィンドウを閉じます。 - IPv6も設定する場合
もしIPv6環境を利用している場合は、同様に「インターネットプロトコルバージョン6 TCP/IPv6 」を選択し、「プロパティ」をクリックします。「次のDNSサーバーアドレスを使う」を選択して、以下のCloudflare IPv6 DNSアドレスを入力します。
優先DNSサーバー:2606:4700:4700::1111
代替DNSサーバー:2606:4700:4700::1001
入力後、「OK」をクリックしてウィンドウを閉じます。IPv6を使用しない場合はこの手順は不要です。 - 設定を保存し適用する
ネットワークアダプターのプロパティウィンドウも「OK」をクリックして閉じます。これにより、新しいDNS設定が適用されます。 - DNS設定の確認
コマンドプロンプトを管理者として実行し、ipconfig /allと入力してEnterキーを押します。表示される情報の中から、設定を変更したネットワークアダプターの「DNSサーバー」の項目が「1.1.1.1」および「1.0.0.1」になっていることを確認します。
DNS設定変更時の注意点とトラブルシューティング
DNSサーバーの変更は比較的安全な操作ですが、誤った設定や環境によっては問題が発生することもあります。ここでは、よくあるトラブルとその対処法を解説します。
設定変更後にインターネットに接続できない場合
DNSサーバーのアドレス入力ミスや、ネットワーク環境との相性が原因でインターネットに接続できなくなることがあります。この場合、以下の手順で対処します。
まず、DNSサーバーのアドレスが正確に入力されているか、手順4と5を再度確認します。特に数字の入力間違いはよくある原因です。次に、一時的にDNSサーバーの設定を「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」に戻してみます。これにより、元のISPのDNSサーバーが使われ、インターネットに接続できるかを確認できます。接続できた場合は、Cloudflare DNSとの相性問題や、ルーター側の設定が影響している可能性も考えられます。ルーターやPCを再起動することで、ネットワークの状態がリフレッシュされ、問題が解決することもあります。
DNSキャッシュが原因で情報が更新されない場合
DNS設定を変更しても、ブラウザやWindowsが古いDNS情報をキャッシュしていることがあります。これにより、Webサイトの表示が古い情報のままになったり、設定変更のメリットが実感できなかったりします。
この問題を解決するには、DNSキャッシュをクリアします。コマンドプロンプトを管理者として実行し、ipconfig /flushdnsと入力してEnterキーを押します。「DNSリゾルバーキャッシュは正常にフラッシュされました」と表示されれば成功です。さらに、Webブラウザのキャッシュもクリアすると、より確実に新しいDNS設定が反映されます。ブラウザの設定メニューから「閲覧履歴データのクリア」などを選択し、キャッシュされた画像とファイルなどを削除してください。
特定のWebサイトが表示されない、または遅い場合
DNSサーバーの変更後、特定のWebサイトだけが表示されなくなったり、アクセスが遅くなったりする場合があります。これは、新しいDNSサーバーが特定のドメイン名を解決できない、またはそのWebサイトのコンテンツ配信ネットワーク CDN との相性が悪いことが原因である可能性があります。
この場合、一時的に他のパブリックDNSサーバー Google Public DNSの「8.8.8.8」など を試してみることを推奨します。もし他のDNSサーバーで問題なくアクセスできるのであれば、Cloudflare 1.1.1.1と特定のWebサイトとの間で何らかの通信上の問題が発生している可能性が高いです。また、Webサイト側の障害やメンテナンスである可能性も考慮し、時間をおいて再度試すことも有効な対処法です。
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Cloudflare 1.1.1.1と他の主要なパブリックDNSの比較
Cloudflare 1.1.1.1以外にも、多くのパブリックDNSサービスが存在します。ここでは、主要なパブリックDNSサービスとCloudflare 1.1.1.1を比較します。
| 項目 | Cloudflare 1.1.1.1 | Google Public DNS 8.8.8.8 | OpenDNS 208.67.222.222 |
|---|---|---|---|
| 提供元 | Cloudflare | Cisco | |
| 主なIPアドレス IPv4 | 1.1.1.1 / 1.0.0.1 | 8.8.8.8 / 8.8.4.4 | 208.67.222.222 / 208.67.220.220 |
| プライバシーポリシー | ログを24時間以内に削除、個人情報との関連付けなし | 匿名化されたログを保持、個人情報との関連付けなし | ログを保持、一部は匿名化され利用される |
| 速度 | 非常に高速、特に初回アクセス時 | 高速、安定したパフォーマンス | 安定したパフォーマンス |
| セキュリティ機能 | DNS over HTTPS/TLS対応、悪意のあるサイトをブロックする1.1.1.1 for Familiesも提供 | DNS over HTTPS/TLS対応 | フィッシング詐欺サイトのブロック、オプションでコンテンツフィルタリング機能 |
| 追加機能 | WARPアプリによるVPN機能統合 | 特になし | ペアレンタルコントロール、ウェブサイトフィルタリング |
まとめ
この記事では、Windows 11およびWindows 10でDNSサーバーをCloudflare 1.1.1.1に変更する手順と、そのメリット、注意点について解説しました。
DNS設定を変更することで、インターネット利用時のプライバシー保護と通信速度の向上が期待できます。万が一接続に問題が発生した場合は、本記事のトラブルシューティングを参考に設定の確認やキャッシュのクリアを試してみてください。
ご自身の利用環境や目的に合わせて、Cloudflare 1.1.1.1または他のパブリックDNSサーバーを試すことで、より快適で安全なインターネット環境を構築できるでしょう。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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