【Windows】暗号化接続経由のファイル転送が遅い時の受信窓自動調整の解除手順

【Windows】暗号化接続経由のファイル転送が遅い時の受信窓自動調整の解除手順
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暗号化接続を利用したファイル転送で、速度が極端に遅くなる状況に直面していませんか。

特にWindows 11やWindows 10環境で、ファイルサーバーへのアクセスやVPN経由でのデータ送受信時にこの問題はよく発生します。

この記事では、その原因の一つである「TCP受信窓自動調整」の解除手順を解説し、ファイル転送速度の改善をサポートします。

【要点】暗号化接続のファイル転送速度改善のために

  • TCP受信窓自動調整の解除: 暗号化接続でのファイル転送速度の低下を改善できます。
  • 現在の設定の確認とバックアップ: 設定変更前に現状を把握し、問題発生時に元の状態に戻せるようにします。
  • 解除後の速度テストと影響確認: 設定変更が期待通りの効果をもたらすか、また他の通信に影響がないかを確認します。

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暗号化接続でファイル転送が遅くなる原因:TCP受信窓自動調整

Windowsでは、ネットワーク通信の効率を高めるために「TCP受信窓自動調整」という機能が標準で有効になっています。この機能は、TCPの受信バッファーサイズを動的に調整し、ネットワークの帯域幅や遅延に応じて最適なデータ受信量を維持することで、通信スループットを最大化します。

しかし、VPNやSMB暗号化などの暗号化接続では、データの暗号化と復号化にCPUリソースが追加で必要となります。この追加処理と受信窓自動調整のアルゴリズムが、特定のネットワーク環境やハードウェア構成下でうまく連携せず、かえってファイル転送速度の低下を引き起こすことがあります。

特に、古いネットワーク機器を使用している環境や、ネットワーク経路に遅延が多い場合にこの問題が顕在化しやすい傾向があります。受信窓自動調整を一時的に無効にすることで、この問題が解決し、ファイル転送速度が改善する場合があります。

TCP受信窓自動調整を解除する具体的な手順

ここでは、コマンドプロンプトを使用してTCP受信窓自動調整を解除する手順を説明します。設定変更前に現在の設定を確認し、いつでも元に戻せるように準備することが重要です。

  1. 現在のTCP受信窓自動調整レベルを確認する
    管理者権限でコマンドプロンプトまたはPowerShellを開きます。次に、netsh interface tcp show globalと入力し、Enterキーを押します。表示される情報の中に「受信ウィンドウ自動チューニング レベル」または「Receive Window Auto-Tuning Level」の項目があります。通常は「normal」と表示されています。この情報を控えておきましょう。
  2. 管理者権限でコマンドプロンプトまたはPowerShellを起動する
    Windows11のスタートボタンを右クリックし、「ターミナル 管理者」または「Windows PowerShell 管理者」を選択します。ユーザーアカウント制御のダイアログが表示された場合は「はい」をクリックして許可します。
  3. TCP受信窓自動調整を無効にするコマンドを実行する
    コマンドプロンプトまたはPowerShellのウィンドウに、以下のコマンドを正確に入力し、Enterキーを押します。
    netsh interface tcp set global autotuninglevel=disabled
    このコマンドは、TCPの受信バッファー自動調整機能を無効にするものです。コマンド実行後に「OK.」と表示されれば、設定変更は完了です。
  4. 設定変更後の自動調整レベルを確認する
    再度netsh interface tcp show globalと入力し、Enterキーを押します。「受信ウィンドウ自動チューニング レベル」または「Receive Window Auto-Tuning Level」が「disabled」になっていることを確認します。
  5. PCを再起動する
    設定変更をシステム全体に反映させるため、PCを再起動することをおすすめします。再起動後、暗号化接続経由のファイル転送速度が改善されているかを確認してください。
  6. 元の設定に戻す手順
    もしファイル転送速度が改善しなかった場合や、他のネットワーク通信に問題が発生した場合は、元の設定に戻すことができます。管理者権限でコマンドプロンプトまたはPowerShellを開き、以下のコマンドを実行します。
    netsh interface tcp set global autotuninglevel=normal
    このコマンドにより、TCP受信窓自動調整機能が標準の状態に戻ります。
  7. 元の設定に戻した後の確認
    再度netsh interface tcp show globalと入力し、Enterキーを押します。「受信ウィンドウ自動チューニング レベル」が「normal」に戻っていることを確認してください。

設定変更後の注意点と関連トラブルへの対処

TCP受信窓自動調整の解除は、特定の状況で効果を発揮しますが、すべてのケースで問題が解決するわけではありません。また、予期せぬ影響が生じる可能性もあります。

設定変更後もファイル転送速度が改善しない場合

受信窓自動調整を無効にしても速度が改善しない場合は、他の要因が影響している可能性があります。以下の点を確認してください。

  • ネットワークアダプターのドライバー更新: 古いドライバーが原因でパフォーマンスが低下することがあります。デバイスマネージャーからネットワークアダプターのドライバーを最新版に更新してください。
  • VPNソフトウェアやセキュリティソフトの設定確認: 使用しているVPNクライアントやファイアウォール、ウイルス対策ソフトが通信速度に影響を与えている場合があります。一時的に無効にしてテストするか、設定を見直してください。
  • ネットワークケーブルやルーターの問題確認: 使用しているLANケーブルがカテゴリ5e以上のものか、ルーターやスイッチングハブが古くないかを確認します。物理的なネットワーク機器の不具合や性能不足も考えられます。
  • ジャンボフレームの設定: ネットワークアダプターと対応するネットワーク機器がジャンボフレームに対応している場合、設定を有効にすることで大きなデータ転送の効率が向上する可能性があります。ただし、対応していない機器が混在すると通信トラブルの原因になるため注意が必要です。

受信窓自動調整の無効化による別の問題発生

受信窓自動調整は、多くのネットワーク環境で通信効率を高めるために設計されています。この機能を無効にすることで、暗号化接続以外の通常のWebブラウジングや他のアプリケーションの通信速度が低下する可能性もゼロではありません。

もし、ファイル転送速度の改善が見られない、または他の通信に悪影響が出た場合は、速やかに元の設定(autotuninglevel=normal)に戻してください。設定変更後は、目的のファイル転送だけでなく、普段利用する他のネットワーク通信にも異常がないかを確認することが重要です。

Windows 10での操作

Windows 10でも、Windows 11と同様にnetsh interface tcp set global autotuninglevel=disabledコマンドを使用してTCP受信窓自動調整の設定を変更できます。操作手順はWindows 11とまったく同じです。Windows 10環境で同様のファイル転送速度の問題に直面している場合も、この手順を試すことができます。

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Windows 11とWindows 10のTCP受信窓自動調整の仕様の違い

項目 Windows 11 Windows 10
初期設定 normal(標準) normal(標準)
機能の目的 TCP通信のスループット最適化 TCP通信のスループット最適化
設定変更コマンド netsh interface tcp set global netsh interface tcp set global
影響範囲 システム全体のTCP通信 システム全体のTCP通信

まとめ

この記事では、暗号化接続経由のファイル転送が遅い場合に、TCP受信窓自動調整を解除する手順を解説しました。

netshコマンドを使って設定を変更し、ファイル転送速度の改善が期待できます。

改善が見られない場合は、ドライバーの更新やVPNソフトウェアの設定など、他の要因も確認し、最適なネットワーク環境を構築してください。

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この記事の監修者
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超解決 第一編集部

疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。