「毎日便利に使っていた顔認証(Windows Hello)が、急に『カメラをオンにできませんでした』といって動かなくなった」「指紋センサーに指を置いても、うんともすんとも言わない」……。
ログインのたびにPINコードやパスワードを入力するのは非常に面倒です。
これはカメラやセンサーの故障ではなく、Windowsの「生体認証管理プログラム(バイオメトリクス)」がフリーズしているか、「高速スタートアップ」という機能が悪さをしているケースが大半です。
この記事では、再設定画面すら開けない状態から、認証機能を強制的にリセットして復活させる手順を解説します。
目次
手順1:【プロの技】Windows Biometric Serviceを再起動する
PCを再起動しても直らない場合、生体認証を司る裏方のプログラム(サービス)だけを叩き起こす必要があります。
これが最も効果的で、データも消えない安全な方法です。
- キーボードの [Windows] + [R] キーを押して、「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 入力欄に
services.mscと入力し、[OK] を押します。 - サービス一覧(アルファベット順)の中から、[Windows Biometric Service] を探してダブルクリックします。
- 一度 [停止] ボタンを押し、数秒待ってから [開始] ボタンを押します。
- 「スタートアップの種類」が [自動] になっていることも確認して [OK] で閉じます。
これを行った後、一度キーボードの [Windows] + [L] を押してロック画面に戻り、カメラや指紋が反応するか確認してください。
手順2:生体認証ドライバーを入れ直す
手順1で直らない場合、センサーの制御ファイル(ドライバー)が破損しています。
- スタートボタンを右クリックし、[デバイスマネージャー] を開きます。
- [生体認証デバイス] の左の矢印を押して展開します。
(※もしここに項目がない場合は、USBコントローラーなどに紛れているか、ハードウェア故障の可能性があります) - 「Windows Hello Face Software Device」や「Synaptics Fingerprint Sensor」などの名前を右クリックし、[デバイスのアンインストール] を選びます。
- 警告が出ますが、チェックボックスには触れずに [アンインストール] を実行します。
- パソコンを再起動します(再起動後に自動修復されます)。
手順3:【意外な原因】「高速スタートアップ」を無効にする
Windowsの起動を速くする「高速スタートアップ」機能が、古い設定情報を保持したまま起動するため、カメラやセンサーが寝ぼけて反応しないことがあります。
- スタートボタンの検索窓に コントロールパネル と入力して開きます。
- [ハードウェアとサウンド] > [電源オプション] をクリックします。
- 左メニューの [電源ボタンの動作を選択する] をクリックします。
- 画面上の [現在利用可能ではない設定を変更します](盾のマーク)をクリックします。
- 下の「シャットダウン設定」にある [高速スタートアップを有効にする (推奨)] のチェックを外します。
- [変更の保存] を押し、一度シャットダウンしてから電源を入れ直します。
これでハードウェアが毎回正しく読み込まれるようになり、認証エラーが激減します。
手順4:顔・指紋データを登録し直す
上記で機能は復活したものの、認証に失敗する場合は、データを作り直します。
- [設定] > [アカウント] > [サインインオプション] を開きます。
- [顔認識 (Windows Hello)] または [指紋認識] をクリックします。
- 一度 [削除] ボタンを押して、登録データを消します。
- 再度 [セットアップ] を押し、顔や指紋を登録し直します。
💡 メガネやマスクをしている人へ
顔認証の場合、セットアップ完了後に表示される[認識精度を高める]というボタンを押し、メガネ有りと無しの両方の顔を追加登録しておくと、認証スピードが格段に上がります。
まとめ:サービス再起動が鍵
Windows Helloトラブルの解決チャートです。
| 症状 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| カメラ/センサー無反応 | サービスのフリーズ | 手順1:Biometric Service再起動 |
| 「カメラをオンにできません」 | ドライバー破損 | 手順2:デバイス削除&再起動 |
| たまに反応しない | 高速スタートアップ | 手順3:無効化設定 |
顔認証は一度使うと戻れないほど便利です。諦めてPIN入力に戻る前に、まずは「サービス画面」を開いてみてください。
