【Windows】古いHDDの「AAM/APM設定」を変更してヘッド退避によるカクつきを防ぐ手順

【Windows】古いHDDの「AAM/APM設定」を変更してヘッド退避によるカクつきを防ぐ手順
🛡️ 超解決

古いHDDを搭載したWindows PCで作業中、急に動作がカクつく、一時的にフリーズするような症状に悩まされていませんか。この問題は、HDDのAAM Advanced Acoustic ManagementやAPM Advanced Power Management設定が原因で発生している可能性があります。

特に古いHDDでは、これらの省電力機能や静音化機能が、かえってアクセス速度の低下やタイムラグを引き起こすことがあります。この記事では、HDDのAAM/APM設定を変更し、PCの動作カクつきを解消する具体的な手順を詳しく解説します。

業務の効率を妨げるHDDの動作カクつきを改善し、快適なPC環境を取り戻すことができます。

【要点】HDDのAAM/APM設定を変更してカクつきを解消する

  • CrystalDiskInfoの導入: HDDの詳細情報を確認し、AAM/APM設定を変更するためのツールをPCにインストールします。
  • AAM設定の変更: HDDの動作音を抑制するAAMを調整し、アクセス速度の低下を防ぎます。
  • APM設定の変更: HDDの省電力機能であるAPMを無効化または調整し、ヘッド退避による一時的なフリーズを回避します。

ADVERTISEMENT

古いHDDのアクセスがカクつく根本的な原因

古いHDDを使用している環境でPCの動作がカクつく主な原因の一つに、AAMとAPMというHDDの制御機能が挙げられます。これらの機能は、本来HDDの利便性を高めるためのものですが、PCの利用状況やHDDの特性によっては、意図せずパフォーマンス低下を招くことがあります。

AAM Advanced Acoustic Management とは

AAMは、HDDの読み書きヘッドの動作音を抑制するための機能です。HDDがデータを読み書きする際には、ヘッドが高速で移動し、その際に「カリカリ」といった動作音が発生します。AAMは、ヘッドの移動速度を意図的に制限することで、この動作音を低減させます。

しかし、音を静かにする代わりに、ヘッドの移動速度が遅くなるため、結果としてHDDのデータアクセス速度が低下する場合があります。特にランダムアクセスが多い作業では、この速度低下がPC全体のカクつきとして現れることがあります。

APM Advanced Power Management とは

APMは、HDDの消費電力を抑えるための機能です。一定時間HDDへのアクセスがない場合、APMはヘッドを待機位置に退避させたり、ディスクの回転数を落としたりして消費電力を節約します。これにより、ノートPCのバッテリー駆動時間を延ばしたり、全体の消費電力を削減したりする効果があります。

しかし、ヘッドが退避している状態から再びHDDにアクセスが必要になった場合、ヘッドが元の位置に戻るまでのタイムラグが発生します。この復帰までのわずかな時間が、PCの動作が一時的に停止したり、カクついたりする原因となるのです。古いHDDほど、この復帰時間が長く感じられ、特に顕著な動作の遅れを引き起こすことがあります。

これらのAAMやAPMの設定は、WindowsのOS標準機能では直接変更できません。そのため、専門のツールを使用して設定を調整する必要があります。

HDDのAAM/APM設定を変更してカクつきを改善する手順

HDDのAAM/APM設定を変更するには、CrystalDiskInfoというHDDの状態監視ツールを使用します。このツールは、HDDの健康状態を確認できるだけでなく、AAM/APMの設定も調整できる高機能なソフトウェアです。

CrystalDiskInfoのダウンロードとインストール

  1. 公式サイトにアクセスする
    Webブラウザを開き、「CrystalDiskInfo」の公式サイトにアクセスします。
  2. ソフトウェアをダウンロードする
    サイト内のダウンロードセクションから、「Standard Edition Portable版」を選択してダウンロードします。Portable版はインストールが不要で、展開するだけで使用できます。
  3. ファイルを展開する
    ダウンロードしたZIPファイルを右クリックし、「すべて展開」を選択して任意のフォルダに展開します。
  4. CrystalDiskInfoを起動する
    展開されたフォルダ内にある「DiskInfo.exe」または「DiskInfo64.exe」ファイルをダブルクリックして起動します。ユーザーアカウント制御のダイアログが表示された場合は、「はい」をクリックして許可します。

AAM設定の変更手順

  1. 対象のHDDを選択する
    CrystalDiskInfoの画面上部には、PCに接続されているHDDやSSDの一覧が表示されます。カクつきが発生している古いHDDをクリックして選択します。
  2. AAM/APM制御ダイアログを開く
    メニューバーの「機能」をクリックし、「AAM/APM制御」を選択します。
  3. AAM設定を調整する
    開いたダイアログボックスで、「AAM」の項目を見つけます。スライダーを右端の「最大」に移動させます。これにより、HDDの動作音抑制機能が最小限になり、アクセス速度が向上します。
  4. 設定を適用する
    スライダーを調整したら、「有効」ボタンをクリックし、さらに「OK」ボタンをクリックして設定を適用します。

APM設定の変更手順

  1. AAM/APM制御ダイアログを開く
    再度メニューバーの「機能」をクリックし、「AAM/APM制御」を選択してダイアログを開きます。
  2. APM設定を調整する
    「APM」の項目を見つけます。カクつきを確実に防ぐためには、スライダーを左端の「無効」に移動させます。これにより、HDDの省電力機能が無効になり、ヘッド退避が起こらなくなります。省電力を優先する場合は、スライダーを右端の「最大」に設定すると、APM機能は有効なままですが、ヘッド退避までの時間が最も長くなります。
  3. 設定を適用する
    スライダーを調整したら、「有効」ボタンをクリックし、さらに「OK」ボタンをクリックして設定を適用します。
  4. 設定の確認
    AAM/APM制御ダイアログを再度開いて、設定が正しく適用されていることを確認します。

設定の永続化と再適用

CrystalDiskInfoで設定したAAM/APM値は、PCの再起動後に元に戻ってしまうことがあります。これを防ぐには、CrystalDiskInfoをWindows起動時に自動的に実行し、設定を適用させるようにします。

  1. 常駐設定を有効にする
    CrystalDiskInfoのメニューバーで「機能」をクリックし、「常駐」にチェックを入れます。
  2. スタートアップ設定を有効にする
    続けて「機能」をクリックし、「スタートアップ」にもチェックを入れます。これにより、Windows起動時にCrystalDiskInfoが自動で起動し、AAM/APM設定が適用され、バックグラウンドで常駐します。

設定変更後もカクつきが改善しない場合の追加チェック項目

AAM/APM設定を変更してもHDDのカクつきが改善しない場合、他の要因が影響している可能性があります。以下の追加チェック項目を確認し、問題解決に役立ててください。

Windowsの電源オプション設定を確認する

Windowsの電源オプションには、HDDの電源管理に関する設定があります。この設定が、HDDの省電力動作を引き起こし、カクつきの原因となることがあります。

  1. 設定アプリを開く
    Windows 11では、スタートボタンを右クリックし、「設定」を選択します。
  2. 電源設定にアクセスする
    左側のナビゲーションメニューから「システム」を選択し、「電源とバッテリー」をクリックします。
  3. 詳細な電源設定を開く
    「電源モード」の下にある「追加の電源設定」をクリックします。これにより、「電源オプション」コントロールパネルが開きます。
  4. プラン設定を変更する
    現在選択されている電源プランの横にある「プラン設定の変更」をクリックします。
  5. 詳細な電源設定を変更する
    「詳細な電源設定の変更」をクリックします。
  6. HDDの電源設定を調整する
    表示されたダイアログボックスで、「ハードディスク」の項目を展開し、「次の時間が経過後ハードディスクの電源を切る」の値を「なし」または長い時間に設定します。例えば、「0」と入力すると「なし」になります。
  7. 設定を適用する
    「適用」をクリックし、「OK」をクリックしてダイアログを閉じます。

HDDの健康状態を詳しく確認する

HDD自体の劣化や故障がカクつきの原因である可能性もあります。CrystalDiskInfoを使用して、HDDの健康状態を詳細に確認しましょう。

  1. CrystalDiskInfoを起動する
    CrystalDiskInfoを起動し、対象のHDDを選択します。
  2. 健康状態を確認する
    「健康状態」の項目が「正常」と表示されているか確認します。「注意」や「異常」と表示されている場合は、HDDに物理的な問題が発生している可能性が高いです。
  3. S.M.A.R.T.情報を確認する
    健康状態が「注意」や「異常」の場合、下部に表示されるS.M.A.R.T.情報で、特に「代替処理済みのセクタ数」「回復不能セクタ数」「保留中のセクタ数」などの項目に異常値がないか確認します。これらの数値が増加している場合、HDDの寿命が近づいている、または故障している兆候です。
  4. データバックアップを検討する
    HDDに異常が見られる場合は、重要なデータの損失を防ぐため、速やかに別のストレージにバックアップを取ることを強く推奨します。新しいHDDやSSDへの交換も検討してください。

HDDドライバーの更新または再インストールを試す

HDDのドライバーが古かったり、破損していたりすると、正常な動作を妨げ、カクつきを引き起こすことがあります。

  1. デバイスマネージャーを開く
    スタートボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択します。
  2. ディスクドライブを展開する
    「ディスクドライブ」の項目を展開し、カクつきが発生しているHDDを特定します。
  3. ドライバーを更新する
    対象のHDDを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。「ドライバーを自動的に検索」を選択し、最新のドライバーが利用可能であればインストールします。
  4. ドライバーを再インストールする
    更新しても改善しない場合、対象のHDDを右クリックし、「デバイスのアンインストール」を選択します。確認のメッセージが表示されたら「アンインストール」をクリックします。PCを再起動すると、Windowsが自動的に適切なドライバーを再インストールします。

ADVERTISEMENT

Windows 11とWindows 10の電源オプション設定の違い

HDDの電源オプション設定へのアクセス方法は、Windows 11とWindows 10で一部異なります。

項目 Windows 11 Windows 10
電源オプションへのアクセス スタート右クリック > 設定 > システム > 電源とバッテリー > 追加の電源設定 スタート右クリック > 設定 > システム > 電源とスリープ > その他の電源設定
HDD電源設定項目名 ハードディスク > 次の時間が経過後ハードディスクの電源を切る ハードディスク > 次の時間が経過後ハードディスクの電源を切る
設定値 「なし」または任意の時間(分) 「なし」または任意の時間(分)

まとめ

この記事で解説したHDDのAAM/APM設定変更手順により、古いHDDが原因で発生していたPCの動作カクつきや一時的なフリーズを改善できます。

CrystalDiskInfoを用いてHDDのパフォーマンス設定を最適化し、さらにWindowsの電源オプション設定を見直すことで、より安定した動作環境を構築することが可能です。設定変更後も問題が続く場合は、HDDの健康状態の確認やドライバーの再インストールも試してください。

定期的にHDDの状態を監視し、必要に応じて設定を調整することで、業務の効率を維持しましょう。

ADVERTISEMENT

この記事の監修者
✍️

超解決 第一編集部

疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。