「朝PCを起動したら、PIN(暗証番号)を入力しても『このデバイスのPINは利用できません』と出てログインできない」「PINの再設定画面で『問題が発生しました』という赤い文字が出て進まない」……。
これは、PINの情報を保存している「NGフォルダ(NGCフォルダ)」が壊れていることが原因です。
PINはパスワードと違い、PC本体に保存される情報のため、システムファイルの破損に弱いのです。
この記事では、レジストリ(システム設定)などをいじらず、壊れたPIN情報を完全に削除し、安全に再登録する手順を解説します。これでPINエラーは解決します。
目次
手順1:【最重要】PIN情報を保存するフォルダを強制削除する
PINのエラーが出る原因の9割は、PINの生体認証情報を保存している「NGC(Next Generation Credential)」フォルダのデータ破損です。フォルダごと削除すれば、PCは「PINが存在しない状態」に戻ります。
⚠️ 注意:ログイン方法を一時的に変更
この作業を行うには、まず「サインインオプション」から「パスワード」を選んでログインし、デスクトップ画面に入っている必要があります。
- エクスプローラー(フォルダ)を開き、以下の場所へ進みます。
C:\Windows\ServiceProfiles\LocalService\AppData\Local\Microsoft - その中にある [NGC] という名前のフォルダを右クリックし、[削除] を選びます。
- 「アクセスが拒否されました」や「管理者権限が必要です」と出たら、[続行] や [はい] を押して強制的に削除します。
- フォルダが消えたら、PCを再起動します。
再起動すると、PIN入力画面ではなく、「パスワード入力」または「PIN設定」を促す画面が表示されるはずです。
手順2:【PINを完全に使わない】自動サインインを有効にする
PINを使うこと自体が嫌になった場合、パスワード入力すらスキップして、PC起動と同時にデスクトップ画面に入れる設定にします。
- キーボードの [Windows] + [R] キーを押して、「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 入力欄に
netplwizと入力して [OK] を押します。 - 「ユーザーアカウント」のウィンドウが開きます。
- 一番上の 「ユーザーがこのコンピューターを使うには、ユーザー名とパスワードの入力が必要」のチェックボックスを外します。
- [適用] ボタンを押すと、パスワードの確認画面が出ます。現在のWindowsパスワードを入力して [OK] を押します。
これで次回から、パスワードやPINの入力なしに自動でデスクトップにサインインします。
手順3:【生体認証】顔・指紋が使えない場合の確認
Windows Hello(顔認証や指紋認証)が突然使えなくなった場合、センサーのドライバーがフリーズしている可能性があります。
- スタートボタンを右クリックし、[デバイスマネージャー] を開きます。
- [生体認証デバイス] の項目(または「ユニバーサルシリアルバスコントローラー」内)を展開します。
- 「Windows Hello Face Software Device」や指紋センサーの名前を右クリックし、[デバイスのアンインストール] を選びます。
- 「このデバイスのドライバーを削除しようとしました」にはチェックを入れず、そのまま [アンインストール] を実行します。
- PCを再起動します。
再起動後にセンサーが自動的に認識され、カメラや指紋リーダーが復活します。
手順4:PIN再設定ができない場合は「PINを忘れた場合」
PINのエラー画面で「PINをセットアップ」を押しても「問題が発生しました」と出る場合は、**「PINを忘れた場合」**のリンクから進んでください。
- サインイン画面のPIN入力欄の下にある [PINを忘れた場合] をクリックします。
- Microsoftアカウントのパスワード入力など、本人確認を行います。
- PCがPINのデータが壊れていることを認識し、新しいPINの作成画面に進めます。
まとめ:PINはNGCフォルダの削除が鉄板
PINトラブルの対処法まとめです。
| 症状 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 「PINが利用できません」 | NGCフォルダのデータ破損 | 手順1:NGCフォルダ削除 |
| 顔/指紋認証が効かない | センサーのドライバーバグ | 手順3:デバイスのアンインストール |
| PIN入力が面倒 | 自動サインインが無効 | 手順2:netplwizでチェックを外す |
まずは元のパスワードでログインし、NGCフォルダを消してリセットするのが、PINトラブル解決の最速ルートです。
