【Windows】印刷の順序を後回しにして巨大なデータの送信を円滑にする設定

【Windows】印刷の順序を後回しにして巨大なデータの送信を円滑にする設定
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巨大なデータをネットワーク経由で送信する際、同時に発生する印刷ジョブによって通信速度が低下し、業務が滞ってしまうことがあります。これは、印刷データがネットワーク帯域を占有してしまうために起こる現象です。この記事では、印刷ジョブの優先度を調整し、巨大なデータ送信を円滑にするための設定方法を解説します。

【要点】印刷ジョブの優先度を調整し、データ送信を円滑にする

  • 印刷キューの一時停止: 重要なデータ送信中に不要な印刷ジョブの実行を一時的に停止し、ネットワーク帯域を確保します。
  • 印刷キューの再開: データ送信が完了した後、一時停止していた印刷ジョブを安全に再開し、印刷処理を完了させます。
  • 印刷スプーラーサービスの優先度変更: システム全体の印刷処理が他のアプリケーションに与える影響を軽減し、CPUリソースの競合を避けます。

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印刷ジョブの優先度調整がデータ送信に与える影響

Windowsの印刷機能は、印刷スプーラーというサービスによって管理されています。印刷スプーラーは、アプリケーションから送られた印刷データを一時的に保存し、プリンターの準備ができたときに順次処理する役割を担います。この処理中に大量のデータがネットワークプリンターに送られると、ネットワーク帯域が消費されます。

特に巨大なファイルをアップロードしたり、ネットワークドライブ間でコピーしたりする際に、印刷ジョブが同時に実行されると、帯域の競合が発生し、データ送信速度が著しく低下することがあります。印刷ジョブの優先度を調整することで、このような競合を避け、重要なデータ送信を円滑に進めることができます。

ただし、Windowsの標準機能では個別の印刷ジョブの優先度を直接変更する設定は提供されていません。そのため、この記事では印刷ジョブを一時停止し、必要に応じて印刷スプーラーサービス自体のプロセス優先度を調整する方法を解説します。

巨大データ送信中に印刷ジョブの処理を調整する手順

ここでは、印刷ジョブを一時停止して後回しにする手順と、印刷スプーラーサービスのプロセス優先度を下げる手順を説明します。Windows 11を基準に解説しますが、Windows 10でも同様の操作が可能です。

印刷キューからジョブを一時停止する手順

  1. 設定アプリを開く
    スタートボタンを右クリックし、「設定」を選択します。
  2. 「Bluetoothとデバイス」を選択する
    設定ウィンドウの左側メニューから「Bluetoothとデバイス」をクリックします。
  3. 「プリンターとスキャナー」を選択する
    右側の項目から「プリンターとスキャナー」をクリックします。
  4. 対象のプリンターを選択する
    一覧から、一時停止したい印刷ジョブがあるプリンターの名前をクリックします。
  5. 「印刷キューを開く」をクリックする
    プリンターの詳細設定画面で「印刷キューを開く」ボタンをクリックします。
  6. 印刷ジョブを一時停止する
    印刷キューウィンドウで、一時停止したいジョブを右クリックし、「一時停止」を選択します。これにより、選択したジョブの印刷が中断されます。
  7. 印刷ジョブを再開する
    巨大なデータ送信が完了し、印刷を再開したい場合は、同じ印刷キューウィンドウで一時停止中のジョブを右クリックし、「再開」を選択します。

印刷スプーラーサービスのプロセス優先度を変更する手順

この設定は、印刷スプーラーサービス全体のCPUリソース使用優先度を下げるものです。個別の印刷ジョブの順序を変えるわけではありませんが、印刷処理がシステム全体に与える影響を軽減できます。

  1. タスクマネージャーを開く
    タスクバーの何もない場所を右クリックし、「タスクマネージャー」を選択します。
  2. 「詳細」タブへ移動する
    タスクマネージャーウィンドウの上部にある「詳細」タブをクリックします。
  3. 「spoolsv.exe」プロセスを探す
    プロセスの一覧から「spoolsv.exe」を探します。これは印刷スプーラーサービスに対応する実行ファイルです。
  4. 優先度を設定する
    「spoolsv.exe」を右クリックし、「優先度の設定」にカーソルを合わせます。表示されるメニューから「低」または「標準以下」を選択します。
  5. 警告を承認する
    「優先度の変更」の確認メッセージが表示されたら、「優先度の変更」ボタンをクリックします。この設定は一時的なもので、Windowsを再起動すると「標準」に戻ります。

印刷ジョブの優先度調整で発生しがちな問題と解決策

印刷ジョブの処理を調整する際に、いくつかの問題に直面することがあります。ここでは、よくある失敗パターンとその対処法を説明します。

印刷ジョブが一時停止できない

原因: 印刷ジョブを一時停止するには、通常、管理者権限が必要です。また、プリンターがオフライン状態であったり、印刷スプーラーサービス自体に問題が発生していたりする可能性もあります。

対処法:

  1. 管理者権限で実行する: ログオンしているユーザーアカウントに管理者権限があるか確認します。ない場合は、管理者アカウントで操作を行うか、管理者に依頼してください。
  2. プリンターの状態を確認する: プリンターの電源が入っているか、ネットワークに正しく接続されているかを確認します。
  3. 印刷スプーラーサービスを再起動する: 検索ボックスに「サービス」と入力し、サービスアプリを開きます。サービスの一覧から「Print Spooler」を探し、右クリックして「再起動」を選択します。

印刷ジョブを再開しても印刷が始まらない

原因: プリンターとの接続が切れている、プリンタードライバーに問題がある、または印刷スプーラーサービスが正常に動作していない可能性があります。

対処法:

  1. プリンターの電源と接続を確認する: プリンターの電源がオンになっているか、USBケーブルやLANケーブルが正しく接続されているか、Wi-Fi接続が安定しているかを確認します。
  2. プリンタードライバーを更新する: プリンターメーカーのウェブサイトから最新のドライバーをダウンロードし、インストールします。
  3. 印刷スプーラーサービスを再起動する: 上記の「印刷スプーラーサービスを再起動する」手順を実行し、サービスを再起動してから再度印刷を試みます。

印刷スプーラーサービスの優先度変更が反映されない

原因: タスクマネージャーでのプロセス優先度変更は、Windowsを再起動すると元に戻る一時的な設定です。また、この設定は個別の印刷ジョブの優先度ではなく、印刷スプーラーサービス全体のCPUリソース使用優先度を変更するものです。

対処法:

  1. 設定が一時的であることを理解する: 優先度変更はPCを再起動するとリセットされるため、必要に応じて再度設定し直す必要があります。
  2. システム全体への影響を理解する: この設定は、印刷処理全体が他のアプリケーションに与える影響を軽減するためのものであり、特定の印刷ジョブの順序を細かく制御するものではないことを認識してください。

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Windows 11とWindows 10での操作の違い

基本的な印刷ジョブの管理やスプーラーサービスの操作は、Windows 11とWindows 10で大きく異なることはありません。しかし、設定画面へのアクセス方法やUIの細部で違いがあります。

項目 Windows 11での操作 Windows 10での操作
設定アプリへのアクセス スタートボタン右クリックから「設定」を選択 スタートボタン右クリックから「設定」を選択
プリンター設定へのパス 設定 > Bluetoothとデバイス > プリンターとスキャナー 設定 > デバイス > プリンターとスキャナー
印刷キューの表示 設定から対象プリンターを選択後、「印刷キューを開く」ボタンをクリック 設定から対象プリンターを選択後、「キューを開く」ボタンをクリック、またはコントロールパネルの「デバイスとプリンター」から対象プリンターを右クリックし「印刷ジョブの表示」を選択
タスクマネージャーの起動 タスクバーを右クリックし「タスクマネージャー」を選択 タスクバーを右クリックし「タスクマネージャー」を選択

Windows 10では、コントロールパネルの「デバイスとプリンター」からも印刷キューにアクセスできます。Windows 11でもコントロールパネルは利用できますが、多くの場合、設定アプリからの操作が推奨されます。どちらのOSでも、タスクマネージャーでのプロセス優先度変更の手順は同じです。

この記事で解説した印刷ジョブの一時停止・再開、および印刷スプーラーサービスの優先度調整を行うことで、巨大なデータ送信中に発生するネットワーク帯域の競合を効果的に管理できます。これにより、重要な業務データの送信を円滑に進められるでしょう。状況に応じてこれらの機能を使い分け、効率的な業務環境を維持してください。ネットワーク帯域を多く使う他のアプリケーションでも、タスクマネージャーからプロセス優先度調整を検討することが、システム全体の応答性向上に繋がります。

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この記事の監修者
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超解決 第一編集部

疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。