会社PCでネットワーク上の共有プリンターを追加しようとした際に、「資格情報を入力してください」というダイアログが表示され、先に進めないというトラブルはよく発生します。この資格情報の要求は、プリンターサーバーへの認証が正しく行われていないことを示しています。原因はPC側の設定ミスやサーバー側の権限不足、ネットワークの構成など多岐にわたるため、適切な切り分けが必要です。この記事では、共有プリンター追加時に資格情報を求められる原因を整理し、段階的な確認手順を解説します。また、管理者と連携すべきポイントや注意点も合わせて説明します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: Windowsの資格情報マネージャーに古い資格情報が残っていないか確認します。特にドメイン環境では、プリンターサーバーのアドレスとユーザー名が一致しているかが重要です。
- 切り分けの軸: 端末側の問題(資格情報マネージャー、ネットワークプロファイル)と、サーバー側の問題(アクセス権限、プリンター共有設定)の二つに分けて調査します。また、同じネットワーク上の他の共有リソース(フォルダーなど)にアクセスできるかどうかも手掛かりになります。
- 注意点: 会社PCではレジストリの変更やグループポリシーの編集は管理者しか行えないことが多いため、自分で不用意に変更せず、管理者に確認すべきポイントを明確にしておくことが大切です。
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目次
資格情報を求められる主な原因
共有プリンター追加時に資格情報を求められる原因は、主に以下の3つに分類されます。これらを理解しておくと、後の確認手順がスムーズになります。
原因1: ユーザーアカウントの不一致
プリンターサーバーにアクセスするためのユーザーアカウントが、現在ログインしているアカウントと異なる場合に発生します。例えば、PCにはローカルアカウントでログインしているのに、プリンターサーバーはドメインアカウントでの認証を要求しているケースです。また、同じドメイン内でも、プリンターサーバーが信頼関係のない別ドメインにある場合も同様の問題が起きます。
原因2: プリンターサーバー側のアクセス権限
プリンターサーバー側で共有プリンターのアクセス許可が適切に設定されていない可能性があります。特に、プリンターのセキュリティ設定で「Everyone」や「Domain Users」に印刷許可が与えられていない場合、認証を求められることがあります。また、プリンターサーバー自体の共有フォルダーへのアクセス権限が不足している場合も同様です。
原因3: Windows資格情報マネージャーの古い情報
過去にプリンターサーバーへ接続した際に保存された資格情報が、現在の認証と競合しているケースです。例えば、前回は別のユーザー名やパスワードで接続したにもかかわらず、古い情報が残っているために新しい認証が受け入れられず、再度資格情報を要求されることがあります。
確認手順①: 資格情報マネージャーを確認する
最初に行うべきは、Windowsの資格情報マネージャーに保存されている古い資格情報を削除または修正することです。以下の手順で確認してください。
- スタートメニューを開き、「資格情報マネージャー」と検索してアプリを起動します。
- 「Windows 資格情報」タブをクリックし、一覧を表示します。
- プリンターサーバーのアドレス(例: \\print-server\printer-name)に関連する資格情報がないか確認します。見つかった場合は、「削除」または「編集」をクリックします。
- 編集する場合は、正しいユーザー名(ドメインユーザーであれば domain\username)とパスワードを入力します。
- 削除または編集後、コマンドプロンプトを管理者として開き、「
klist purge」と入力してKerberosチケットをクリアします。これにより認証情報がリフレッシュされます。 - PCを再起動してから、再度プリンターの追加を試みます。
この手順で解決しない場合、次の確認に進んでください。
確認手順②: プリンターサーバーへのアクセスをテストする
プリンターサーバーにUNCパスでアクセスできるかどうかを確認します。これにより、ネットワークレベルの問題と認証の問題を切り分けられます。
- エクスプローラーのアドレスバーに、プリンターサーバーのUNCパス(例: \\print-server)を入力してEnterキーを押します。
- 共有フォルダーの一覧が表示されれば、サーバーへのアクセスは成功です。この場合、プリンター固有の権限の問題が疑われます。
- もし「アクセスできません」や「資格情報を入力してください」と表示される場合は、サーバーへの認証自体が失敗しています。このPCのアカウントでサーバーにアクセスできる権限がない可能性があります。
- アクセスできるかどうかを管理者に伝えるため、エラーメッセージをスクリーンショットで記録しておきます。
UNCアクセスができない場合、以下の表を参考に原因を推定します。
| 状況 | 考えられる原因 | 次のアクション |
|---|---|---|
| \\print-server にアクセスできない | プリンターサーバーのファイアウォール設定、またはPCのネットワークプロファイルがパブリックになっている | ネットワークプロファイルを「プライベート」に変更する、またはIT管理者にファイアウォールの開放を依頼 |
| \print-server にアクセスできるが、プリンター共有が見えない | プリンター共有のアクセス権限が不足している | 管理者にプリンターのセキュリティ設定を確認してもらう |
| \print-server にアクセスでき、プリンター共有も見えるが追加時に資格情報を求められる | 資格情報マネージャーの古い情報、またはプリンターサーバーが信頼関係のないドメインにある | 資格情報マネージャーをクリアし、ドメインの信頼関係を管理者に確認 |
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確認手順③: ネットワークドライブやフォルダーアクセスと比較する
同じネットワーク上の他の共有リソース(ファイルサーバーなど)にアクセスできるかどうかを確認します。これにより、PCの認証全般の問題か、プリンター固有の問題かを判断できます。
- エクスプローラーで、同じサーバー上の共有フォルダー(例: \\print-server\shared-folder)にアクセスしてみます。
- アクセスできる場合、プリンターの共有設定に問題がある可能性が高いです。アクセスできない場合は、そのサーバー自体への認証が全般的に失敗しているため、PCのアカウントまたはネットワーク設定の問題を疑います。
- さらに、コマンドプロンプトで「
net view \\print-server」と入力し、サーバー上の共有一覧が表示されるか確認します。表示されなければ、サーバーへの到達性や認証に問題があります。 - 他の共有リソースにアクセスできるがプリンターだけダメな場合、以下の手順でプリンターのドライバーや追加方法を変更してみます。
管理者へ確認すべき設定項目
上記の手順で解決しない場合、管理者に以下の項目を確認してもらいましょう。これらの情報を伝えることで、問題解決が迅速になります。
- プリンターサーバーのOSバージョン: Windows Server 2016以前の古いサーバーでは、認証方式が異なる場合があります。
- プリンター共有のセキュリティ設定: 「プリンターのプロパティ」→「セキュリティ」タブで、使用しているユーザーまたはグループに「印刷」の許可が与えられているか。
- グループポリシーの設定: 「ネットワークアクセス: 匿名アクセスを許可しない」や「ネットワークアクセス: 共有とセキュリティモデル」などのポリシーが影響している可能性があります。
- CredSSP(Credential Security Support Provider)の設定: 特にリモートデスクトップ関連のポリシー変更がプリンター接続に影響することがあります。
失敗パターンと注意点
実際によくある失敗パターンを紹介します。同じ状況に陥っていないか確認してください。
- 誤った資格情報を繰り返し入力する: 正しいアカウントがわからずに何度も入力を試みると、アカウントがロックアウトされる可能性があります。まずは管理者に正しい接続アカウントを確認してください。
- 資格情報マネージャーの削除だけでは不十分: 削除してもKerberosチケットが残っていると古い認証情報が使われます。必ず「klist purge」と再起動まで行う必要があります。
- ワークグループ環境でのドメイン認証の混同: 会社PCがワークグループに属している場合、プリンターサーバーがドメイン参加していると、資格情報の書式が異なり(サーバー名\ユーザー名)認証に失敗します。この場合、ワークグループPCからドメイン参加サーバーへの認証は、NetBIOS名とユーザー名を指定する必要があります。
よくある質問(Q&A)
Q1: 資格情報を保存しても毎回聞かれます
資格情報を保存しても毎回聞かれる場合、保存された資格情報が正しく機能していないか、グループポリシーで保存が禁止されている可能性があります。資格情報マネージャーで対象の資格情報を削除し、新たに正しい情報で接続し直してください。それでも改善しない場合は、管理者にポリシー設定を確認してもらいましょう。
Q2: 自分のアカウントではアクセスできないと言われます
プリンターサーバーへのアクセス権限が不足している可能性が高いです。同じネットワーク上の他のユーザーがプリンターを追加できているか確認し、もしできているなら自分のアカウントに権限がありません。管理者に「プリンターのセキュリティ」に自分のユーザーアカウントを追加してもらう必要があります。
Q3: VPN接続時に資格情報を求められます
VPN接続時はネットワークセグメントが異なるため、認証に失敗することがあります。特に分割トンネリング設定の場合、プリンターサーバーへの経路がVPN経由になっているか確認してください。また、VPN接続の認証とプリンターサーバーの認証が二重になるケースもあるため、資格情報マネージャーにVPN接続時の資格情報が混在していないか確認します。
まとめ
共有プリンター追加時の資格情報要求は、原因が複数にわたるため、焦らず段階的に確認することが重要です。最初に資格情報マネージャーを整理し、次にサーバーへのUNCアクセスをテストして、問題の範囲を特定してください。もし自分で解決できない場合は、管理者に具体的なエラー内容や確認結果を伝えることで、迅速な対応が期待できます。日頃からネットワーク共有リソースへのアクセス状況を把握しておくことも、トラブル発生時の手掛かりになります。この記事の手順を参考に、効率的に問題を解決してください。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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