社内で共有プリンターを利用している際に、特定の部署だけ印刷できないという問題が発生することがあります。これはプリンターのセキュリティ設定やグループポリシーによる部署別の制限が原因であることが多く、まずは権限周りを確認する必要があります。本記事では、Windowsの共有プリンターで部署ごとに印刷制限がかかるケースを想定し、プリンター権限の確認手順や原因の切り分け方を具体的に解説します。会社PCで同様のトラブルに直面した際の参考にしてください。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: プリンタープロパティの「セキュリティ」タブ。ここでグループごとの印刷権限が設定されています。
- 切り分けの軸: 端末側(ドライバや接続設定)、アカウント側(ユーザーが属するグループと権限)、管理設定側(グループポリシーやサーバー側の制限)の3つに分けて確認します。
- 注意点: 会社PCではプリンターのプロパティ変更に管理者権限が必要な場合があります。勝手に権限を変更すると他の部署に影響が出るため、必ずIT管理者に確認してから行ってください。
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目次
部署別印刷制限の仕組み
会社の共有プリンターで部署別に印刷制限をかける場合、主に以下の2つの方法が使われます。
1. プリンターのセキュリティ設定
プリンターのプロパティにある「セキュリティ」タブで、特定のユーザーやグループに対して「印刷」権限を許可または拒否します。例えば、「営業部」グループには印刷を許可し、「経理部」グループには拒否するといった設定が可能です。この設定はプリントサーバー側で行われ、クライアントPCから直接変更することはできません。
2. グループポリシーによる配布制限
Active Directory環境では、グループポリシーオブジェクト(GPO)を使ってプリンターの展開先を制御できます。特定の組織単位(OU)にのみプリンターを公開する設定や、セキュリティフィルタリングで特定のグループだけにプリンター接続を許可することができます。ユーザーがプリンターの一覧に表示されない、または接続しようとするとエラーになる場合、このGPO設定が原因の可能性があります。
また、プリントサーバー側で「印刷許可時間」や「ページ数制限」をかけているケースもありますが、部署別の制限としては権限設定が最も一般的です。まずはこの2つの仕組みを理解しておきましょう。
確認すべき3つの軸
問題を切り分けるには、以下の3つの観点で調査を進めます。
端末側の問題
ユーザーのPCにプリンタードライバが正しくインストールされているか、プリンターの接続設定に誤りがないかを確認します。特に、同じネットワーク内の他のPCでは印刷できるのに自分のPCだけできない場合、端末固有の問題である可能性が高いです。ドライバの再インストールや、一度プリンターを削除して再度追加してみてください。
アカウント側の問題
ユーザーがどのActive Directoryグループに所属しているかが重要です。プリンターのセキュリティ設定で「印刷」権限が与えられているグループにユーザーが含まれているか確認します。また、ユーザーアカウント自体が無効になっていないか、パスワード期限切れなどの状態でないかもチェックしましょう。
管理設定側の問題
プリントサーバーやグループポリシーによる制限がかかっていないかを確認します。プリンターのプロパティを開くことができるのは管理者だけなので、ユーザー側で直接確認できない場合があります。その場合はIT管理者に依頼して、該当プリンターのセキュリティ設定やGPOのセキュリティフィルタリングを確認してもらいましょう。
プリンターのセキュリティ権限を確認する手順
ここでは、自身が管理者権限を持っている場合の確認手順を紹介します。通常のユーザーはプロパティを開けないため、管理者に依頼してください。
- プリントサーバーにリモートデスクトップなどで接続するか、管理者権限のあるPCで「プリンターとスキャナー」を開きます。
- 対象の共有プリンターを右クリックし、「プリンタのプロパティ」を選択します。
- 「セキュリティ」タブを開きます。ここにグループまたはユーザー名の一覧と、それぞれのアクセス許可が表示されます。
- 「印刷」権限が「許可」または「拒否」になっているグループを確認します。「拒否」が優先されるため、ユーザーが属するグループのいずれかで「拒否」が設定されていれば印刷できません。
- もしユーザーが一覧にないグループに属している場合、「追加」ボタンからグループを追加して適切な権限を設定します。ただし、この変更は管理者のみが行えます。
注意点として、「すべてのユーザー」または「Everyone」グループに対して「印刷」権限が許可されていないと、明示的に許可されたグループ以外は印刷できません。逆に、「Everyone」に拒否が設定されていると全ユーザーが印刷できなくなるため、運用に応じた設定が必要です。
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グループポリシーによる制限の確認方法
グループポリシーでプリンターの展開が制御されている場合、ユーザー側でできることは限られていますが、以下のような症状からGPO関与を判断できます。
・ネットワーク上のプリンター一覧に特定のプリンターが表示されない。
・プリンターの追加ウィザードでパスを指定しても接続できない。
・イベントビューアに「グループポリシーによってプリンター接続がブロックされました」といったエラーが記録される。
GPOの設定を確認するには、ドメイン管理者が「グループポリシー管理ツール」を開き、該当のGPOを編集します。プリンターの展開に関するポリシーは、[コンピューターの構成]→[管理用テンプレート]→[プリンター]や[ユーザーの構成]→[Windowsの設定]→[プリンターの展開]などにあります。セキュリティフィルタリングで適用対象グループが絞られている場合、ユーザーがそのグループに含まれているか確認する必要があります。
もしユーザーが本来アクセスできるべきプリンターに接続できない場合、管理者は以下の点をチェックします。
- プリンターのセキュリティ設定で、ユーザーのグループに「印刷」権限が許可されているか。
- GPOのセキュリティフィルタリングで、ユーザーのグループが除外されていないか。
- GPOがリンクされているOUにユーザーまたはコンピューターが属しているか。
よくある失敗パターンと対処法
実際の現場でよく発生する失敗例をまとめました。
| 状況 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 特定の部署だけ印刷できないが、他の部署は印刷できる | プリンターのセキュリティ設定で該当部署のグループに「拒否」が設定されている | 管理者がセキュリティ設定を確認し、不要な拒否エントリを削除する |
| プリンター一覧にプリンターが表示されない | グループポリシーでプリンターの公開が制限されている、またはユーザーが適用対象外のOUにいる | 管理者がGPOのセキュリティフィルタリングとリンク先OUを確認する |
| 接続時に「アクセスが拒否されました」と表示される | プリンターの共有名やパスに誤りがある、またはユーザーにアクセス権がない | 正しいUNCパスを確認し、プリンターのセキュリティ権限を確認する |
| 一部のユーザーのみ印刷できない | ユーザーアカウントが複数のグループに属し、一方で許可、他方で拒否されている(拒否が優先) | ユーザーのグループメンバーシップを確認し、不要な拒否設定を解除する |
特に、セキュリティグループの入れ子構造に注意が必要です。例えば、営業部グループに営業部課長グループが含まれている場合、営業部課長グループに拒否が設定されていると、営業部グループに許可があっても課長は印刷できません。
管理者に伝えるべき情報
ユーザーが自社のIT管理者に問い合わせる際、以下の情報を整理して伝えると迅速な対応が期待できます。
- 利用しているプリンター名とサーバー名: 例:¥¥prtserver¥sales_printer
- 印刷できないユーザーのユーザー名と所属部署: 例:user01@company.com、営業部
- エラーコードやメッセージ: 例:「アクセスが拒否されました」またはイベントID
- 正常に印刷できるユーザーの有無: 同じ部署の別ユーザーは印刷できるか、他部署はどうか
- 発生タイミング: プリンター追加直後からか、ある日突然か
管理者側では、プリンターのセキュリティ設定とGPOの両方を確認し、問題のあるグループやOUを特定します。場合によっては、ユーザーを適切なグループに追加するか、権限設定を変更することで解決します。
よくある質問
Q1. プリンターのセキュリティタブが開けません。どうすればいいですか?
プリンタープロパティのセキュリティタブを開くには、プリントサーバーに対する管理者権限が必要です。通常のユーザーでは開けませんので、IT管理者に依頼してください。
Q2. 「Everyone」グループに印刷権限が許可されていますが、特定ユーザーだけ印刷できません。なぜですか?
「Everyone」に許可があっても、ユーザーが属する別のグループで「拒否」が設定されている可能性があります。また、ユーザーがプリンターのセキュリティ設定に直接追加されていて拒否されている場合もあります。管理者が設定を確認する必要があります。
Q3. グループポリシーの反映に時間がかかることはありますか?
はい、グループポリシーは通常90~120分ごとにバックグラウンドで更新されます。また、クライアントPCを再起動しないと反映されない設定もあります。管理者がすぐに反映させたい場合は、コマンドプロンプトで「gpupdate /force」を実行してもらいましょう。
まとめ
会社PCで共有プリンターの部署別印刷制限に遭遇した場合、まずはプリンターのセキュリティ権限とグループポリシーの設定を疑う必要があります。ユーザー自身で確認できる範囲は限られていますが、エラーの内容や印刷できるユーザーの有無といった情報を整理して管理者に報告することで、問題解決がスムーズになります。管理者はプリンターのプロパティとGPOを確認し、権限設定やグループメンバーシップの誤りを修正してください。この記事が、部署別の印刷制限トラブルを解決する一助となれば幸いです。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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