業務中に大切なファイルを誤って上書きしたり削除したりして、以前のバージョンに戻せず困る経験はありませんか。
WindowsのボリュームシャドウコピーサービスVSSが適切に設定されていないと、ファイルの以前のバージョンが保存されません。
この記事では、VSSを有効化し、記憶領域を適切に確保する手順を解説しますので、重要なデータの復旧に備えることが可能です。
【要点】ボリュームシャドウコピーの設定でデータ復旧に備える
- システムの保護設定: ボリュームシャドウコピー機能を有効化し、ファイルの以前のバージョンが作成されるようにします。
- シャドウコピーの記憶領域設定: 以前のバージョンが保存されるディスク容量を適切に確保し、古いデータがすぐに削除されるのを防ぎます。
- コマンドプロンプトでの詳細確認: シャドウコピーの現在の状態や記憶領域設定を正確に確認し、必要に応じて微調整できます。
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目次
ボリュームシャドウコピーVSSの概要と「以前のバージョン」が残らない理由
ボリュームシャドウコピーVSSは、Windowsに搭載されている機能の一つです。これにより、ファイルやフォルダの特定時点の状態を「シャドウコピー」として保存できます。シャドウコピーは、誤って変更または削除されたファイルを、以前の状態に戻す際に役立ちます。
しかし、VSSが有効になっていても「以前のバージョン」が残らない場合があります。その主な原因は、VSSがそもそも無効になっているか、シャドウコピーを保存するためのディスク領域が不足していることです。また、割り当てられた記憶領域が少なすぎると、新しいシャドウコピーが作成されるたびに、古いバージョンがすぐに削除されてしまいます。
VSSは、システムドライブだけでなくデータドライブでも有効にできます。重要なデータが保存されているドライブでVSSを有効化し、十分な記憶領域を確保することが、データ保護の鍵となります。
VSSの有効化と記憶領域の重要性
VSSを有効にすると、Windowsは定期的に、または特定のイベント時に、指定されたドライブのシャドウコピーを作成します。このシャドウコピーが、いわゆる「以前のバージョン」の元データになります。
シャドウコピーの保存にはディスク領域が必要です。この記憶領域が不足していると、古いシャドウコピーから順に削除されてしまいます。そのため、以前のバージョンを長く保持するには、適切な記憶領域の確保が不可欠です。
ボリュームシャドウコピーVSSの有効化と記憶領域確保の手順
ここでは、ボリュームシャドウコピーVSSを有効化し、その記憶領域を確保する具体的な手順を説明します。Windows 11を基準としていますが、Windows 10でもほぼ同様の操作で設定できます。
- 「システムの保護」を開く
スタートボタンを右クリックし、「システム」を選択します。「関連設定」の下にある「システムの保護」をクリックしてください。または、検索バーに「システムの保護」と入力して開くこともできます。 - 保護設定の確認と構成
「システムのプロパティ」ウィンドウが表示されます。「システムの保護」タブで、シャドウコピーを設定したいドライブを選択し、「構成」ボタンをクリックします。通常、システムドライブC:は既に「有効」になっていることが多いですが、データドライブは「無効」になっている場合があります。 - システムの保護を有効にする
「選択したドライブのシステムの保護」ウィンドウで、「システムの保護を有効にする」オプションを選択します。これにより、選択したドライブでボリュームシャドウコピーが作成されるようになります。 - ディスク領域の使用量を設定する
同じウィンドウ内の「ディスク領域の使用量」セクションで、スライダーを操作してシャドウコピーに割り当てる最大ディスク領域を設定します。以前のバージョンを長期間保持したい場合は、より大きな容量を割り当ててください。例えば、総ディスク容量の5〜10%程度を目安に設定すると良いでしょう。設定後、「OK」をクリックします。 - 変更を適用する
「システムのプロパティ」ウィンドウに戻り、「OK」または「適用」をクリックして設定を保存します。
コマンドプロンプトでシャドウコピーの記憶領域を詳細に設定する
グラフィカルユーザーインターフェースでの設定に加え、コマンドプロンプトvssadminコマンドを使用すると、より詳細なシャドウコピーの記憶領域設定が可能です。この操作は、システムの保護画面で設定した容量よりも細かく調整したい場合に有用です。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
スタートボタンを右クリックし、「ターミナル 管理者」または「コマンドプロンプト 管理者」を選択します。 - 現在のシャドウコピー記憶領域を確認する
以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。vssadmin list shadowstorage
これにより、各ドライブに割り当てられているシャドウコピーの記憶領域の最大サイズ、使用済みサイズ、および割り当て済みサイズが表示されます。 - シャドウコピー記憶領域の最大サイズを変更する
以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。{ドライブレター}には変更したいドライブの文字を、{サイズ}には新しい最大サイズをGBギガバイトまたはMBメガバイト単位で指定します。vssadmin resize shadowstorage /For=C: /On=C: /MaxSize=10GB
この例では、Cドライブのシャドウコピー記憶領域の最大サイズを10GBに設定しています。/Forと/Onは同じドライブを指定することが一般的です。 - 変更が適用されたことを確認する
再度vssadmin list shadowstorageコマンドを実行し、設定が正しく変更されたことを確認します。
VSS設定後の注意点と「以前のバージョン」が残らない場合の対処
VSSを有効化し、記憶領域を確保しても、特定の状況で「以前のバージョン」が期待通りに表示されない場合があります。ここでは、その原因と対処法を説明します。
シャドウコピーがすぐに削除されてしまう
VSSの記憶領域を確保しても、設定した容量が少なすぎる場合、新しいシャドウコピーが作成されるたびに、古いシャドウコピーから順に削除されてしまいます。特に、ファイル変更の頻度が高いドライブでは、より多くの容量が必要です。
対処法: 「ディスク領域の使用量」のスライダーを右に動かすか、vssadmin resize shadowstorageコマンドで最大サイズを増やしてください。推奨される設定は、対象ドライブの総容量の少なくとも10%以上です。また、他のアプリケーションが大量のVSS領域を消費していないか確認することも重要です。
「システムの保護」が無効のままで変更できない
企業環境などでは、グループポリシーによって「システムの保護」機能が制限されている場合があります。この場合、設定画面で有効化しようとしても変更が適用されません。
対処法: システム管理者に問い合わせ、グループポリシーの設定を確認してもらう必要があります。個人のPCであれば、ローカルグループポリシーエディターgpedit.mscで関連する設定を確認できますが、誤った変更はシステムに影響を与えるため慎重な操作が必要です。
ファイルは更新されているのに「以前のバージョン」がない
「システムの保護」が有効になっていても、特定のファイルやフォルダの「以前のバージョン」が作成されないことがあります。これは、VSSがシステム全体の復元ポイントを主に生成するため、個々のファイルの細かな変更を追跡する目的ではないためです。
対処法: 個々のファイルのバージョン管理をより細かく行いたい場合は、Windowsの「ファイル履歴」機能の利用を検討してください。ファイル履歴は、特定のフォルダ内のファイルの変更を定期的にバックアップし、過去のバージョンに簡単に戻せるようにする機能です。
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Windows 11とWindows 10のVSS設定画面へのアクセス方法の比較
ボリュームシャドウコピーVSSの設定は、Windows 11とWindows 10で基本的な機能は共通していますが、設定画面へのアクセス方法に若干の違いがあります。
| 項目 | Windows 11 | Windows 10 |
|---|---|---|
| アクセス方法 | スタートボタン右クリック「システム」→「システムの保護」または検索バーから「システムの保護」と入力 | 検索バーから「システムの保護」と入力、または「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「システム」→「システムの保護」 |
| 設定画面の名称 | システムのプロパティ | システムのプロパティ |
| 主要な設定項目 | ドライブ選択、構成、システムの保護を有効にする、ディスク領域の使用量 | ドライブ選択、構成、システムの保護を有効にする、ディスク領域の使用量 |
まとめ
この記事では、WindowsのボリュームシャドウコピーVSSを有効化し、適切な記憶領域を確保する手順を解説しました。
これらの設定を行うことで、誤って変更または削除してしまったファイルを以前のバージョンに戻せるようになります。
今後は、定期的にシャドウコピーの記憶領域設定を確認し、必要に応じて調整することで、不測の事態に備えられます。
VSSとファイル履歴機能を併用し、重要なビジネスデータの保護を強化してください。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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