【PDF】電子帳簿保存法に対応するため、領収書PDFを「結合して1ファイルにする」か「分割して管理する」かの正解

【PDF】電子帳簿保存法に対応するため、領収書PDFを「結合して1ファイルにする」か「分割して管理する」かの正解
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電子帳簿保存法への対応を進める中で、領収書PDFの管理方法に悩む方は少なくありません。

特に、複数の領収書を1つのPDFに結合すべきか、それとも1枚ずつ分割して管理すべきかという疑問はよく聞かれます。

この記事では、それぞれの管理方法のメリットとデメリットを比較し、電子帳簿保存法の要件に合わせた最適な管理方針を見つけるための考え方を解説します。

具体的な操作手順と注意点も紹介しますので、自社に合ったPDF管理の「正解」を見つける参考にしてください。

【要点】電子帳簿保存法対応における領収書PDF管理の選択肢

  • 結合管理: 複数の領収書PDFを1つのファイルにまとめることで、ファイル数を減らし、保管場所の整理を容易にします。
  • 分割管理: 領収書PDFを1枚ずつ個別のファイルとして保存することで、ファイル名による検索性を高め、個々の証拠能力を明確に保ちます。
  • 管理方針の決定: 電子帳簿保存法の「真実性の確保」「可視性の確保」という要件を満たしつつ、自社の業務フローとシステム環境に最適な方法を選択することが重要です。

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電子帳簿保存法におけるPDF領収書管理の考え方

電子帳簿保存法では、電子データで保存された書類に対して「真実性の確保」と「可視性の確保」という二つの主要な要件を求めています。

領収書PDFの結合管理と分割管理は、これらの要件にそれぞれ異なる影響を与えます。

どちらの方法を選ぶにしても、最終的にはこれらの要件を満たせるように運用することが重要です。

真実性の確保とは

真実性の確保とは、保存された電子データが改ざんされていないこと、また、改ざんがあった場合にその履歴が残ることを指します。

具体的には、タイムスタンプの付与、訂正や削除の履歴が残るシステムの利用、または改ざん防止のための事務処理規定の整備などが求められます。

領収書PDFを結合したり分割したりする操作は、元のPDFに付与されていたタイムスタンプの有効性や、改ざん防止の観点から慎重に検討する必要があります。

可視性の確保とは

可視性の確保とは、保存された電子データをいつでも視認でき、必要に応じて検索できる状態を保つことを意味します。

具体的には、ディスプレイやプリンタで明瞭に出力できること、取引年月日、取引金額、取引先名で検索できる機能の確保が求められます。

結合されたPDFはファイル内検索が有効ですが、ファイル数が少ないため目的のファイルを見つけやすいというメリットがあります。

一方、分割されたPDFはファイル名に検索項目を含めることで、ファイルシステム上での検索性を高めることができます。

領収書PDFを結合・分割する具体的な操作手順

領収書PDFを効率的に管理するためには、PDFを結合したり分割したりする操作を習得することが役立ちます。

ここでは、主要なPDF編集ソフトであるAcrobat Readerと、一般的なスマホPDFアプリでの操作手順を解説します。

EdgeにはPDFの結合や分割機能が標準では搭載されていないため、他のツールを利用する必要があります。

Acrobat Readerでの結合・分割操作

Acrobat Readerの有料版であるAcrobat StandardまたはProを使用すると、PDFの結合や分割が可能です。

PDFを結合する手順

  1. Acrobatを起動する
    Acrobat StandardまたはProを起動し、「ツール」タブをクリックします。
  2. 「ファイルを結合」ツールを選択する
    ツールの一覧から「ファイルを結合」を探して選択します。
  3. ファイルを追加する
    「ファイルを追加」ボタンをクリックし、結合したい複数のPDFファイルを選択します。
  4. ファイルの順序を調整する
    追加されたファイルのサムネイルをドラッグアンドドロップで並べ替え、結合する順序を調整します。
  5. ファイルを結合する
    「結合」ボタンをクリックすると、選択したPDFファイルが1つのファイルとして結合されます。
  6. 結合されたPDFを保存する
    結合が完了したら、「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」を選択し、新しいPDFファイルを保存します。

PDFを分割する手順

  1. AcrobatでPDFを開く
    分割したいPDFファイルをAcrobat StandardまたはProで開きます。
  2. 「PDFを整理」ツールを選択する
    「ツール」タブをクリックし、「PDFを整理」を選択します。
  3. 「分割」機能を選択する
    「PDFを整理」ツールバーの「分割」アイコンをクリックします。
  4. 分割方法を設定する
    「分割方法」ダイアログボックスで、ページ数、ファイルサイズ、またはトップレベルのしおりの数に応じて分割するオプションを選択します。
  5. 出力オプションを設定する
    分割後のファイルの保存先やファイル名の命名規則を設定します。
  6. PDFを分割する
    「OK」ボタンをクリックすると、設定に従ってPDFファイルが複数のファイルに分割されます。

スマホPDFアプリでの結合・分割操作

iPhoneやAndroidのPDFアプリでも、結合や分割機能を持つものがあります。ここでは、Adobe Acrobat Readerモバイル版を例に解説します。

iPhone・AndroidでPDFを結合する手順

  1. Acrobat Readerアプリを開く
    iPhoneまたはAndroidでAdobe Acrobat Readerアプリを起動します。
  2. ファイルを選択する
    結合したいPDFファイルをアプリ内で開きます。
  3. ツールメニューを開く
    画面下部または右上のメニューアイコンをタップし、ツールメニューを開きます。
  4. 「ファイルを結合」を選択する
    ツールの一覧から「ファイルを結合」を探してタップします。
  5. 他のファイルを追加する
    結合したい他のPDFファイルをストレージやクラウドから選択して追加します。
  6. 結合の順序を調整する
    ファイルのサムネイルをドラッグアンドドロップで並べ替え、結合する順序を調整します。
  7. 結合して保存する
    「結合」または「完了」ボタンをタップし、結合された新しいPDFファイルを保存します。

iPhone・AndroidでPDFを分割する手順

Adobe Acrobat Readerモバイル版には、PDFをページ単位で分割する機能は直接搭載されていません。

ページの抽出機能を利用して、実質的に分割操作を行うことが可能です。

  1. Acrobat ReaderアプリでPDFを開く
    分割したいPDFファイルをアプリで開きます。
  2. ツールメニューを開く
    画面下部または右上のメニューアイコンをタップし、ツールメニューを開きます。
  3. 「ページを整理」を選択する
    ツールの一覧から「ページを整理」を探してタップします。
  4. ページを抽出する
    分割したいページを選択し、「抽出」アイコンをタップします。
  5. 抽出されたページを保存する
    抽出されたページが新しいPDFファイルとして作成されるので、これを保存します。
  6. 必要なページを繰り返す
    必要なページごとにこの操作を繰り返すことで、元のPDFを複数のファイルに分割できます。

領収書PDFの結合・分割における注意点とよくある誤解

電子帳簿保存法に対応したPDF管理では、単にファイルを操作するだけでなく、いくつかの重要なポイントを理解しておく必要があります。

特に、タイムスタンプの取り扱いやファイル名の付け方、データ容量は管理に大きく影響します。

タイムスタンプの取り扱い

電子帳簿保存法では、PDFにタイムスタンプを付与することで、その時点でのデータが存在し、改ざんされていないことを証明します。

複数の領収書PDFを結合した場合、元の個々の領収書に付与されていたタイムスタンプの有効性が失われる可能性があります。

結合後に新たにタイムスタンプを付与する必要がありますが、その場合、元の領収書の受領日とタイムスタンプの日付に乖離が生じる可能性があります。

分割した場合は、元のPDFのタイムスタンプが維持されることが一般的ですが、分割された個々のファイルが独立した証拠能力を持つかは、法的な解釈やシステムの仕様に依存するため、専門家への確認が推奨されます。

ファイル名の付け方と検索性

電子帳簿保存法では、取引年月日、取引金額、取引先名での検索機能の確保が義務付けられています。

分割管理の場合、ファイル名にこれらの情報を盛り込むことで、ファイルシステム上での検索性を大幅に向上させることができます。

例えば、「20231026_株式会社A_15000円_交通費.pdf」のような命名規則を定めることで、目的の領収書を素早く見つけられます。

結合管理の場合も、結合ファイル名に期間や特定のテーマを含めることで、ある程度の検索性は確保できますが、個々の領収書の詳細検索はファイルを開いて行う必要があります。

データ容量と管理システムへの影響

複数の領収書を結合して1つのPDFにすると、ファイル数は減りますが、1ファイルあたりのデータ容量は増加します。

特に画像データが多い領収書の場合、大容量のPDFファイルはシステムの処理速度を低下させたり、ネットワーク負荷を増大させたりする可能性があります。

一方で、分割管理ではファイル数は増えるものの、1ファイルあたりの容量は小さく保たれます。

使用している会計システムや文書管理システムが、大容量ファイルと多数のファイルのどちらの管理に適しているかを確認し、システムへの影響も考慮して選択することが重要です。

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結合管理と分割管理のメリット・デメリット比較

領収書PDFの管理方法として、結合管理と分割管理にはそれぞれ利点と欠点があります。

自社の業務フローや電子帳簿保存法の要件に照らし合わせ、最適な方法を選択するための比較表です。

項目 結合管理(複数領収書を1ファイルに) 分割管理(領収書を1枚ずつファイルに)
ファイル数 少ない 多い
ファイルあたりの容量 大きい 小さい
管理のしやすさ 物理的なファイル管理が容易 ファイル名での分類・管理が容易
検索性 ファイル内検索が中心。ファイル数が少ないため目的のファイルを見つけやすい ファイル名での検索が中心。ファイルシステム上での検索性が高い
タイムスタンプ 元のタイムスタンプが失われる可能性があり、結合後に再付与が必要な場合がある 元のタイムスタンプは維持されることが一般的だが、個別の証拠能力は要確認
証拠能力 結合操作の履歴管理や、結合後のタイムスタンプ付与が重要 個々の領収書が独立した証拠として扱いやすい
システム連携 大容量ファイルの処理に対応したシステムが必要な場合がある 多数のファイルを効率的に管理できるシステムが必要

まとめ

この記事では、電子帳簿保存法に対応するための領収書PDFの結合管理と分割管理について、それぞれのメリット・デメリット、具体的な操作手順、注意点を解説しました。

Acrobat ReaderやスマホPDFアプリを使ったPDFの結合・分割操作を習得することで、より効率的な文書管理が可能になります。

自社の業務フローや利用している会計システム、タイムスタンプの運用方針を考慮し、電子帳簿保存法の要件を満たせる最適なPDF管理方法を選択してください。

今回学んだ知識を活かして、ファイル名の命名規則の策定や、タイムスタンプ付与の運用フローの見直しを進めましょう。

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この記事の監修者
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超解決 第一編集部

疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。