【Teams】Branch Office Survivability(BOSS)でインターネット切断時も通話可能にする手順

【Teams】Branch Office Survivability(BOSS)でインターネット切断時も通話可能にする手順
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Microsoft Teams会議中にインターネット接続が切断されたら、会議を継続できず困りますよね。

Branch Office Survivability(BOSS)機能を使えば、インターネットが一時的に切断されてもTeams通話が可能です。

この記事では、BOSS機能の設定方法と、インターネット切断時の挙動について詳しく解説します。

ビジネスの継続性を高めるための設定を理解し、スムーズなコミュニケーションを実現しましょう。

【要点】Branch Office Survivability(BOSS)でTeams通話をインターネット切断時も維持する

  • Branch Office Survivability(BOSS)の有効化: インターネット接続が不安定な環境でもTeams通話を継続できるようにします。
  • Teams PowerShellモジュールの利用: BOSS機能の設定には、Teams PowerShellモジュールが必要です。
  • 通話ポリシーの設定: BOSS機能の有効化は、Teamsの通話ポリシーを通じて行います。

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Branch Office Survivability(BOSS)とは

Branch Office Survivability(BOSS)は、Microsoft Teamsの機能の一つです。

これは、支店などの拠点において、インターネット接続が一時的に失われた場合でも、Teamsの音声通話やビデオ通話を継続できるように設計されています。

通常、Teamsの機能はインターネット経由でMicrosoft 365クラウドに接続して動作します。

しかし、ネットワーク障害やプロバイダーの問題でインターネットが切断されると、Teamsの通話機能も利用できなくなります。

BOSS機能は、このような状況下でも、拠点内のローカルネットワークに接続されたデバイス間で通話が可能な状態を維持します。

これにより、重要な会議や通話が中断されるリスクを大幅に軽減できます。

ただし、BOSS機能はTeamsのすべての機能を提供するものではありません。

チャット、ファイル共有、会議への参加(インターネット接続がない場合)などは利用できません。

あくまで、ローカルネットワーク内での音声・ビデオ通話の継続に特化した機能です。

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BOSS機能の仕組みと前提条件

BOSS機能の仕組みは、Teamsクライアントがローカルネットワーク上の専用のゲートウェイデバイス(または、それをエミュレートするソフトウェア)と直接通信できるようにすることです。

このゲートウェイデバイスは、インターネット接続がない場合でも、ローカルネットワーク内の他のTeamsデバイスと接続を確立します。

つまり、インターネットを通さずに、拠点のLAN内で通話がルーティングされるようになります。

この機能を利用するには、いくつかの前提条件があります。

前提条件1: ネットワーク環境

BOSS機能が動作するには、拠点内に適切なネットワーク構成が必要です。

具体的には、Teamsクライアントがローカルネットワーク上のゲートウェイデバイス(または、それを実行するサーバー)と通信できる必要があります。

このゲートウェイデバイスは、通常、オンプレミスのセッションボーダーコントローラー(SBC)として構成されます。

SBCは、IP電話システムとVoIP(Voice over Internet Protocol)ネットワーク間のインターフェイスとして機能します。

BOSS機能のために、SBCはTeamsと互換性があり、ローカル通話をサポートしている必要があります。

SBCがインターネット切断時にローカル通話を仲介できるように、正しく設定されていることが不可欠です。

また、ネットワークセグメンテーションやファイアウォール設定も、ローカル通信が妨げられないように構成する必要があります。

前提条件2: ライセンスと権限

BOSS機能自体は追加のライセンスを必要としません。

Microsoft Teamsのライセンスがあれば利用可能です。

しかし、この機能を有効にするには、Microsoft Teamsのグローバル管理者権限またはTeamsサービス管理者権限が必要です。

Teams PowerShellモジュールを使用して設定を行うため、これらの権限を持つアカウントでPowerShellに接続する必要があります。

組織によっては、ネットワーク管理者がSBCの設定を担当する場合もあります。

そのため、Teams管理者とネットワーク管理者の連携が重要になります。

前提条件3: Teamsクライアントのバージョン

BOSS機能は、特定のバージョンのTeamsクライアントでサポートされています。

通常、最新バージョンのTeamsデスクトップクライアント(WindowsおよびMac)で利用可能です。

Web版Teamsやモバイル版Teamsでは、この機能はサポートされていません。

したがって、BOSS機能を利用するユーザーは、必ず最新のデスクトップクライアントを利用している必要があります。

組織のデバイス管理ポリシーによって、クライアントのバージョンが自動更新される設定になっているか確認しましょう。

古いバージョンのクライアントを使用している場合、インターネット切断時に通話が維持されない可能性があります。

Teams PowerShellを使用したBOSS機能の有効化手順

BOSS機能は、Teams PowerShellモジュールを使用して、特定の通話ポリシーで有効化します。

以下に、その手順を詳しく説明します。

ステップ1: Teams PowerShellモジュールのインストールと接続

まず、Teams PowerShellモジュールがコンピューターにインストールされていることを確認します。

インストールされていない場合は、管理者権限でPowerShellを開き、以下のコマンドを実行してインストールします。

  1. PowerShellを管理者として実行
    Windowsの検索バーに「PowerShell」と入力し、「Windows PowerShell」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
  2. Teams PowerShellモジュールのインストール
    開いたPowerShellウィンドウに、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
    Install-Module -Name MicrosoftTeams -Force
    ※インストール中に確認を求められた場合は、「Y」を入力して続行します。
  3. Teamsへの接続
    モジュールのインストールが完了したら、以下のコマンドでTeamsに接続します。
    Connect-MicrosoftTeams
    実行すると、サインイン画面が表示されますので、Teamsの管理者アカウントの資格情報(メールアドレスとパスワード)を入力してサインインします。

ステップ2: BOSS機能を有効にする通話ポリシーの作成または編集

BOSS機能は、Teamsの通話ポリシー(Calling Policy)で設定されます。

既存のポリシーを編集するか、新しいポリシーを作成して、BOSS機能を有効にするのが一般的です。

ここでは、新しいポリシーを作成する手順を示します。

  1. 新しい通話ポリシーの作成
    以下のコマンドを実行して、新しい通話ポリシーを作成します。
    New-CsTeamsCallingPolicy -Identity "BOSS_Enabled_Policy" -AllowIPVoiceOutboundRouting $true -EnableBurstTransfer $true -AllowSupplementaryVoiceFeatures $true
    ※「BOSS_Enabled_Policy」は任意のポリシー名に変更可能です。
    -AllowIPVoiceOutboundRouting $true は、IP音声のルーティングを許可します。
    -EnableBurstTransfer $true は、帯域幅が限られている場合に音声パケットの転送を優先します。
    -AllowSupplementaryVoiceFeatures $true は、補助的な音声機能を許可します。
  2. BOSS機能の有効化設定
    作成したポリシーに対して、BOSS機能を有効にするための設定を行います。
    以下のコマンドを実行します。
    Set-CsTeamsCallingPolicy -Identity "BOSS_Enabled_Policy" -EnableBranchOfficeSurvivability $true
    -EnableBranchOfficeSurvivability $true がBOSS機能を有効にするための主要な設定です。

ステップ3: ユーザーへのポリシーの割り当て

作成または編集した通話ポリシーを、BOSS機能を利用させたいユーザーに割り当てます。

個別のユーザーに割り当てる方法と、グループに割り当てる方法があります。

ここでは、個別のユーザーに割り当てる例を示します。

  1. ユーザーへのポリシー割り当て
    以下のコマンドを実行して、指定したユーザーに作成したポリシーを割り当てます。
    Grant-CsTeamsCallingPolicy -Identity "user@yourdomain.com" -PolicyName "BOSS_Enabled_Policy"
    ※「user@yourdomain.com」は、ポリシーを割り当てるユーザーのUPN(User Principal Name)に置き換えてください。

複数のユーザーに割り当てる場合は、ループ処理などを使用して一括で実行することも可能です。

例えば、特定の部署のユーザー全員に割り当てる場合は、Get-CsOnlineUserコマンドレットと組み合わせたスクリプトを作成すると効率的です。

ステップ4: 設定の確認と反映

設定変更は、通常数分から数時間で反映されます。

設定が反映されたか確認するには、以下のコマンドレットを使用します。

  1. ユーザーに割り当てられたポリシーの確認
    以下のコマンドを実行すると、指定したユーザーに適用されているTeams通話ポリシーが表示されます。
    Get-CsTeamsCallingPolicy -Identity "user@yourdomain.com"
    ※「user@yourdomain.com」は確認したいユーザーのUPNに置き換えてください。

出力結果の「EnableBranchOfficeSurvivability」が「True」になっていれば、設定は正しく適用されています。

ユーザー側では、Teamsクライアントを再起動することで、新しいポリシーが適用される場合があります。

それでも反映されない場合は、しばらく待つか、IT管理者に相談してください。

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インターネット切断時の挙動と注意点

BOSS機能が有効になっている状態でインターネット接続が切断された場合、Teamsクライアントはローカルネットワーク上のSBCに接続を試みます。

SBCが正しく構成されていれば、ローカルネットワーク内の他のTeamsデバイスとの間で音声通話やビデオ通話が継続されます。

これは、インターネットを介さずに、SBCがローカルIPアドレスで通信を仲介するためです。

しかし、この機能にはいくつかの制限事項と注意点があります。

注意点1: 利用可能な機能の制限

BOSS機能は、あくまで音声・ビデオ通話の継続に特化しています。

インターネット接続がない状態では、以下の機能は利用できなくなります。

  • Teamsチャット(メッセージの送受信)
  • Teams会議への参加(インターネット接続がないため、クラウド会議に参加できない)
  • ファイル共有(OneDriveやSharePointへのアクセス不可)
  • プレゼンス情報の更新(オンライン/オフライン状態の表示)
  • 外部ユーザーとの通話(インターネット接続が必要なため)
  • Teams Phoneの高度な機能(例: voicemail to email)

つまり、インターネットが切断された状況は、ローカルネットワーク内でのみTeams通話ができる状態となります。

会議への参加やチャットによる情報共有はできなくなるため、その点を関係者間で共有しておくことが重要です。

注意点2: SBCの可用性と設定

BOSS機能の成否は、ローカルネットワーク上のSBCの可用性と正しさに依存します。

SBCが停止していたり、ローカル通話が適切に構成されていなかったりすると、インターネット切断時に通話が継続されません。

SBCの冗長化構成(複数のSBCを配置して、1台が故障してももう1台が機能する仕組み)も検討すると、より高い可用性を確保できます。

SBCのファームウェアが最新であることも、予期せぬ問題を避けるために重要です。

定期的なSBCのメンテナンスと監視が不可欠となります。

注意点3: デスクトップクライアントの必要性

前述したように、BOSS機能はTeamsデスクトップクライアント(Windows/Mac)でのみサポートされています。

Web版Teamsやモバイル版Teamsを利用しているユーザーは、インターネット切断時に通話が維持されません。

したがって、インターネット接続が不安定な環境で業務を行うユーザーには、必ずTeamsデスクトップクライアントの利用を徹底させる必要があります。

組織のIT部門は、ユーザーが最新のデスクトップクライアントを使用しているか定期的に確認し、必要であればアップデートを促す必要があります。

クライアントの自動更新ポリシーを設定しておくことも有効です。

注意点4: ネットワーク要件と帯域幅

ローカル通話であっても、SBCとTeamsクライアント間の通信には一定のネットワーク帯域幅が必要です。

特に、多くのユーザーが同時に通話を行う場合、SBCおよびローカルネットワークの帯域幅が不足すると、音声品質の低下や通話の切断が発生する可能性があります。

SBCのサイジング(必要な性能の選定)や、ローカルネットワークの設計において、十分な帯域幅を確保することが重要です。

また、SBCとTeamsクライアント間の通信が、ファイアウォールなどによってブロックされないように、ネットワーク設定を確認する必要があります。

Microsoftのドキュメントで推奨されているポートやプロトコルが、ローカルネットワーク内で許可されているか確認してください。

新しいTeams (v2) との互換性

新しいTeams (v2) は、従来のTeamsと比較して、パフォーマンスの向上やUIの変更などが施されています。

BOSS機能に関しては、新しいTeams (v2) でも引き続きサポートされています。

設定方法や挙動は、基本的には従来のTeamsと同様です。

Teams PowerShellモジュールを使用して通話ポリシーを設定する手順は変わりません。

ただし、新しいTeams (v2) では、一部の機能の提供方法や設定項目が変更される可能性があります。

最新のMicrosoftのドキュメントを確認し、新しいTeams (v2) 環境でのBOSS機能の利用に関する情報を常に把握しておくことが推奨されます。

新しいTeams (v2) に移行する際には、既存の通話ポリシー設定が意図した通りに機能するか、テスト環境で十分に検証することが重要です。

まとめ

Branch Office Survivability(BOSS)機能は、インターネット接続が不安定な環境でのTeams通話の継続性を保証する強力な機能です。

Teams PowerShellモジュールと通話ポリシー設定を通じて、この機能を有効化することで、ビジネスの重要なコミュニケーションを中断させないようにできます。

SBCの適切な設定と、ユーザーへのデスクトップクライアント利用の徹底が、BOSS機能の効果を最大化する鍵となります。

この設定を実装することで、予期せぬネットワーク障害発生時でも、拠点内での音声・ビデオ通話を維持し、業務の継続性を高めることができます。

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この記事の監修者
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超解決 リモートワーク研究班

Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。